まりをつく少女

※2025年7月8日は、1995年に映画「学校の怪談」が劇場公開されてから30周年です。※

ある小学校の七不思議です。

土曜日の午後、子供たちがいなくなると、校庭の砂場のそばで、鞠をついて遊んでいる少女がいます。

ある時、近所のおじさんが来て、
「もう遅いから、早く帰りなさい」
と注意しました。

しかし、少女は黙って鞠をつき続けています。
「お家はどこ？」
「お母さんは？」
と聞いても、なにも返事をしません。

なんだかおかしいぞ……。
異様に感じたおじさんは、

「おじさんの質問に、『はい』なら一回、『いいえ』なら二回、鞠をついて答えなさい」

と言いました。
すると、少女は鞠を、ポン、と一回つきました。
やっと少女から答えが返ってきたので、おじさんは質問をしていきました。

ところが、今度はおじさんがなにを聞いても、一向に要領を得ない答えしか返しません。
「この学校の子かい？」
「近所に住んでるのかい？」
なにを尋ねても、少女は鞠をポンポン、と二回つくばかりです。

そこで、おじさんはさっきから、ずっと考えていたことを聞きました。

「お嬢ちゃんは、この世の人なのかい？」

少女は鞠を、ポンポン、と二回つきました。

「やはり、そうだったのか」
おじさんは冷や汗を流しました。

そして、おじさんは少女に、どうして死んだのか聞き続けました。

「事故で死んだのかい？」
「病気で死んだのかい？」

少女はまた、なにを聞いても、鞠をポンポン、と二回ついて答えます。

しかし、おじさんが、

「誰かに殺されたのですか？」

と聞いた時、少女は鞠を、ポン、と一回つきました。

おじさんは固唾を呑み、全身を強張らせながらも、少女に聞きました。

「犯人は？」

その瞬間、少女はパッと顔をあげて、叫びました。

「お前だ！」


（※トンカラリン助さんからの投稿です。ありがとうございました）




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