忍者ブログ

都市伝説・・・奇憚・・・blog

都市伝説を中心にホラー、オカルト系の話題をお楽しみください。 メールはyoshizo0@hotmail.co.jpへ ☆☆投稿やまとめて欲しい話題のタレコミなど、情報提供受付中! ☆☆気がつけば1億PV☆☆

誰かの悪意

2025.06.27 (Fri) Category : 人を信じすぎる人へ

543:本当にあった怖い名無し:2024/09/08(日)16:55:40.08ID:xirTECKU0.net
ずっと昔。俺の住んでた家の近所には空き家があった。
そこの住人のことは全く知らないが、元々何年も人が住んでいないようなところで、田んぼの広がってる田舎の片隅、すぐ裏が土手でそこそこ深い川が流れているところにポツンとある一軒家だったから、誰かが殆ど通りがかることもない。

ある台風の日、その家の窓ガラスが割れた。
窓というより、高さ2mくらいのガラス戸みたいな感じの窓で、丁度蝶番のところが割れたので窓の鍵をあければ中に入れるという感じだ。

最初に発見したのは友人で、何人かで連れ立ってそこを探検しようとか言い出した。
普通に犯罪だと思うが、俺達は当時小学一年でモラルも低く、おし!面白そうだしそこ秘密基地にしようぜとかふざけたことを抜かしていた。
そんなこんなで5人ほどで連れ立って探検と称した住居不法侵入が始まった。

と言っても特に盛り上がることもなく、一切の家財がない電気も水道もない空き家を歩いただけだった。
戸を外された押し入れに入り、隠し通路ねえかな?!とか風呂場覗いてせっま何この浴槽!とか、下らないことばかり言っていたように記憶している。

適当に30分くらい探索し、特に面白いもんもなかったねと言いながらその日はそのまま公園へ行って遊んだように記憶している。



544:本当にあった怖い名無し:2024/09/08(日)16:58:53.00ID:xirTECKU0.net
それから2週間くらいが経った頃だろうか。
季節は秋で、陽が落ちるのも早くなり始めた時期だった。
友人の一人が、仔猫を拾った。学校の側にあるゲートボール場のところで、ダンボールに詰められていたらしい。

全部で3匹おり、俺達はどこかで飼えないかと近所の家を訪ねたり親達へお願いをしたりしたが、どこも引き取ってはくれなかった。
そんな時、友人の一人が言い出した。
「あの空き家使って俺らで飼わねえ?」
時間帯は既に夕方で夕陽が射しており、帰宅時間が迫っていた俺達はとりあえず菓子パンと水を入れたバケツとバスタオルを猫が入っていた段ボールに入れ、件の空き家へ連れて行った。



545:本当にあった怖い名無し:2024/09/08(日)16:59:28.33ID:xirTECKU0.net
暗くなり始めていたこともあり、空き家の中は殆ど明かりがない状態だった。
猫達をとりあえず部屋の奥の方へ置き、じゃあみんな今日は帰ろうか、と話していた時、仲間の一人が変なことを言い出した。
「なあ、さっきから誰かに見られてるような気がしない?」
別の一人が言う。
「怖いこと言うなよ気のせいだろ」
俺も特に何も感じなかったし、既に帰宅の時間(我が家は門限が18時だった)を過ぎていたのでそういうのいいからもう帰ろうぜ、と親に怒られたくない一心で友人達へ帰宅を促した。
その日はそのまま何事もなく全員で帰宅した。



546:本当にあった怖い名無し:2024/09/08(日)17:00:17.97ID:xirTECKU0.net
その翌日は土曜日だったので、俺達はまた朝から集まり、昨日の猫はどうなったかと空き家へ行った。
俺達は帰宅する前、仔猫達は段ボールから外に出していたが、何故か3匹とも風呂場にいた。
窓は空いていたしどっか外にでも出てるんじゃないかと思っていた俺達は一安心し、そのまま猫と遊ぶことにした。

友人の一人が猫を家の外に出し、土手の方へ抱えて行こうとした瞬間、猫達は突然鳴き始め全力で逃げようとし始めた。
田んぼの方へ行っても特に何のリアクションもなく、抱き上げたら腕を舐めてくるような猫達だったが、土手へ行こうとした瞬間、狂ったように抵抗を始めた。
驚いたらしい友人は反射的に土手に背を向けた。その瞬間、何故か抵抗は止まった。

「こいつ水嫌いなんかね」
とか
「お前の抱き方が悪いんじゃね?」
とか互いに言い合っていたような記憶がある。
その後、そのまま遊んでから帰宅して、日曜日の朝に俺達は再び集まって空き家へ向かった。
空き家へ入ると、相変わらず何故か風呂場に猫がまた居たが、2匹しか居ない。

