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小屋の二階
2010.01.25 (Mon) | Category : 人を信じすぎる人へ
185 名前:長いなゴメン1/4 投稿日:03/02/19 14:00
洒落にならない話なんだけど、怖いかな?
あんま自信ないけど、俺、このことで警察にも呼ばれたから、まぁ洒落になってねーなってことで。
昔、まだ学生だった頃、サークルの仲間と旅行に行った。
メンバーのほとんどが貧乏学生だったんで、友達に聞いた、安い民宿で泊まることにした。
民宿のすぐ隣に、古そうな小屋みたいな家みたいな建物が建っていた。
ボロいんだけど、妙にでかい。
その建物を見て、メンバーの中の霊感強めの女の子が震えだした。
「2階がヤバイ。」
「こっちを見てる。」
みたいなことを言って、
「こんなところには泊まれない。」
って、帰ってしまった。
夜、メシ喰って花火もして、何だか退屈になってきたんで、隣のでかい建物に行ってみよーぜってハナシになった。
女の子のうちで2人は反対したんで、男5人、女2人。
いざ来てみると、けっこう雰囲気が怖い。
一階にでかい戸があって、開けてみると、納屋っていうか、農機具とかが置いてある土間だった。
天井で、ゴトゴトと何かが動くような物音がしたと思うと、外にいた奴らが
「電気ついた、電気ついたよー。」
と言いだした。
いったん外へ出てみると、上の方の窓から明かりが漏れている。
「やばいって。」
「怒られるんじゃねー。」
みたいなこと言ってると、窓が開いて、にゅっ と首が出てきた。明かりが逆光になって顔が黒い。
俺はかなりびびっていた。すると、その首の持ち主が手招きした。
「おーう、そんなとこにいないで、上がってこいよ。」
意外に若そうな声だった。ちょっと安心した。
酒もあるし、という誘いにのって、じゃあ上がろうかってことになった。
一階の壁際に上にのぼる階段があった。初めは明かりが無くて暗かったけど、途中の踊り場からは、上から照らされてほんのり明るくなっていた。
開けっ放しの扉から中にはいると、30くらいの男が、テーブルの向こう側に座っていた。
テーブルの上には、料理とビールが置いてあった。
部屋の中は、インドっぽいというか、木彫りの置物や楽器が置かれていて、極彩色の神様や映画のポスターなんかが貼られていた。
ムチャクチャ広い部屋なんだけど、そのわりに照明が小さくて、隅の方にはほとんど光が届いていない。
「まービールでも飲んでくれ。」
そう言って、ビールと料理を勧められ、俺たちは、その男と酒を飲んだ。
男がインドへ旅行した話や、最近の音楽の話なんかをした。
CDがかなりのボリュームで鳴っていたので、気になった女の子が聞くと、
「大丈夫だ」
と男は言って、更に音量を上げた。
ふと時計を見ると、もう遅かったので帰ることにした。
男は、倉庫の入り口まで見送ってくれた。
次の日の朝、朝飯を食っている最中に、民宿のおばちゃんが、
「昨晩あの建物に行ったのか?」
と聞いてきた。
「行った。」
と答えると、おばちゃんは
「何もなかったか?」
と、しつこく聞いてきた。
帰りの車の中で、残っていた女の子に
「昨日はうるさかったんじゃねーの?」
と聞くと、
「それほどでもかったけど・・」
と言ってから、こんなことを言った。
「あの時、音楽が聞こえてきたんで、何やってるんだろう、って思って、窓からあの建物をみていたら、明るい窓の下に小さく明かりが灯って。で、また消えたと思ったら、一階の戸が開く音がしたんだ。」
すると、昨日行ったメンバーのうちでMって奴が、それを聞いて
「マジかよ・・」
とつぶやき、話し出した。
「あの倉庫から階段上がった時に、踊り場あっただろう。あそこの壁に、わかんにくかったんだけど扉があったんだよ。その時は、なんだろうって思ったけど、別に気にしてなかった。で、帰る時にその扉がほんの少し開いてたんだ。俺、見間違えたのかな?って思ってたんだけど・・・」
「え?・・ってことは、俺らが飲んでたのって3階なの?」
俺は、ちょっとあせって聞いた。
「じゃあさ、1階に入った時、上で物音してたじゃん。あれって・・・」
思い出してみれば、おかしいところはいくつもあった。
俺らが1階の倉庫みたいなところに入るまで、3階?の窓は真っ暗だった。
あの階は一つの大きな部屋しかなかったはず。
じゃあ、あの男は、俺たちが来るまで、暗闇の中で何をしていたのか?
