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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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2024.11.22 (Fri) Category : 

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禁后―パンドラ―(中編)

2010.10.27 (Wed) Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象

(前編はこちら


私達は唯一の出入口であるガラス戸の前にいたので、外に出たという事はありえません。
広めといえど居間と台所は一目で見渡せます。
その場にいるはずのD妹がいないのです。

「〇〇!?どこ!?返事しなさい!!」
D子が必死に声を出しますが返事はありません。

「おい、もしかして上に行ったんじゃ…」
その一言に全員が廊下を見据えました。

「やだ!なんで!?何やってんのあの子!?」
D子が涙目になりながら叫びます。
「落ち着けよ!とにかく二階に行くぞ!」

さすがに怖いなどと言ってる場合でもなく、すぐに廊下に出て階段を駆け上がっていきました。
「おーい、〇〇ちゃん?」
「〇〇!いい加減にしてよ!出てきなさい!」
みなD妹へ呼び掛けながら階段を進みますが、返事はありません。

階段を上り終えると、部屋が二つありました。
どちらもドアは閉まっています。

まずすぐ正面のドアを開けました。
その部屋は外から見たときに窓があった部屋です。
中にはやはり何もなく、D妹の姿もありません。

「あっちだな」
私達はもう一方のドアに近付き、ゆっくりとドアを開けました。

D妹はいました。
ただ、私達は言葉も出せずその場で固まりました。

その部屋の中央には、下にあるのと全く同じものがあったのです。
鏡台とその真前に立てられた棒、そしてそれにかかった長い後ろ髪。
異様な恐怖に包まれ、全員茫然と立ち尽くしたまま動けませんでした。

「ねえちゃん、これなぁに?」
不意にD妹が言い、次の瞬間とんでもない行動をとりました。
彼女は鏡台に近付き、三つある引き出しの内、一番上の引き出しを開けたのです。

「これなぁに?」
D妹がその引き出しから取り出して私達に見せたもの…
それは筆のようなもので「禁后」と書かれた半紙でした。

意味がわからずD妹を見つめるしかない私達。
この時、どうしてすぐに動けなかったのか、今でもわかりません。

D妹は構わずその半紙をしまって引き出しを閉め、今度は二段目の引き出しから中のものを取り出しました。

全く同じもの、「禁后」と書かれた半紙です。
もう何が何だかわからず、私はがたがたと震えるしか出来ませんでしたが、D子が我に返りすぐさま妹に駆け寄りました。
D子ももう半泣きになっています。

「何やってんのあんたは!」
妹を厳しく怒鳴りつけ、半紙を取り上げると引き出しを開け、しまおうとしました。
この時、D妹が半紙を出した後すぐに二段目の引き出しを閉めてしまっていたのが問題でした。

慌てていたのかD子は二段目ではなく三段目、一番下の引き出しを開けたのです。
ガラッと引き出しを開けたとたん、D子は中を見つめたまま動かなくなりました。
黙ってじっと中を見つめたまま、微動だにしません。

「ど、どうした!?何だよ!?」
ここでようやく私達は動けるようになり、二人に駆け寄ろうとした瞬間、ガンッ!!と大きな音をたてD子が引き出しを閉めました。
そして肩より長いくらいの自分の髪を口元に運び、むしゃむしゃとしゃぶりだしたのです。

「お、おい?どうしたんだよ!?」
「D子?しっかりして!」
みんなが声をかけても反応が無い。
ただひたすら、自分の髪をしゃぶり続けている。

その行動に恐怖を感じたのかD妹も泣きだし、ほんとうに緊迫した状況でした。
「おい!どうなってんだよ!?」
「知らねえよ!何なんだよこれ!?」
「とにかく外に出てうちに帰るぞ!ここにいたくねえ!」

D子を三人が抱え、私はD妹の手を握り急いでその家から出ました。
その間もD子はずっと髪をびちゃびちゃとしゃぶっていましたが、どうしていいかわからず、とにかく大人のところへ行かなきゃ!という気持ちでした。

その空き家から一番近かった私の家に駆け込み、大声で母を呼びました。

泣きじゃくる私とD妹、汗びっしょりで茫然とする男三人、そして奇行を続けるD子。
どう説明したらいいのかと頭がぐるぐるしていたところで、声を聞いた母が何事かと現われました。
「お母さぁん!」

泣きながらなんとか事情を説明しようとしたところで母は私と男三人を突然ビンタで殴り、怒鳴りつけました。
「あんた達、あそこへ行ったね!?あの空き家へ行ったんだね!?」

普段見たこともない形相に私達は必死に首を縦に振るしかなく、うまく言葉を発せませんでした。
「あんた達は奥で待ってなさい。すぐみんなのご両親達に連絡するから。」
そう言うと母はD子を抱き抱え、二階へ連れていきました。