菓子パンやらおにぎりやらを自宅から持ち寄っていた俺達は、流石にご飯あげないと死んじゃうだろうしどこに行ったか探そうか。ということになり、猫2匹を見てる二人と猫を探す三人とで別れた。

俺達三人は、田んぼの方からみんなで来ていたこともあり、そっちに居たら分かるだろ、土手探すか、ということになった。
(田んぼは稲刈りも終わり、見通しがかなり良くなっていた。)
居なくなった猫は程なくして見つかった。
川の岸辺に死んで浮かんでいた。
夜に川まで歩いて行ってそのまま溺れて死んだのだろうと俺達は結論付け、土手の近くに穴を掘って埋葬した。

その日の帰り、俺達は猫が外に出ると危険だと考え、空いていた窓を閉めてから帰宅した。



547:本当にあった怖い名無し:2024/09/08(日)17:01:25.47ID:xirTECKU0.net
そして、月曜日、放課後の俺達はまた空き家へ行った。

空き家へ行くと窓が開いていた。
え?誰か来たの?と言ったが全員昨日から来ていないと言う。
大人達にバレたかな、と思いつつ家の中に入る。
風呂場に猫が1匹だけ居た。
もう1匹は昨日と同じ場所で死んでいた。
窓が開いていたということから、俺達はこの時始めて恐怖を感じた。

窓の鍵は高さ1mくらい、小学生の俺達の目線よりやや高いところにある。
確実に猫達には触れないところにあり、鍵をかけた以上、自然に開いたり押して開くこともない。

俺達が帰ってから、ここに誰か来ている。
悪意を持った誰かが、猫を殺している。
猫達は何故毎回入り口から一番遠い風呂場に居た?
何故土手に行こうとすると狂ったように嫌がる?
金曜日の夜に何かがあったんじゃないのか?
危険を感じた俺達は、そのまま猫を連れて空き家の外に出た。
あの空き家に猫を置いておく訳にもいかず、かと言って家でも飼えない。

仕方なしに猫を連れて近くの公園まで行こうとした時、友人の一人が遠くを指差してこう言った。
「あの軽トラのおじさん、さっきからずっと俺らのこと見てね?」
ふと田んぼの向こうを見ると、白い軽トラがあり、運転席に笑顔でこちらを見ている老人が居た。
俺達に見られていることに気がついたのか分からないが、老人はそのまま軽トラを走らせてどこかへ行った。



548:本当にあった怖い名無し:2024/09/08(日)17:01:40.72ID:xirTECKU0.net
俺達はそのまま公園へ行き、猫を離した。
この後どうするかを話しつつ、結論が出ないまま夕方に差し掛かった頃だ。
何のきっかけか覚えていないが、猫が公園外の道路に出た。
俺達は後を追いかけることもせず、何となしに見ていた。
そこから3秒くらいだろうか、突然凄いエンジン音がした。高速道路でアクセルをベタ踏みにしたような、ブォンというエンジン音。

公園の入り口付近に丁度立っていた俺は見てしまった。
道路の真ん中で立ち止まる猫、超スピードで突っ込んでくる軽トラック、そして、運転席の視線を猫に向けて笑顔で口を開けて笑う老人を。
軽トラックは猫を跳ね、そのままどこかへ走り去って行った。
後には頭を潰された猫と、立ち尽くす俺達。俺達はすぐに近所の大人を呼んだ。

怒られるのが嫌で空き家のことは話さなかったが、猛スピードの軽トラが猫を跳ねて行ったという話は青い顔をして聞いていたように思う。
その日以来、俺達は空き家には二度と行くことはなかった。
その後、特に何かある訳でもなく、しいて言えば公園入り口に車に注意!というポスターが貼られたくらいで俺と友人達には何もない。



549:本当にあった怖い名無し:2024/09/08(日)17:04:32.71ID:xirTECKU0.net
空き家も取り壊しになり、そこには何も無い野原が広がっている。
幽霊とかではないが、満面の笑顔で猫を見つめていた老人男性の顔は今でもトラウマだ。
白い軽トラックが自分の近くを通る度、嫌でも思い出してしまう。
幽霊とかでは無いが、誰かの悪意を感じた怖い話。




引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?379
https://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1722422439/543-549





.








拍手[1回]

PR

この記事にコメントする

Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

カレンダー
11 2025/12 01
S M T W T F S
1 2 4
7 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
スポンサードリンク
ブログ内検索
カテゴリー
最新コメント
[12/09 七篠]
[12/08 七篠]
[12/06 七篠]
アクセス解析

Powered by [PR]

忍者ブログ