そして、あの料理。一人で食べるには多すぎる量、だけど温かかった。
誰かが来るのを待っていたのか?明かりを消して?俺たち以外の誰を?
そんなことを車の中で話すうちに、なんだか気味が悪くなってきた。
「イヤな感じだな。」
「後味悪~い。」
なんて言いながら帰った。
帰ってみると、先に帰ったはずの女の子が失踪していた。
一緒のアパートに住んでる人に聞くと、あの晩、部屋には戻ったらしい。
が、いつの間にかいなくなっていた。
部屋は荒らされたり、片づけをした様子もなくて、ただ、フツーに買い物に出たような感じだった。
彼女は、まだ見つかっていないそうだ。
482 名前:185 投稿日:03/02/21 22:58
このスレの前の方で長文カキコしたんだけど、あのあと、ちょっとした新展開があったんで、ホソク。
一連の話をカキコしたあと、あの時のメンバーの一人(以下A)にtelした。別に何かを期待してたワケじゃなくて、何となくケジメみたいな感じで。したら、Aが、ちょっと情報持っててビクリ。先にtelしとくんだったなーって思いながら話を聞いた。
**** Aの話 ****
民宿を紹介してくれた奴(以下B)と、仕事上のつき合いで再会した時、あのでかい
建物の話をした。
あれは、地元の共同倉庫&集会所だったらしい。でも、新しい集会所ができて使われなくなったんで、しばらく放っておいたのを、外の誰かが土地ごと買った。
で、いつの間にかあの男が住んでいた。あの男が、何をして暮らしているのかは誰も知らなかった。
「なんでそんなこと知ってんだ?」
って聞いたら、Bが泊まった時、例の民宿のおばちゃんが話してくれたらしい。軽い感じで喋ってたけど、あそこにはあんまり近づかない方がイイって言ったそうだ。
なんでも、地元の人達ともめ事を起こしている最中だと。
でも、Bと友達は夕暮れ時にそこへ行った。そこでBは、倉庫の天井から魚が吊してあったのを見た。
スゴイ臭かったらしい。その後、天井の方から大きな音がしたので、Bたちは、ヤバイと思って慌てて外に出た。で、その夜、あの建物の方から、数人の男が言い争う声がしていたのが聞こえたそうだ。Bの話はこれで終わり。
もう一つ。あの時失踪した女の子(以下S)が見つかった。その辺の事情はCが詳しいん
で直接聞いた方がイイ。
**** Aの話終わり ****
次の日、俺はCに電話をかけた。CとSとは、田舎が同じだったこともあって、あの時の
メンバーの中では一番仲が良かった。
**** Cの話 ****
Sが失踪してから1年ぐらい経ったある日、私の家にSの母親から電話があった。
あの日のことについて話が聞きたいという。で、近所の店で会って話をすることになった。
その時にS母が語ったことによると、実はSは失踪してから1ヶ月後には見つかっていたらしい。
場所は実家の近く(詳しいロケーションは聞いてない)。ただ精神に異常を来していたので、学校や友達には失踪中ということにしておいたらしい。私も黙っているように頼まれた。
なぜ失踪したのか?失踪中はどこで何をしていたのか?親や病院の人が聞いても何も答えない。ただ一言「ひさゆき」っていう名前を、一度だけつぶやいた。それで警察は、関係者の中にそんな名前のヤツがいたかどうか、もう一度チェックしたらしい。
でも、居なかった。
Sはまだ病院に通っているけど、ずいぶん回復しているようだ。会ってないけどS母が電話をくれた。
だから私も、もう人に話してもイイかなって思った。ただ、あの日のことについて、Sは覚えていないのか、口にすることはないそうだ。
警察は私らにも「ひさゆき」って名前の奴のこと聞いたのかな?どうだっけ?私には覚えがない。
**** Cの話終わり ****
俺も、警察がそんな野郎の事について聞きに来たのかは覚えていない。
Sが無事だったのはよかったけど、なんだか後味が悪い。
Aの話もいまいちつながらないし・・・
ま、一応後日談ってことで。急いで書いたんでわかりにくいな。スマソ。
洒落にならない話なんだけど、怖いかな?
