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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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2024.04.27 (Sat) Category : 

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ー毒男の怖い話とか音楽とか雑談とかー <毒男シリーズ>

2016.08.05 (Fri) Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象



1:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/14(金)23:16:13.407ID:6tMQDk+30.netBE:708155702-PLT(12004)
|A-) 怖い話は探しながら人がいる限りゆっくりと
   怖い話書ける人、貼れる人はどうぞー



14:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/14(金)23:31:28.944ID:6tMQDk+30.netBE:708155702-PLT(12004)
中学生のころ、年寄りの先生から聞いた話。

実家のあたりは未だにコンビニすらない田舎だが、先生が子供の頃はそれはもう山奥、という感じだったそうだ。
四面を山に囲まれ、見渡す限り田んぼで、6月のこの時期はカエルの合唱やらホタルが凄いらしい。(ちなみに現在も凄い)

田植えも済んだ頃、先生はまだ暗くなりきってない夜の農道を歩いていた。
見回りが子供の仕事だった。
ぶらぶら歩き、何個目かの田んぼを覗き込もうとしゃがむと、少し離れたところから何かの足音が聞こえてきた。
ドタドタとした…たとえるなら、太った人が裸足で歩いているような感じだった。
『なんだろ?』
猪だと危ないので、しゃがんだまま息を殺した。

音のした方を見てみると、草むらごしに何かが走っているのが見えた。
長い髪でやたら太い手足の(恐らく)女が、蜘蛛みたいに四つん這いで走っていた。
前方を見据え、頭と背中は動かさず、直角に曲がった手足だけが凄い勢いで動いていた。

あまりの出来事に呆気に取られていると、それは川の方から山の方へ走り去っていった。
先生は驚いたが、まだ子供だったので
『すごい生き物がいるものだな』
程度にしか思っていなかったらしい。
大人に聞いてみても誰も知らないというので改めて怖くなったが、祟りだのといったものはなかった。
『しゃがんでたから良かったけど、もし見つかってたらどうなってたんだろうな?』
でこの話は終わった。
子供が農作業を手伝わなくなるといけないので、あまり子供には話さないらしい。

こないだ実家に帰ったら思い出した。
九州の話でした。



34:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/14(金)23:55:20.225ID:6tMQDk+30.netBE:708155702-PLT(12004)
愛知県の出る、と噂の多いとあるトンネルの話。
おれの友達のバイクの走り屋仲間が実際に体験したという。

その日、夜中にみんなで峠を走らせがてら、肝試しで例のトンネルへ行こうかと計画をリーダーが立て、人を集めた所7人の走り屋仲間が集まった。

深夜2時頃、時間帯もあってかバイクのエンジン音のみが峠の道で響き渡る。
「着いたぜ!」
と本来公道として使われているトンネルとは違う、今はトンネルの端が封鎖されているもう一つの旧トンネルに7人は到着した。
ぽっかりと口を開けた真っ暗なトンネルと森からの冷気が、蒸し暑さによるじっとりとした汗を冷やす。
その心地よさとは逆に7人は何か嫌なものをそれぞれ感じ取っていた。

「ビビってんじゃねーよ!んじゃルールな!おれがまず最初にトンネルの端の壁まで行って、ロウソクを7本、人数分置いてくる。1人ずつトンネルの端まで行き、そのロウソクに火を点けて帰ってくる!」
とさすがリーダー。
そう言うとさっさと人数分のロウソクを持ってトンネルの闇に消えていった。

6人はトンネルの闇をじーっと見ているしかなかった。それほど場に圧倒されていた。

しばらくすると闇の奥の方でかすかにオレンジ色が見え、それがだんだんこちらへ近づいてきた。
「お~!やべやべ!!やっぱなんかいるよあそこ!」
と顔を引きつらせてまずリーダーが帰ってきた。
ロウソクを置き、自分が持って帰るロウソクに火を点けようと、ジッポを擦って場が明るくなった瞬間に何かが視界の隅で動いたのだという。

このリーダーの嘘に見事に引っかかった6人は完全にビビってしまい、
かと言って年頃の男が集まっているのだから腰抜けには見られるわけにもいかないと、ガクガクいいながら一人ずつトンネルに入りロウソクを持って帰るという度胸試しが始まった。



35:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/14(金)23:56:13.829ID:6tMQDk+30.netBE:708155702-PLT(12004)
真っ青な顔で戻って来る者、恐怖に耐えられなくなり走って戻って来てつまづいて転ぶ者もいれば、余裕じゃんと笑いながら戻って来る者もいた。

そして残された、7人の中では最年少の後輩。
彼はただ1人、最後まで青い顔をして震えていた。
「お前が最後だからな!ロウソクちゃんと火ぃ点けて持って来いな!」
とリーダーが肩を押した。
後輩は顔面真っ青にしてフラフラと闇に消えていった。

「う~ん、おせぇな…」
後輩がフラフラとトンネルの闇に消えて30分が経とうとしていた。
他の者は遅くても10分ほどで戻ってきていた。
うんこしてんじゃねーの?と話しながら、万が一の事があったら何なので、みんなでトンネルに入ろうとした時、小さなオレンジ色の光がこちらへ近づいて来た。
おー来た来た!と皆でロウソクに照らされた後輩の顔を見た。
後輩は顔が変形していた。

目は髪の生え際まで細くつり上り、目の下は墨を塗ったように真っ黒になり、口からは泡を吹き出し仮面のような固定された笑みを浮かべ、その目は完全に左右違う方向を睨んでおり、
「ん゛~ん゛~」
と唸りながら後輩は戻って来た。



36:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/14(金)23:56:51.558ID:6tMQDk+30.netBE:708155702-PLT(12004)
6人はそれだけで正気じゃないと思ったが、リーダーがあるものを見て後輩の顔を
「正気に戻れやドアホ!!」
と力一杯ぶん殴った。

後輩は右手にロウソクを、左手に腐った獣の死体を大量に抱えて戻ってきたのだった。

殴られた瞬間、後輩は
「ギャイン」
と獣の鳴き声のようなうめき声を出し、気絶した。

しばらくすると後輩は目を覚まし、正気に戻っていた。
皆が話を聞くと、トンネルに着いた瞬間からすでに意識が無かったという。

その後輩は頬の腫れとともに、目の下の真っ黒いクマはしばらくとれなかった。

「ホント遊び半分で肝試しとかやらない方がいいよ。」
と友達は忠告してくれた。



46:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)00:11:05.038ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
私は、元陸上自衛官で、関東にある某普通科連隊にいました。
残念ながら、私が体験した話ではなく、在隊時にMという上官から聞いた話を書きます。

本題に入る前に、陸上自衛隊の演習場について説明します。(興味無い方、すみません。)
陸上自衛隊には、全国各地に演習場があり、関東甲信越の部隊がよく訓練に利用するのが「富士演習場」です。
ここは総合火力演習なども行われるので、民間の方でも行った事がある人がいると思います。
富士演習場は、静岡県側の「東富士演習場」と山梨県側の「北富士演習場」の2箇所にわかれており、今回の話の舞台は、東富士演習場です。

この演習場の歴史は古く、明治時代に作られたそうで、演習場内にも固有の地名があり、正規の地図にはちゃんと地名が記載されています。
古い地名が多く(中には戦後付けられたのもある)、今の時代では変に思える地名がたくさんありました

さて、ここから本題に入ります。
その、たくさんの変な地名の中に、「砲兵森」という場所があります
(今でもありますし、正式な地名であり、俗称等ではありません。)
私にこの話をしてくれた上官が、新隊員の頃に初めての野営訓練をした宿営地が、この砲兵森でした。

その時の野営訓練は、3日間で、詳しい訓練内容は聞きませんでしたが、初日の夜に、夜間歩哨の訓練を行ったそうです。
2名ずつ交代で夜間歩哨に立ち、深夜2時になって、当時新隊員だったM上官(以後M新隊員)達の番になり、班長に夜間歩哨につく旨を申告して前任者と交代しました。

その日の夜は、雲ひとつ無い、怖いくらい奇麗な月夜で、眼前に広がるのは月明かりで青白く染まったススキの平原で、後方には宿営地のある真っ暗な森がありました。

2人でタコツボに入り、小銃を腰だめに構えて警戒をしていました。
演習とはいえ、いつ敵役の教官達が襲ってくるかわからないので、緊張して警戒していました。



48:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)00:12:17.045ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
しばらくすると、後方から誰かが歩いてくる音がかすかに聞こえ、M新隊員達は
「敵の斥候か?」
と一瞬ドキッとしたものの、どうも足音は後ろから近づいてくるようなので、
「味方の伝令だな」
と思い、緊張していた気持ちが緩んだのです。

