都市伝説・・・奇憚・・・blog
ペン
2008.06.21 (Sat) | Category : 人を信じすぎる人へ
俺は留学生で大学のイベントでインターナショナルな怪談話大会というのがあった。雰囲気だけは盛り上げるんだけど、感覚が違うので、欧米の話は恐くなかったな。
ただ、その中で韓国人のした話は日本と感覚が近かったのでいけるかも。でもほとんど忘れたのでかなり脚色して紹介してみる。
主人公は高校3年の女子生徒。
定期テスト直前だった彼女は、深夜まで自室で勉強をしていた。
学習机に向かって必死に問題を解いている。
---瞬間的に集中力が途切れた彼女。持っていたペンを指でいじくる。
ふと、そのペンを自分の背後に投げてみたい衝動にかられた。
本当に、なんとなく。特別な意味はなかった。
そして、机に座ったまま、背後にペンを投げる。
・・・床に落ちたはずのペンだったが、何の音もしなかった。
彼女の部屋はフローリング。ペンが落ちれば当然、音がする。
ぞっとした彼女が、背後を振り向くと、ペンは偶然クッションの上に落ちていた。
「そんなわけないわよね」
一人つぶやき、安堵する彼女。
翌日、学校で・・・
「実はね、深夜の2時頃、背後にペンを投げて、ペンが床に落ちる音がしないと、原因不明の理由で死んじゃうって話、聞いたことある?・・・実はね、私、昨日その通りに夜中の2時に、背後を振り向かずにペンを投げてみたの・・・」
その話を聞いていた友達は、ごくりと唾を飲みこんだ。
「・・・そしたら、ペンの落ちる音がしなかったの!!」
彼女が大きな声で盛り上げると、友達は悲鳴交じりで、驚きに近い反応を示した。それを見た彼女は、
「実際は、クッションの上にペンが落ちただけだったの。ははは」
このように、休み時間を利用して友達に昨夜の出来事を、多少脚色して笑い話に変えて話したのだった。
その夜。
昨日と同様に、深夜までテスト勉強を頑張る彼女。勉強も一段落して何となしに机の上の置時計を見ると、2時を5分ほど回っていた。
2時という時計の針に、友達が自分の話で恐がっていたことを思い出させられ、再び右手に握られていたペンを見つめた。
そして、背後に投げてみた。
・・・やはり、音はしなかった。
おかしい。実は彼女は確認していた。
前日のクッションは、すでにベッドの上に移動させていたのだ。
思いつく限りで、彼女の背後にペンの音を吸収するようなものはない。
投げた感覚でペンの落ちる位置は予想できる。そこには何もないのは確かなのである。
彼女の前身に鳥肌が立った。悪寒が鋭く身体中を走る。
彼女は、一瞬の迷いの後、ゆっくりと背後を振り返った・・・
そこには友人が立っていた。
「・・・あなたの話の通りにやってみたの」
冷たく、低い声で、ささやくようにそう言った友達の右手には、しっかりと彼女のペンが握られていた。
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