あんま自信ないけど、俺、このことで警察にも呼ばれたから、まぁ洒落になってねーなってことで。
昔、まだ学生だった頃、サークルの仲間と旅行に行った。
メンバーのほとんどが貧乏学生だったんで、友達に聞いた、安い民宿で泊まることにした。
民宿のすぐ隣に、古そうな小屋みたいな家みたいな建物が建っていた。
ボロいんだけど、妙にでかい。
その建物を見て、メンバーの中の霊感強めの女の子が震えだした。
「2階がヤバイ。」
「こっちを見てる。」
みたいなことを言って、
「こんなところには泊まれない。」
って、帰ってしまった。
夜、メシ喰って花火もして、何だか退屈になってきたんで、隣のでかい建物に行ってみよーぜってハナシになった。
女の子のうちで2人は反対したんで、男5人、女2人。
いざ来てみると、けっこう雰囲気が怖い。
一階にでかい戸があって、開けてみると、納屋っていうか、農機具とかが置いてある土間だった。
天井で、ゴトゴトと何かが動くような物音がしたと思うと、外にいた奴らが
「電気ついた、電気ついたよー。」
と言いだした。
いったん外へ出てみると、上の方の窓から明かりが漏れている。
「やばいって。」
「怒られるんじゃねー。」
みたいなこと言ってると、窓が開いて、にゅっ と首が出てきた。明かりが逆光になって顔が黒い。
俺はかなりびびっていた。すると、その首の持ち主が手招きした。
「おーう、そんなとこにいないで、上がってこいよ。」
意外に若そうな声だった。ちょっと安心した。
酒もあるし、という誘いにのって、じゃあ上がろうかってことになった。
一階の壁際に上にのぼる階段があった。初めは明かりが無くて暗かったけど、途中の踊り場からは、上から照らされてほんのり明るくなっていた。
開けっ放しの扉から中にはいると、30くらいの男が、テーブルの向こう側に座っていた。
テーブルの上には、料理とビールが置いてあった。
部屋の中は、インドっぽいというか、木彫りの置物や楽器が置かれていて、極彩色の神様や映画のポスターなんかが貼られていた。
ムチャクチャ広い部屋なんだけど、そのわりに照明が小さくて、隅の方にはほとんど光が届いていない。
「まービールでも飲んでくれ。」
そう言って、ビールと料理を勧められ、俺たちは、その男と酒を飲んだ。
男がインドへ旅行した話や、最近の音楽の話なんかをした。
CDがかなりのボリュームで鳴っていたので、気になった女の子が聞くと、
「大丈夫だ」
と男は言って、更に音量を上げた。
ふと時計を見ると、もう遅かったので帰ることにした。
男は、倉庫の入り口まで見送ってくれた。
次の日の朝、朝飯を食っている最中に、民宿のおばちゃんが、
「昨晩あの建物に行ったのか?」
と聞いてきた。
「行った。」
と答えると、おばちゃんは
「何もなかったか?」
と、しつこく聞いてきた。
帰りの車の中で、残っていた女の子に
「昨日はうるさかったんじゃねーの?」
と聞くと、
「それほどでもかったけど・・」
と言ってから、こんなことを言った。
「あの時、音楽が聞こえてきたんで、何やってるんだろう、って思って、窓からあの建物をみていたら、明るい窓の下に小さく明かりが灯って。で、また消えたと思ったら、一階の戸が開く音がしたんだ。」
すると、昨日行ったメンバーのうちでMって奴が、それを聞いて
「マジかよ・・」
とつぶやき、話し出した。
「あの倉庫から階段上がった時に、踊り場あっただろう。あそこの壁に、わかんにくかったんだけど扉があったんだよ。その時は、なんだろうって思ったけど、別に気にしてなかった。で、帰る時にその扉がほんの少し開いてたんだ。俺、見間違えたのかな?って思ってたんだけど・・・」
「え?・・ってことは、俺らが飲んでたのって3階なの?」
俺は、ちょっとあせって聞いた。
「じゃあさ、1階に入った時、上で物音してたじゃん。あれって・・・」
思い出してみれば、おかしいところはいくつもあった。
俺らが1階の倉庫みたいなところに入るまで、3階?の窓は真っ暗だった。
あの階は一つの大きな部屋しかなかったはず。
じゃあ、あの男は、俺たちが来るまで、暗闇の中で何をしていたのか?
そして、あの料理。一人で食べるには多すぎる量、だけど温かかった。
誰かが来るのを待っていたのか?明かりを消して?俺たち以外の誰を?
