都市伝説・・・奇憚・・・blog
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☆☆気がつけば1億PV☆☆
安アパート
2010.06.28 (Mon) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
30 名前:1 投稿日:03/05/21 17:24
これは昔、友人から聞いた話です。
その友人は以前、同棲しようとアパートを探していました。
割と気に入る部屋を見つけ、値段も相場と比べかなり安かったので決めたそうです。
しかしこのアパート、1ヶ月も居られなかったという話です。
自称「霊感は強い方」という友人は、ちょっとの事では驚かないそうですが、最初にちょっと気になったのは、
・家賃が安い
・電気(蛍光灯)が部屋の中央から少しずれたところに付いている
という事だったそうです。
で、ここから先は色々起こったのですが、順番はあまりよく憶えていませんので、だいたいで・・・
その1、逆さに・・・
わたしが話を聞いたのが19才の時であり、その友人はわたしより1~2才年上といっても話は更に過去の事なので、当然友人もその同棲相手も若いので、共働きだったそうです。
仕事を終えたどちらかが先に部屋に帰りつくと、灰皿が逆さまになっている。
しかも入っていた吸殻が逆さになった灰皿の上にある。
しかし何故か吸殻を片付けておくと大丈夫なのです。(これは何度も起こったそうです。)
友人は誰かがいたずらしてるとしか思えない、と、でかける前に気づかないほどの小さな小石をドアの前に並べたそうですが、誰もドアを開けた形跡は無かったそうです。
そして灰皿にとどまらず、色んなものが逆さになったそうです。
最初は色んな小物が、その内、ちゃぶ台くらいのテーブル(上に置いてあった物は逆さになったテーブルの上)、しまいには本人もあきれていましたが、タンス。
タンスが逆さになって、上にあったものが逆さになったタンスの上に置いてあったそうです。
男が2人いても大変な作業ですよね?
そこまでいくと恐いというより好奇心がわいてしまいます(人事だし^-^;)
その2、夜中の音
ここから先は「その1」と同時進行中です。
真夜中、猫が鳴いている。うるさいくらいの鳴き声で。
次の日、隣の住人に「夕べ猫うるさかったですね」と言ったが隣人は聞いてないという。
また別の日の夜中、雨が降ってきた。これもうるさいくらいの豪雨。隣人に聞いたが「夕べは徹夜で試験勉強してたが雨なんか降ってない」と・・・。
その3、服が落ちる
友人は部屋にロープをはり、そこへハンガーを掛けるようにしていたが、部屋に2人とも居る時に突然服が バサッ っと落ちる事が何度もあったそうです。
友人はクセでハンガーに服を掛け、1番上までボタンをはめていたのに「服だけ」が バサッ っと落ちるのです。
その4、最後の話
その時点でもちろん大家さんには「何かあったのか?」と聞いてはみたが、何も話してはくれなかったそうです。
そして部屋を出るきっかけになった話。
彼女はベッドの上で雑誌(ananかなんか)を読んでおり、友人はその横に布団を敷いて寝ていた。
友人、突然金縛りになる。足元が痛い・・・とてつもなく痛い。まるで人1人が足の上に立っているように・・・。
目を開ける、足元に霧だか「もや」だか煙だかわからないが、なんかある。
突然その「もや」みたいなものが集まって人の形になる。
友人、がばっと半身起こして(金縛りを振り払ったらしい。友人かなり好戦的な性格^_^;)、「誰だお前は~!」と叫んだらしい。(本人憶えておらず後日、彼女から聞いたらしい)その叫びで雑誌を読んでいた彼女も振り返り「きゃー」といったらしい。彼女もその人型を見たのだ。