しかし、歩哨は、常に敵方(自分の前方)を監視していなければならないので、後ろを振り向かず、きちんと任務を遂行していると足音がすぐ後ろまで迫ってきました。

そしてその足音が、M新隊員達のいるタコツボのすぐ後ろでピタリと止まったのです。
M新隊員は
「ははーん、班長が俺達がちゃんとやってるか様子を見に来たんだな」
と思ったのだそうです。
となりの同期もそう思ったのか、しっかり前方を監視していたそうです。

しかし、タコツボのすぐ後ろにいるものは、話しかけてくるわけでもなく、まったく動かないのです。
さすがにM新隊員は、おかしいと思いましたが、
「もし班長だったら振り向いたら怒られるんじゃないか」
と思いなかなか振り向けずにいると、隣の同期が、どうやら好奇心に負けたらしく、後ろを振り向いてしまったのです。
その瞬間、隣の同期がガクガクと震えだし、小銃や装具がガチャガチャ鳴りはじめ、やっぱりおかしいとM新隊員も後ろを振り向くと、そこには、
「明治時代の軍服を来た兵隊」
が不動の姿勢で立っていたのです。

一瞬、何かの冗談かと思ったのも束の間、月夜で青白く照らされたその兵隊の顔を見て、目が合った瞬間に、
「この世のものじゃない!」
と確信したそうです。
(彼が言うには、言葉ではうまく説明できないが、葬式などで遺体を見たときの、なんとも言えない気持ちになる顔、だそうです)



49:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)00:13:36.190ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
兵隊と目が合ったまま、恐怖で動けないでいると、突然兵隊が大声で

「砲兵第○○大隊の陣地はどこでありますか!!」

と聞いてきたそうです。
M新隊員達は恐怖で答えられずにいると、その兵隊は、

「砲兵第○○大隊の陣地はどこでありますか!!」
「砲兵第○○大隊の陣地はどこでありますか!!」
「砲兵第○○大隊の陣地はどこでありますか!!」

と何度も何度も壊れたプレイヤーのように聞いてきたそうです。
M新隊員が目が合ったまま恐怖で動けずにいると、隣の同期がいきなり無言で走って
宿営地のほうへ逃げてしまい、M新隊員が一人取り残されてしまいました。

とっさに
「ヤバイ!」
と思って、M新隊員も、その兵隊の横をすり抜け、宿営地へ走って逃げました。
後ろでは、まだ、
「砲兵第○○大隊の陣地はどこでありますか!!」
と言う兵隊の声が聞こえてきます。

そして腰が抜けそうな、かくかくとした駆け足で宿営地に着くと、そのまま班長達のいる天幕(テント)へ走りこみました。
いきなり飛び込んできたM新隊員に班長は当然に、
「何をしている!持ち場はどうした!」
と怒鳴りつけました。

M新隊員は、カチカチと歯を鳴らし、涙を流しながらも、今までの状況をすべて班長に報告しながら、
「やっぱり、あそこにもう一度行って来いって言われるんだろうな」
と思ったそうです。



50:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)00:14:22.657ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
ところが、意外なことに、班長はこの報告をあっさりと納得し、
「わかった、自分の天幕に帰ってもう寝ろ!」
と一言だけ言うと、外へ出てどこかへ行ってしまったそうです。

天幕内にいた、この騒ぎで起きだした他の班長達も、なぜかみんなM新隊員を同情するような顔をして、黙ってまた寝てしまったそうです。
この反応に、ちょっと肩透かしをくらったようになりましたが、もうあそこに行くのは絶対に嫌だったので、素直に自分の班の天幕に戻ることにしました。

とぼとぼと自分の天幕へ戻っている途中で、先に逃げた同期の事を思い出しました。
「俺より先に逃げたのにどこにいったんだろう?迷子になったのか?」
と考えていると、班長が外へ出て行ったの思い出し、
「あ、班長はあいつを探しに行ったんだな、じゃ安心だな」
と自分に都合良く考え、一人で納得し、自分の班の天幕に戻りました。

そして、自分の班の天幕で、寝るために装具を外していると、天幕の入り口あたりで、ガサガサと音がしました。
「あ、あの野郎が帰ってきたな、先に逃げやがって!」
と思いつつ、天幕の入り口を開けてやると、さっきの兵隊の顔がいきなり現れました!
今度こそ腰が抜け、へたり込むと、その兵隊がニヤリと笑い

「砲兵第○○大隊の陣地は ここ でありますか!!」

と言い、そこでM新隊員は気絶、気がついたらもう朝だったそうです。

ちなみに、先に逃げた同期は、班長達の天幕の近くで隠れているところを、班長に見つかり(やっぱ探しに行ってたw)班長から
「仲間を置いて先に逃げた罰だ」
と言われ、班長と一緒に例のタコツボで朝まで歩哨をやらされていたそうです。



51:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)00:15:05.024ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
この
「砲兵第○○大隊の陣地はどこでありますか!!」
と聞いてくる兵隊の霊は、何十年も前から目撃され続けているそうです。

ここまで書けば、みなさんはもうお気づきでしょうが、この「砲兵森」という名前の由来は、旧軍時代から目撃され続けてきた砲兵の幽霊が元で、
「砲兵が出る森」
「砲兵森」
と呼び、それがそのまま大正、昭和と旧陸軍時代、戦後の陸上自衛隊と続き、いつしか正式な名称になったという話です。

実際に明治時代に、旧陸軍の砲兵大隊がここで陣を張り訓練をしていたところ、一人の兵隊がいなくなり、捜索するも結局見つからなかったという事件あったそうです。

私も実際に、この「砲兵森」で何度か野営しましたが、たしかに薄気味悪いところでした。
幸いにも私はここでは何も見ることは無かったのですが、他の場所では色々と体験させていただきました…
それはまた次の機会に書きたいと思います。



59:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)00:29:17.439ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
私の地元には首塚があります。
盛りあがった土の上に縦長の岩が突き刺さっているだけという非常に地味な代物です。
誰の首かと訊くと鬼の首だそうで、いわゆる霊感持ちにはそれが見えるそうです。

他人事のように書きましたが、実は私も首を見たことがあります。
祖母と伯母が親族内では見える人で、私はよく二人に首の話をおねだりしたものです。
祖母も伯母も首の話はタブーのようではなく、あんたにも見れたら良いねという感じで逆に縁起物のように話をしてくれました。

二人によれば首は全長約1mほどの大きさで岩の裏に隠れるように鎮座している。
それは影絵のように形はよくわかるのですが、表情や細部は濃い影が落ち伺い知る事ができません。
しかし上部に二つ小さな角らしきでっぱりがあるために鬼の首に見えるそうです。

またそれ自体何をするわけでもなくただ石の側に佇んでいるのが見えるだけ。
常に見れるわけではなく。
雨の日、特に降る直前に見える事が多く。
ある種の天気予報として重宝していたそうです。

当時、漫画のうしおととらが大好きだった私は餓眠様(巨大な生首)を想像して震えていましたが、段々とこの周辺を守っている良い妖怪へとイメージを変え、一目で良いからこの目で首を見てみたいと思うようになっていました。



60:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)00:30:39.861ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
そんなある夏の日、私は遊びに行っていた友達と別れて帰り道を一人で歩いていました。
遠くの方にあの首塚が見えます。
今日は見れるかもと思い首塚を凝視しながら歩いていました。

少し歩いた所である違和感を覚えました。
首塚の後ろを寄り添うように黒いモノが見えます。
鬼の首だ!確信した私は勢い良く走り出していました。
夕方とはいえまだまだ明るい時間帯で全く怖くありません。

むしろ感動の再会(初めてですが)のように興奮して走りました。
しかし遠くからは伯母達の話の通り黒い大きな首に見えたのですが、近付くにつれその首を覆っていた影が薄くなっていきます。
つまり伯母達には陰になり決して見ることのなかった首の細部がうっすらと見えるのです。

だいぶ近付き首の全体を把握した時、汗と体温が恐怖で一瞬に引いていったのを覚えています。

これは鬼の首ではない。
これは人の形だ。
大きめの男の人が歪な三角座りをしている形だと気付きました。

縄か鎖で強制されているんだと思います。
強く縛り過ぎて変形した体はシルエットのみなら大きな生首に見えたのです。
足首の間に顔が挟まり頭の上には強く結んだ両手、突出した両膝が角の部位に見えたのでした。

