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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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2024.05.10 (Fri) Category : 

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 ー毒男の怖い話とか音楽とか雑談とかー <毒男シリーズ>

2020.03.28 (Sat) Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象

1:毒男◆B.DOLL/gBI 2020/02/16(日)22:29:55.06ID:pJvOc2Lr0
|A-) 怖い話は探しながら人がいる限りゆっくりと
   怖い話書ける人、貼れる人はどうぞー
   レスがなくなったらさるさんくらったか寝たか人いなくなったと思ってね



7:毒男◆B.DOLL/gBI 2020/02/16(日)22:32:36.26ID:pJvOc2Lr0
|A-) 待たせてごめんね!
   その代わり0時過ぎても少しやろうw



14:毒男◆B.DOLL/gBI 2020/02/16(日)22:43:09.26ID:pJvOc2Lr0

 ーズルッ…ズルッ…ー

俺はいわゆる人よりも「見える」方で、小さい時から霊をちょくちょく見てた。
中学卒業して、高校になる頃にはほとんど見えんくなって今ではさっぱりなんだけど。

そんな俺が経験した一番怖い体験を話します。
俺が中2ん時。
当時俺の親父は小さな建設会社の現場主任みたいなのをやってて、俺の家もその建設場にあるプレハブ小屋の2階になってた。(1階は事務室になってた。)

ある日。
学校が終わり家に帰った俺は外の階段を上り家のドアを開けた。
開けた瞬間何か嫌な感じはしたんだよな…。

「ただいまぁ」
しかし、返事は無い。
俺の家は玄関を上がると直線の廊下で、奥にトイレ。
左側が風呂場で右側に居間があるんだ。
靴を脱ぎ、居間に入る。と、入った瞬間急に体がダルくなった。

「なんだ、これ…」
金縛りとかは何回か経験した事があったんだけど、それとも何か違う。
なんつうか…急な眠気に襲われたっつう感じ。
俺はそのまま居間のカーペットの上に倒れ込むような形で倒れてしまった。

どんくらい眠ってたんかわからないが俺は目を覚ました。
居間のベランダのカーテンの隙間からは夕日の光が差し込んでた。
まだ体のダルさは取れない。
うつぶせのまま、体のダルさが取れるまでもう一眠りしよう。そう思った瞬間。

ズルッ…ズルッ…

廊下から何か音がする。
「何だ?」

ズルッ…ズルッ…

その音はトイレ…廊下の奥の方から入り口に向かって聞こえてきていた。
「これは母さんじゃねえなぁ…またかよ」
みたいな感じに思ってた気がする。
「早くどっか行ってくれ。」
って念じながらうつぶせのまま横になってた。



16:毒男◆B.DOLL/gBI 2020/02/16(日)22:44:53.03ID:pJvOc2Lr0
ズルッ…ズルッ…

と、音が居間の扉の前で止まってしまった。
「うわっ、ヤベぇ…」
そう思った瞬間、ガチャッ。ドアのノブをひねる音。
「マジかよ…入ってきちゃった」
体はダルかったが、それでも逃げなきゃって思い、我慢して上体を起こした。
が、その時。

ガクンッ!!

何かが俺にもたれかかってきた。ホントものスゴイ勢いで。
一瞬、女の顔が俺の顔の真横まで来て、後ろに戻った。髪は黒くて長かった。でも、顔はすぐ近くにある。

はぁ…はぁ…

息遣いが耳にあたる。
右側にはその女の腕が俺の肩に乗ってる間隔がある。
ちょうどおんぶしたような形。

はぁ…はぁ…

息遣いはなお続いている。
俺はどうしようかと考え、近くにあったソファまで這って行く事にした。
その女をおんぶしたまま。
体がダルイのと、怖さを我慢して俺はソファまで這って行った。
ソファにひじをかけて上体を起こし、やっとの事でソファに座る事が出来た。
が、それからすぐに眠ってしまったようで、起きると部屋の中は真っ暗になっていた。

体のダルさももう無い。
あれは何だったんか…。
リアルだったけど、夢だったんかなって思いながらソファを立ち、部屋の電気を着けた。

そこにはソファの方までひっぱられたカーペットがあった。

これが俺が体験した一番怖い話。



23:毒男◆B.DOLL/gBI 2020/02/16(日)22:57:17.92ID:pJvOc2Lr0

 ー押入れの右下の空間ー

5年前の夏、祖母の家で起こったこと。
祖母は少々偏屈で父がいくらウチで一緒に暮そうと言っても聞かなかった。
それも理由があってのことだったらしいと後からわかったのだが。

