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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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童麺

2018.03.19 (Mon) Category : 創作作品

889名前:⑦⑦⑦ 2018/03/14(Wed)09:10:56
幻のラーメン『童麺』を探して4ヶ月余り。
いくら中国の物価が安いとはいえ、帰りの渡航費を引くとあと1週間が限度か。
ラーメン激戦の日本で成功するには『童麺』を知る以外、道は無いと思っている。

きっかけは中国系移民で俺のラーメンの師匠、朕さんの話からだ。
浙江省にある村でしか作らないと言われているらしい。
ほとんどの村はお茶ばかり作っているし、独自のラーメンを作る人たちは居なかった。
しかし、これが最後と決めた村で、ついに『童麺』と出会った。

他の村よりもっと貧しいと思われる山村。僅かばかりの開墾で食べているのが俺の目でもわかる。
その村では旅人にしか出さない、最高のもてなしが『童麺』なのだと言う。
俺が訪ねた家は8人の大家族だった。子供4人、若い夫婦2人、老夫婦2人。
充分な謝礼を用意するから是非、振舞って欲しいと一家の主であろう長老にお願いした。

長老の話では数十年前から、そういったもてなしはしていないとの事。
作り方も老人達の一部しか記憶しておらず、自分も曖昧だと言う。丁重に断られた形だ。
さすがにここまで来て手ぶらで帰れないので、帰りの渡航費も含めた金額を提示し、
土下座してお願いした。

「この村は中国でも旅人を最も大切にしてくださる村だと聞きました。是非教えてください。私も必死なのです。私の家族の為でもあるのです。」

「わかりました。明日の正午、またお訪ねください」

翌日の正午、再び訪ねた。

「どうか、しっかりと味わってください。そして目にしっかり焼き付けてお帰りなさい」

黒く、そして異常に細い麺を見た瞬間、全てを把握した。
俺は泣きながら、どうしようもない後悔をしながら『童麺』を必死に食べた。

そして1時間後、謝礼を済ますと7人の家族に見送られて村を後にした。


(※⑦⑦⑦さんからの投稿です。ありがとうございました。いわゆる「意味がわかると怖い話」なんですかね?コレ)




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ー鬼になる理由<晴彦3>ー <オオ○キ教授シリーズ>

2018.02.12 (Mon) Category : 創作作品

310:オオツキ◆.QTJk/NbmY:2009/01/26(月)01:00:52ID:55OO9lfHP
鬼になる理由<晴彦3> 1/9

崇志兄の電話の言葉が理解できなくて、
「何それ?」
と聞き返した。
崇志兄は呆れた声で、
「ラッカーって知らんか?固まったペンキを薄める液体」
って説明した。
あ。『ラッカー』か。
…いきなり、
「買ってきてくれ」
って言われてもわかんねえよ。

理由を聞いて納得した。
『鬼』という存在について、オレは、なんとなく、個人のトラブルみたいな規模の小さいものに起因してるのはおかしい気がしていたから。
かつてのI村に、土地の奪い合いのような凄絶な過去があって、そこから『鬼』を生み出す悲劇が起こった、と考えるほうが自然だ。

「たしか隣りの集落に金物屋があったから、そこで買ってくる。25分待ってて」
と言うと、崇志兄の隣りから美耶ちゃんの悲鳴が聞こえてきた。
「ゆっくりでいいから!全然余裕で待ってるから!」
…まったく…(笑)
でも、美耶ちゃんの声が聞こえるってことは、この電話は『鬼』からじゃないんだな。



311:オオツキ◆.QTJk/NbmY:2009/01/26(月)01:02:33ID:55OO9lfHP
鬼になる理由<晴彦3> 2/9

ちょっと前に、オレと崇志兄と父さんで『妖怪』について話をしたことがある。
実際にいるのかいないのか。いるとしたら、正体はなんなのか。
UMA(未確認動物)のような未知の生物だとしたら、全国に広がっている河童や天狗の伝説はありえないことになる。そんなに多数の生き残りがいる種が、何の証拠も残さずに生息するなんて無理だ。
それに、妖怪には禍々しい逸話がついて回るのが常。人間を襲って死に至らしめたり、人間の言葉を話して暗い未来を予言したり。