恐怖で固まった足をどうにか動かして友達の家に戻りました。
なんとか親に迎えに来てもらい、首塚を横切らない別ルートで帰りました。

その夜はひどい土砂降りだったのを覚えています。
あの日以来首塚には近づいていません。

(続きは『続きを読む』をクリック)

 









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65:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)00:45:17.347ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
私はもののけの類は一切信じていなかったが一度だけ不思議な体験をしたことがある。
写真撮影、廃墟探訪を趣味としていた私は隣町の有名な古い空き家へ何枚か写真を撮りにいった。
古き良き建物でまるで映画で使われるような田舎の一軒家。

にじみ出る汗と頭が痛くなるような蝉の鳴き声を、今でも鮮明に思い出す。真夏の暑すぎるくらいの日だった。
地主に許可をもらい二階から生い茂る木々、子供でもいたのだろうか裏庭に散らばるプラスチック製のおもちゃにホース、何か哀愁の漂うその家と家を囲う様々なモノたちを70枚くらい写真に収めた。
あいにく貧乏で現像機器を持ち合わせない私は知り合いの写真屋で現像をお願いした。

―後日
出来上がった写真に一枚一枚自ら評価をつぶやき、撮影日や撮影した瞬間の心情を思い出してりしていた。
その時、不思議な写真を見つけた。
二階から見える某湖、確かに何枚か写真に収めたが、このカット、構図は記憶がない。
次の写真は二階から外の芝生、真下を写した写真。
次は芝生のアップ……芝生……仕舞には芝生から寝そべって撮れたであろう木々の少し浮き出た根。ぼやけた無造作にのびた芝生。

ま っ た く 記 憶 に な い

私はあまり意味もなくシャッターを切らないが、本当に記憶に無い結局計七枚の謎の写真が撮れた。
その日はかなり取り乱し、友人を呼んではお酒を飲み、その写真を見せたりして恐怖を紛らわした。
本当に長い夜はそれからだった。

友人も帰り、微酔いでソファーからベッドへ移りエアコンをタイマーにセットし、明日地主に何となく探ってみようか、やっぱり友人には泊まってもらえればよかった、なんてくだらない事ばかり考えていた。
―そのうち眠りについていた。



67:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)00:46:31.768ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
……ザー、ザー
ふと目が覚めエアコンの音を確認した。
眠りについてから二時間はたっていない。
室内に響くように聞こえるエアコンの音がやけに不気味に聞こえ時計を確認しようとしたその時……

物凄い鳥肌と自分以外の気配を感じた。
霊を信じない自分でも恐怖で汗が首をつたる。
背を壁に付け布団に潜り、三角座りをして気配のする方向を見ようか否か迷っているときダンッッと床を踏み付ける音がした。

間違いなく鍵はかけている。
納まらない変な汗と鳥肌、震えまで出てきた。
間違いなく人ではない、ナニカ。

ダンッッ……ザー…
ダンッッ…ザー

音で大体のイメージはついた。
片足で強く一歩前へ出て片足を引きずっている。
近づいては離れていき、また近づいては離れていく。
円を描くように歩いていたと思う。
私はソイツにまだ見つかっていないだろうか。
ただばれたらヤバいとだけ感じていた。

―その時、ポケットに入れっぱなしだった携帯電話のバイブが揺れた。
ばれてしまうと思った私は布団の中でポケットから携帯電話を取り出そうとした……
ブーブー……ブーブー……
やばい、音が漏れる、早く切らなくては切らなくては切らなくては……

ポケットに入れた手を誰かの手に掴まれた。
細くて冷たい、間違いない、女性の手だった。

そこで私は気絶した。



68:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)00:47:46.743ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
―翌日
友人を連れて地主に会いに行った。
心霊スポットと言われているのは知っていたが、納得がいかない。
何が過去に起きてなぜ私に恐怖をもたらしたのか。
その時は昨夜の恐怖よりも好奇心が勝り、洗い浚い地主から聞き出した。
すると恐ろしい過去がこの廃墟にはあった。

40年くらい前に女性と子供が住んでいたが女性は少し精神を病んでいて、たまに発狂し、時代が時代なだけに避けられていたこと。
その女性がある日二階から飛び降りるも死ねず、折れた?足を引きずりながらも前にある湖に子供と入水自殺を計ったこと………

人生初の心霊体験の興奮や好奇心は一瞬で恐怖に変わった。
あ……
七枚の写真はその女性が飛び降りる目線だったのか……

線香とお供え物を置き、手を合わせ写真を燃やした。
それ以来何も起きていない。



92:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)01:12:28.418ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
あれは、5年前のちょうど今頃のことでした
私は、大学を卒業後、就職もせず、しばらくぷ~たろうな生活をしていました
そんなある日、自宅でゴロゴロしていると大学時代の友人から電話があったのです
久しぶりに、酒でも飲まないかということでした。

翌日、友人に会いに私は近くの居酒屋に向かいました
時間は、もう夜の11時をすぎていましたがどうせ朝までコースになるんだと思い、あえて遅い時間にしたのです
店に着くと、友人はまだ来ていませんでした
私は、とりあえずビールを注文し友人を待つことにしました。

しばらくすると、わたしの携帯が鳴りました
友人からです
電話に出ると友人は実は今、居酒屋の近くまで来てるのだが店に向かう途中の公衆電話に、妙な女がいるというのです、とにかくすぐに来てくれということでした

何を言ってるのだろう、こいつは?とは思ったのですが昔から、妙な事をよく言う男だったこともあり、わたしは、面白半分で友人のところに行くことにしました

公衆電話の近くまで来ると、友人が電柱のところで隠れながら女を観察しているのが見えました
ほんと、馬鹿だなこいつは!と思いながらも私は友人のところへ向かいました。

何やってんだよ?そういうと友人は、なぜわたしに電話したのかを話してくれました
話によると、友人がわたしに会いに居酒屋へ向かう途中、いきなりあの女が路地から走ってきて友人にぶつかって倒れたそうです

その時、女は足にケガをしたらしく少し血が出ていたようで友人が、あの~大丈夫ですか?と声をかけると女は、何も言わずにあの公衆電話に凄い勢いで、走り込んだらしいのです。

友人は、警察に電話でもされるのかと焦ったらしく、女のいる公衆電話に近づこうとしたのだが女は電話をする様子もなく、ただ公衆電話でうつむいたままじっと立っているだけだというのです
あまりに不可解な女の行動に、どうしていいか分からず私に電話したという事でした。



94:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)01:13:34.654ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
とりあえず、ケガさせてしまったんだから、このままほっとく訳にもいかないしな、ということになり、二人で女のいる公衆電話に向かいました。

公衆電話の側まで来ると、確かに女の足から血が流れているのが見えました。
よく見ると、靴が血で染まるほどの出血で、責任を感じたのか友人は慌てて公衆電話のドアを開けたのです。
ちょっと、あの大丈夫ですか?すごい血が出てるみたいだけど…
その時、わたしには、友人の声が少し震えているのが分かりました。

しかし、友人の問いかけにも、女はまったく反応せず下を向いたままだまっていました…

しばらく、沈黙が続き…たまらずわたしも女に声をかけました
とにかく、病院行ったほうがいいですよ、かなり出血してるみたいだしすぐそこに病院あるから、行きましょう
しかし…女は…うつむいたまま…
だまっていました…

この女は、何か変だ 普通じゃないな そう思って友人を見ると、友人もそんな表情でわたしの顔を見ていました
その後、二人で話し合い、とりあえず救急車を呼ぶことにしたのです
そして、わたしが救急車を呼び、場所を伝えて電話を切ると、友人がわたしの肩を叩きました。

振り返ると、公衆電話にいた女が消えていました。
あれっ、どこいった?
そういえば、友人も姿が見えません
慌てて辺りを見渡すと、友人が路地の奥へ走っていくのが見えました
おそらく、友人が女を見つけて追いかけていったのだ
そう思ったわたしは、友人の後を追って路地へ向かいました。
とにかく、全速力で友人の後を追って…

しばらく、行くと友人が左に曲がるのが見えたのでわたしも、後を追って左に曲がったのですがそこで、友人を見失ってしまったのです



97:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)01:15:10.469ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
友人のすぐ後を追って曲がったはずなのに、そこには誰もいませんでした
そんな馬鹿な?しばらくわたしは放心状態で何がなんだか分かりませんでした
とにかく友人を探さないと…
そう思って、しばらく辺りを探したのですが、結局友人も女も見つけることが出来ませんでした

わたしは、どうすることも出来ず、元いた場所へ戻ったのです
すると、救急車が来ていました。
そう、救急車を呼んだことをすっかり忘れていたのです
救急隊の人が、救急車の側にいるのが見えたのでわたしは事情を説明しようと、救急車へ向かいました