その祖母なのだが、物が捨てられないタチで家には物があふれ、収納できるところにはそれらが詰め込まれていた――ただ一ヵ所を除いて。
納戸にある押し入れの右下には絶対物を詰めないのだ。
理由を聞いても教えてくれなかった。

そんな祖母が5年前の夏、突然倒れてそのまま亡くなった。
私達家族と叔母夫婦で葬儀のため家を片付けていたとき、叔母が例の押し入れの右下に物を詰めてしまった。

その日の夜、私達家族だけが祖母の家に泊まった。
深夜、弟が部屋を出て行くのを感じた。
トイレだろうとまた眠ろうとすると弟が駆け戻ってきた。

「1階の廊下に変なのがいる」
「変なの?虫とか?」
「違う。でもどうせこういうのって違う人が見に行くといないんだよ」
弟のその言葉で幽霊の類いを見たのだと思った。

私は弟と一緒に部屋を出て階段に向かった。
弟が無言のまま私の腕を引いた。階段にいたのだ。髪の長い、着物を着たモノが。
階段を這い上がろうとしているらしい。
私の足が置いてあった台にあたってしまい、ガタッと音をたてた。
階段にいた女が顔を上げ、長い髪の間から私達の方を見た。
私は弟の手を掴んで部屋に走って戸を閉めた。

「さっきのが廊下にいたの?」
弟が頷く。私達は黙り込んでしばらく佇んでいた。
廊下を這っている衣擦れの音がする。
音は廊下を何度か往復し、やがて消えた。



24:毒男◆B.DOLL/gBI 2020/02/16(日)22:58:06.14ID:pJvOc2Lr0
私と弟は黙ったまま朝まで眠れなかった。
5時になってから私達は1階に降りた。
そして納戸の押し入れの戸が開いているのを見つけたのだ。
戸の内側には爪で引っ掻いたような痕が古いのから新しいのまであった。
やはり押し入れの右下には物を詰めてはいけなかったのか。
押し入れから物を出したことで私と弟は叱られたが、その理由を話す気にもなれなかった。
押し入れの上部には古い御札が貼ってあった。

式に来てくれた祖母の幼少期からの友人にそれとなく聞いてみると教えてくれた。
祖母がまだ10代の頃、病弱で伏していた姉が押し入れで謎の死をとげたというのだ。
なぜ祖母の姉が押し入れに入ったのかは知れない。
押し入れの戸を爪で引っ掻いたのは発作か何かで苦しかったからなのだろうか。
おそらくは、私と弟が見た女が祖母の姉なのだろう。
式に来てくれたお坊さんには供養をしてもらった。

今、祖母の家は近所の子ども達にオバケ屋敷と呼ばれているらしい。
苦しげな呻き声が聞こえることがあるというのだ。
祖母の家は近くに取り壊されることが決まっている。
あの押し入れももちろん壊されるわけだが…。



30:毒男◆B.DOLL/gBI 2020/02/16(日)23:03:12.44ID:pJvOc2Lr0

 ー8階に行くエレベーターー

俺はマンションの7階に住んでるんだけど、1階からエレベーターに乗り7階を押したのに、7階を通り過ぎて8階まで行きやがる
なんだよ誰もいないのに8階まで行くなよなーとか思ってた
7階からエレベーターを呼んでも8階に行ってから7階に戻ってくる
もちろん誰かが呼んだでもなく、誰かが降りた様子も無い
そんな事がよくあったのだ
もちろんその時はエレベーターの故障だと思ってた

でも、今年の秋
8階の部屋でおばあさんが亡くなってるのが発見された
1人で暮らしてたみたいで遺体が1ヶ月以上も発見されなかったらしい

それ以来、エレベーターが8階に行くことは無くなった



43:毒男◆B.DOLL/gBI 2020/02/16(日)23:22:16.35ID:pJvOc2Lr0

 ー昼寝ができなくなった理由ー

営業の仕事をしてた頃の話

仕事にも十分慣れて、入社した頃のようなガムシャラさは失せ要領よくこなす事を覚えた俺は毎日のサービス残業の疲れを車の中での昼寝で補うようになっていた。
人気のない場所で車を止めてコンビニで買った漫画と昼飯食いながら昼過ぎから夕方まで寝てあとは適当に顧客をまわって帰るのがほぼ日課だった。

