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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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反魂の術

2009.12.15 (Tue) Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象

813 本当にあった怖い名無し sage 2008/02/14(木) 01:14:03 ID:vQZo+/hzO
この話はいい話と言うよりも寧ろ後味の悪い話になってしまうかもしれない。
またオカルトとは少し違うような気もする。
でも大切なものを失った時人はどうするか。
他スレよりも少しは解ってくれるかもしれないのでここに書く。

私の友人にNという者がいる。
ある大手の商事会社勤めていていつも忙しく世界を飛び回っていた。

彼には奥さんと二人の子供がいて普段は余りに家族と満足な会話もできずにいたが家内はそれなりに平和で彼はそれなりに満足していた。
特に彼は子供達を愛おしく思っていたし、中でも下の子はそれこそ目の中に入れても痛くないほどに溺愛していた。

けれども残念な事に彼の海外出張の間にその子が交通事故で亡くなった。
その年小学校に上がったばかりの男の子だった。

彼は直ぐに日本に戻ったがその日から順風満帆だった彼の人生が少しずつ狂い始めた。

葬儀が終わっても彼は会社に行こうとはしなかった。
それどころか息子の部屋に座り込んで、息子の野球帽を頭に乗せて息子の使っていた毛布を頭から引き被り日がなボーとしている事が多くなった。


814 本当にあった怖い名無し sage 2008/02/14(木) 01:16:37 ID:vQZo+/hzO
Nの奥さんから電話が掛かってきたのはそんな状態が続いて二月くらいした頃だった。

彼には息子の他にその姉が居る。
けれどもNはもう奥さんの事も娘の事も見えてはいないようだった。
ただただ失った者の悲しみに捕らわれていたのだと思う。

自分にも子供はいた。
しかし身から出た錆、バツイチで子供の養育権まで失った自分には身に余る相談事だった。

自分に出きることはせめて気晴らしにでも彼を外に連れだすことだった。
しかし一年程後にはそれも全て徒労に終わった。
彼は家族の信頼も失い、職も失って文字通り全てを失った。

その後に彼と会ったのは学生の頃によく行った薄暗いバーの中だった。

珍しくNからの誘いで彼は会った当初からかなりハイな印象だった。

一時間もした頃彼は私に顔を近付けて興奮した面持ちで言った。
「とうとう見つけたよ。」
え?最初私は何の事か全くわからなかった。
次にNが言ったのは
「おまえ、反魂の術って知っているか?」

聞きかじりだが知ってはいた。
昔、西行法師が試みて失敗した死者を蘇らせる術だろ。

コイツとうとう狂ったか?
まずそう思う。
顔を近付けて嬉々として話すNに私は狂気と恐怖を覚えた。


815 本当にあった怖い名無し sage 2008/02/14(木) 01:48:38 ID:vQZo+/hzO
その日のNとの別れ際、また別の不安が頭をよぎる。
まさか余所の子を誘拐して自分の子にしようとしているんじゃないだろうか。
あまり馬鹿な事を考えないように。
そう釘を刺してその日は別れた気がする。
それくらいその日のNは取り付かれた顔をしていた。

アパートの部屋に戻ってその日のNの言動をもう一度思い出してみる。
日本中の書物を調べたのだと言う。

反魂の術とは何かの草の蔓で正確に死者の骨をつなぎ合わせ、幾種類かの薬草を使い数日間祈るのだと言っていた。
昔西行が山中の修行の淋しさに耐えかね話し相手を作ろうと試みたが
たった一つ工程を間違えたために心を持たない木愚が生まれてしまったらしい。

しかしあの子の骨は既に焼いてしまってバラバラじゃないか、そう私は辛うじて答えた。
しかしNは、なにアレは器に過ぎない、骨なら誰のでもいいし泥でも代用できるといった。
そして明日から紀州へ行くとも。
彼が言うにはもう半ば成功しているとも。
夜中に鏡を覗いてみたり、おろし婆をよんでみたりその結果確信したそうだ、まだ息子の魂がこの世に存在していることを。


816 本当にあった怖い名無し sage 2008/02/14(木) 01:58:58 ID:vQZo+/hzO
おまえ少し頭オカシイ。
そう思ったが口にはだせなかった。

俺の息子はいつでも会えないが生きている。
面会権を行使すれば大抵は会える。
でもそうでなければどうしていたろう。

もしNと同じ立場なら、何となく彼と同じ事をしていたのではないか。

いや、もしかしたら死者蘇生はどこかにあるんじゃないのか?
Nは本当に息子を連れて戻ってくるのじゃないのか。

そこまで考えて私はNの妄想の中に入りかけている自分を想像して背筋が寒くなった。


817 本当にあった怖い名無し 2008/02/14(木) 02:20:45 ID:vQZo+/hzO
Nから再び電話があったのはそれから半年くらいしてからだった。

電話に出た私に彼はあのバーで話した時と同じくすごく興奮した調子で喋りだした。
ついにやったよ、成功だよ。
息子が帰ってきた。
私にはもう彼の言葉に頷くしかなかった。

ほら、聞こえるだろアイツの声!

その瞬間部屋がグラッと揺れた気がした
自分の体が一瞬傾き目の前の風景がグニャリと歪む。
確かに耳を側立てると電話の向こうで子供のハシャぐ声がする。

おまえ、何をしてきたんだ、そう問いただしたかったがその前に膝が折れ吐き気がした。

数日後別な友人からNが和歌山のとある山中で縊死した事を知らされた。
遺体が発見されたのは既にひと月以上経過してからのことだったらしい。

その時、全てに合点がいった気がした。
あの時、あの電話の主達
あれは死者が蘇ったのじやないと思う。
私の方が彼らの世界に一歩足を踏み入れていたのだと、蘇りとはそういうことらしい。


 








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Title : 反魂の術といえば

そらうたというゲームがあるのだがそれが成功したのは1回だけだったという・・・こういう話はなぜかうまくいかないのがおきまりのパターンなだけに印象に残ってる。「骨なら誰のでもいいし」と言う話で思い出したがあの話は『下の名前が一致していれば誰でもよい』という「そらうた」が元ネタなのではないかと推測している・・・。

犬伏呉服 2013.07.17 (Wed) 20:43 編集

Re:反魂の術といえば

そらうた?知らないなぁ…。
最近のゲーム?

2013.07.19 18:26

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