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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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ー謎解きー <沙耶ちゃんシリーズ>

2017.11.21 (Tue) Category : 創作作品

839:まこと◆T4X5erZs1g:2008/08/17(日)23:50:44ID:ovpE2hAU0
<謎解き-1>
それからさらに何時間経った頃だろう。
また、台所から、包丁でまな板を叩く音がした。何かを不器用に刻む音。。。
沙耶ちゃんだ。今度は間違いない。

俺はベッドの上に飛び起きた。。。が。。。怖くて声をかけられなかった。
今度、手にかけるのが沙耶ちゃんだったら、と思うと。
たとえ幻覚でもそれだけは嫌だ。

ためらっていると、沙耶ちゃんが気づいて、台所から顔を覗かせた。
「起こしちゃいました?」
彼女の表情に異変がないところを見ると、惨劇の跡は視えないようだ。

。。。よかった。彼女が能力を失くしていてくれて。
バイトの前に時間があったからわざわざ来てくれたのだと言う。
時計を見ると、午後4時に差しかかっていた。
。。。ほんとに、一日中寝てたんだな、俺。
オムライスを作れるようになった沙耶ちゃんを心の底から誉めてやってww、一緒に食卓に着いた。



840:まこと◆T4X5erZs1g:2008/08/17(日)23:51:18ID:ovpE2hAU0
<謎解き-2>
不思議なもんだ。
こうやって沙耶ちゃんを間近に見ていると、不安やイライラといった負の感情がなくなっていく。
逆か。。。ずっと沙耶ちゃんと一緒にいたおかげで、俺は、自分が穏やかな人間だと勘違いしてたんだ。
さっきの由香さんの頚骨の感触を思い出して暗澹たる気分になる。
俺の本性は、たぶん、あっちのほうだ。。。

他愛のない話に夢中になっている沙耶ちゃんに相槌を打ちながら、俺は、彼女と別れることを考えていた。
自分をコントロールできない今は、彼女を俺から引き離したい。
俺にとっては必要な人だけどね。そう思うことはエゴだろ。

「沙耶ちゃん、少し距離を置こうか」
案外すんなり言葉にできた。。。。本音はすっげえ悔しいんだけどねw
だってさあ、俺、こういう関係を何年も待ってたんだぜ。
沙耶ちゃんは困った顔をして、それから怒った顔をして、最後に泣きそうになった。
「なんでですか?」
あ。理由を考えるの、忘れてたな。。。



841:まこと◆T4X5erZs1g:2008/08/17(日)23:51:52ID:ovpE2hAU0
<謎解き-3>
機転を利かせる能力のなかった俺は、けっきょく、沙耶ちゃんに正直に話した。
怖がらせるか軽蔑されるかだと思ったが、沙耶ちゃんは真剣な表情で取り合ってくれた。

「まるで人間のパズルを作ってるみたいですね」
そういう彼女に
「その言い方、軽すぎww」
と訂正する。

俺にとっては頭がおかしくなりそうなほどのショックなんだ。
沙耶ちゃんは申しわけなさそうに笑って、テレビの前に放置してあった広告を拾い、裏にメモりはじめた。
『右腕』『上半身』『左腕』『左足』『右足』『下半身』『頭』。
「なあ。。。」
彼女が拾い集めた人体のパーツが断定的だったので、不思議に思って聞いてみた。
「なんでその位置で切断なわけ?」

沙耶ちゃんは当たり前のように
「だって、バラバラにされた遺体だったら、普通はこういう切り方でしょう?」
と答えた。



842:まこと◆T4X5erZs1g:2008/08/17(日)23:52:37ID:ovpE2hAU0
<謎解き-4>
なんでそれに気づかなかったんだ。
俺って、際限のない馬鹿かもしれない。
パソコンを開いて、検索窓に、カリノがいたトンネル名とバラバラ遺体と打ち込む。

出た。
一番目にヒットしたURLをクリックすると、2chのオカルトスレにつながった。
おいおいw 全然信用できない情報じゃないか。
ページを繰って、やっと事件概要を探し当てる。もう数十年前のことらしい。
『上半身と下半身も切断された』
白骨体。ビンゴって感じだ。

