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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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パクさん

2017.11.25 (Sat) Category : 人を信じすぎる人へ

692:⑦⑦⑦:2017/11/20(Mon)11:12:08
今から10年前、仕事で3ヶ月ほど中国に滞在していました。
工場での管理業務で、250人の中国人従業員に対して日本人は私一人。

社員寮で生活していました。
寮に食堂もあるのですが、工場の近くには飲食店がいくつかあり、毎日その界隈で食事をとっていました。

ある晩とある酒場で飲んでいると、見たことのない男が片言の日本語で話掛けてきました。
60代くらいの小さな男で、うちの工場の工員ではありませんでした。
「私は昔日本に住んでいました。日本人は見ただけでわかります。日本人は親切だから好きです。」
男はパクと名乗りました。

パクさんは毎晩同じ酒場にいるようで、私を見るたびに話しかけてきては日本の話を聞きたがりました。日本語がわかる人間は工場にも数人しかいなかったため、パクさんに会うためにしょっちゅうその酒場に行くようになり、パクさんと酒飲み友達になりました。

中国に滞在して3ヶ月。日本に帰る間際になって、パクさんとの別れを寂しく感じました。
そして、パクさんの連絡先を聞いていないことに気がつき酒場に行きました。
日本に帰ってお礼の品を送りたいと思ったのです。

パクさんはいつものように酒場にいました。
連絡先を聞いたのですが、なぜかパクさんは教えてくれませんでした。
その代わり、小さく折りたたんだ紙と木彫りの小さな仏像を手渡されました。

「ここに書かれた住所の家の庭に、この仏像を埋めてください。日本人のあなたにしか頼めないんです。」

パクさんから渡された紙には日本の住所が書かれていました。
同じ日本でも住んでいるところからかなり遠かったため断ろうとしたのですが、パクさんがあまりに熱心に頼むため仏像を受け取りました。そして、私は日本に帰国しました。

パクさんには大変申し訳なかったのですが、飛行機でないといけない場所に仕事を抱えながら行くのは難しく、10年経っても約束を果たせていませんでした。
つい最近そのことを思い出して、ふとその住所の場所に何があるのか気になって調べてみました。

パクさんの言う通りただの一軒家だったのですが、30年ほど前に強盗殺人が起こった家でした。犯人は捕まっていないそうです。
パクさんは日本で何をしていたのでしょう。
なぜ中国に帰ってきたのでしょう。

今考えてみると、パクさんの事を何一つ知らないことに気がつきました。
パクさんという名前も本当かどうか。


(※⑦⑦⑦さんからの投稿です。ありがとうございました)




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