で、その途端人型の「もや」もサッっと消えたそうだ。
もちろんこれ以上そこへ住むつもりは無く最後に大家さんに聞いたところ、首吊りがあったこと。首を吊ったロープの後が消えず、ごまかすため電気をずらしてることを話し、天井裏に貼ってあるお札も見せてもらったらしい。
これは昔、友人から聞いた話です。
その友人は以前、同棲しようとアパートを探していました。
割と気に入る部屋を見つけ、値段も相場と比べかなり安かったので決めたそうです。
しかしこのアパート、1ヶ月も居られなかったという話です。
自称「霊感は強い方」という友人は、ちょっとの事では驚かないそうですが、最初にちょっと気になったのは、
・家賃が安い
・電気(蛍光灯)が部屋の中央から少しずれたところに付いている
という事だったそうです。
で、ここから先は色々起こったのですが、順番はあまりよく憶えていませんので、だいたいで・・・
その1、逆さに・・・
わたしが話を聞いたのが19才の時であり、その友人はわたしより1~2才年上といっても話は更に過去の事なので、当然友人もその同棲相手も若いので、共働きだったそうです。
仕事を終えたどちらかが先に部屋に帰りつくと、灰皿が逆さまになっている。
しかも入っていた吸殻が逆さになった灰皿の上にある。
しかし何故か吸殻を片付けておくと大丈夫なのです。(これは何度も起こったそうです。)
友人は誰かがいたずらしてるとしか思えない、と、でかける前に気づかないほどの小さな小石をドアの前に並べたそうですが、誰もドアを開けた形跡は無かったそうです。
そして灰皿にとどまらず、色んなものが逆さになったそうです。
最初は色んな小物が、その内、ちゃぶ台くらいのテーブル(上に置いてあった物は逆さになったテーブルの上)、しまいには本人もあきれていましたが、タンス。
タンスが逆さになって、上にあったものが逆さになったタンスの上に置いてあったそうです。
男が2人いても大変な作業ですよね?
そこまでいくと恐いというより好奇心がわいてしまいます(人事だし^-^;)
その2、夜中の音
ここから先は「その1」と同時進行中です。
真夜中、猫が鳴いている。うるさいくらいの鳴き声で。
次の日、隣の住人に「夕べ猫うるさかったですね」と言ったが隣人は聞いてないという。
また別の日の夜中、雨が降ってきた。これもうるさいくらいの豪雨。隣人に聞いたが「夕べは徹夜で試験勉強してたが雨なんか降ってない」と・・・。
その3、服が落ちる
友人は部屋にロープをはり、そこへハンガーを掛けるようにしていたが、部屋に2人とも居る時に突然服が バサッ っと落ちる事が何度もあったそうです。
友人はクセでハンガーに服を掛け、1番上までボタンをはめていたのに「服だけ」が バサッ っと落ちるのです。
その4、最後の話
その時点でもちろん大家さんには「何かあったのか?」と聞いてはみたが、何も話してはくれなかったそうです。
そして部屋を出るきっかけになった話。
彼女はベッドの上で雑誌(ananかなんか)を読んでおり、友人はその横に布団を敷いて寝ていた。
友人、突然金縛りになる。足元が痛い・・・とてつもなく痛い。まるで人1人が足の上に立っているように・・・。
目を開ける、足元に霧だか「もや」だか煙だかわからないが、なんかある。
突然その「もや」みたいなものが集まって人の形になる。
友人、がばっと半身起こして(金縛りを振り払ったらしい。友人かなり好戦的な性格^_^;)、「誰だお前は~!」と叫んだらしい。(本人憶えておらず後日、彼女から聞いたらしい)その叫びで雑誌を読んでいた彼女も振り返り「きゃー」といったらしい。彼女もその人型を見たのだ。
で、その途端人型の「もや」もサッっと消えたそうだ。
もちろんこれ以上そこへ住むつもりは無く最後に大家さんに聞いたところ、首吊りがあったこと。首を吊ったロープの後が消えず、ごまかすため電気をずらしてることを話し、天井裏に貼ってあるお札も見せてもらったらしい。
