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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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2024.11.25 (Mon) Category : 

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謎の音

2007.11.23 (Fri) Category : 人を信じすぎる人へ

場末のビジネスホテルで従業員やってた頃の話。 
ボロイ外見どおり、安い宿泊費だったので、ホームレスっぽい客や他のホテルでは断られても仕方ないような、薄汚い格好をした客がよく来ていた。 

で、常連の1人にかなりキている男がいた。 
常にオドオドた目つき、でっぷり太った体型、夏場でも汚れた黄色いダウンジャケットを着ている、と外見からして妙だったが、一番ヘンだったのは髪型。 
脂ぎった長髪なのだが、前髪とてっぺんの辺りはほとんど禿げていて、それ以外の髪の毛を伸ばしっぱなしにし、頭の上でとぐろを巻くようにして無理やりまとめていた。 

しかもこの男が泊まっている部屋からは常に奇妙な物音がした。 
どんな音か、説明するのは難しい。例えるなら濡れたゴムとゴムを擦り合わせているような音。 
無理やり文章にするなら「ぶっきゅぶっきゅぶっきゅ」 
これが同じ調子で絶え間なく聞こえるので、この客が宿泊するのは常に両隣が空いている部屋だった。 

従業員一同、いったいアレは何の音なのか、何のために、どうやって出しているのか不思議に思っていたのだがついに、奇妙な物音の正体が分かる日がきた。 

俺がフロントにいると、その男がやってきた。 
チェックインをする際、その男は常に無言で、こちらから話しかけたときだけ、首を振って応える。 
正確には無言というより、いつも口をモゴモゴと動かしているのだが、結局何も喋らない。 

その日はたまたま、客室の清掃が長引いていたので、俺は使える部屋があるかどうか確認しに行った。 
そしてフロントに戻ったとき、 
ぶっきゅぶっきゅぶっきゅぶっきゅぶっきゅぶっきゅぶっきゅぶっきゅぶっきゅ 
例の奇妙な物音がなっていた。 
フロントに残っていた他の従業員は真っ青な顔をしている。 

その物音は・・・・・・ 
男の口から聞こえていた。 
物すごいスピードで唇と舌を動かし、唾の飛沫を飛ばしながらその音を立てていたのだ。 
一瞬、どうしようかと思ったのだが、使える部屋があることを告げると、もう1人の従業員が男ルームキー鍵を渡した。 
男は部屋に向う間もずっと、その音を立てたままだった。 
勿論、部屋に入った後も。 

どうやら、あの音を立てるのは癖で、一応、フロントで受付しているような短い時間はガマンしていて 
口をモゴモゴさせているのはそのせいだろう、という結論で落ち着いた。 

その後、清掃のオバちゃんの話によれば、その客が泊まった後の部屋には大量の咳止めシロップの容器が捨ててあるそうだ。 
ラリってたのか? 







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