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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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2024.04.25 (Thu) Category : 

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みんなの顔

2008.01.26 (Sat) Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象

私が小学校五年生のときの話です。
そのころ私はひとつ年上の兄と同じ部屋を使っていました。
夜は、二段ベッドで上が兄、私は下で寝ていました。
ある日、たぶん明け方近くだと思うのですが、私は夢か現かという状態のときに、金縛りにかかってしまいました。自分でも、起きているのか、夢の中でのことなのかよくわからない、そんな感じです。瞼は開かず、体を動かそうと思っても、実際に自分の肉体が動いているのか、よくわからない、そんな状態の中、瞼の裏にいろんな映像が浮かび上がってきたのです。
最初はぼやーっとしていてよくわからないのですが、だんだんとはっきりとしたものとなっていき、それが「顔」であるのがわかるようになりました。
いくつもの顔が私のすぐ近くに浮いているのです。
全部私の知っている顔でした。父の顔や兄の顔、死んだはずのおじいちゃんや、親戚の人たちの顔が、ふらふらと、わずかに揺れながら私の視界を埋め尽くしています。
私はなんだかとっても怖くなって、顔をどっかにやろうと手を伸ばして無我夢中で振り回しました。 

でも、私の手は顔に触れることなく、ただ空を切るばかりなのです。
何度繰り返しても駄目です。依然、いくつもの顔は私の前を漂い、私の手もむなしく空を切っていると、突然上のほうから声が聞こえてきたのです、兄が寝ているはずの二段ベッドの上です。
声はこんなことを言いました。 

「ははっ、何やっとんねん、おもしろい、ははっ、そんなんしても意味ないわ」 

まるで兄とは違った、聞いたことのない声でした。
そのまま私は、恐怖のあまり半ば気を失うようにして、意識をなくして再び眠りに落ちていきました。
その後何度か兄にそのときのことを話したのですが、何も覚えていないし、ふざけてでもそんなことをした覚えはないといっています。
いったいなんだったのでしょう、いまだにあのときの声は忘れることなく、私のどこかに残っています。









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