側へ行くと、救急隊の方がわたしに話しかけてきました。

あなたですか?電話されたのは。
はい、そうです。
すいません、実は、ケガをしていた彼女がいなくなってしまいまして…
一緒にいた友人もいなくなったものですから、探していたんですよ

わたしがそう言って事情を説明するとなぜか救急隊の人が、不思議そうな顔でわたしを見ていました。

あの~おっしゃってることがよく…分からないのですが
えっ?
とりあえず、確認してもらえますかね

そう言われて、救急隊の方に連れられ救急車の中を覗いた時わたしは、信じられないものを目にしました
中にいたのは…

あの女と友人でした

救急隊の話では、ついた時には既に即死状態で二人とも公衆電話にもたれかかっていたそうです
わたしが見たものは、いったい何だったのでしょうか…



104:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)01:22:25.716ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
俺の元カノの話を。

三年前に付き合っていた俺の元カノは霊感体質で、日頃から常に見えてるような人だった。
彼女の部屋にいても
「上の階のおじーちゃんがベランダから見てるわ~。」
とか(その人は一年前に孤独死してる)、レストランで
「前の席のおっさん、見える?」
とかいきなり聞いてきたりで、俺は全く見えないから
「いないいないw」
「ビビらそーとしても無駄やでwww」
とかなんとか言ってはぐらかしていた。

けど、その日ばかりは俺も信じざるをえなかった。

ある日、彼女の車で大阪市内に遊びに行ったんだ。
天王寺まで行って、今日は何食べようとか他愛ない会話をしている時、ふと彼女が車を止めた。
場所はT動物園の裏手。
特に何の店もない暗い路地裏。…思えば何であんな所に車を進めていたんだろう、彼女は。
「ん?何、どうしたの。」
俺が聞いても彼女は何も答えない。
じっと窓の外を凝視している。



107:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)01:23:53.238ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
すると、ふと、
「あそこ」
と言って、ある一点を指差した。

暗闇の中に浮かび上がる門、その横をけばけばしい色の旗が沢山揺れている。
俗に言う大衆劇の芝居小屋のようだ。

「あそこ、女の人が立ってるの。解る?」
門の右端を指しながら彼女は言った。
「なんも…見えへんよ。気のせいちゃう?」
嘘だ。
俺には姿形こそ見えなかったが、その辺りだけ何かうすぼんやり明るい事は確かに分かった。

見えない俺に変わって彼女が説明してくれた。
女の年齢は30くらい。ブラウスを着て、門の端に突っ立っていたそうだ。

悪寒がざわざわ沸いて出てくる。
早くこんな所出たい。そう思って彼女に声をかけようとした。
すると彼女が突然怯えはじめた。

「来た…どうしよう、最悪やわ…」
「…どうした?」

「あの女の人、もうあそこにはいないんだ…今ね………後部座席に座ってる……」

俺は思わず振り返りかけたが、彼女が

「あかん!!絶対振り向くな!!」

って凄い剣幕で制止して、俺は固まるしかなかった。



109:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)01:24:59.156ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
彼女が車をゆっくりと動かしはじめた。
それとほぼ同時に窓を全開にした。出ていきやすくするためらしい。

ゆっくりと路地を進める。
彼女は無言のままだ。
俺は目を閉じて時が過ぎるのをじっと待った。
俺のすぐ50センチ後ろには、この世のものじゃないものが、居る。
そう考えただけで息が苦しくなる。
早く、早く過ぎ去ってくれ…

「キャアアアアアアア!!!」

悲鳴と共に車は急ブレーキで止まり、その衝撃で俺は正気に戻った。
ゼェゼェとした息をしてハンドルに突っ伏す、彼女の横顔がそこにあった。

「出てった…車ん中グルグル回って、T(俺)の側の窓から…後ろにまだ居るけど…」

俺は我慢できず、サイドミラーで後方を見た。

そこには確かに居た。
女の青白い無表情の顔が。

数秒それは空中に浮いていたかと思うと、TVの砂嵐に紛れるように暗闇に溶け、無くなった。

「たぶんあいつの縄張りに入ったから追い出しに来たんやろ…かなりヤバいで、あれ。」

彼女が後で教えてくれた。

ちなみにその劇場の裏は墓地らしいけど、怖くてあれから二度と行ってませんし、
その彼女と別れてからは一切そういう体験も無くなりましたから、もう俺には見えないんだろうな。



112:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)01:34:31.538ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
地元で友人3人と一緒に車で遊びに行った時の話。
フェリー乗り場に夜9時ごろ向かい、横にある茂みの多い大きな空き地で遊んで、というのを度々してた。
いつも3,4時間そこで喋ったり、時には明け方まで釣りをしたりしていた。

ある日、友人が遊んでる最中に急に寒気がすると言い出し、ちょっとゴメンといって物陰で吐きはじめてしまった。
直ぐに帰ろうという事になり、車に乗り込もうとしたとき空き地の奥の方からユラユラと動く人影を見つけた。
2人組みらしいが遠すぎるのと暗すぎるのとで、全く見えない。
ただユラユラしているという認識だけは不思議と出来た。

ただ、友人が気持ち悪そうにしていた為に直ぐに車をだして家路を急いだ。
フェリー乗り場から自宅のある町までには3通りの帰り方があり、一つはクネクネとした山道で、悪い噂(霊的な意味で)の耐えない神社の前の道を行く方法。
もう一つは、これまた地元では有名な霊園の前を通るが、一番早く家に着く方法。
最後の一つはトンネルを通りコンテナのずっと続く道で、一番長く時間がかかる方法である。
いつもは、神社のある道を通ってきていたが今回は友人が気分わるそうなので一番早く着く道、つまり霊園前の道をとって帰ることに。

その日はそれで終了。特に霊的体験もなかった。
はずだった。
次の日から気分の悪くなった友人が全く大学の講義にでなくなった。
1週間たっても来ないし、その間何度か電話したりメールしても連絡はつかない。
1週間たったときに心配になり友人の家に行くも誰も出ない。
実家の電話番号に電話して生死だけでも確かめようと思ったが実家の番号に何度か掛けても繋がらなかった。



114:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)01:35:46.234ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
その1ヶ月後に友人(仮にAとする)は無事に戻ってきた。
かなり心配していたので、残りの友人と一緒に
「何故電話かけてこなかった!」
とすこし怒りながら詰め寄った。
そのときに、Aは

「ねぇ、返しにいく、着いてきて」

といきなりワケの分からない事を言い出した。
こちらが休んだ理由を聞くと
「疲れとったんよ。」
と言うので
「若いくせに何を」
と少し笑いながら答え、それから夕方までは今までどおりと一緒に飯をたべ、講義を受け、帰りを共にした。

ただ、別れ際にAが
「ねぇ、本当にさー、返しにいくの今日皆ついてきて」
と言い出した。
「何を?」
と答えると
「いや、今日暇?暇なら久しぶりにフェリー乗り場の空き地行こう」
と言う。
「返しにいくってのは?」
と問うと
「いったらわかるよ」
と笑いながら手を振り
「んじゃー、夜ね」
と帰っていった。
意味は分からなかったけど、久しぶりに皆で遊ぶことになったので、残りの2人と一緒にご飯を食べにいきその後Aを誘ってフェリー乗り場の空き地に向かう。



115:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)01:36:43.277ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
そこに向かうまでAに
「まじで何をしてた?」
だの
「休みすぎ。実家にも電話したぞ、誰もでらんかったし」
だのと話を振るも
「いや、本当に疲れとったのよ」
という。
その後、空き地に着くとAがいきなり車から降りて奥の草むらに進んでいく。
「おい、どこにいきよんの?」
と聞くと
「来んほうがいいかも」
と振り返る。

振り返ったAの肩にニタニタ笑った能面みたいな顔が乗っている。

ヒッっと声にならない声で驚き、尻餅を着くと横に居た友人の一人が
「おい、A、か、肩」
と自分の肩を叩く。
Aは、
「うん、返しにいかな。」
と言いながらずんずん進んでいく。
けど、流石に追いかけられない。怖すぎて。意味もわからなさすぎて。

しばらくは、Aに気を取られていたけど、前のほうからユラユラしている人影をに気付いた。
友人の一人は車に向かって走っていきエンジンを掛けてヘッドライトでその方向を照らした。



117:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)01:37:46.592ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
ユラユラしたものの正体は1体の首吊り死体。
Aはそこに向かっていく。車の中の友人はクラクションをならしまくる。
もう一人の友人は
「警察に電話をする」
と携帯を取り出し
「死体がある」
と通報をした。