多少の後ろめたさはあったものの労働基準法を完全に無視した会社のシフトのおかげで体力的に、そして営業という仕事柄ノルマの壁には精神的にかなり衰弱しきってたから、どんな場所でも眠りにつくのは簡単だった。
でもいつも深くは眠れず、疲労からくる金縛りはウチでも車でも常にだった。

師走のその日の昼もいつものように車を停めて寝入っていた。
前に顧客まわりの途中に見つけたダム脇のちょっとした空き地。
国道からは茂みで丁度死角になる小道を進むとその頃住んでいた安アパートの駐車場くらいのスペースがあった。
昼飯を食べ軽くシートを倒して漫画を読んでいると睡魔は襲ってくる。

そして案の定金縛りはすぐにやってきていつものように自分の心と体の状態を実感させてくれた。
目を開くとカーオーディオのディスプレーが時間と曲のタイトルを表示していた。
時間は18:05で曲は当時友達の影響で聞き始めたレディオヘッドだったと思う。
「あれ?こんなに寝てしまったか?」
と思いながらも金縛りはまだ解けない。

重い感覚の中動かせる目だけをフロントガラスにやるともう暗くなっていた。
こんな季節にこんな時間まで寝込んでしまったらまぁ当然だ。
「言い訳が必要か」
と考えつつ何となくそのまま眺めていたフロントガラスの右上、丁度運転席の自分の目の前に人の手の影が見えた。
黒い影の手が車のフロントガラスに手をかけている?
一度その影から目を切ってディスプレーに目をやると丁度18:05から18:06に変わる瞬間だった。
「ディスプレーの光が目に焼き付いてそう見えたんやな」
そう思い直しもう一度フロントガラスに目をやった。
今度は影の顔がこっちを覗きこんでいた。
表情は分からない。

ただぼやけた輪郭の真っ黒な影が片手をガラスにくっつけて車の中の俺をみていた。
こんなときその人の怒りとか悲しみだとかを感じたというシチュエーションをよく聞くが、元来無心信な俺はその影の気持ちなど分かるはずもなくただその影の顔を眺めていた。
金縛りには慣れっこの俺もそんなモノを見るのは珍しかったから。



44:毒男◆B.DOLL/gBI 2020/02/16(日)23:23:11.07ID:pJvOc2Lr0
「これは霊ってやつなんかな?それかやっぱ夢?」
いろいろな考えが頭をめぐった。
その間も影は微動だにせずこっちを見ている。
ふと気づくと俺は影を眺めているんじゃなくて目を動かせなくなっていた。
どうやっても他の場所を見ることが出来ない。
さっきまで見ていたディスプレーも、読みかけで手に持ったままの漫画も見れない。
影は微動だにせずこっちを見ている。
それが分かった途端ようやく恐怖心がジワジワと襲ってきた。

影はこっちを見ている。
「やばい、どうしよう」
影は見ている。

コンコン

ふいに横のガラスが鳴った。

恐怖は一気にピークに達していた
「怖い怖い怖い」
動かない体で情けないくらいもがいていた。

コンコンコン

今度は強めに鳴った
同時に体が自由になった。

ディスプレーに目をやるとまだ14:30…十分程度しか寝てない時間だった。
当然外はまだ明るく、覗いていた影ももう消えていた。

音のした方を見ると窓の外に50代と30代の男が二人立っていた。何か喋っている。
「大○県警のものですが」
30代の男がかざしていたのはドラマでしか見たことのない警察手帳だった。県警の私服警官だ。
慌てて窓を開けた。

「はい?何ですか?」
「こんなとこで何してるんですか?」
「寝てるだけですよ。何かまずかったですか?もしかして私有地とか?」
「いや、そうではないんですが…。ほら最近不景気じゃないですか。多いんですよこういう寂しい場所を選んでその…自殺する人とかがね。」
「確かに仕事はキツイですけど自殺なんて考えた事もないですよ。僕がそんな風にみえますか?」
「そりゃみえますよ。あなた自分の手で首絞めて白目剥いてたんですから。何事かと思いましたよ。」
「…………」
暫く話した後二人は覆面パトで帰っていった。



45:毒男◆B.DOLL/gBI 2020/02/16(日)23:23:42.08ID:pJvOc2Lr0
あの場所とダムで人が亡くなっている記録はその時点ではなかったそうだ。
しかしあの影はなんだったのだろう。
気持ちの悪さだけは胸に残り俺も直ぐにその場を離れた。
とても一人ではいられなかった。
いつもより早く会社へ戻り電話で顧客へのご機嫌伺いに奔走した。

