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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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ー香典泥棒ー <沙耶ちゃんシリーズ>

2017.11.09 (Thu) Category : 創作作品

640名前:⑦⑦⑦ 2017/11/04(Sat)22:25:13
沙耶ちゃんがそういう子だと知ってから、思い出して合点が行ったことがある。
俺がコンビニでバイトを始めたばかりの頃、いつも0時を回ってから来る女の客がいた。

格好と化粧から想像するにキャバクラ嬢。
買う物は弁当とビールを1本。
コンビニって弁当を渡すときに一緒に箸を渡すだろ?
最初は俺も当然のように、キャバ嬢の袋に割り箸を入れた。そうしたら彼女、わざわざ

「家に帰って食べるから要りません」

って断るわけ。
エコなキャバ嬢だったね。
服の面積も最小限だったし。

ある日、少し早い時間に彼女が現れた。
レジにいたのは沙耶ちゃんだった。
俺は商品の棚に張り付きながら、沙耶ちゃんが箸を断られるだろう様子を観察していた。

沙耶ちゃんは箸を入れた。
なぜか2膳。
キャバ嬢は断らないんだ。
そのまま店を出て行く。
俺はキャバ嬢の後を目で追った。
彼女は駐車場の車の助手席に乗り込んだ。

「ああ、今日はデートかあ(笑)」

「そうらしいですね」

「箸2膳とは気を利かせたね」

「あの人がそうしてほしかったみたいなので」

そのときは沙耶ちゃんの神経の細かさに感心しただけだった。
でも、今考えると妙だったんだよな。
沙耶ちゃんは『彼女が普段一人で来ること』も『箸にこだわっていること』も知らなかったはずなんだから。
長い余談で悪い。
ここからが本題。



641名前:⑦⑦⑦ 2017/11/04(Sat)22:28:17
グラウンドでの一件があってから、俺と沙耶ちゃん、それに事情を話した梶も含めて、俺達はよく会話するようになった。
沙耶ちゃんが無口だったのは、見える自分と見えない俺達との感覚の食い違いが怖かったからだ。

夜中のコンビニは、たまに緊急の用を足しに来るヤツがいる。
香典袋と黒い靴下なんてその典型。
そういう客が来ると、俺達は沙耶ちゃんに

「亡くなったの誰だと思う?」

って霊感試しみたいなことをやった。
悪趣味だったなあ。
沙耶ちゃんは笑って答えなかったけどね。
でも1回だけ

「わからない」

ってはっきり答えたことがあったんだよ。
30代中盤ぐらいの男だったかな。

顔はもう忘れた。
黒靴下と黒いネクタイを買っていった客。
レジで対応しているときから沙耶ちゃんの様子はなんとなくおかしかった。
落ち着きがないっていうか、客と視線を合わせようとしない。
俺から見たら普通の客だったんだが。

沙耶ちゃんの困惑した様子に、俺と梶は俄然興味を惹かれちまった。
梶が客をそっと追っかけて、俺は沙耶ちゃんと留守番。

「お葬式に行くのに、あんなに何にも感じてない人って初めて・・・」

と沙耶ちゃん。
梶は30分ぐらいして戻ってきた。

「やばいわ、あれ」

俺 「何?変質的なん?」

梶 「つか・・・香典泥棒じゃ・・・」

俺 「マジ?なんで?」

梶 「途中で靴下履き替えてネクタイして、その先で通夜やってた家に入ろうとした」



642名前:⑦⑦⑦ 2017/11/04(Sat)22:30:38
すでに出入りの絶えていた喪中の家は玄関を開け放してあったらしい。
あの客は、少しためらったあと、門をくぐって玄関先に立った。

俺 「で、どうしたのよ?」

梶 「もちろん臨戦態勢でしょ。お客さん落し物ですよって声かけてやった」

俺 「おまえ、すげーな」

梶 「飛び上がって驚いてたよ。そのまま逃がしちゃったけど」

俺 「お手柄体育大生の称号を逃したなあ」

梶を持ち上げまくりながら、俺は沙耶ちゃんを横目で観察してた。
沙耶ちゃんは梶に憧憬のような視線を送りながら話に聞き入ってた。
・・・ちょっとだけムカついたね。
ただな・・・ああいう霊感の強い人間っていうのが上手く行くこともあったようだ。