沙耶ちゃんに確認してみる。
「あのトンネル、カリノ以外にも霊が視えた?」
沙耶ちゃんはあいまいに頷きながら
「数体が視えましたけど、どれも古くて消えかかってるって感じで。。。どんな人なのかもわかりませんでした」
と返事をする。

なんだか妙だな。そんな弱い霊が、こんな激しい霊障を起こすもんなのか?
沙耶ちゃんが答えをくれた。
「ああ。それはまことさんのせいだと思います。カリノさんを浄化するときに的確なことをしてあげたでしょ。それを見てた他の人が、自分もしてほしくなったんです、きっと」
。。。なんて他力本願なヤツなんだorz



843:まこと◆T4X5erZs1g:2008/08/17(日)23:53:21ID:ovpE2hAU0
<謎解き-5>
「あと5つ残ってますけど。。。どうします?」
と沙耶ちゃんが残パーツ数を数えながら言った。
「パスパスっ!あんな幻覚はもうゴメンだよ」
俺は激しく首を振った。

「それで済むでしょうか」
不吉なことを言う沙耶ちゃんの意見は、たぶん正しい。
俺が集め終わるまでは、この白骨体は俺から離れていかない気がする。
「。。。いっそ、気に入らないヤツを5人ピックアップして、八つ裂きにするというのも手かな」
半分以上本気で言うと、沙耶ちゃんが引き攣りながら俺を見た。
「まことさんとケンカしたら殺されるかも」

俺は真面目に言った。
「そういうことを避けるために、今は俺のそばにはいないほうがいいよ」
沙耶ちゃんは軽く答えた。
「でもいます。別れるの、ヤダもん」
いい子だね、まったくw

たかが妄想だ。本当に人殺しするわけじゃない。
気持ちさえしっかり持っていれば問題ない。
俺は霊ってものをまだまだ甘く見ていたんだ。



引用元:【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ4【友人・知人】
https://hobby11.5ch.net/test/read.cgi/occult/1216318669/839-843









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ー欠損ー <沙耶ちゃんシリーズ>

2017.11.20 (Mon) Category : 創作作品

789:まこと◆T4X5erZs1g:2008/08/16(土)12:10:39ID:MNlUnZjU0
<欠損-1>
前回の<妄想>の続編になる。
こうやって書いてみると、あの頃は意外なほどの密度で毎日が過ぎていたんだな。
話も長丁場になるので、スルーなりなんなりでやり過ごしてもらえたらありがたいです。


鬱な気分も、少しでも眠れば回復できるようで、1時間後に目を覚ましたときには、巡査や坊主のことは(寝ぼけてたんだな)と思うことができた。

店に戻り、サボったことを梶に詫びると、あいつはニヤニヤしながら耳打ちしてきた。
「衰弱するほどヤリまくっちゃダメっすよwww」
アホ(汗)。まだそこまで行ってないつーの。

客もいなかったので、そのままエロ話にもつれ込んだ。
梶の『年上の彼女』との秘戯wを聞き、俺の学生時代の初体験を脚色を交えて話す。
好みの顔やらフェチの話やらするうちに、つい、元職場での恥部をばらしちまった。
「俺さ、出版社に正社員でいるころ、主婦に手ぇ出したことがある」



790:まこと◆T4X5erZs1g:2008/08/16(土)12:11:27ID:MNlUnZjU0
<欠損-2>
彼女の名前は由香さんと言った。もちろん仮名。
俺がH先輩の下で働き出して3年ぐらい経ったときに、パート採用されてきた新婚の奥さんだ。

由香さんは妙に気の効く人で、俺が先輩に無茶を強いられて凹んでいたときに、こっそりと慰めてくれたりした。
俺は先輩に不信感を持つ一方で、由香さんを信頼するようになっていた。