それからというもの、俺はなぜか営業の外回りに出るたびに記憶のなかのあの影に怯え昼寝ができなくなってしまった。
ほどなく睡眠不足から体調をくずし、軽い鬱病にもかかってしまった。
鬱な状態で営業成績もあがるはずがなく、会社表彰を受けるほどだった俺がワーストグループに加わるのに時間はかからなかった。

あの場所で昼寝をした日から一ヶ月もしないうちに辞表を出した。
会社の人は誰も俺を止めはしなかった。
厄介者が放り出されるように俺は会社を辞めた。

あの影がなんらかの心霊現象だったとは今も思っていない。
後ろめたい気持ちで昼寝してたために、眠りが浅くなり怖い夢を見ただけなんだ。
仕事を甘く見てた俺だから当然の結果なんだよ。
そうでも思わなきゃ今でも金縛りと共に現れるあの影が俺を更に不幸にするんじゃないかって考えてしまってこわいからさ。



50:毒男◆B.DOLL/gBI 2020/02/16(日)23:37:56.74ID:pJvOc2Lr0

 ーお爺さんの優しい声ー

これは俺が中学生の時の体験で恐怖感はあまり無く、今でも思い出すと不思議な気持ちになります。

中学二年の二学期に、急性盲腸炎で緊急入院しました。定期テストの前だったのでよく覚えています。
明け方に腹痛を覚えてそのまま救急車で運ばれ、即日入院で手術に備えました。
手術は翌日に決まり、痛み止めを服用してその日は病室で横になっていました。
病室は6人用の大病室でしたが、入院患者は僕と、その隣の人しかいませんでした。
夕方、仕事を終えた母が着替えや身の回りのものを持って見舞いにやって来ました。

しばらく話をしていると、60歳くらいのお婆さんが病室に入ってきました。
隣の人のお見舞いのようでした。母が
「これから一週間ほどですがお世話になります」
と挨拶すると、向こうも
「若いですからすぐに元気になりますよ。こちらこそよろしく」
と微笑んでくれ、とても感じの良い人でした。

お婆さんは、隣の人のベッドのカーテンの中に入り1時間ほど話してから帰っていきました。
面会時間が終了して、母も家に帰りました。

その夜、僕は翌日の手術のことを考えて少し興奮し、すぐに眠れませんでした。
すると隣のカーテンの中から話し掛けられました。
「やぁ、この病室に入院してくる人は久しぶりだ、ここ何ヶ月か1人だったから退屈だったよ。どうして来たんだい?」
と聞かれました。
声の感じから、どうやらさきほどのお婆さんの旦那さんのようです。優しい声でした。
「盲腸です。今日の朝に急にお腹が痛くなってしまって…テストもあるんですけどね。」
などと、僕は学校のことや部活のことなども話しました。
母が帰り心細かったので話相手が欲しかったのもありますし、相手のお爺さんの声が優しかったのでスラスラと話せました。

お爺さんは笑いながら話を聞いてくれて
「若いというのはそれだけで素晴らしいね。大病で無くて良かったね。」
と言ってくれました。
私は、悪いかとは思いましたがお爺さんにも入院理由を尋ねてみました。
「もう悪いところが多すぎて、何が悪いという訳でもないんだよ。寿命と言うには早いが私は満足しているんだ。おそらくもう退院は出来ないだろうけれどね。」
と言いました。
内蔵の病気を併発しているとのことで、確かに長く話しているとつらそうでした。

僕は、急に悲しくなって
「そんなことはない、僕は先に退院するけれど、お見舞いにも来るしいつか退院できますよ。」
と言いました。
自分が病気になってみて、どんなに心が弱るか少しだけ分かった気がしていたので、元気づけられればと思ったからでした。



51:毒男◆B.DOLL/gBI 2020/02/16(日)23:40:39.89ID:pJvOc2Lr0
お爺さんは笑いながら僕にお礼を言ってくれました。
そして次の日、僕は手術をしました。
全身麻酔だったのでその後の半日を眠ったまま過ごしていました。
目を覚ますともう夕方を過ぎており、ベッドの周りには母と父が待っていました。
あと1週間ほど入院して、経過が良好なら退院できると説明されました。
しかし気になったのは隣のお爺さんのベッドが空いていたことでした。
病室移動かもしれないと思い、その時は、退院する日に挨拶をしにいこうと思った程度でした。

