学校の七不思議（２）

その1 カミいりますか

三階トイレの、入口から三番目（奥から二番目とも言われている）の個室に入っていると、何処からともなく、
「カミいりますか」
という声が聞こえてくる。
「カミください」
と答えると、天井から長い髪が下がってくる。
★
その2 焼却炉の女の子

昔、かくれんぼで焼却炉に隠れた女の子が焼死する事件があった。
それ以来、使用中の焼却炉に近付くと、その女の子が後ろから肩を二回叩いてくる。振り向くと、焼却炉内に押し込まれて殺される。
その焼却炉は数年前に取り壊されたが、焼却炉の内側は血の様に真っ赤な色だったらしい。
★
その3 長い廊下

Ｎ館という建物で合宿した日の夜、廊下に出ると、部屋のすぐそこにあった突き当たりが消え、ずっと向こうまで廊下になっていた。
（Ｔ大付属高校の話）
★
その4 おしゃぶりキャンディー

学校のすぐ側にある公園に、時々、漫画のキャラクターの写し絵が付いた飴を子供達に売る人がいる。
実はその飴はＬＳＤで、飴を舐めた子供達は薬物中毒で病院送りになった。
★
その5 五人の貴婦人

地下室に下りる階段の踊り場に、有名な画家の描いた絵がかけられている。
いつもは五人の貴婦人が描かれているのだが、雨の日になると、貴婦人達の後ろに謎の女性が現れ、にこにこ笑っているらしい。
（長野県の小学校）
★
その6 叩いてください

夜中に宿直の先生がテレビを見ていると、突然画面が乱れた。
数分後、テレビは元通り番組を映したが、画面の中央に、『私を叩いてください』という字幕がある。
その通りにテレビを叩いてみると、『もっと強く』と、更に大きな字幕が出た。
★
その7 追いかけてくる女

学校のすぐ横に、昼間でも薄暗い並木通りがある。
この通りには、夜になると妖怪が現れるらしい。

夜の９時頃、Ａ君は塾帰りにこの通りを歩いていた。暗い道にはＡ君以外、誰もいない。
通りの半ばまで差し掛かった時、ふと前方の樹の上に視線を向けると、何やら白いものが見えた。

「何だろう？」

Ａ君がその白いものを凝視してみると、それは白い着物を着た女だった。女は枝の上から、虚ろな目でＡ君を見下ろしている。

驚いたＡ君が走り出すと、女が後ろから追いかけてきた。鬼の様な形相で、髪を振り乱して。
Ａ君は死に物狂いで駆けるが、女の方が速く、どんどん距離を縮めてくる。

すんでの所で捕まりそうになったが、一足早く家に飛び込み、扉を閉めた。
女はしばらくの間、ドアノブをガチャガチャ回していたが、やがて諦めたのか、玄関の前から去っていった。

「助かった……」

Ａ君は自分の部屋に入ると、そのまま横になった。恐怖と疲労でドクドクと脈打っていた心臓も、段々落ち着きを取り戻していく。

「もう大丈夫だ……」

そう安堵したＡ君は目を開けると、すぐに硬直した。
天井にあの女がべったりと張り付き、恐ろしい形相でＡ君を見下ろしていた。
（東京郊外の小学校）


（※暗さんからの投稿です。ありがとうございました）