都市伝説・・・奇憚・・・blog
都市伝説を中心にホラー、オカルト系の話題をお楽しみください。
メールはyoshizo0@hotmail.co.jpへ
☆☆投稿やまとめて欲しい話題のタレコミなど、情報提供受付中!
☆☆ありがとう5000万ヒット!☆☆
和服の少女
2019.12.29 (Sun) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
504:456:2007/05/15(火)18:38:08ID:rN6o8tgq0
ようやく、書き終えたので、和服の少女の話を投下しようと思う。
あのあと、私は目を覚ましてから、一週間の間は病院のベッドで寝ていた。
脳にも損傷は無いらしく、すぐに退院できるくらいだったらしいが、父の腕から私を引き離す際に少し乱暴に剥がしてしまったらしく、所々骨にひびが入っていたそうだ。
少女と出会ったのは、私が目を覚ましてから3日目か4日目の夜。ちょうど私の村で、山の神の祭りが始まる時期だったと思う。
私は母が買ってきてくれた、漫画雑誌を読みながらベッドに横になっていた。
パチン
そんな音と同時に、部屋が暗くなった。その時は、ただ看護婦さんが電気を消しに来ただけかなー。などと思っていたのだが、少しおかしい。
普段なら、10時頃が消灯時間だというのに、今はまだ8時にもなっていないはずだ。
私は少し怖くなり、ナースコールに手を伸ばそうとしたのだが、腕が動かない。
冷たい感触が、手首の周りにこびりついた。それは確かに、母に手を握られたときのような感触だった。氷のような冷たさを覗けば、であるが。
そして、また「パチン」という音が聞こえ、次は体を思いっきり突き飛ばされたように、ベッドの上から転げ落ちた。
しかし、不思議と痛みは無かった。痛めているはずの膝も、腕も何の問題も無く動かすことが出来た。
とはいえ、あんな怖い思いをした直後で、そんなことに疑問を抱いている暇も無い。
私は、ふらふらとした足取りで、部屋のドアを開けた。
パチン……パチンパチン
音は不規則なリズムで、私の後を追うように近づいてくる。
私は必死になって、震える足で真っ暗な廊下を必死に走り、ようやくトイレから漏れる光が目に入り、安堵の溜息をついた。
505:456:2007/05/15(火)18:39:35ID:rN6o8tgq0
あの音も聞こえない。私は泣きそうになるのを堪え、トイレのほうへ近づいた。
だが、トイレには一向に近づけない。それどころか、遠ざかっていくかのようにも思える。
私はふと、周りの音が聞こえにくいことに気がついた。思わず耳に当てた手にぬるっとした、いやな感触が伝わった。
腰が抜けそうになり、泣き叫びそうになったが、その感触はすぐに無くなり、あの音が私のほうから遠ざかっていく。
普通の思考を持った人間なら、そのままナースステーションに転がり込んで助けを呼ぶのだろうが、どうも私は気でも触れていたのか、その音を追いかけていたのである。
まるで、友達と鬼ごっこでもするかのように。
音を追いかけているうちに、いつの間にか私の中の恐怖心は消えていた。私は、その鬼ごっこが今まで生きてきた中で、一番楽しい時間だったのだと思う。
時計を気にすることなく、先生や親に怒られもしない。とても、楽しい時間だった。
何時間経っただろうか、私はその音をようやく捕まえた。あの冷たい感覚が手を伝ってくるが、今度は気にもならなかった。
そこで私の記憶がすっぽりと抜け落ちている。
目が覚めたときには、私は病院の外の庭で寝ていた。
医者は
「どうも、君は夢遊病か記憶喪失のケがあるのかな」
と目を細めて笑っていた。
きっと、あの医者は見えていなかったのだろう。その部屋の周りを、青い鞠をつきながら遊びまわる少女の姿を。
それから、毎夜というくらい私が寝て数十分すると、胸の上にネコくらいの重さのものが圧し掛かってくるのである。
綺麗な空色と、桜色が散りばめられた着物を着ながら、パチンパチンと両手を鳴らして。
508:本当にあった怖い名無し:2007/05/15(火)19:15:23ID:qdd1L7tKO
>>504-505
乙!