ある年、忘年会で酔いつぶれた彼女を一足先に送り届けろという命令をされた俺は、由香さんを自分の車に乗せた。
少し走らせると、由香さんが
「気分が悪いから停めて」
と言う。

すぐ先にあった寺社の駐車場に入って、
「んん。。。」
となまめかしい呻き声を上げる由香さんの背中をさすった。

「東堂くんは、なんだかんだ言って、Hさんと仲がいいのね」
喘ぎながらそんなことを言う由香さんに、俺は思いっきり首を振る。
「んなわけないですよ」
由香さんは、かすかに笑って、いきなり体をねじり、俺のほうを向いた。

えっとね。。。俺は由香さんの背中に手を置いていたわけなんだよ。
それがくるっと半回転してきたもんだから、つまり。。。胸のふくらみを握るような形になっちゃったのね。
彼女は体をのけぞらせて、すばやく反応した。
俺は我慢できなくなって、彼女のおっぱいを蹂躙しながら服を脱がせた。

25だった彼女の体は、なぜか若さを感じさせなかったが、俺自身の経験が浅かったこともあって不問にした。
柔らかい局部に自身を挿入し、何も考えずに射精した。
彼女も避妊のことは一言も口にせずに、快感に身を委ねているようだった。



791:まこと◆T4X5erZs1g:2008/08/16(土)12:12:32ID:MNlUnZjU0
<欠損-3>
「それでそれで?」
梶が目を輝かせて聞いてくるww
「エロとしてはそれで終わり。でも、そのあとの由香さんの台詞がちょっと怖かった」
思い出して苦笑しながら、俺は続けた。

お互い満足感に包まれながら服を着て、座席に寝転がった。
俺は軽い眠気を感じていたが、由香さんはそうでもなかったようだ。ずっと喋り続けていた。
「もし妊娠したら、夫とは別れないといけないよね。東堂くん、結婚してくれる?」
「あー。。。いいですよ。俺、由香さん好きですしね(笑)」
「ほんとに?でも私、東堂くんより年上だよ」
「無問題。歳とか、関係ねーし」

俺にとっては由香さんであることが重要だったわけで、その他の条件なんかどうでもよかったわけだ。
結婚してることさえもね。
「ありがとう。東堂くんは、私をとても好きでいてくれるのね」
由香さんは目を潤ませながら抱きついてきた。
「。。。じゃあ、約束して」
と付け加える。
眠りかけている俺は、深く考えずに頷いた。

「もしね、私が離婚しなくて夫とずっと暮らすとしたら、東堂くんは新しい恋人を作るよね?それはいいの。でも、その子には絶対に避妊はしないで。私以上に大事にしたりしないで」

「怖い女っすね」
梶が肩をすくめた。
「うん。実際にすごく毒のある人だった」
と俺。

その後、由香さんはこれ見よがしに社内で俺に接触してきた。
体をすり合わせたり、他愛のない話を耳元で囁いたり。
噂が広がり、俺の立場が悪くなりかけた頃、H先輩がとどめをさしてきた。
「若年性ババアの抱き心地はどうだった?wwww」
ふだんからの恨みが積もってたからね。
思いっきりキレましたよ、俺。
H先輩を怒鳴りつけて、出社拒否に発展した。

その後、由香さんから電話が来た。
「やっとあいつに反抗したね。私、あいつ大っ嫌いなの。あーすっきりした」
H先輩に対する私怨的な内容だった。
彼女の目的はどこにあったんだろう。俺には今でもわからないや。



792:まこと◆T4X5erZs1g:2008/08/16(土)12:13:58ID:MNlUnZjU0
<欠損-4>
そんな思い出話でも、夕べの幻覚よりはだいぶ健全だったんで、退社する頃には気分はすっかり治っていた。
わざわざグランドまで行って、
「変なモノ渡しに来るな、くそ坊主」
と悪態をついてきたほどだったよww

自宅のアパートに帰って風呂を済ませると、疲労が頭のてっぺんまで回ってきた。
今日は出版社も沙耶ちゃんの学校も休みだ。夜のバイトまで寝てしまおう。
飯を食わずにベッドに倒れこむと、すぐに前後不覚になる。