そんなことを車の中で話すうちに、なんだか気味が悪くなってきた。
「イヤな感じだな。」
「後味悪~い。」
なんて言いながら帰った。
帰ってみると、先に帰ったはずの女の子が失踪していた。
一緒のアパートに住んでる人に聞くと、あの晩、部屋には戻ったらしい。
が、いつの間にかいなくなっていた。
部屋は荒らされたり、片づけをした様子もなくて、ただ、フツーに買い物に出たような感じだった。
彼女は、まだ見つかっていないそうだ。
482 名前:185 投稿日:03/02/21 22:58
このスレの前の方で長文カキコしたんだけど、あのあと、ちょっとした新展開があったんで、ホソク。
一連の話をカキコしたあと、あの時のメンバーの一人(以下A)にtelした。別に何かを期待してたワケじゃなくて、何となくケジメみたいな感じで。したら、Aが、ちょっと情報持っててビクリ。先にtelしとくんだったなーって思いながら話を聞いた。
**** Aの話 ****
民宿を紹介してくれた奴(以下B)と、仕事上のつき合いで再会した時、あのでかい
建物の話をした。
あれは、地元の共同倉庫&集会所だったらしい。でも、新しい集会所ができて使われなくなったんで、しばらく放っておいたのを、外の誰かが土地ごと買った。
で、いつの間にかあの男が住んでいた。あの男が、何をして暮らしているのかは誰も知らなかった。
「なんでそんなこと知ってんだ?」
って聞いたら、Bが泊まった時、例の民宿のおばちゃんが話してくれたらしい。軽い感じで喋ってたけど、あそこにはあんまり近づかない方がイイって言ったそうだ。
なんでも、地元の人達ともめ事を起こしている最中だと。
でも、Bと友達は夕暮れ時にそこへ行った。そこでBは、倉庫の天井から魚が吊してあったのを見た。
スゴイ臭かったらしい。その後、天井の方から大きな音がしたので、Bたちは、ヤバイと思って慌てて外に出た。で、その夜、あの建物の方から、数人の男が言い争う声がしていたのが聞こえたそうだ。Bの話はこれで終わり。
もう一つ。あの時失踪した女の子(以下S)が見つかった。その辺の事情はCが詳しいん
で直接聞いた方がイイ。
**** Aの話終わり ****
次の日、俺はCに電話をかけた。CとSとは、田舎が同じだったこともあって、あの時の
メンバーの中では一番仲が良かった。
**** Cの話 ****
Sが失踪してから1年ぐらい経ったある日、私の家にSの母親から電話があった。
あの日のことについて話が聞きたいという。で、近所の店で会って話をすることになった。
その時にS母が語ったことによると、実はSは失踪してから1ヶ月後には見つかっていたらしい。
場所は実家の近く(詳しいロケーションは聞いてない)。ただ精神に異常を来していたので、学校や友達には失踪中ということにしておいたらしい。私も黙っているように頼まれた。
なぜ失踪したのか?失踪中はどこで何をしていたのか?親や病院の人が聞いても何も答えない。ただ一言「ひさゆき」っていう名前を、一度だけつぶやいた。それで警察は、関係者の中にそんな名前のヤツがいたかどうか、もう一度チェックしたらしい。
でも、居なかった。
Sはまだ病院に通っているけど、ずいぶん回復しているようだ。会ってないけどS母が電話をくれた。
だから私も、もう人に話してもイイかなって思った。ただ、あの日のことについて、Sは覚えていないのか、口にすることはないそうだ。
警察は私らにも「ひさゆき」って名前の奴のこと聞いたのかな?どうだっけ?私には覚えがない。
**** Cの話終わり ****
俺も、警察がそんな野郎の事について聞きに来たのかは覚えていない。
Sが無事だったのはよかったけど、なんだか後味が悪い。
Aの話もいまいちつながらないし・・・
ま、一応後日談ってことで。急いで書いたんでわかりにくいな。スマソ。
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Title : 無題
ヒサルキエピソードの一節ですね。
全話アップして頂かないと、知らない人は解らないと思います。
9 2010.01.27 (Wed) 01:28 編集
Re:無題
そうですね。
近々アップします。
2010.01.27 13:26
Title : 無題
失踪した女の子、S視点のエピソードもあるヤツですね。
“ヒサルキエピソード”って言うんですか。
怖い子 2010.02.02 (Tue) 22:13 編集
Re:無題
ヒサルキ関連、とも言いますね。
呼び方はともかく、結構膨大な話の量になります。
2010.02.03 12:27
Title : 無題
Sって、『熱海にて』の人?
話が繋がった・o・
暗 2011.02.21 (Mon) 22:31 編集
Re:無題
そうそう。
こういう感じで話が繋がると、怖いですよね…
2011.02.24 01:13