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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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2024.04.25 (Thu) Category : 

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プルタブと車椅子

2007.09.25 (Tue) Category : 都市伝説・考察・真相

実は、これは都市伝説ではなく、実際に車椅子と交換できるのである。
いや、誤解を招かないように申し上げておくが、都市伝説が初めにあり、対処に困った施設や関係機関が仕方なく交換を始めたのである。
意味合いは異なるが「嘘から出た真」みたいなものであろうか。

では、順を追ってみていこう。

一時期、飲料缶のプルタブを集めると車椅子に換えることができるという話が全国的に広まった。現在では都市伝説のひとつとして紹介されることの多いこの話は、1983年の「さだまさしのセイヤング」というラジオ番組内で呼びかけられた運動が始まりであったといわれる。番組では実際にリスナーから寄せられたプルタブを金属回収業者に引き取ってもらうことによって換金し、病院に車椅子を2台寄付したと伝えられる。

このラジオ起源説を含めて、はっきりした根拠を示しての起源や由来等を明らかにした信頼性のある研究はないが、以下のようなことが推測として示される。

このラジオ番組が放送される以前にも、散乱したプルタブを拾い集めることは、ボランティアグループなどによる環境美化運動のひとつとしてしばしば行われていた。

こうした活動をするある団体が、より市民の参加を促すために福祉と結びつけ、車椅子と交換して寄付をしようとの運動として展開した(これが報道されるなどし、この段階で、ある程度噂が広まっていたともいう)。

このひとつをラジオ番組が取り上げた、または番組の独自企画として実施した(どちらかは不明である)。

その話のうち、プルタブと車椅子の部分のみが一人歩きし、環境美化のためにプルタブを拾い集めるのではなく、車椅子のためにプルタブを集めるという趣旨に変形した(プルタブ1万個、3万個、5万個などのバリエーションがあるという。実際は180万個程度が必要である)。

これにより、ベルマークがなんらかの物品と交換できるのと同じように、特定の企業や団体・組織にプルタブを送ると、自動的に車椅子がもらえると思い込まれた(金属回収にまわして換金するとのことを理解していた人でも、プルタブは純度が高いために換金効率がよいと思われていたという。実際には缶本体と同じ素材である)。

しかしながら、どこに送ればいいのかは、おおむね誰も知らなかった(自治体や製缶企業団体などに問い合わせが多くあったという)。

車椅子をもらうためにたくさんジュースを買って飲む、あるいはそうした呼びかけすらも行われたという。反面、この話はデマであるとの報道がなされたともいうが、おそらくは本当にそうした運動を行っていた団体もあったと推察される以上、さらなる混乱を生み出したのではないかとも考えられる。

1990年より「公害を生み出さない人づくり」と「空き缶散乱公害をなくす」ことを目的として運動が開始され、現在でも続いていることはわかっている(小学校でも行われている)が、それ以前のことは不明である。ほとんどすべてがステイオンタブに切り替わった後もこの都市伝説は生き続け、現在でもタブをわざわざ外して収集するということが行われている。寄付・寄贈という慈善運動の面は変わらないが、環境美化・環境保護の面はほとんど消えうせ、ひとつのリサイクル運動を兼ねたものとして解釈されるようになっている。

ただし、リサイクル運動を兼ねた慈善運動としても、これには以下のような問題がある。

アルミ缶本体を集めたほうが40倍の効率がある。
タブのみを集める理由として、スチール缶が混ざると困るからとか、缶本体よりもタブの方が純度が高いともいわれる。しかしながら、現在ではアルミとスチールの別は缶に記されており、そうでなくとも磁石がひとつあれば容易に判別できる。スタイオンタブのタブを取り外す手間もあり、タブのみを集めるとスチールのタブも混入するおそれもある(後述)。また、タブも缶本体もアルミ合金であることは変わらない。缶の中身が多少汚れていても、電気炉で溶解時に消滅する。

なぜ車椅子なのか。
寄付・寄贈をするのであれば、ほかの医療・福祉機器でもよいし、現金の寄付でもよいはずである。病院や福祉施設には足りるほど常備してあり、寄贈先の要望と合致しているかどうかは不明である。車椅子は安いものでは新品が1万円以下で買えるほど高額ではなく、不足などしてない。

リサイクル運動の意味は薄い。
ゴミの分別が進んだ現在では、かなりの自治体で空き缶が資源として回収され、リサイクルにまわされている。リサイクルにまわすのであれば、アルミである必要も理由もない(スチールでもよい)
団体にタブを送る手間を考えると効率がわるい。

車椅子2台で4万円として、その金額を換金するために、集めたタブを収集している団体に送付する際には送料がかかる。そうであれば、労力と手間を考えてもその分の現金を寄付したほうが効率がよい。換金した後、送料を差し引く場合もあるが、これにしても効率がよいとはいえない。

缶を含めて回収することも行われているが、この伝説のためにタブのみを送付する人が多く(車椅子と交換してほしいとのことで寄せられるタブが多く、その善意ゆえに違うことはできなくなってしまっているとの推測もある)、ゴミの分別回収がそうであるように、スチールのタブなどの異なる素材が混入していることも少なくない。

そのため、運動に協賛する企業そのものが素材選別のためのボランティアを募集するという事態になっていることが報道された。さらに、その企業もボランティアとして行っているのであり、けして事業として効率よく成り立っているわけではない。さらには、収集している団体にタブを送付する場合は、特定の運送会社を利用することで全国一律の送料で済むようになっているが、これも趣旨に賛同した企業による特別処置である。

このように、幾多の問題を指摘することができるが、学校などにおける児童・生徒の自主的な社会貢献およびボランティア意識を高める教育的効果があることは否定することができない。学校などのほか法人などのボランティア活動としてタブを受け入れることも継続されており、もはや伝説のままでもかまわないという声も運動に関わる人から出ている。

なお、アメリカではタブを集めると透析のための医療機器と交換できるという都市伝説があり、そのようなチャリティープログラムは存在しないし、タブより缶を収集したほうが効率がよいと指摘されている。この都市伝説は有害であるともいわれる。

しかしながら、ロナルド・マクドナルドの家(長期入院が必要な子どもの患者を持つ家族のための一時的な仮住まいを提供するプログラム)では、タブの寄付を受け付けるPopTopsProgramを実施しているなど、慈善運動に役立つという点では真実でもあり、まったくのデマではないことが伝説を複雑化していることが推測される。これが日本におけるプルタブ都市伝説と関係があるのかどうかは不明である。他の国においても同様なものがあるのかどうも不明である。

現在ではこの運動を行っていたサイトも閉鎖され、各自治体の環境美化運動やリサイクル協会などが回収を行っており、(ただしプルタブのみよりも当然缶本体と一緒の方が高額)当然のことながら集まったプルタブを換金、そのお金で車椅子を購入、という流れとなっている。

蛇足ではあるが、この運動の総元締めは福祉や病院関係かと思いきや、環公害防止連絡協議会という環境問題関係である。
このことからも、上記の説明が的外れなものではないことがわかるだろう。

この都市伝説が事実と虚構が複雑に入り混じった、めずらしいモノであることは間違いではない。





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