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顔見知りの男
2010.06.19 (Sat) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
371 名前:長文1/5 投稿日:03/05/19 19:42
ある心霊番組の制作をやった時のこと。同じチームにDさんって先輩がいた。
ある日、視聴者から番組あてに送られてきた心霊写真を数人でチェックしていた。
その途中で回ってきた一枚の写真。
夜の路上、数人でガードレールにもたれて笑い合うその後ろ、あり得ない場所に男の姿。
30~40歳位のアゴのたるんだ中年男。そこまで分かるくらい鮮明に写っている。
「二重写しなんじゃねーの」
「ありがちだよね。パンチ不足」
確かにガイシュツっぽい印象だったし、一目見て怖いって思うような心霊写真じゃなかった。
「どれ・・・」
Dさんもその写真を手にとり、じっと睨み付けた。
「どうしたのDさん。それ使えそう?」
私の問いに、Dさんは写真を見つめたまま答えない。心なしか顔色が変わっている。
「・・・これ送ってきたの誰?」
スタッフの一人が封書の名前と住所を読み上げ、それを聞いたDさんは眉をひそめた。
「何?知ってる人?」
「いや、初耳だよ。送ってきた人に心当たりはない。だけど・・・」
Dさんは写真に写っている痩せ型の男の顔を指差してこう言った。
「こいつに見覚えがあるんだ。間違いない」
「それって知り合いの人の霊ってことなの?」
「そうじゃない。顔見知りの霊・・ってチョット違うか。いや、妙な話なんだけど─」
事の起こりは、Dさんがこの仕事を始めた頃、ある番組に送られてきた心霊写真だった。
冴えない中年男の顔が、子供の足下の地面からヌゥッと突き出ている。
クッキリと写ってはいるが、アングルがあり得ない上に顔のサイズも大きすぎる。
Dさんはその写真をモニター越しに見たのだが、その時は特に強い印象は受けなかった。
2度目の出会いは自身が制作に携わった番組のスタジオ収録でのこと。
酒蔵の中で撮影された女性の背後、パイプの隙間の暗闇にボンヤリと浮かぶ青白い影。
ズームされた瞬間、そこにあの男の顔を見たDさんは、思わず声を上げてしまった。
そして今回送られてきた写真。またもや、忘れようもないあの顔がハッキリと写っている。
「─というわけで、コイツの顔を拝むのはもう3回目なんだ。そう言う意味では顔見知り
って言えないこともないわな」
3枚の写真は、送り主もロケーションも撮影日もバラバラで、互いに何の接点もない。
ただ、その場に居るはずのない、ある男が写りこんでいる点だけが共通している。
そんな写真が3回もDさんの目に触れた。これは偶然なのだろうか?
「やっぱ偶然・・・ですかね」
「さぁな。ただ、世の中に心霊写真がどれだけあるのか知らないけど、俺はこんな心霊写真を他に見たことがないし、そんな写真があるって話を聞いたこともない」
Dさんは、何か文句があるなら言ってみろ、というような顔つきで私を睨んだ。
「・・で、何かあったんですか?」
「何が?」
「だから・・よくあるじゃないですか、霊障だとか何とか」
「どうかなぁ。身体はどこも具合悪くないし、特に不幸事もないしなぁ」
「じゃあ、その男がDさんの写真に写ってたとかはない?」
「うーん、覚えはないなぁ。オレ写真写り悪いから嫌いなんだよ、撮られるの」
「写す側にしてもそそられませんよ。40過ぎのむさい野郎なんて」
「悪かったな・・・つーか、この年で独身ってのはコイツの祟りなのか?オイ・・」
後は、いつものようにDさんの愚痴を聞くハメになった。