何時間経った頃だろう。
台所から、包丁でまな板を叩く音がした。
何かをリズミカルに刻む音。

沙耶ちゃんが来て料理をしているのかと思った。
ごくごくたまにだが、突然訪ねてきてそういうことをしてくれるときがある。
もっとも、沙耶ちゃんは俺よりも手つきが悪いww

薄く目を開けると、台所との境のすりガラスには、たしかに女の立ち姿が映っていた。
「沙耶ちゃん?」
声をかける。。。。が、返事がない。

それに。。。それに、映っている姿は、明らかに沙耶ちゃんとは違っていた。
もっと背が高くて髪が短い。
警戒しながら半身を起こすと、向こうも気づいたようだった。
すりガラスの戸を開け、顔を覗かせる。

。。。由香さん。。。だな。かなり老けてはいるが。
なんでこの人がいるんだ?
「ねえ、約束覚えてる?」
締まりのない顔の由香さんが、へらへらと笑いながら聞く。
「私、ずっと監視してるからね」

また俺は幻覚を見てるのか?
由香さんは戸の陰から、俺のいる寝室(兼居間)に入ってきた。
俺は声帯まで金縛りにあっていて、声も出せなかった。

彼女は俺のそばに立つと、服を脱ぎ始めた。
色白だがたるんだ肉に魅力は感じなかった。
「もし約束を破ったら」
由香さんは右手の包丁を頭上にかざした。
「これであなたたちの首を刎ねるから」
そして、真似事で俺の首に刃を当てる。



793:まこと◆T4X5erZs1g:2008/08/16(土)12:15:44ID:MNlUnZjU0
<欠損-5>
この人はいつもそうだ。
思わせぶりな言葉と脅迫を織り交ぜて俺を支配しようとする。
瞬間に怒りが沸点に達した。
恐怖心を凌駕したおかげか、体が動く。

由香さんの手から包丁をひったくろうとして引っ張ると、また、腕ごとちぎれた。
やっぱり由香さん本人じゃないみたいだ。
幻覚なら遠慮は要らない。

俺は包丁を、側面から彼女の首に突き立てた。
スパッと切れるかと思ったが、骨に当たって、首は半分つながったまま血を噴き出す。
由香さんは悲鳴とも嬌声ともつかない甲高い声を上げ、残っている左手で傷口を押さえた。

手が邪魔だな。そうとしか思わなかった。
背中から突き飛ばして床に押さえ込むと、左腕を引っ張りながら、肩に凶刃を叩き込む。
首とは違って簡単にバラせた。

じたばたと断末魔の動きを見せる脚を、右から順番に切り取る。
仰向けにし、腹を、上下に分かれるまで刺した。
そして最後に、血泡を吹いている顔を『堪能』しながら、首を骨ごと素手で折れ取った。

もう、これで俺には近づかないだろ?
いくら霊だって、またこんな目に遭いに来たりはしないだろ?

ある種の満足感を感じて、俺は、再度ベッドに向かった。気分は悪くない。むしろ最高だ。
『実際の人間じゃなかったのが残念なぐらいだ』

転がると、すぐ隣にある窓の外から、坊主の顔が覗いていた。
乾いた泥のこびりついた口から、ごぼごぼという水音を発している。
死人なんていうのはちゃんと喋ることもできないのか。惨めなもんだ。

「何が言いたい?」
と聞いてやると、泥の固まりを吐き出したあと、坊主は言った。
「どこの部分にする?」
よく意味はわからなかった。だから適当に答えた。
「胸」
「次は右腕と上半身以外だよ」
そんな意味のことを言って、坊主は消えた。
。。。まだあるのかよ。。。




引用元:【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ4【友人・知人】
https://hobby11.5ch.net/test/read.cgi/occult/1216318669/789-793