経過は思ったより順調で、5日ほどで退院の日になりました。
僕が入院道具を整理していたらあのお婆さんがやって来ました。
僕がお爺さんのことを聞こうと思いましたがお婆さんが涙目なのに気がついてすこし動揺しました。
するとお婆さんは
「あの人が手紙を書いていたのよ。渡すのが遅れてごめんなさいね。」
と僕に手紙を渡してくれました。そこには
「最後の夜が1人でなくて良かった。ありがとう。元気に育ってください。」
そいうような内容が乱れた字で書いてありました。
話を聞くと、お爺さんは僕が手術をしていた日の午前中に容態が急変して、そのままお亡くなりになっていたそうです。

僕は泣きながら
「僕もあの夜はお爺さんと話せて安心できました。心細かったけれどとても優しく話をしてくれた。」
とお婆さんに言いました。
するとお婆さんは不思議そうな顔をして説明してくれました。

説明によると、お爺さんは喉の腫瘍を切り取る手術が上手くいかずに、声帯を傷つけてしまったために話すことはもちろん、声を出すことはほとんど出来なかったらしいのです。
最後の手紙は、恐らく亡くなる前日の夜に、自分なりに死期を悟って書いたのだろうとのことでした。

今でも、あの夜にお爺さんと話したことを思い出します。あれはなんだったのでしょうか。
不思議だけれど、あの優しい声は忘れないと思います。



59:毒男◆B.DOLL/gBI 2020/02/16(日)23:56:58.01ID:pJvOc2Lr0

 ー高柳君と川島君ー

もう10年も前のことです。

サッカー部の高柳君と川島君はとても仲が良くて、いつもまるで双子のように息が揃っていました。
勉強も体育も、一位と2位は絶対にこの二人のどちらかでした。
当然二人はクラスの人気者で、二人が学校を休んだときなんかはまるで火が消えたように寂しかったものです。
私は女子でしたが同じサッカー部で家が近かった事もあり二人とはよく一緒に遊びました。私自身それが誇らしかったのです。
ちびで体も弱く、勉強だってそこそこといった程度の私にはこの二人と一緒にいられるというのはそれだけで他の人たちに対して優越感に浸れたのです。

これは、たしか小学3年の時のことです。
私たちは近所の小川、(今は区画整備で埋められて無くなっています)に釣りに出かけました。
当時私は誕生日の時に父にねだって買ってもらったインスタントのカメラをいつも肌身離さず持っていました。
そのときもカメラを持っていった私は二人を撮ってあげることにしたのです。
今思えばあのとき写真なんて撮らなければ、カメラなんて持ってこなければあんな事にはならなかったのに…

家に帰って撮った写真を見ていると、あることに気がつきました。
それは高柳君と川島君が並んでいるところを撮ったものでした。
川島君の右腕の少し下、川の水面に人の目のようなものが写っていたのです。
当時の私は心霊写真という言葉は知っていましたが、まさか自分にそんなものが撮れるとは思っていなかったので
「気味が悪いな」
とは思ったものの特に気にも止めませんでした。

サッカー部の練習の時に川島君が右腕を怪我したのはそれから何日か経ったときでした。
市内の小学校数校で行われる大会の最中にボールが腕に当たり骨折してしまったのです。川島君は入院することになりました。
私は妙な胸騒ぎを覚え家の机の引き出しからあの写真を出して見てみたのです。す
ると写真は前に見たときとは全く様子が違っていました。
水面から顔を出した小さな男の子、その目は確かに水の中から伺っていたあの目でした。
そしてその子の手は川島君の右腕をつかんでいたのです。
怖くなった私は高柳君の家に電話し、来てもらうことにしました。

その写真を見た高柳君は
「川島に見せたらショックを受けると思う」
とこのことを川島君に言わないことを私に約束させ、その写真を持っていきました。
そして…

高柳君が写真を持って行ってから3日後、だったと思います。
川島君が亡くなりました。病室から飛び降りたのです。



60:毒男◆B.DOLL/gBI 2020/02/16(日)23:57:09.00ID:pJvOc2Lr0
クラスの中に飛び降りた日に川島君の所にお見舞いにいった人がいました。
その人はこんな事を言っていました。川島君はしきりに
「あいつが来る」
とつぶやいていたと。
先生や川島君のお母さんは
「入院生活のストレスのせい」
と説明してくれましたが川島君が死んだ本当の理由は…