警察が来るまでAは死体の横で自分の肩を木に持ち上げるかの様な格好をしてた。
警察が到着して直ぐ、そばに来て
「こんな時間にここで何をしてた?お前の友人は何をしてる?」
と警察もAの行動にかなり恐怖を感じていた。
その後警察署まで行き、親を呼ばれ、
「自殺か事故かわからないので後日話を聞きたい」
と少し疑いをかけられたまま自宅へ帰された。
Aはそのまま心療内科のある病院にいき、入院をした。

彼が1ヶ月休んでいた理由は
「疲れていたから」
では無く、彼の母親曰く

「憑かれていたから」

その後一度だけ警察に呼ばれて発見までの事情を話したが自殺で間違いないらしい。
「死んでいた二人の遺書が見つかった」
らしいから。



118:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)01:38:44.823ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
「2人?」
と思った。警察は

「お前の気がおかしくなった友達な(かなりな言い方だが)、腐って首が転げ落ちたほうの死体の上で飛び跳ねよったけど、よっぽどじゃないか…。」

と言っていた。

その2年後に気を取り戻したAから話を聞いたところ(Aは1年近く自宅療養して学校を留年した)ユラユラしたものを見た瞬間に気持ちが悪くなって吐いたらしい。
帰りに霊園を通ったとき、真横から
「カエセ、カエセ」
とずっと言われてる感じがしてた。
そして家についてトイレでまた吐いた後に肩に能面の顔乗っていて気が狂ってしまって、怖くなって実家に帰ったとの事。家族は心配して病院に何度か連れて行ってた。

それから夜になると
「返せ!返せ!」
と何度も電話が架かってくるようになったが、Aの部屋からも同じ声が聞こえて来てたので見に行くと、Aが掛けてきてたらしい。
そのため電話には出ないようになっていたとの事。
3週間ぐらいたったらAが
「迷惑かけたね、もう大丈夫学校もどるね。」
と学校の近くの自宅へ戻ってきて俺らに
「返しにいく。着いてきて」
となったとの事です。



123:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)01:48:40.767ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
俺は霊感ほぼ0だと思うんだけど時々、怖い目に合う

これは一昨年、大学の仲間ととあるキャンプ場の近くの川に釣りやバーベキューをしに行った時の話
もう年がたったから、別に人に語ってもいい気がしてきたからな
前述の通り一昨年の6月、とあるキャンプ場の近くの川に行ったんだ

まあ、6月だってのに暑くて、明日は学校サボって川に行こうぜって事になった
手当たり次第に友達をさそったものの、結局6人しか集まらなかった
みんな、サークルだの何だので忙しかったらしい

で、俺が親に車借りて友達の運転でその川に行ったんだけど夏休みでもないのに、2.3組の親子連れがいた
誤解されるとアレだから言っておくが、小学校の行事の代休だったって聞いた

午前中は川で遊んだ
釣りもしたが、結局ため池でどっかから持ってきてリリースされたブラックバスしか釣れなかった
ブラックバスを喰うかって話もでたが、女性陣に猛反対され
俺だけ車でスーパーに買い出しに行って、材料を買ってきてバーベキューをした

バーベキューの片づけを終わらせ、東屋の屋根の下で一息ついて友達を眺めてたら、いつの間にか俺は寝てしまったらしかった

気が付くと夕暮れだった、が、すぐに夢かと思った
誰の声も聞こえず、友達はみんな何処かに行ってしまったらしいと思ったし体がとてもダルかった、
ゆっくりと体を起こすと、キャンプ場だった場所は笹に覆われていた
川の向こう岸は特に変わりなかった、土の露出した岸、その上の森
でも川は異常だった、水が流れてなかった
大小の石が散乱した河原のような光景だった

俺は友達を探したが、みあたらなかった
代わりに、家族連れのどれかの子供が一人だけ川があった場所にいた
あの子もこの景色を見てパニックになっているんだな、と冷静に思った
声をかけよう、なだめてあげようと思って近づくとその子の周りの景色が少し歪んだ
俺は目を凝らした、見えないものを見ようとするくらいに



125:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)01:50:07.179ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
原因は、お前らのお察しの通り霊らしかった
凝視する内に、だんだん色も分かった
白かった、で、最初は煙ぽかったんだけど、だんだん色が濃くなる内に肌の白いぶよぶよした人が、何人もでその子の周りを取り囲んでて、それで子供がパニックになってるって分かった

と、同時に目口鼻が分かって、そいつ等の声も聞こえ始めた
多分、悲しくなる、悲痛な叫びだったと思う
涙腺が熱くなって、吐き気がした、立ってられなかった

いよいよ倒れるかって時に、そいつ等が子供に襲いかかった
途端に、子供は暴れ始めた、でも、もみくちゃにされてた

俺は凄い怒りを覚えた、今すぐ奴等を頃してやりたい
皆頃しにしてやる、跡形も無く消し去ってやる、と思った
でも、俺はにそんな力ないんだよね
そいつ等に向かって馬鹿みたいに走って
もう何百人と蠢いて子供をもみくちゃにしてるそいつ等の群に飛び込んだ

とたんに夢から醒めた、俺は川に突っ込んでいた
後ろの離れたところに、蒼白な顔をして立ち尽くす友達4人と家族連れに、必死の顔で携帯をかけてる1人
俺のちょっと後ろの川岸でへたりこんで真っ青になってる男、そして溺れてる子供が見えた
俺は構わず突き進んだ、口からは普段なら考えつかないような口汚い呪いの言葉が漏れていた

子供の近くまで突き進んだ、そしたら、水面下に白いぶよぶよした手が無数に見えた
子供を引き込もうとしていたと思う
俺はその白い手を蹴ったり殴ったり、可能な限りの攻撃を加えて、溺れている子供(少年だった)の肩を引いた
が、その白い手はいっそう強く少年を引き、俺の足にもまとわりついてきた



126:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)01:51:01.730ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
俺は、電話している友達に向かって真っ赤な顔で
「塩だ!塩をよこせ!!」
と叫んだ
友達の行動は迅速だった、ビニール袋から袋にはいったままの大量の調理塩を出し、袋ごと投げた
俺はそれをひっつかむと、袋ごと水面にたたきつけて水中にぶちまえた
すっと白い手が退いた、俺は必死になって、対岸まで少年を引いて泳いだ
そして土の上に少年を押し上げた、俺の足に手が触れた
今まで以上に引かれた、必死に岸に手を伸ばして雑草を掴んで這い上がった

で、終わりだな
俺はその場で意識を失って気付いたら病院のベッドの上
友達が呼んだ救急車に運ばれたらしい
足の骨が折れてたってんでしばらくは病院生活だった
見舞いにきた友達の言うに
「お前が凄い顔してブツブツ言いながら川に入って、あの子の周りで暴れてた時は、お前があの子をひきずり込もうとしてるみたいだった」
と言ってた
不思議な河原を見たのは俺だけだったが、みんな金縛りとか吐き気とかの症状が出たんだと

あれが何だったかは今も分からない
水難者の霊かもしれない

本当、駄文長文でよく分からない話だが水遊びする時は注意して欲しいな



133:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)01:57:15.863ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
これは夢の中の話なんだが、夢とは思えないくらい妙に生々しい体験なので聞いてほしい。

俺は現実では霊感0だが、夢の中ではよく色々な霊と出会うんだ。
まぁ色々と言っても出てくるのは親族ばかり(顔を見た事ない人もいた)なんだが。

で、去年の盆の事だ。
いつものように寝ていたら、夢の中にだいぶ前に亡くなったおじいちゃんが出て来た。
仲は良かったので、怖いとは感じず色々な世間話をしていた。

ふと俺は
「何でじいちゃんは成仏しないの?」
と結構失礼な質問をしてみた。
するとおじいちゃんはこう答えてくれたんだ。

「あっちの世界ではここでやったいい事悪い事関係無しに成仏させられるか霊になってさまようか決められる。時間が来れば自然と成仏する事もあるが、運が悪いと何百、何千年は成仏出来ない。わしも本当ならすぐに成仏したかった。死んでもまだ生きてる人間を見せられたら未練が出て悪霊になりそうだ」(うろ覚え)

そう言っておじいちゃんは消えていった。どうしても最後の
「悪霊になりそうだ」
と言う言葉が気になったので、せめて早く成仏出来るようにと墓参りに行ったんだ。
そしたらおじいちゃんの墓、何故か縦一直線にヒビが入っていたんだよ。



135:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)02:02:55.155ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
小学生の時、その町ではある噂がまことしやかに囁かれていた。
それは、夜人気の無い道を歩いている時にビルとビルの隙間の前に立つと
その暗闇から細長い腕が伸びてきて引きずり込まれ、二度と帰ってこれないというものだった。
振りほどこうにもあちらの力はありえないほどに強く助かったのは、偶然服をつかまれて破れた人だけらしい。

「隙間さん」と呼ばれていたそれは、始末が悪いことに特定の「隙間」からだけ出るものではなくその町中で目撃情報が挙がっていた。
それ故当時俺たち小学生はびびりまくり、中学生もびびりまくりヤンキーすら夜の町からいなくなるほどだった。

町がそんな噂で持ち切りだったある夏の日の夜盆で実家に帰ってきていた従兄(当時22歳だったかな?)が神妙な顔をして家に入ってきた。
よく見ると若干顔色も悪い。
なんだか胸騒ぎのようなものがして、どうしたのか聞いた。

「いや、実はな…ちょっと行ったとこにあるビルの隙間から…」
と言う。やっぱりそうか、と思った。

でもそれならおかしいんじゃないか?確かあれからは逃げられないという話だし。
そしてよくよく聞いてみると、予想していたこととは少し違っていた。



136:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)02:03:38.676ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)e
「…隙間から伸びてきた手に手首をがしっと掴まれてな、そいつが中に引っ張り込もうとするんだよ。そんでな」

従兄は即座に相手の力をいなすと、こともあろうかそのまま手首を極めてへし折ってしまったのだと言う。

結局、従兄の顔色が悪かったのは化け物がどうのこうのということじゃなく、たとえ変質者相手でもちょっとやりすぎちゃったかな~ということだったみたい。

感心した俺が町の噂を教えると
「あぁなんだ、よかった。あれ人間じゃなかったのか」
と合気道4段の従兄は安堵しておられました。
武道やってる人間はみんなああなのだろうか?

そしてそれから10年以上が経ち、俺も大人になってその町から離れた。
つい最近その町に残っている弟に電話をしている時にふとこの話を思い出して聞いてみた。
そしたらなんと「隙間さん」はまだその町に出没してるらしい。

ただし、すこし違うところがある。
10年前には「隙間に引きずり込む」という恐ろしい存在だった隙間さんだが今では隙間から手を伸ばして、前を通る人を撫でるだけらしい。
弟の友人にも撫でられた奴がいるとか。

人外にも「懲りる」って感情があるのだなぁと思い知らされた。



143:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)02:20:30.212ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
知り合いから聞いた話。その知り合いもまた聞きらしいから、本当なのか作り話なのかはよくわからん。

AとBは夜遅く、2時くらいらしいんだけど男二人連れでコンビニに買い物をしに出かけた。
ダベりながら一本道をあるいていると向こうの方にT字路が見えてきて、右側から話声が聞こえる。
どうやら男女のようだ。

突き当たりまで50mくらいまできて、そろそろ向こうも姿を現すんじゃないか、どんな二人組なんだと道の角を見ていると、女が一人だけで歩いてきた。

あれ?一人だったのかな?男の声もしたよなぁ?なんてヒソヒソやりながらまた歩きだした。
暗くて女の顔はよく見えない。
もうちょっとよく見てやろうとわざとこちらの歩く速度を落とした。
一人で歩いていた女がちょうど二人の正面30mくらいまできたその時、女がきた方向からもの凄いスピードで車がでてきた。

「あ」

と思う間もなく、全く躊躇もなく、その車は女をはね飛ばすと逆側の角へ消えていった。
高々と舞い上がった女が街頭のすぐそばまできた時、二人は初めて女の顔を見た。

どうってことのない、普通の顔をした普通の服装の女だったが、街頭に照らし出されたその顔は無念とも、無表情ともつかないなんともいえない表情で、しかもこれまた凄いスピードで下に落ちていったので最後までその表情の意図するところは読み取れなかった。

二人して唖然としながらその様子を見ていると、女は
「グシャ」
という音と共に地面に叩き付けられた。そしてピクリとも動かない。
ハタと我に帰り、
「大変だ。こりゃ事故だ」
と女に駆け寄ろうとした瞬間、車が走り去っていった方向の角から今度は男が凄い勢いで走りながら現れた。



146:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)02:22:20.644ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
「……………………!!!」

男は何事かを叫びながら女に馬乗りになり、髪を掴んで顔を起こすと一心不乱に空いてる方の拳でその顔を殴りはじめた。
男が拳をふりおろす度にその音が道に響き渡る。

「ぐしゃ」
「ぐちゃ」
「ぐしゃ」
「ぐちゃ」

人間を殴って、あんな音はしない。
男が殴っているのは、もはや「人間」ではない。
二人とも足がすくんでしまい、動くこともできずにただただその光景を見ていると、ふと男の手が止まり、そしてこちらに顔を向けた。

「…なんなんだよ、お前ら」

普通に考えればこっちは男二人、向こうは一人。やろうと思えば取り押さえることだってできる。
しかしそのあまりの光景にAは足がガタガタ震え、Bにいたっては道の上にヘタりこんでしまっていた。

「…なに見てんだよ…」

男は立ち上がり、こちらに向かって歩きはじめた。



147:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)02:23:03.508ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
段々と歩みは速くなり、まさにAに掴みかからんとしたその時。
Bが
「あっ」
と声をあげた。
つられて男もAもBの目線の先を振り返る。

女が、上半身だけ、起き上がっていた。

そして顔を空に向けると

「あああぁぁううがぁぁぁぃぃああああぅぅぅぅあああああ!!!」

と、叫んだ。
吠える、という方が適切だったかもしれない。

「あがぁぁうぁぁいぃぃぃ………」

最後は消え入るような声になると、また
「ずちゃっ」
という音と共に倒れた。



148:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)02:23:42.716ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
それを聞いた男はその場に突っ伏し、
「許してくれ、許してくれ、許してくれ…」
と言いながら失禁し、ダラダラと泣きはじめた。
二人はこれ幸いとゆっくりと男から距離を取り、携帯で警察を呼んだ。
パトカーがくるのにはものの5分とかからなかった。

一部始終を見ていた二人も当然のように署に連れていかれた。
部屋でしばらく休まされていると、一人の警察官が部屋に入ってきた。

「大変だったねえ」
「ええ」
「痴情のもつれだったようだ。犯人の男も自分が何をしたのかよく覚えていないらしい」
「本当に大変でしたよ。あの女の人が大声をあげてくれなければ私達もどうなったことか」
「大声?そりゃおかしいな」
「え?」
「被害者は、最初の車の一撃で即死状態だったよ」
「そんな」
「どういう当たり方をしたのからはこれから調べるが、最初の衝突で頭の半分は原形もなく損壊してる」
「…」
「まあ、ハネた後も随分と酷いことをしたようだけどいくら自分を見失っていたとはいえ人の手だけでああはならないよ」

そんな…。
じゃあ街灯にうつしだされたあの顔は?そしてあの声は…?!
二人は結局コンビニに行くこともなく、部屋に戻って朝まで二人でよりそって寝たそうだ。



161:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)02:37:29.473ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
普通にへこむ実話。
3年くらいまえに知り合った友人がバツイチなのは知っていましたが、その話を詳しく聞く、タイミングも空気もなかったので、そのまま深く聞かずに今まで付き合っていましたが、最近その話を聞く機会に恵まれ、聞いたところ洒落にならない話に発展したのでここに記します。

まず、別れた理由は精神科医に
「今は奥さんと離れて暮らしたほうがいい」
ということを言われたのが原因。

その友人の奥さんは精神的に病んでしまって一緒にいれなくなったそうです。
その奥さんがそういう精神状態になったのはある事件がきっかけだったと友人は話してくれました。

その事件というのは
当時奥さんが昔から仲のよかった親友がよくある話ではありますが、付き合っていた彼氏にふられ自殺してしまった事です。
仲のよかった奥さんは親身にその親友の恋愛の相談にのっていたので母校で飛び降り自殺をした友人の話を聞いたときはショックを隠せませんでした。

でもその自殺の話はそんなありふれた生易しい話ではありませんでした。
後にその話を事情聴取(その自殺した前の日に奥さんは友人にあっていたので警察が来たそうです)のときに警察から聞いてから奥さんは精神が壊れてしまったそうです。



162:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)02:37:41.525ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
その話
自殺をされた人(Aさんとします)Aさんは21歳でしたが、母校の高校の屋上にのぼり飛び降り自殺をしました。
次の日その高校の教員がAさんの遺体を発見し、警察に通報しました。
警察が調べると非常階段から飛び降りた場所、屋上付近にあがったのがわかったらしいのですが、何故かその階段にはおびただしい血痕がついていたらしいのです…
その後もっと詳しく調べてわかったらしいのですが、