後になって聞いた話だけど、霊感って都合のいいときだけ出し入れできるものじゃないんだって。
沙耶ちゃんにとっては霊体までひっくるめて『個人』だったみたいだ。

祖父さんが守護霊でついてる孫娘は男っぽく見えるし、軍人の家系は本人がどんなに物腰が柔らかくても高圧的に感じるらしい。

背後の霊に好かれたから、本人とはそれほど気が合わなくても、人間関係が上手く行くこともあったようだ。

そんなわけのわからない世界の中で、沙耶ちゃんが良識を保っていられたのは、彼女の人格がものすごく高次元のものだったからだと俺は思ってる。


(※⑦⑦⑦さんからの投稿です。ありがとうございました)









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ー坊主ー <沙耶ちゃんシリーズ>

2017.10.30 (Mon) Category : 創作作品

616:⑦⑦⑦:2017/10/26(Thu)22:02:39
いまはもう30代も後半に突入している俺ですが、20代の終わり頃に正規の仕事を辞めてフリーターしてた頃があったんだ。
夜の方がいい金になるんで、コンビニの深夜アルバイトをしてたりしてね。

ある大手に勤めていた時のこと。
俺の入る23時からのシフトには、主に梶っていう体育大生と沙耶っていう女子大生がいたんだ。
梶はまあ、鍛えてるだけあって見た目からごついヤツで、性格も陽気だった。
一方で沙耶ちゃんは、陰気ってわけじゃないが、無口で会話は弾まなかった。
顔はめちゃめちゃ可愛かったんだけどね。

朝までの俺達と違って沙耶ちゃんは0時上がりだった。
近くに住んでるらしかったけど、なんとなく心配ではあった。
若い女の子だし。
梶もいつも

「気をつけて帰れよ」

って声かけてたな。
確かバイトを始めて半年ぐらいの頃だったと思う。
夕方のシフトのヤツが欠勤したとかで俺にヘルプの要請が来たのよ。
17時から0時まで。

梶と沙耶ちゃんはいつも通りだったから、その日は沙耶ちゃんと同時に退勤することになったわけね。
一緒に店は出たんだけど、改めて
「送ってくわ」
ってのもなんか言いづらかったんで、彼女のあとについて歩いたんだわ。
逆方向だったんだけど。

ちょっと歩くと左手に公園、つか、グラウンドがある。
なんでか彼女、その敷地に入ってく。
入り口は1つしかないから、中を突っ切って近道するとも考えられないんだが。
グラウンドの一角に、トイレと、雑草にまみれたブランコがあった。
『ああ、トイレか』
と思って、グラウンドの入り口で立ち止まって待った。

だけど彼女、ブランコに行くんだ。
2つある右側に座って、なんつーか・・・アンニュイな雰囲気を漂わせてる。
思い切ってそばに行って訊いてみた。



617:⑦⑦⑦:2017/10/26(Thu)22:04:48
「何してんの?帰らんの?」

そしたらさあ、彼女、隣のブランコを見ながら言うんだよ。

「この子と話をしてあげないと、淋しがって他の子供を連れて行っちゃうから」

誰も乗ってないんだけどねえ、そのブランコ。
でもまあ、俺も
『沙耶ちゃんって見える人だったんだな』
ぐらいで納得した。
ほら、こんな板に来てるぐらいだから。
面倒なんで、後は会話形式にさせてもらうな。

「何歳ぐらいの子供よ?男?」

「小学5年生・・・って、何歳?男の子だよ」

「なんで死んだの?交通事故?」

「ううん・・・池に落ちたんだって・・・」

沙耶ちゃんの通訳によると、そのボウズは母子家庭で、母親は夜遅くまで仕事だったようだ。
ある晩、一人で留守番をしてたボウズは、近所の沼にザリガニを捕りに行こうと思いついた。
昼間にでかい蟇蛙をつかまえていたんで、エサにすればかなりの釣果が期待できるはずだった。
泥に足を取られて沈んだボウズの体は、数日浮き上がることもできなかったらしい・・・