ある日高柳君の家に呼び出された私はあの写真を見せてもらいました。
と言ってもそこにはもうあの男の子はいません。写真は鋏で半分に切られ、写っているのは高柳君だけでした。
「自分の方にもあいつが来そうだったから」
と高柳君は説明しました。

川島君が死んだときには男の子が川島君の体に覆い被さるようになっていたと言います。
「何でもっと早くに切ってあげなかったの?そうすれば川島君だって…」
私は思わず声を荒げてしまいました。すると高柳君はこう言いました。
「だってあいつがいると…俺は1番にはなれなかったから」
夕陽にてらされた高柳君の顔は、あの男の子そっくりでした。



66:毒男◆B.DOLL/gBI 2020/02/17(月)00:16:02.92ID:GA4Shesb0

 ー見えない同居人ー

結婚し、いままでの住居が手狭になったので、私の祖父が持っていた家に引越し。
そこは都心に近くその割りに静かでしかも家自体建築が凝っていて、私好み。
「しかし、こんないい物件よく見つかった…っていうか提供してくれたよな」
という一抹の疑問はあったものの、そこに引越しをすませたその日の夜。

2階で横になっていると、どこからか不振な音が微かに聞こえる。
その音はガリガリ…とも人が歩き回ってるようにも聞こえる不思議な音だったが、
「ネズミでもいるんだろう」
と明日ネズミホイホイを設置することを決意して、それ以上は気にせず、その日は眠りについた
しかし、仕掛けたネズミとりにネズミはかからず、そして歯形や食べ物が荒らされるといったネズミ特有の現象も見られなかった…音以外には

ある日、私が自室でぼんやりしていると夫が
「こんな夜中に何はじめたわけ?」
と憤然とした顔で入ってきたので
「何って…別に何も」
と答えると上で(夫は一階の部屋使用)飛んだり跳ねたりドスンバタンと大変うるさい、とのこと。
しかし、私はそんなことはしていないので
「単にぼーっとしていただけ」
と答えるしかなく夫は夫で
「じゃさっきからの音はなんだよ!?」
とやったやらないで、口論になった。

「…!」
口論の途中、2人ほぼ同時に気がついたのだが、私がいた部屋は夫が寝ていた部屋の上に位置してはいなかった。
つまり、夫の部屋の上は誰もいない、はず、だったのである。

その後も我が家はうるさかった。
夫婦2人しか住んでいないというのにまるで、大人最低4人+子供3人+大型犬一匹+ネズミ2匹が同居しているかのようである。

今も、机の前の壁の向こうから咳をする声、テレビをつけている時のような耳障りな合成音声その他諸々の音が響いている。
もちろん壁の向こうに誰かがいるという事実はない(隣家との間には庭がある)

目には見えない同居人との生活はいつまで続くのだろうか…
このことを知ってたから祖父は、私たちにこの家を提供してくれのか!?



74:毒男◆B.DOLL/gBI 2020/02/17(月)00:30:08.13ID:GA4Shesb0

 ーいちまさんー

俺の叔母は脳腫瘍こじらせて鬼籍に入ったんだけど(脳腫瘍→悪性腫)むろん悲しかったがそれ以上に恐ろしい死に方だったんだと今にしてみれば思う。

入院してから早いうちに脳腫瘍だって診断は受けていて、叔母ももともと楽天家だったので対して気にせずに治療を続けていた。
まぁ見舞いに行ったら行ったで大好きなヒロタのシュークリーム5個も平らげるぐらいだったので親戚一同たいして心配もしてなかった(俺の分まで食った)。

見舞いに行って病室で写真を撮ったり、一時退院で地元のうまい寿司屋で写真を撮ったりしてお気楽だったわけだが、どうも俺と彼女の姉であるお袋は奇妙なことに気がついていた。
ぶっちゃけ心霊写真らしきものが撮れるようになった。

病室で撮った写真には肩から指がのぞいていたり、窓の外に異形が写っていたりした。
寿司屋での写真にはカウンターの一番端っこに黒い男が座っていたりと日増しに撮影する写真にはそういった禍々しいものが写り込むようになった。

決定的だったのは病室のスナップにあるはずのない市松人形が写り込んでいたときだった。
叔母はやっぱり楽天家なので、
「ぼやけてるけどかわいい!座敷童かしら」
とお気楽だったのだが。