私達は言われた通り、私の家の居間でただぼーっと座り込み、何も考えられませんでした。
それから一時間ほどはそのままだっと思います。

みんなの親たちが集まってくるまで、母もD子も二階から降りてきませんでした。
親達が集まった頃にようやく母だけが居間に来て、ただ一言、「この子達があの家に行ってしまった」と言いました。

親達がざわざわとしだし、みんなが動揺したり取り乱したりしていました。
「お前ら!何を見た!?あそこで何を見たんだ!?」
それぞれの親達が一斉に我が子に向かって放つ言葉に、私達は頭が真っ白で応えられませんでしたが、何とかA君とB君が懸命に事情を説明しました。

「見たのは鏡台と変な髪の毛みたいな…あとガラス割っちゃって…」
「他には!?見たのはそれだけか!?」
「あとは…何かよくわかんない言葉が書いてある紙…」

その一言で急に場が静まり返りました。
と同時に二階からものすごい悲鳴。
私の母が慌てて二階に上がり数分後、母に抱えられて降りてきたのはD子のお母さんでした。
まともに見れなかったぐらい涙でくしゃくしゃでした。

「見たの…?D子は引き出しの中を見たの!?」
D子のお母さんが私達に詰め寄りそう問い掛けます。

「あんた達、鏡台の引き出しを開けて中にあるものを見たか?」
「二階の鏡台の三段目の引き出しだ。どうなんだ?」
他の親達も問い詰めてきました。

「一段目と二段目は僕らも見ました…三段目は…D子だけです…」
言い終わった途端、D子のお母さんがものすごい力で私達の体を掴み、
「何で止めなかったの!?あんた達友達なんでしょう!?何で止めなかったのよ!?」
と叫びだしたのです。

D子のお父さんや他の親達が必死で押さえ
「落ち着け!」
「奥さんしっかりして!」
となだめようとし、しばらくしてやっと落ち着いたのか、D妹を連れてまた二階へ上がっていってしまいました。

そこでいったん場を引き上げ、私達四人はB君の家に移りB君の両親から話を聞かされました。
「お前達が行った家な、最初から誰も住んじゃいない。あそこはあの鏡台と髪の為だけに建てられた家なんだ。オレや他の親御さん達が子供の頃からあった。」

「あの鏡台は実際に使われていたもの、髪の毛も本物だ。それから、お前達が見たっていう言葉。この言葉だな?」

そういってB君のお父さんは紙とペンを取り、「禁后」と書いて私達に見せました。
「うん…その言葉だよ」
私達が応えると、B君のお父さんはくしゃっと丸めたその紙をごみ箱に投げ捨て、そのまま話を続けました。

「これはな、あの髪の持ち主の名前だ。読み方は知らないかぎりまず出てこないような読み方だ」
「お前達が知っていいのはこれだけだ。金輪際あの家の話はするな。近づくのもダメだ。わかったな?とりあえず今日はみんなうちに泊まってゆっくり休め。」

そう言って席を立とうとしたB君のお父さんにB君は意を決したようにこう聞きました。
「D子はどうなったんだよ!?あいつは何であんな…」
と言い終わらない内にB君のお父さんが口を開きました。

「あの子の事は忘れろ。もう二度と元には戻れないし、お前達とも二度と会えない。それに…」
B君のお父さんは少し悲しげな表情で続けました。

「お前達はあの子のお母さんからこの先一生恨まれ続ける。今回の件で誰かの責任を問う気はない。だが、さっきのお母さんの様子でわかるだろ?お前達はもうあの子に関わっちゃいけないんだ」
そう言って、B君のお父さんは部屋を出ていってしまった。

私達は何も考えられなかった。
その後どうやって過ごしたかもよくわからない。
本当に長い1日でした。

それからしばらくは普通に生活していました。
翌日から私の親もA達の親も一切この件に関する話はせず、D子がどうなったかもわかりません。

学校には一身上の都合となっていたようですが、一ヵ月程してどこかへ引っ越してしまったそうです。
また、あの日私達以外の家にも連絡が行ったらしく、あの空き家に関する話は自然と減っていきました。

ガラス戸などにも厳重な対策が施され中に入れなくなったとも聞いています。
私やA達はあれ以来一度もあの空き家に近づいておらず、D子の事もあってか疎遠になっていきました。

高校も別々でしたし、私も三人も町を出ていき、それからもう十年以上になります。

ここまで下手な長文に付き合ってくださったのに申し訳ないのですが、結局何もわからずじまいです。
ただ、最後に…

私が大学を卒業した頃ですが、D子のお母さんから私の母宛てに手紙がありました。
内容はどうしても教えてもらえなかったのですが、その時の母の言葉が意味深だったのが今でも引っ掛かっています。