俺は思わず、空いている方のブランコに向かって言った。

「ドジだなあ、ボウズ(笑)」

すると、右腕のあたりから、子ども特有の甲高い声が聞こえた。

「しね」

全身に鳥肌が立ったな。
沙耶ちゃんが慌てた様子で俺の右腕にしがみついてきた。
そのまま公園の外に引っ張っていかれて、真剣に叱られたよ。
意外にいい人だね、彼女。
職なしでごく潰しの俺なんか、憑り殺されようが誰も悲しまないんだが。

幸い、というか、ボウズは俺にも公園利用者にも何もしなかった。
沙耶ちゃんが言うには、それ以来、姿が消えたらしい。
今でもたまに花を供えてるのは、恥ずかしいから内緒な。

(※⑦⑦⑦さんからの投稿です。ありがとうございました)








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手紙

2017.10.11 (Wed) Category : 創作作品

152:手紙(1):2006/08/31(木)19:30:12ID:rL5CD+SJ0
※注:この話はフィクションです。出てくる人物名は実在する人物とは一切関係ありません。


B級百物語 第三話『手紙』

翔太(仮名)は、近頃よく届く妙な手紙に悩まされていた。
手紙自体は何の変哲もないただのはがきである。
ただ、その文面が問題なのだ。
「本当に好きだったのに」

差出人も…その住所すらも書いていない手紙。
裏面に、簡素に一言書かれただけの手紙。
「ずっと側に居たかったな」

誰が送ってくるのか。ある程度見当はついていた。
しかし…翔太には理解できなかった。
「私には貴方だけだったの」

だってその相手は…既にこの世に居ないのだから。

翔太は2ヶ月ほど前まで、ある女性とつきあっていた。彼女の名前は恵(仮名)。
二人の仲は至って良好だった。
休日のたびにどこかへ遊びに出かけ、夜にはホテルで身体を重ねた。
翔太は恵を愛していたし、恵もまた翔太を愛していた。

しかし…破局は唐突に訪れる。"予期せぬ死"という形で。
翔太が病院に着いたとき、恵は既に息絶えていた。
バイト帰り、信号無視のトラックにはねられたらしい。
犯人は捕まっており、事故は一応解決したと言える。
しかし、翔太の心が整理されるまでにはそれなりの時間を要した。

事故から1ヶ月が過ぎた頃である。
一通の差出人不明の手紙が、翔太の元へ届いた。
「調子はどう?」
一言。たった一言だけ書かれた手紙である。
しかし翔太にはすぐわかった。
翔太(…恵の…字だ…!)

ちょっと丸い感じの見慣れた字。
それは明らかに翔太のよく知る彼女の書いた文字であった。
そう…理屈の上では理解できた。
しかし…恵が死んだのは紛れもない事実なのである。
翔太(…性質の悪い悪戯だな。)
翔太は手紙を丸めると、くずかごに放り込んだ。



153:手紙(2):2006/08/31(木)19:32:20ID:rL5CD+SJ0
それからさらに1ヶ月が経った現在。
未だにその悪戯は続いているのだ。
「貴方のこと、ずっと見てる。」

相変わらず一言。差出人不明。
その手紙は、3日に一度は必ず届くのである。
翔太の我慢もいい加減限界であった。
段々とストーカーのような文面になってくる手紙は不気味で仕方がない。

郵便受けを壊してしまおうかとも思ったが…新聞や、普通の手紙が届かなくなっては困るので思いとどまった。
翔太は手紙を無視するようになった。
定期的に中身を捨てるとき以外、郵便受けにも近寄らなくなった。

翔太が郵便受けを見なくなってからしばらく経った。
翔太はようやく恵のことを忘れ、新しい恋に落ちていた。

会社の同僚。朝出勤してから夜帰社するまで顔を合わせる相手である。
自然と、スキンシップをとることも多かった。
そのうち二人は深い関係を持った。
いつかのホテルで一時を過ごし…真夜中、翔太は帰宅した。

家についてすぐ、異変に気付いた。
定期的に中身を出していたはずの郵便受けが…大量の手紙で、今にも溢れ出しそうになっていた。
…取らずにはいられなかった。
翔太は、その内の一通を引っ張り出し、恐る恐る裏面を見た。
「許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない」