「河童は、単純に、川遊びで溺れて死ぬ子どもに対しての揶揄だろ?」
崇志兄はそう言った。確かに緑の体を持つ河童の伝承の多くは、子どもを川に引きずり込むものだ。
でも、父さんは否定した。
「遠野物語を読んでみなさい。そこには赤い河童の話が出てくる」
赤い河童は、人間の女に自分の子どもを生ませる。生まれた子どもは人間ではなく異形をしていて、すぐに切り刻まれて殺されるそうだ。
「奇形を間引きした話ですかね」
と崇志兄が推察した。

オレは、貧しい山里が飢饉でも生き延びられるための知恵として、要らない胎児を保存したのではないかと思ってる。



312:オオツキ◆.QTJk/NbmY:2009/01/26(月)01:05:02ID:55OO9lfHP
鬼になる理由<晴彦3> 3/9

そんなふうに、人間の業を妖怪という存在に照らし合わせてみると、奇妙な一致が見えてくる。
姥捨ての風習がある地域に多い神隠しの話。前述の遠野物語を引き合いに出すと、山の怪異の項がそれに当たる。
1人で山中に入った女が神隠しに遭う。何十年後かに老婆として里にいったん戻ってくるが、その後、自ら山に帰ってしまう。
―――――捨てられた人間が里に帰れるわけがないからだ。
そして、帰ってくるのは、生きている人間ではなく、捨てられた未練を引きずりながら山中で没した怨念ではなかったのか。

神隠しが、『老婆』ではなく『若い女』や『子ども』を対象にした話が多いのも…。
捨てられたのは年寄りに限らず、守るべき親がいない子どもだったり、厄介ごとをしょわされた女という、弱い立場にまで及んでいたからじゃなかったのだろうか…。

その意見に、父さんは肯定も否定もしなかったが、もう1度遠野物語を例にたとえて、暗に認めてくれた。
「マヨヒガという話を読んだことがあるかね?お伽噺では『山の御殿』とも称される、全国に分布する話だ。遠野物語では」
「マヨヒガに迷い込むのは、知的障害を持つ女性だった」

『山中の御殿』を見つけた人間は、御殿から持ち出した小物(主に食器)によって、尽きぬ財産を与えられる裕福な結末を迎えることが多い。
和やかな逸話は、その裏の壮絶な悪意を隠している場合が、残念ながら少なくない。



313:オオツキ◆.QTJk/NbmY:2009/01/26(月)01:06:46ID:55OO9lfHP
鬼になる理由<晴彦3> 4/9

記憶どおり、隣村に入ったところで小さな金物屋を見つけた。
3時半を回っていた。山間の村は、太陽の勢いをなくしていた。
店に入ると、50代ぐらいの元気のいいご主人が、
「こんちはっ!」
と挨拶で迎えてくれた。
…あ。なんだか久しぶりにまともな空間に戻ってきた気分だ…(笑)。

ラッカーと、それから念のため赤いペンキを頼むと、ご主人は顔を曇らせた。
「引っ越しされるのかね?」
どうやら、オレがI村に住むと勘違いされたらしい。
「いえ。加藤のお婆ちゃんから頼まれまして。窓枠の色が剥げてきたのでペンキが欲しいと」
とっさに嘘をついた。なぜそんな言い訳をしたか、自分でもよくわからない。
「あんまり関わらないほうがいいよ、お兄さん。あそこはいろいろ曰くがあるからね」
と含められたので、カマをかけてみることにした。
「曰くって、I村が部落民の村だってことですか?」
ご主人は肩を竦(すく)めて、
「部落民なんか残ってないよ。あそこの連中がみんな追い出したからね」
と答えた。



314:オオツキ◆.QTJk/NbmY:2009/01/26(月)01:09:32ID:55OO9lfHP
鬼になる理由<晴彦3> 5/9

やっぱりそうか。
崇志兄の話から推測はできていた。
I村に残っているのは先住者なんだ。そして、自らが追い出した移住者の祟りを恐れて、移住者のふりをするために赤い窓枠という隠れ蓑をまとったんだ。