お袋と俺は何ともいえない気持ちになって、主治医に実際のところはどうなのか?と食い下がった。
数日後、俺とお袋は主治医に呼び出され余命1年と宣告された。
お袋はがっくりと力をなくし、俺は仕方がないので主治医の話を聞くという手はずになってしまった。
主治医がCTやMRIの写真を取りだして架台に掛けて説明を始めた。

何枚も何枚も叔母の頭の輪切りが連なっている写真を見ながら何とか叔母の病状を理解しようと俺は必死になって主治医に質問をした。
これが腫瘍なのか?ここの影は何だ?俺たちはどう叔母に接したらいいのか?などなど。
そのたびに主治医は親切に答えてくれた。

拡大のCTの写真?を見せられたとき、俺はどうも腑に落ちなかった。
叔母の病巣のあたりにもやがかかっているように撮れている写真。
こんなにひどいのか?と俺は本気で心配になり主治医に強く質問した。
すると主治医は沈鬱な声で
「この写真だけが変なのです。どうやってもうまく撮れません」
と答えた。
CTであるにもかかわらず、叔母の後頭部にはもやがかかっている。
そのもやはCTであるにもかかわらず、まるで後頭部からそのもやが抜けて行ってるかのように輪切りの頭部に写っている。
CTなので人体以外に影が映ることはまずない。
にもかかわらず、そのもやは抜けていく魂のようにぼんやりと、しかしはっきりと流れを作って写っていた。

それから半年、叔母はすっかり抗ガン剤の副作用で髪が抜け落ち、藁半紙のような皮膚になっていた。
大好きなシュークリームもマグロの握りも受け付けないようでただ横たわって俺たちが来ると薄くなった唇でかすかに微笑んでいた。



76:毒男◆B.DOLL/gBI 2020/02/17(月)00:31:30.20ID:GA4Shesb0
いつしか心霊写真は撮れなくなり、正確に叔母の現状をカメラは映し出すようになっていた。
主治医が最後のCTを見せてくれることとなった。
はっきりと叔母の後頭部には腫瘍が認められる。
大きかった。
片目はもう見えないはずです。と主治医は告げた。

なるほど脳のあちこちに広がった腫瘍は素人が見ても視神経を押し出そうとしているのがわかる。
「これだけはお見せしたくはないのですが、我々もなんだかわかりません。でも現実に撮れたCTです」
と主治医は困惑しながら俺たちに告げた。
「質問はしないでください。機械の故障でもありません。ご親族の方が判断してください」
そういって主治医は別の封筒に入ったCTを架台にかけた。

頭頂部から連続で撮影したCT。
なるほど。叔母の脳は腫瘍だらけだ。
一枚目、二枚目、三枚目そして6枚目がかけられたその瞬間、俺とお袋は声を上げた。
「いちまさんだ…」
そこには後頭部に髪の毛を広げた逆さ写しの市松人形がぼんやりではあるが確かに写っていた。
見間違い、錯覚、見当違い。
どの言葉もむなしくなるほどそれはしっかり写っていた。
後頭部から髪の毛があふれ出している。
脳のしわに見えた模様は明らかに優しい表情の市松のそれだ。

次の写真は何も写っていない。
その写真だけにその人形は写っていた。

きっかり一年後、叔母は鬼籍に入った。
別段苦しむこともなく、ゆっくりと眠っていった。
棺には叔母のかわいがっていた市松人形を納めた。
あのCTに写った市松人形はこれだと思った。
果たしてこの人形が叔母を連れて行ったのか、それとも苦しまないように守っていたのかそれはわからなかった。
ただ何らかのメッセージを持っていたのは間違いないと思う。
その叔母とともに鬼籍に入った市松の姉妹人形はいまうちに形見分けで残されている。
叔母の優しい表情の写真と週替わりで供えられるお菓子と一緒にその人形は俺のうちを見守っている。
何となく安心だが、もし俺がCTを取るような事態になったらできれば写ってはほしくないのが本音だ。



80:毒男◆B.DOLL/gBI 2020/02/17(月)00:44:07.34ID:GA4Shesb0

 ー非常階段ー

6年ぐらい前の夏の日の話だ。
俺は会社の同僚達と飲みにいって、帰路についたのはもうAM1:00過ぎだった。
俺の住んでいたマンションは会社からも、皆で飲んでいた飲み屋からも近く、皆がタクシーを拾って帰っていくのを見送ってから、一人で歩いて帰ることにした。