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ー妄想ー <沙耶ちゃんシリーズ>

2017.11.19 (Sun) Category : 創作作品

754:まこと◆T4X5erZs1g:2008/08/12(火)23:27:31ID:mCZocsNx0
<妄想-1>
バイトしているコンビニには、ふだん、夜中に店長はいない。
俺がいい歳なので、店長代理並みに扱われてるからだ。
その信用をいいことに、俺は勤務を中抜けしては沙耶ちゃんを送り届けるようになった。
もともと心配性ではあったが、それに加えて「大事な人」になったのだから、一時でも目を離したくなかったんだ。
「一緒に暮らしてーなあ」
と呟いて、梶に
「展開速いっすね」
と笑われたこともしばしばだった。

6月の半ば、雨が落ちそうな夜だった。
いつものように沙耶ちゃんを送り届け、アパートの部屋に電気がついたのを見届けて、帰路に着いた。
彼女の家は店から10分ほどしか離れていない。
車を出すまでもないので、雨降り以外は徒歩で往来することにしている。
人気の絶えた歩道を進み、中間地点まで来ると、<坊主>で書いたグランドに出た。
坊主の気配はなかった。。。。いや、あっても俺にはわからないかw



755:まこと◆T4X5erZs1g:2008/08/12(火)23:28:56ID:mCZocsNx0
<妄想-2>
トイレ横の街灯の光がわずかに届くブランコに魅入っていると、突然、、背後から声をかけられた。
「お父さん、しにますよ」
ぎょっとして振り返ると、背の低い丸顔の巡査が俺を見上げていた。病的に飛び出した眼球が血走っている。
「あなた、しにますか」
巡査の右手が腰に回ったのを見て、瞬間に(ヤバイ!)と身構えた。
詳しくはないが、拳銃をしまっておくホルスターを探しているのかと思ったんだ。
思わず、巡査の右腕をつかんでひねると。
ボキンと嫌な音がして、腕がもげた。

中学の頃に習っていた柔道の道場で、やりすぎて相手の肩の関節を外しちまったことがあった。
感覚としてはその程度の力しか入れてなかったんだよ。
なにより、腕が取れるなんて考えられない事故だろ。

ちぎれた腕を握ったまま巡査の様子を見ると、体を丸めて
「ぎぎぎぎ」
と歯噛みを軋らせている。
「だ、大丈夫ですか?!」
ととっさにアゴに手を入れて上向かせた。
舌を噛んだらしく、口の中が真っ赤に染まってる。
なんだよ、これは?

数日前からポケットに入れっぱなしだったハンカチをそいつの口に押し込みながら、俺は混乱を極めていた。
通り魔?俺は正当防衛?それとも傷害?
巡査は裏返った眼底を晒し、血を撒き散らしながら、言った。
「誰がしにますか」

そして、消えた。



756:まこと◆T4X5erZs1g:2008/08/12(火)23:30:03ID:mCZocsNx0
<妄想-3>
どうやって店まで戻ったのか覚えていない。
蛍光灯が過剰に瞬く店内への扉が、とても重かった。
レジにいた梶が
「どうしたんですか?」
と驚く。俺は言葉もなく頭を振った。疲れた。。。

「ごめん。休ませてくれ」
なんとかそれだけ伝えて、カウンター奥の、申しわけ程度に作られた事務室の机に突っ伏した。
何も考えられない。眠い。

すぐに、うとうととしたと思う。
実際、連日バイトとH先輩の仕事で疲労は限界だった。
悪い幻覚だって見るよ。夢の中で無理にそう納得させる。

事務室の戸が開いた。梶が来たんだ。
「何か用?」
顔も上げずにそう聞いた。
でも、見えたのは、泥にまみれた子どもの足だった。

「忘れ物」
水の中から話しかけるような声で、坊主は俺の手に何かを握らせた。
冷たくて締まった筋肉の感触から、巡査の腕だって気がついた。
なんで俺に?何の悪意があって?

癌末期の親父の顔と、光に溶けた沙耶ちゃんの姿を思い出して、無性に淋しくなった。



引用元:【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ4【友人・知人】
https://hobby11.5ch.net/test/read.cgi/occult/1216318669/754-756








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