Aさんは2回飛び降りていたのです。

一回目で死にきれず、また同じ階段をはうようにのぼり飛び降りた。
一回飛び降りてからまたその非常階段を上っているときにAさんがなにを考えていたのかを想うといたたまれなくなりました。



176:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)02:54:59.160ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
姉の体験談

近所の神社が祭りのために臨時で巫女のバイトを募集していた。
姉はそれに応募して、見事採用された。
主な仕事は祭りの時期の接客であったが、祭りのあとも土日だけ働けるようになった。

ある日、姉が境内の掃除をしていると、一人のサラリーマン風の男が声をかけてきた。
どうやら、神主とお話がしたいらしい。
セールスマンかな?と思ったが、とりあえず神主を呼び出した。
神主は境内で立っている彼を人目見て、血相を変えて近づいてきた。
神主が彼に一言耳打ちすると、彼は肩をガクっと落として涙を浮かべた。

男と神主は、姉も入ることを禁じられた(というより、入る用事をうけたことがない)部屋に2人で入った。
数分して、神主がノソっと顔を出して姉に、日本酒を持ってきてくれ。と言った。

それから小一時間たったであろうか、彼と神主は部屋から出てきた。
彼は神主に何度も何度も礼を言っていた。
彼はお金を10万円ほど出して、気持ちです、と神主に押し付けて帰っていった。
神主はその10万円から数枚の札を姉に渡して、日本酒が足りないからと、10本ほど頼んでくれと姉に言った。
姉は神主の言うとおりに日本酒を頼んだ。

日本酒が届いたあと、神主は先ほどの部屋にいた。
神主は部屋の前においておいてくれ、そして今日は帰っていいと言った。



179:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)02:56:22.776ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
次の週、姉は神主に先週あの後何があったのか聞いた。
要約するとこうだ。

あの男は、死神と出会ってしまったようで、近いうちに死ぬと宣告された。
それから、ずっと死神がまとわりついていた。
彼はいくつかの寺や神社を訪れたが、彼の死神を見える人間はいなかった。
お祓いをしてもらってもまるで効果がない、死神は消えない。
そもそも、彼が言い出すまで、彼が死神に憑かれていると気付いた人はいなかった。
しかし、神主は見えたと言う。
ある程度力があればここまで明らかな神は見えて当然らしいが最近は力がないのに、寺や神社を継いでいる者も多いと言う。

で、見える神主に除霊、というか死神祓いを頼んだそうだ。
だが、神主も見る力があると言っても、神を祓えるほどの力はない。
だから、彼に清酒をかけ、死神が少しだけ彼から離れた隙に身代わりに憑かせたらしい。

しかし、所詮は身代わり、力を抑え続けないと大変なことになる可能性もある。
そこで、清酒と身代わりを大量に用意し、当面はこれで力を分散させ、対処法を練らねばいけない。

とのことだった。
姉はその時は、怖がらせるつもりかな、程度にしか考えていなかった。



180:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)02:57:25.652ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
だが、そのあとすぐに、事実だと悟るようになる。

ある平日の夕方に神主の奥さんから電話がかかってきた。
神主が亡くなった、通夜も含めてこれからのことを相談したいの来てほしい、とのこと。
姉はなんだか嫌な予感がしたという。

姉はすぐに神主の家に向かった。
奥さんに何が原因で亡くなったのかなどをやんわり聞くと、死因は不明だそうだ。
ただ、いくつもの酒まみれの紙人形と数匹のねずみなどの小動物と一緒にあの部屋で亡くなっていたそうだ…

その後、姉はその神社でのバイトを辞めた。
その事件から半年ほどして、奥さんが神主の亡くなった部屋で首吊り自殺した、という話を風の噂で聞いたらしい。
姉は確信した。
死神はまだあの神社のどこかにいるのではないか。
あの男の人は大丈夫なのか。

そして、あそこで部屋の外とはいえ近くにいた私は、死神に狙われているのではないのかと。

話の最後に姉は、それからいつもこのお守りを肌身離さず持ってるの、と3つの身代わりお守りを見せてくれた。



191:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)03:17:18.849ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
これは、話していいのかわからんけど…

もう数十年前になるんかな、中学生1年の時の夏の日
実家が近畿地方(詳しくはいえない)のとある田舎にあって毎年、夏になると家族みんなでばあちゃん、じいちゃんに会いに帰省してた。
ばあちゃん、じいちゃんは俺を可愛がってくれて、俺が帰ってくると大好物のトマトに砂糖かけたおやつをいつも用意してくれたのを今でも覚えている。

そして決まって近所の同い年の友達Hとその弟でいっしょに遊んでいた。
自由に野原で鬼ごっこや、雑木林でどんぐり集め、公園などで梅など採って遊んでいたが一つだけ入ってはならない所があった。

それは雑木林のある程度抜けた先、周りを高い古めかしい壁に囲まれた敷地だった。
入ってはならないっと言っても中に入る門には錠前がかかっているから無理だ。
小さいころから田舎に帰ってくることに、ばあちゃんに
「あの場所に近づいたらあかんよ。子鬼様が居られるでな。罰があたるで」
と耳が痛くなるほどに聞かされたから、条件反射で怖くなって俺は近づこうとはしなかった。

小さいときから、その敷地は避けて3人で遊んでいたが、その日は少し違うかった。
Hが
「なあなあ、あの中に入ってみーひんか」
と敷地に指をさした。
俺はびっくりして
「はぁ、あそこに入ったらあかんっておまえもいわれとるやろ」
といった。
それをHは鼻で笑うようにこう言った。
「だいじょうぶやって、この辺はもうあきるほど遊んだし、知らんのはあそこだけや
うちのばあちゃんは、あの中に入ったら子鬼様に手毬にされるとか言ってるけどもう中学生やでw」
中学生になって、少し強気になるというか俺は子供じゃないみたいな感じはわかると思う。
「迷信、迷信、俺らを近づけたくないような、なんかすごいお宝とか隠されとるんちがうか?w」
と笑いながら言った。



192:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)03:18:27.204ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
俺は尻込みして少し震えた声で
「そんなやめようや、錠前もかかってるし」
と言ったらHはすかさず
「あんなの錆びてすぐ壊せる。おまえ、怖いんか?」
と言い返してきた。

よくありがちなパターンだが、ここで引いては男が廃るみたいな気がして
「……分かったわ、門の前だけいったるさかいに、中はおまえだけ一人でいけよ、ええな!」
と強めに言った。
その時、Hの弟は5歳くらいで人差し指を懸命にしゃぶっていた。

Hは咄嗟に近くにあった石を拾って錠前を壊し始めた。
ものすごく古い鉄の錠前で、錆びてどろどろになってたという表現が正しかったと思う。

俺も内心、ドキドキしていた。
小さいときから眺めていた門。
いったい何があるのだろう、どうなっているのだろうとずっと思っていた。
恐怖心と好奇心がごちゃまぜになったような感覚で、Hが壊している錠前を目を見開いて見つめていた。

Hが両手で全身の力を入れて石で錠前を5回くらい叩くと、ヒビがいって割れ落ちた。
それを見たHは石を置き、一置き深呼吸を入れると
「じゃ、開けてみるで」
と言って、ゆっくり両手で門を開いていった。

中の風景にHと俺は、体と目が止まった。

それは一面、平面に白い砂利に覆われていて真ん中にポツンととても古いお社が建っていただけだった。
俺はとてつもなくいやな感じがして、背筋がぞくぞくしてたまらくなった。
「おいおい、これはあかんって、もう行こう!」
と言った。
Hの弟は泣き始めた。



193:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)03:19:16.203ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
Hは振るいながらも白い砂利に足を入れた瞬間、空気が変わった。
空気が変わったというか、空気全体に体を押されてその場から動けないといった感じだろうか。
時が止まったような感じがして、俺の心は一瞬からっぽになった。

次の瞬間

「うふふ…ふ…ふ」

と子供か大人か、はたまた男女か分からない声が聞こえたような気がしたとき
俺の体が危険を感じたというか気が狂うほどの恐怖が体の隅々までかけまわった。

…そして次の瞬間気づいたときは、泣きじゃくるHの弟の腕を握りつかんで必死に走って逃げる俺がいた。

もう、一目散で家に帰った。
そのときちょうど、自分の両親と、ばあちゃん、じいちゃんが団欒しているときだった。
俺が泣きじゃくるHの弟の腕を握り締めて、鬼の形相で汗弱になってそこに飛び込んできたのだ。
一瞬、場が凍りついたが、ハァハァ息を切らしている俺を見ていきなり温和なじいちゃんが
「おい○○、おまえあの中に入ったんか!!ばかもんが、あほ!!」
とすごい剣幕でまくし立て殴ろうとした。
これまで俺に怒ったことのないじいちゃんを見て開いた口が塞がらなかった。
家族総出でじいちゃんを抑えて、一旦落ち着いた後、いままで起きた事をすべて話した。



194:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)03:19:58.819ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
その後が奇妙だった。

村の人も地元の警察も無表情で悲しげな顔で、形だけ?のHの捜索をして終わり俺と両親はすぐに出て行くように言われ、その日に帰った。
帰るときに、Hのおばあちゃんが
「Hちゃんが、Hちゃんが、手毬にされてしもうた」
と泣き崩れているのが印象に残っている。

その日を境に、もう実家には帰っていないし、じいちゃん、ばあちゃんにもあっていない。

そしてもう一つ、その日の境に変化したことがある。
とてもいやな夢をときたま見るのだ。

とても霧がかかったあの敷地内で笑い声が聞こえる。
不意にそちらのほうを見つめるとおかっぱ頭で、着物を着た子供が後ろ向きで手毬を跳ねているようだ。

そしていつも気づくのである。
笑っているのは子供ではなく、子供が手で付いている人間の頭だということを



210:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)03:43:50.574ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
入社3年目の6月、私は愛知県の営業所へ転勤となり、引っ越しすることになった。
会社が探してくれた2DKのアパートは独り身には広すぎるようにも思えたが、入社以来、狭い寮で生活していた私の目には非常に魅力的に映った。
職場にも近いし家賃も安い。なにより風呂付きなのが最高だった。

引っ越して何日目かの夜、風呂でシャワーを使って髪を洗っている最中のこと。
水流でぼやけた視界の隅に、一瞬妙なモノが映った。

浴槽の縁に置かれた両の手。

慌てて目を見開いて向き直ったが、手などどこにもない。
『目の錯覚だろう…』
その時は、そうやって自分を納得させた。

しかし、そんな性根をあざ笑うかのように、「それ」はしばしば私の前に姿を見せた。
シャワーを浴びている時、石鹸を置いて振り返る時、洗面器に手を延ばした時。
視線が浴槽を掠めるその一瞬に、私の眼が「それ」を捉える。

浴槽の縁にしがみつく白い手。

半ば反射的に視線を戻しても、次の瞬間には跡形もない。
それでも、回を重ねるうちに「それ」が子供の手だということに確信するようになった。

1ヶ月ほどたったある休日、私は部屋の整理をしていた。
荷物を収納しようと、備え付けのキャビネットの一番下にある引き出しを開ける。
底に敷かれていた厚紙を引っ張り出すと、その下にあった何かがヒラリと床に落ちた。
拾い上げて見る。幼稚園児くらいに見える男の子の写真だった。
とっさに風呂場の手を連想し、気味が悪くなったので他のゴミと一緒に捨てた。



211:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)03:45:26.416ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
その日の夜、テレビを見ていると浴室から何やら物音が聞こえた。
行ってみると、普段は開けっ放しの浴槽の蓋が閉じられている。
開けてみると、冷水が縁ギリギリまで一杯にたまっていた。
夏場はシャワーのみで済ますため、浴槽に湯をためることなど無いはずだった。
考え込みながら水面を眺めるうちに、私の背後にスッと影が立つのが見えた。
肩越しに、髪の長い女の姿─

ドンッ

不意に背中を押され、私は頭から冷水に突っ込んだ。
慌てて持ち上げようとする頭を凄い力で押さえつけられる。
もがいて逃れようとするがビクともしない。肺から空気が逃げ出していく。
パニックに陥る寸前、私は床を蹴って浴槽に身を躍らせた。
体を回転させると、浴槽の底に手足を突き、全力で体を持ち上げる─

ザバァ───
水面を破って立ち上がると、呼吸を整え、周囲を見渡した。
誰もいない。
風呂場の扉は開いているが、外の様子はうかがい知れない。
風呂場から出る勇気が出ないまま、私は浴槽の中に立ち尽くしていた。

…サワ…

ふくらはぎに何かが触れた。
小さな手にゆっくりと足首を掴まれる感触…
私は悲鳴を上げ、ずぶ濡れのまま浴槽から、風呂場から、アパートから飛び出した。

私が引っ越す前、ここに誰が住んでいたのか?ここで何があったのか?
大家はそれを語ろうとしなかったし、私も聞こうとは思わなかった。
それから部屋を引き払うまでの約一週間、浴室の扉の前には荷物を一杯に詰めた段ボールを積み上げておいた。



224:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)03:59:16.385ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
10年程前、まだ大学生だった頃の話。
関東の某県で体験した実話。

その日は、バイト終了後、バイト仲間と飲みに行って、店を出たのは日付が変わるか変わらないか位の時間だった。
仲間の一人が
「ナンパ橋に行ってナンパでもすっか」
と言い出し、そのままナンパしに行ったんだ。
そこは海沿いの見通しの良い片側3車線道路で、いつもはナンパ待ちの車と
ナンパ目的の車で2車線潰すってことでも問題になってたトコ。

いつも通り混んでるんだろうな、って感じで、大して期待もせずに行ってみたところ、全く車が無かったんだ。
その時は、たまにはこんなこともあるだろうってことで、諦めて帰るかって流れになりかけたんだが、運転手が
「諦めん!俺はやるぜ~!」
とか、いきなり漢気見せ始めたんで、付き合うことにしたんだ。
その橋近辺を徘徊すること数十分、遂にナンパ待ちらしき車発見!!!

運転手大喜びで、その車に近づくのだが何かおかしい。
第一に、俺達はナンパ橋近辺を往復する形でウロウロしてたのに、その車を見た覚えが無い。
同じ車線にいたのだから、すれ違うか追い抜かれるかしてもよさそうなのに、そんなことは無かった。

第二に、異様に寒い気がした。
時期は丁度今頃だったんだけど、乗ってた車、エアコンいかれてたんだ。
まぁ窓開けてれば、海風が入ってきて、我慢出来ないほどじゃない。
ところが、突然寒気がするほどになった。

第三に、これが一番怖かったんだが、そのナンパ待ちの車、誰も乗ってないように見える。
しかも運転手は、窓開けて誰もいない車に向かって、一生懸命ナンパしてる。

何が何だか分からない俺は
「お前、何やってんの?」
と聞くと、運転手は、ニヤニヤしながらウィンクする。うまくいきそう、ってな感じで。
一緒にいたやつらからは、ノリの悪いやつだなぁ、って感じで白い目を向けられるが、それが余計に俺を混乱させる。



225:毒男◆B.DOLL/gBI[]2015/08/15(土)04:01:30.386ID:oO1QCRbT0.netBE:708155702-PLT(12004)
訳が分からなくなった俺は、自宅までは少し遠かったんだが、
そのまま歩いて帰りたい、と仲間に伝えると、そいつは

「そんなら人数ぴったりになるわ」

と、早く帰れ的な回答。
そのまま車を降りて、某病院(普通の市民病院)方向へ歩き出す。
まぁ、俺も酔ってんのかな、程度に考えてたんだが、何気なく車の方を見ると、一台はバイト仲間の車、もう一台は…

さっきまで見てたのとは違う、どう見ても事故車。
フロント潰れてる、屋根ボコボコ、ガラス割れてる。

もう、さらに混乱。
訳分からん。
とりあえずダッシュ。
とにかく、その場から1秒でも早く逃げたかった。

息を切らしながら、取りあえず海沿いに走るJRの駅前にたどり着く。
そこで初めて後ろを振り向くと、何もついて来てないみたいだ。
もうそこからは動けないくらいバテてたので、そこからはタクシーでリッチに帰宅。
自宅について、疲れからか、そのまま睡眠。翌日一限が語学で、遅刻出来ないとか関係なく爆睡。

目覚めたのは、翌日夕方。携帯の着信で。
バイト先からで、どうも出る予定のやつが来ない、連絡着かないから、代打で出てくれとのこと。
取りあえず了承して、そのサボリが誰か聞いたら、昨日の運転手。

いやな予感がしつつ、バイトに出る。
昨日の一件が気になり、あの後残ってた他のやつらにも連絡してみたが、全て不通。

それから今まで、そいつらは失踪扱いで、未だ見つかってないそうです。



240:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします[]2015/08/15(土)04:59:50.668ID:D9fdQMZZ0.net
おつ



241:過去ログ★[]
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引用元:毒男の怖い話とか音楽とか雑談とか
http://vipper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1439561773/



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