「それっていつごろの話ですか?村には窓が赤くない家もいくつか残ってましたよ」
廃屋となっていたその家々は、年代的には昭和に入ってから建ったもののように感じられた。
「戦後だよ」
とご主人は言ってから、
「日露戦争」
と付け加えた。
ってことは、もう100年以上も前じゃないか。
「明治時代ってことですか?でも、そんなに古い村ではなかったと思ったけど…」
疑問を口にすると、ご主人は、
「1度廃村になってるからね。そのあとに、かつての住人が戻って住み着いたんだ」
と説明した。



315:オオツキ◆.QTJk/NbmY:2009/01/26(月)01:11:34ID:55OO9lfHP
鬼になる理由<晴彦3> 6/9

オレの興味を察したのか、ご主人は饒舌に語ってくれた。
「あの村は、日清日露の戦争のあとに日本に来たアジア人が切り開いた土地なんだ」
「お兄さんみたいな若い人にはピンと来ないかもしれないが、当時、日本で開拓された土地の中で、工事が難しい劣悪な場所は、よく外国人が駆り出されたんだよ。死んでもうるさくなかったからね」

トンネルの掘削などに朝鮮や韓国の人間が携わっていたのは、オレも知っていた。
そういう現場には、よく、傍らに慰霊碑が建っているから…。

「私も祖父さんから聞いた話なんで、事実かは知らないが、I村は、開拓後、その外国人たちに与えられる村だったらしい」
「でも、その前にどこからか流れ着いた日本人がバラックを建てて住み着いてしまった。外国人との間に小競り合いが頻繁に起きたらしいが、政府は何も手を打たなかったようだよ」

そうだろうな。想像はつく。
アジアからやってきた人たちを、都合よく土木工事に利用した政府が、工事終了後にアジア人のために尽力を尽くすなんて考えられない。
流れ者の日本人とトラブルがあろうが、仲裁に入る労力は割かなかっただろう。

「I村は、毎年死人を出す地獄と化していたと、祖父さんは言ってたよ。だから私たちも、あの村にはいい印象を持っていない」
ご主人は厳しい顔で吐き捨てた。



316:オオツキ◆.QTJk/NbmY:2009/01/26(月)01:13:31ID:55OO9lfHP
鬼になる理由<晴彦3> 7/9

ご主人の話は、さらに、オレの求めている核心に近づいていた。
要約すると。

I村の様相が醜悪を極めてきたある年、救世主…が現れた。
同じようにバラックを建て住み着いていたアジア人の集落に、夫を亡くした若い後家さんが来たんだ。
彼女は、ご主人のお祖父さんの言葉を借りると、『男から見て完璧な女』。つまり、容姿、性格ともに非常に魅力的な女性だった。
日本人の集落に住む若い男たちでさえ彼女に夢中になった。大勢から求婚されるほど、その当時は華やかな空気が村を包んでいたようだ。

―――――もし…。
―――――勝手な要望だけど、もし彼女が日本人と結婚していたら、I村は、日本人とアジア人が友好的に融合した村になったかもしれない。

でも、彼女は、どの求愛も突っぱねた。
あとでこのことを説明したとき、崇志兄は、一言で言ってのけた。
「そりゃあ、自分の国の住人と殺し合いまでしてきた日本人に嫁ぐ気にはならんだろ」
…オレはまだ女性の心理には未熟だな…(苦笑)。



317:オオツキ◆.QTJk/NbmY:2009/01/26(月)01:14:57ID:55OO9lfHP
鬼になる理由<晴彦3> 8/9

男女問題の鬱屈が大きく積み重なってきたころ、I村に1つの事件が起きた。…事件というか…。
『磯神』が立ったそうだ。
首をかしげているオレに、ご主人は、
「ここらへんじゃ、みんな知ってることなんだけども」
と苦笑いしながら教えてくれた。

この地方の山の峠に立つと、ごく稀に、海の方角に『光の柱』を見ることができるそうなんだ。
天までまっすぐに貫く光柱は、大きな災害の前触れなのだという。
その現象を、この辺りの人はいまでも、『磯から上がってきた神の怒り』と言い伝えているらしい。

「まだまだ昔だったもんだから、磯神が立ったと噂が流れたときに、贄の儀式をしたんだそうだ」
ご主人は、人間の愚かさを揶揄するように嘲笑した。
「後家さんと、後家さんの連れ子が犠牲になったって話だよ」