赤いインクでべっとりと書かれた「許さない」の文字。
翔太は思わず手紙を取り落とした。
すると、はがきに黒い文字が浮かび上がってきた。
「これから会いに行くよ」



154:手紙(3):2006/08/31(木)19:33:30ID:rL5CD+SJ0
翔太は急いで家の中に飛び込み、鍵を閉めた。
そして寝室に飛び込み…戦慄した。
恵「…おかえり…翔太。」

目の前に、紛れもなく"彼女"が立っている。
あのとき死んだはずの…"彼女"が。
翔太「…な、何しに…何しに来たんだよ…」

震える声で問いかける翔太に、恵は無機質な笑顔を見せる。
恵「ずっと…ずっと、会いたかったんだよ?翔太も私のこと、ずっと待ってくれてるんだと思ったのに…」

恵の右手に、何か怪しく光る物が握られていた。凝視しなくてもわかる。カッターナイフだ。
翔太の顔に冷や汗が滲む。
恵「…一緒に来てよ。私、翔太と一緒に居たい!」

恵がカッターナイフを振りかざした。
一歩一歩、ゆっくりと翔太に近づく。
翔太は、何も言えなかった。動くこともできなかった。
ただ、恐怖に捕らわれていた。

…翔太の頭に走馬灯が走る。
何故だろうか、このような状況にも関わらず…翔太の脳裏をよぎるのは、恵との楽しい思い出ばかりだった。

一緒に行った遊園地だとか、そんな他愛のない思い出だった。
でもそれは…大切な、思い出だった。翔太は、きっと目を見開いた。
翔太「…もう、やめてくれ!お前は…お前はそんな奴じゃなかった!」

本心の言葉だった。
一緒に居た頃の恵は、いつも優しく自分のことを考えていてくれた。
翔太「そうやって自分のことしか考えない奴じゃなかっただろ!俺は…そんな風になった恵を見たくないよ!」

恵の足が止まった。
その表情は無機質で、何も読み取れない。
翔太「お前は死んだんだ!…でも俺は、俺は本当にお前が一番好きだった!」
翔太は、あらん限りの声で叫んだ。
死の恐怖と隣り合わせにも関わらず…恵が死んだとき、伝えられなかった…伝えたかった言葉だった。
翔太「…俺は、お前のこと、忘れてなんかいない!ずっとお前のことを好きでいる!」

再び沈黙。恵は困惑したような表情を見せた。
しかしやがて…一筋の涙が、その頬を伝うと共に、恵は口を開いた。
恵「…ありがとう。」

やっぱり、一言だった。
その一言を言い残し、恵はゆっくりとその姿を薄れさせていった。
翔太は放心し、立っていることすらできなかった。
だが、やがて…目を閉じ両手を合わせ…消えた幽霊の冥福を祈った。



155:手紙(4):2006/08/31(木)19:34:34ID:rL5CD+SJ0
朝が来た。
結局一睡もできなかった翔太は、布団から起き上がると、恵の消えた辺りにもう一度手を合わせた。
拝み終えた翔太は、新鮮な空気を吸おうと窓を開けた。
…丁度、郵便局の車が外を走り去っていくところだった。

翔太は、郵便受けを覗くために外へ出た。
朝の心地よい日差しが目に染みた。
郵便受けには、朝刊と…差出人不明のはがきが一通。
翔太は、何の気なしにその裏面を見た。
「昨日はどうもありがとう!まだ私のこと、好きでいてくれたなんて嬉しいな。今度は貴方が私に会いに来て!」

読み終えると同時に、すぐ側で轟音が響いた。
直後、カーブを曲がり損ねたトラックが、立ち尽くす翔太の元へと…





(´・ω・`)前スレで「時報」と「手袋」を書いたものです。
昨日の夜見事にアク禁を喰らって投下できなかったもの、投下しました。遅れてごめんなさい。
こっちのほうが読みやすいかと思い、架空の人物名を使ってみました。



156:本当にあった怖い名無し:2006/08/31(木)19:41:41ID:Jn+cD8Ak0
>>152
結構おもしろかったよ。
またヨロシク



160:本当にあった怖い名無し:2006/08/31(木)20:25:41ID:9J1S5chP0
>>152
面白かったよ。次も期待してます


引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?141
http://mimizun.com/log/2ch/occult/1156868933/152-160








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