「母親ってのは最後まで子供の為に隠し持ってる選択があるのよ。もし、ああなってしまったのがあんただったとしたら、私もそれを選んでたと思うわ。それが間違った答えだとしてもね」


(続きます)

(後編.1はこちら

 









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Title : 無題

>「お前達が知っていいのはこれだけだ。金輪際あの家の話はするな。近づくのもダメだ。わかったな?とりあえず今日はみんなうちに泊まってゆっくり休め。」

まるで成長していない。

NONAME 2013.06.23 (Sun) 02:35 編集

Re:無題

定番です。

2013.06.25 15:13

Title : 無題

思考停止したクズ親
自分の行為が子供にどんな結果をもたらすか想像すらできない知的障害者

NONAME 2013.07.17 (Wed) 22:08 編集

Re:無題

言いすぎだw

2013.07.19 18:27

Title : 無題

作り話・・・

そんなに危険性があるならちゃんとした説明する。

NONAME 2014.05.25 (Sun) 10:06 編集

Re:無題

わりとしないようですぜ、オカルト界隈では。

2014.05.28 17:57

Title : 無題

何も知らないんだから友達だろうが止めるもくそもない

サスケ 2014.07.25 (Fri) 13:28 編集

Re:無題

そりゃそうだけどもw

2014.07.25 13:47

Title : 無題

オカ板あたりに投下された創作だろうなと思いつつも、色々と引っかかる事が多かったですね。
>私の故郷に伝わっていた「禁后」というものにまつわる話です。
という出だしですが、読み進めるとこれがおかしな表現である事がわかる。
そもそも人名なわけですし

何も説明せずに頭ごなしに理不尽に叱るだけの事してたら、子供の興味を煽っていずれ暴きに行くのは当然なのに
(しかも十数年前に一度そういう事が起きてるのに)
どの家もそうやって教育してるとか。
「何で止めなかったの!」って、止めなきゃいけないヤバイものだって事を教えなかったのは大人たち。
どういうものか自分たちしか知らないのに、教えなかったくせに何を言ってるのかと。

騒ぎが起きてからも、髪が本物だとか文字は名前であるとか、意味のない事だけ教えたり。
今までの方針もあるし、きちんと詳細を説明しないのはまだしも、今後の抑止力になる情報ではないし
知ったからって何か変わる情報でもなく、教える意味がない。
展開上、後のシーンに繋げるために小出しにしている作り話だと言われればそれまでですが。
何もかもを隠したがる態度の割には、家にまつわる解説情報だけわざわざ与えている。

他にも、筆者はなんでこんなに儀式の詳細を知る事ができたのかとか、
あの世ですら証明できてないのに、精神が別世界に行くなんて荒唐無稽な話
誰が確認とったのか、どこからの情報なのかとか
なんで全員頭からそれを信じているのかとか(呪いを目の当たりにしたから?)
そういう所が読んでて気になりましたね。

手首だって、白骨化してたら絡み合ってても解けてしまう。
ミイラ化しているのかな?日本の気候ではかなり条件が整わないとミイラ化はしないというけど。
たとえ明治大正頃の話だとしても、遺体から切り取ったのなら葬る時に気づかれて問題になるだろうに無事に埋葬できたのか?
死体損壊で犯罪になる時代かまでは知りませんが、
死体遺棄に関する墓地埋葬法が整備されたのは大正8~14年頃のようなので微妙なところでしょうか。
今でこそ基本的に火葬にするのが法で定められてますが、まだ土葬が許された時代だったのかな?
それなら坊主の目を盗んでこっそり埋めたりできたんでしょうか。


異常な価値観を植え付けられ、人形同然に育てられた子供が
学校にも行かずそんな育て方されたのに、母親と同じように子を生み育てるとか
母にされた事を全部覚えてて受け継いでいるとかも
本当にそんな事あるのかな?と首を傾げるところです。
その後の面倒を見た叔母と伯母は普通の人間に育ってるのに、そんな方向に導くかな?とも。

でも、そういう疑問が要所要所で浮かぶとはいえ
そこを除けば引き込まれる話で面白かったです。
読んでて即座に「ん?おかしくない?」と気づかれてしまうようだと勿体無いですね。
長くてすみません。

NONAME 2017.05.04 (Thu) 05:33 編集

Re:無題

長文お疲れ様ですw
とりあえずオカ板のものなので、創作とみるかネタとみるか釣りとみるか伝承とみるかはご判断におまかせしますが…
あ、事実とみるか、を忘れてた!

ショートストーリーとして読むなら、もう少し練ってくれれば十分な読み物ですよね

2017.05.09 15:50

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