山の神様と関係あるのかな?
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話をあつめてみない?162
https://hobby9.5ch.net/test/read.cgi/occult/1175230138/504-508
.
ようやく、書き終えたので、和服の少女の話を投下しようと思う。
あのあと、私は目を覚ましてから、一週間の間は病院のベッドで寝ていた。
脳にも損傷は無いらしく、すぐに退院できるくらいだったらしいが、父の腕から私を引き離す際に少し乱暴に剥がしてしまったらしく、所々骨にひびが入っていたそうだ。
少女と出会ったのは、私が目を覚ましてから3日目か4日目の夜。ちょうど私の村で、山の神の祭りが始まる時期だったと思う。
私は母が買ってきてくれた、漫画雑誌を読みながらベッドに横になっていた。
パチン
そんな音と同時に、部屋が暗くなった。その時は、ただ看護婦さんが電気を消しに来ただけかなー。などと思っていたのだが、少しおかしい。
普段なら、10時頃が消灯時間だというのに、今はまだ8時にもなっていないはずだ。
私は少し怖くなり、ナースコールに手を伸ばそうとしたのだが、腕が動かない。
冷たい感触が、手首の周りにこびりついた。それは確かに、母に手を握られたときのような感触だった。氷のような冷たさを覗けば、であるが。
そして、また「パチン」という音が聞こえ、次は体を思いっきり突き飛ばされたように、ベッドの上から転げ落ちた。
しかし、不思議と痛みは無かった。痛めているはずの膝も、腕も何の問題も無く動かすことが出来た。
とはいえ、あんな怖い思いをした直後で、そんなことに疑問を抱いている暇も無い。
私は、ふらふらとした足取りで、部屋のドアを開けた。
パチン……パチンパチン
音は不規則なリズムで、私の後を追うように近づいてくる。
私は必死になって、震える足で真っ暗な廊下を必死に走り、ようやくトイレから漏れる光が目に入り、安堵の溜息をついた。
505:456:2007/05/15(火)18:39:35ID:rN6o8tgq0
あの音も聞こえない。私は泣きそうになるのを堪え、トイレのほうへ近づいた。
だが、トイレには一向に近づけない。それどころか、遠ざかっていくかのようにも思える。
私はふと、周りの音が聞こえにくいことに気がついた。思わず耳に当てた手にぬるっとした、いやな感触が伝わった。
腰が抜けそうになり、泣き叫びそうになったが、その感触はすぐに無くなり、あの音が私のほうから遠ざかっていく。
普通の思考を持った人間なら、そのままナースステーションに転がり込んで助けを呼ぶのだろうが、どうも私は気でも触れていたのか、その音を追いかけていたのである。
まるで、友達と鬼ごっこでもするかのように。
音を追いかけているうちに、いつの間にか私の中の恐怖心は消えていた。私は、その鬼ごっこが今まで生きてきた中で、一番楽しい時間だったのだと思う。
時計を気にすることなく、先生や親に怒られもしない。とても、楽しい時間だった。
何時間経っただろうか、私はその音をようやく捕まえた。あの冷たい感覚が手を伝ってくるが、今度は気にもならなかった。
そこで私の記憶がすっぽりと抜け落ちている。
目が覚めたときには、私は病院の外の庭で寝ていた。
医者は
「どうも、君は夢遊病か記憶喪失のケがあるのかな」
と目を細めて笑っていた。
きっと、あの医者は見えていなかったのだろう。その部屋の周りを、青い鞠をつきながら遊びまわる少女の姿を。
それから、毎夜というくらい私が寝て数十分すると、胸の上にネコくらいの重さのものが圧し掛かってくるのである。
綺麗な空色と、桜色が散りばめられた着物を着ながら、パチンパチンと両手を鳴らして。
508:本当にあった怖い名無し:2007/05/15(火)19:15:23ID:qdd1L7tKO
>>504-505
乙!
山の神様と関係あるのかな?
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話をあつめてみない?162
https://hobby9.5ch.net/test/read.cgi/occult/1175230138/504-508
.
PR
スポンサードリンク
ブログ内検索
カテゴリー
アーカイブ
過去50ヶ月分を表示しています
アクセス解析
カウンター
この記事にコメントする