夏の夜のクソ暑さとアルコールのせいで、少し気分が悪くなった俺は、近くのビルの非常階段の陰で少し吐いちまおうとふらふらとビルの方に歩いていった。

非常階段はよくある螺旋状になったもので、その上り口には小さな門が付いていて一応鍵が掛けてあるようだった。
非常階段の下まで辿り着き、盛大なカーニバルを終えてスッキリした俺は、非常階段の上からなんだか話し声が聞こえたような気がしてふと上を見上げた…

瞬間話し声は途絶えて、階段の上の方7階とか8階位の高さからこっちを見下ろす若い女の子(中学生とか高校生くらいに見えた)の姿が見えた。
一瞬頭の中が???だらけになったものの、こんな時間のオフィスビルに少女がいるというのはどう考えても普通ではない、それに階段入り口の門には鍵が付いてた。
なんかイヤな感じがした俺は上を向いたまま声を掛けた

「ねぇねぇなにやってんの?こんな時間に勝手にそんなとこ上っちゃダメだって!!」

少女は俺の声など聞こえないとでも言うように、下にいる俺を見下ろしている。
「やばいなぁまさか自殺でもする気じゃねぇ~だろうな」
こんなところで俺の目の前で自殺でもされたら一生トラウマになっちまうし、逆恨みされてあとで「出てこられる」のも御免なので(なんども体験してるからな)

仕方なく俺は階段を上って上に行こうと思った。
思ったとおり、門には鍵が掛かっていたが門自体がたいした高さじゃないので、よじ登って階段を上り始めた。
上りながら上を見上げると階段の隙間から少女の姿が見える。
スカートの中身も見えたりして…などと思いながら、
「おーい今行くからさちょっとそこで待っててよ」
などとなるべく軽い調子で話しかけてみたが、相変わらず返答はナシ。

あとちょっとってとこまで来たときに、もう一声掛けようと上を見上げると少女の姿が見えない!!
まさか飛び降りた!?咄嗟に下を見下ろしたが人が倒れている様子はないし、第一こんな夜中に人がビルから飛び降りれば衝撃音が聞こえないってことはないはずだ。
俺は少しパニくりながらも、いなくなった少女に声を掛けながら階段を上り続けた。
そして少女がいた場所まで来て、俺は凍りついた…

しおれた花束・タバコ・線香…

やばいっ!!と咄嗟に事態を飲み込んだ俺は階段を駆け下り始めた。
下り始めた直後(4~5段)いきなり後ろから声が聞こえた。
確かに女性の声ではあるが空気漏れしているような声で何を言っているのかは全く判らない、もちろん後ろなど振り返れない!!
俺はガクガク震える膝で必死に階段を下りた、



81:毒男◆B.DOLL/gBI 2020/02/17(月)00:44:19.18ID:GA4Shesb0
カツンッカツンッカツンッカツンッ

女性のヒール特有の音が後ろから聞こえる…明らかに誰かが階段を下りてくる。
俺は耐え切れずに上を見上げた…

いた…さっきまで俺を見下ろしていた少女の姿が階段の隙間から見える、そして靴音のテンポとは裏腹にもうすぐそこまで来てた…
俺は必死で階段を転がるように下りきり、門に飛びついてよじ登った。
その足をグイッと引っ張られた。
俺は絶叫しながら足をばたつかせて、なんとか振りほどくとそのまま走った。
後ろの門から1度だけ
「ガシャンッ」
という衝撃音が聞こえたが、それでお終いだった…と思っていた。

とてもじゃないが歩いて帰る気力が無くなった俺は駅前まで行き、タクシーを拾って家まで帰った。
マンションの前でタクシーを降り、エレベーターに乗り込もうとした俺は見ちまった。
ボタンを押してもいないのに下ってくるエレベーターの監視カメラに映るあの少女の姿を…。

その晩、そのままマンションから逃げ出した俺は友人のうちの転がり込んで、一晩を明かした。
それから、あのビルで少女を見かけることも無いし、あの階段に近寄りもしなかったがその日から異動がでて転居するまでの1年間、マンションのエレベーターは使わなかった。



82:毒男◆B.DOLL/gBI 2020/02/17(月)00:45:31.39ID:GA4Shesb0
|A-) 今日はここまでー
   おつかれさまでしたw



引用元:毒男の怖い話とか音楽とか雑談とか
http://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1581859795/




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