ご主人が記憶していた『磯神のやってきた』年は、大正12年ということだった。
関東大震災…。
この土地にまったく関係のない地震になったのは、贄の効果なんかじゃないと、オレは思う。




318:オオツキ◆.QTJk/NbmY:2009/01/26(月)01:16:26ID:55OO9lfHP
鬼になる理由<晴彦3> 9/9

その後、I村から住人が消えた。
具体的な祟りはご主人も知らなかった。
「そんなものはなかったんじゃないかな」
とも言った。
いまのI村は、かつて日本人の集落に住んでいた人たちの子孫が形作っている、とのことだ。
アジア人たちがどこに行ってしまったのかはわからないらしい。

ご主人の最後の言葉が印象的だった。
「I村には、なんでか雷がよく落ちる。雷神に魅入られた村なんか、ここらへんの人間は誰も近づかん」

雷神か…。
雷神は鬼の角を持って描かれる神様、だ…。


引用元:【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ7【友人・知人】
https://anchorage.5ch.net/test/read.cgi/occult/1230444736/310-318

(※管理人注:この話をもって、オオツキ◆.QTJk/NbmYは活動の場を個人ブログへ移しました。が、その個人ブログも閉鎖して現在は見られません。よって、このシリーズはこれで終了。)









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ー鬼になる理由<美耶3>ー <オオ○キ教授シリーズ>

2018.02.11 (Sun) Category : 創作作品

132:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2009/01/11(日)00:15:21ID:oFT4vEhy0
鬼になる理由<美耶3> 1/5

笹川さんの様子は思ったよりも重傷みたい。座ることもできずに、いまは地面に転がってる。
お兄ちゃんは、バツが悪いのか、
「晴彦が戻ってくるまで、ちょっとうろついてくる」
って、また家の中に入っていっちゃった。
「ごめんね。お兄ちゃんのせいで…」
と謝ると、笹川さんは、
「こっちこそご迷惑をかけました」
と、手を振りながら怒ってないことを表現してくれた。

「それにしても…子どもができたからかな…精神的に弱くなりましたねえ」
笹川さんの言葉が続く。
「たぶん、自分だけだったら、鬼が出てもビックリするぐらいで、こんな行動には出なかったと思うんですよ。夕べは子どものことを一番に考えちまいましたから」
頭を掻きながら視線を私から外す笹川さんは、たぶん、とてもいいお父さんなんだろうな…(笑)。
「そういうのって羨ましいです」
家族に一心に愛されてる赤ちゃんに比べて…。
「私は、肝心なときほど、誰にも相談できずに独りで解決してるから…」

高校のイジメのとき、結局、私を助けたのは私自身の力だった。
巫女としての力を感じるようになってからは、もっと、自分が別の世界に入り込んでしまっているような孤独感を感じてる。
ハルさんもお兄ちゃんも、人間として好きではあるけど、こういう気持ちを理解してもらえるかは…疑問…(苦笑)。

私の愚痴を聞いて、笹川さんは言った。
「お兄さんが俺を突き落としたときは、貴方のことを一番に考えていたと思いますよ。それが伝わっていないとしたら貴方にとっても不幸ですね」
だからこんな目に遭っても腹が立たないんです、と、笹川さんは、痛そうに顔を歪めながらも、笑顔で私のほうに寝返りを打った。



133:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2009/01/11(日)00:16:01ID:oFT4vEhy0
鬼になる理由<美耶3> 2/5

ちょっと涙腺の緩んだ私を見て、笹川さんは話題を変えてくれた。
「夕べ…じゃなくて、今朝の明け方だっけか。俺のマンションに現れた鬼は、顔はゴツかったけど、たぶん女だったと思うんです」
「女の鬼?」
意外な話に引き込まれた。
「そう。髪が長くて、…なんていうか…恨みの形相が男では出せない表情だったね」

I村に来る途中でお兄ちゃんと話していた『鬼の空想像』は、牛みたいな形をした牛鬼と呼ばれる妖怪だった。
幾種類かの動物が混ざり合った『キメラ』という形態で、『人間の女性』とはかけ離れた姿だったけど…。

「それって、本当に鬼だったんですか?幽霊とかじゃなくて?」
確認してみたら、笹川さんは、
「そういうフワフワした存在感じゃなかったんですよ。怨念の塊が物体化していたような…」
と、お兄ちゃんと同じような感想を持ってた。

目の前の半壊した家を見ながら、考えてみる。
笹川さんは、以前にこの家に来たときにとり憑かれてしまった。
何に?
この家のかつての住人を襲う『鬼』に。
その『鬼』は、未だにここに執着してる。
『この家』と『鬼』の間に、何があったんだろう?