それからしばらくして、Dさんに女の子を紹介する事になった。
とりあえず写真を見たい、という先方の要望を伝えると、Dさんは写真の束を私に押しつけ、
「適当に選んどいてくれ」
とロケに行ってしまった。
しかたなく、私はDさんの「適当な」写真を選ぶという不毛な作業を始めた。
写真を撮られるのが嫌いと言うだけあって、スナップ写真ですら数が少ない。
パラパラと写真を繰っていると、後ろからポンポンと肩を叩かれた。
振り返ると、番組の女性スタッフが坊さんを一人連れて立っていた。
「今良いかな?この人、○○寺の住職さん」
「あーハイハイ」
「今度番組に出てもらうんで打合せに来てもらったんだ。ちょと部屋借りれる?」
「ちょっと待って下さい・・・」
席を立とうとして、坊さんの視線がDさんの写真に向いているのに気づいた。
「この人・・・」
「ああ、番組のスタッフですよ。今はちょっと出てるんですけど」
ちょっといいですか、と断ってから、坊さんは写真の束を取り上げた。
「おかしな写真ですね。この人、大丈夫なんですか?」
眉間にしわを寄せて、そんな事を言う。
「どういう事ですか?」
「この人、写真の顔と実際の顔が違う感じがしませんか?・・ホラ、これもだ」
坊さんはDさんの写真を次々と机に並べる。言われてみればそんな気もしてきた。
「そうですね。そう言えば、本人も写真写りが悪いって気にしてましたよ」
「そんなレベルじゃないでしょう。例えばこれ、別人の顔でしょう?」
そう言って、坊さんはDさんのアゴのあたりを指差した。だらしなくたるんだアゴ。
「あれ?Dさんってどっちかっていうと痩せてる方ですよね?」
女性スタッフが頓狂な声を上げた。
確かに、実際に見るDさんの顔はもっとシャープな印象だ。
少なくとも、こんなにアゴがたるんでいるようには見えない。
「何なんですか、これ?」
「顔の下半分が別人と重なってるんです。ほら、この写真は鼻から下ですね。」
坊さんは手の平で顔の下半分を隠した。すると、実際のDさんの印象にグッと近づく。
「・・・で、これは目から上」
別の写真の、今度は顔の下半分を覆う。
「本当だ・・・こっちのほうがしっくりきますね」
そこで、私はあることを思いついた。
2枚の写真のカラーコピーを取り、それぞれの顔の上半分と下半分を切り抜いた。
それをつなげてみる・・・すると、例の中年男の顔が現れた。
背筋が急に寒くなる。
「・・・これって生きている人の仕業ですか?」
「違います。霊ですね。死霊です。ここまで綺麗に重なっているのは記憶にありませんが」
坊さんはあっさりとそう言った。
「たまにあるんですよ、こういう現象って。写真写りが悪い時なんかは要注意です」
「要注意って・・・霊障とか、そーいうのはあるんですか」
「さあ分かりません。ケースバイケースでしょう。ただ、こうなってしまうと─」
そこで一呼吸置き、Dさんの写真を指差した。
「─何にせよ、もう手遅れです」
夜になって帰ってきたDさんには、坊さんとのやりとりは何も話さなかった。
その後、Dさんの仕事振りに変わりはない。
ただ、紹介した女の子には見事に振られたようだ。
ある心霊番組の制作をやった時のこと。同じチームにDさんって先輩がいた。
ある日、視聴者から番組あてに送られてきた心霊写真を数人でチェックしていた。
その途中で回ってきた一枚の写真。
夜の路上、数人でガードレールにもたれて笑い合うその後ろ、あり得ない場所に男の姿。
30~40歳位のアゴのたるんだ中年男。そこまで分かるくらい鮮明に写っている。
「二重写しなんじゃねーの」
「ありがちだよね。パンチ不足」
確かにガイシュツっぽい印象だったし、一目見て怖いって思うような心霊写真じゃなかった。
「どれ・・・」
Dさんもその写真を手にとり、じっと睨み付けた。
「どうしたのDさん。それ使えそう?」
