妊娠（１）

あるティーンエイジャーの少女に妊娠の兆候が現れた。お腹がふくらみ、吐き気に悩まされ、食欲が増加した。両親は彼女に誰の子なのかを問い詰めたが、彼女は自分はまだ男の子と関係を持ったことはなく、だから妊娠などしているはずはないと涙ながらに訴えるばかりである。しかし、娘の話を信じなかった両親は彼女を病院の産婦人科へと連れていった。
　彼女を診察した医師は、一度は彼女に妊娠の兆候があることを認めた。しかし、少女があまりに自分は妊娠などしていないと訴えるので根負けし、精密検査を受けさせる事になる。ところが、その結果判明したのは実に驚くべきことであった。
　なんと、彼女の腹の中で育っていたものは、大きなタコだったのである。その年の夏、彼女は友人達と海へ遊びに行っていた。その時、飲んでしまった海水の中に、タコの卵が含まれていたのであろう。その卵が彼女の胃の中で孵化し、胃に送り込まれる食物をを奪いながら育ち続けていたのだ。
　その後、手術で取り出されたタコはホルマリン漬けにされ、病院に保管されているそうだ。