「このまま帰って、またあの鬼たちを見ることにならないといいけどなあ…」
笹川さんが呟いた。
そうだね。原因がわからないままじゃ、また同じことが起こる気がする。



134:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2009/01/11(日)00:16:37ID:oFT4vEhy0
鬼になる理由<美耶3> 3/5

「笹川さんは、ここに住んでいた人たちの夢を見たこともあったんだよね?」
聞くと、
「ええ。あれもひどい夢だったなあ…。3人家族だったんですけどね」
と答えをくれる。
「そのご家族は、誰かに恨みを買うような人たちだったのか…わかる?」
と、重ねると、笹川さんは確信的に、
「それはないと思うよ。夢の中では、なんとなくだけど、彼らの人となりも感じられたんだ。普通の善良なサラリーマン家庭という感じだった」
と言った。

確執があったこの家の住人と鬼では、住人のほうが善良。じゃあ、鬼が悪?
鬼は何の咎もないここの人たちに、死後までつきまとっているの?
女の姿をした鬼。恨みの塊のような存在。
…鬼は、ただの悪?

「どこから話をつけていいのかわからないな…」
制御不能の意識が私の口を借りて喋った。
「霊異のモノとはいえ、理由なく仇を為すとは考えられないのだが…」



135:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2009/01/11(日)00:17:33ID:oFT4vEhy0
鬼になる理由<美耶3> 4/5

戻ってきたお兄ちゃんに、笹川さんとの会話を伝えた。
お兄ちゃんも、
「あ、そっか。またここまで探しにくるのは厄介だな」
って理解した。
「鬼を満足させる方法ってないのかな?」
私が尋ねると、笹川さんともに首を捻っていたけど、突然、
「もしかして!」
って大声を出して、廃墟の中に戻っていった。

出てきたときにお兄ちゃんが持っていたのは、ペンキの缶だった。
「中身は揮発して使えないんだけどさ」
と見せてくれた色は、I村の家々の窓枠を染めていた赤色。

私はもう1度廃屋を見た。赤に塗られている箇所は、ない。

「それ、何のためにこの家にあったんだろう…」
独り言で呟くと、笹川さんが、
「窓枠を塗るためだろ。そうすれば移民と同じになれるから」
って答えた。
お兄ちゃんが、
「先住民だから鬼に祟られたってことか?」
と次いだ。



136:オオ○キ教授◆.QTJk/NbmY:2009/01/11(日)00:18:10ID:oFT4vEhy0
鬼になる理由<美耶3> 5/5

先住民と鬼の間に、どんなトラブルがあったのか、私たちには図ることができない。
でも、窓枠を赤く塗ることで鬼の追跡をかわせるなら、試さなきゃ。

「ペンキの薄め液をどっかで調達してくるわ」
って言って、お兄ちゃんは村のほうに歩いていった。
私は、ついていくか迷ったけど、笹川さんを置いていけないから残った。

笹川さんの傍らに座りながら、さっきの言葉を撤回した。
「私1人だったら、何も解決できなかったね」
笹川さんは、
「きっと、大月もお兄さんもそう思ってるよ」
って慰めてくれた。

そして、
「ここを出るまで誰にも言わないでほしいんだけど」
と、重い言葉を私に伝えた。
「俺、たぶん脊髄のどこかをやられてる。下半身が認識できないんだ。家に戻っても、社会復帰できるかわからない」

………。
…悪夢だ……。
どうすれば、みんなが悲しまない結果になるの…?



引用元:【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ7【友人・知人】
https://anchorage.5ch.net/test/read.cgi/occult/1230444736/132-136









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