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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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ブラウン管の中から【萌ver.】

わたしが求めるのは空に輝く月の光

いったい何度繰り返せばいいのだろう
今日もわたしを呼ぶ声が聞こえる
それは他の誰にも聞こえない、わたしの冷え切った身体の内から響く慟哭

無機質なブラウン管の向こうに見える質素な部屋
その部屋の中央に敷かれた布団に男が一人横たわっている

愚かな男……

この男で何人目になるのか、すでに数えることはやめてしまった
今はただ、目の前にいるこの男が憎い、憎い、憎い……

わたしを閉じ込める箱からゆっくりと這い出し、男のかたわらに立つ
男はこれから迎える運命も知らずに眠りこけている

「起きて……」

なにも知らないまま死ぬことなど許さない
わたしの声を、姿を、恨みを知り、自分の行いを後悔しながら死んでいくといい
男はゆっくりと瞼を開く

「ん……誰……」

目覚めた男の問いには答えず、意識を集中させる
ただ、この男を殺す、それだけに――
「今何時だ?」
「え? っと、七時……十五分かな」

あまりに意外な問い掛けに、考えるよりも先に答えてしまっていた

「七時十五分……やばっ! 遅刻する!」

突然飛び起きた男は、わたしに目もくれずに慌しく身支度を始めた
わたしなど眼中にないというその様子に呆気に取られていると、
男は支度を終え部屋から出て行こうとする

「あの……」
「あ、悪いけど今急いでるから後にしてくれないかな」
「後にって……わたしのことが気にならないの?」

おかしな男だ
わたしを誰だと思っているのだろう?

「気になるけど、今それどころじゃないんだよ。
 ああもう、起こすならもっと早く起こしてくれよ」
「……別にあなたのために起こしたわけじゃないのよ」

そう、すべてはこの男にわたしの味わった恐怖を教えるために――

「なんでもいいや、とにかく俺は出かけるから。
 帰るなら鍵閉めていってくれよ。鍵は郵便受けに入れといて」
「あ、うん……いってらっしゃい」
「いってきます!」

嵐のあとの静けさの中に、わたし一人が取り残されていた

「あ……逃げられた」

なんということだろう、こんなことは初めてだ
これまでわたしが殺してきたどんな人物とも違う

「どうしよう」

考えたところで仕方がない
わたしはわたしが作り出した「子供」の側からは離れることはできない
もはや男はわたしの手の届かないところに行ってしまった

ここはおとなしく明日の朝を待つしかないか
焦ることはない、これまで何十年も暗く冷たいあの場所で独り過ごしてきたのだから
とりあえず明日は少し早起きしなければ


 


拍手[12回]

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この記事へのコメント

無題

続きwktk

Re:無題

探してくるっ

無題

お帰りもいってらっしゃいも言ってもらえるなんて幸せじゃねーかw

Re:無題

その発想はww

無題

いい・・・

Re:無題

貞子さん…

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リア充もげろ。
来世はブサメンじゃないといいなぁ。

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