私の問いに、Dさんは写真を見つめたまま答えない。心なしか顔色が変わっている。
「・・・これ送ってきたの誰?」
スタッフの一人が封書の名前と住所を読み上げ、それを聞いたDさんは眉をひそめた。
「何?知ってる人?」
「いや、初耳だよ。送ってきた人に心当たりはない。だけど・・・」
Dさんは写真に写っている痩せ型の男の顔を指差してこう言った。
「こいつに見覚えがあるんだ。間違いない」
「それって知り合いの人の霊ってことなの?」
「そうじゃない。顔見知りの霊・・ってチョット違うか。いや、妙な話なんだけど─」
事の起こりは、Dさんがこの仕事を始めた頃、ある番組に送られてきた心霊写真だった。
冴えない中年男の顔が、子供の足下の地面からヌゥッと突き出ている。
クッキリと写ってはいるが、アングルがあり得ない上に顔のサイズも大きすぎる。
Dさんはその写真をモニター越しに見たのだが、その時は特に強い印象は受けなかった。
2度目の出会いは自身が制作に携わった番組のスタジオ収録でのこと。
酒蔵の中で撮影された女性の背後、パイプの隙間の暗闇にボンヤリと浮かぶ青白い影。
ズームされた瞬間、そこにあの男の顔を見たDさんは、思わず声を上げてしまった。
そして今回送られてきた写真。またもや、忘れようもないあの顔がハッキリと写っている。
「─というわけで、コイツの顔を拝むのはもう3回目なんだ。そう言う意味では顔見知り
って言えないこともないわな」
3枚の写真は、送り主もロケーションも撮影日もバラバラで、互いに何の接点もない。
ただ、その場に居るはずのない、ある男が写りこんでいる点だけが共通している。
そんな写真が3回もDさんの目に触れた。これは偶然なのだろうか?
「やっぱ偶然・・・ですかね」
「さぁな。ただ、世の中に心霊写真がどれだけあるのか知らないけど、俺はこんな心霊写真を他に見たことがないし、そんな写真があるって話を聞いたこともない」
Dさんは、何か文句があるなら言ってみろ、というような顔つきで私を睨んだ。
「・・で、何かあったんですか?」
「何が?」
「だから・・よくあるじゃないですか、霊障だとか何とか」
「どうかなぁ。身体はどこも具合悪くないし、特に不幸事もないしなぁ」
「じゃあ、その男がDさんの写真に写ってたとかはない?」
「うーん、覚えはないなぁ。オレ写真写り悪いから嫌いなんだよ、撮られるの」
「写す側にしてもそそられませんよ。40過ぎのむさい野郎なんて」
「悪かったな・・・つーか、この年で独身ってのはコイツの祟りなのか?オイ・・」
後は、いつものようにDさんの愚痴を聞くハメになった。
それからしばらくして、Dさんに女の子を紹介する事になった。
とりあえず写真を見たい、という先方の要望を伝えると、Dさんは写真の束を私に押しつけ、
「適当に選んどいてくれ」
とロケに行ってしまった。
しかたなく、私はDさんの「適当な」写真を選ぶという不毛な作業を始めた。
写真を撮られるのが嫌いと言うだけあって、スナップ写真ですら数が少ない。
パラパラと写真を繰っていると、後ろからポンポンと肩を叩かれた。
振り返ると、番組の女性スタッフが坊さんを一人連れて立っていた。
「今良いかな?この人、○○寺の住職さん」
「あーハイハイ」
「今度番組に出てもらうんで打合せに来てもらったんだ。ちょと部屋借りれる?」
「ちょっと待って下さい・・・」
席を立とうとして、坊さんの視線がDさんの写真に向いているのに気づいた。
「この人・・・」
「ああ、番組のスタッフですよ。今はちょっと出てるんですけど」
ちょっといいですか、と断ってから、坊さんは写真の束を取り上げた。
「おかしな写真ですね。この人、大丈夫なんですか?」
眉間にしわを寄せて、そんな事を言う。
「どういう事ですか?」
「この人、写真の顔と実際の顔が違う感じがしませんか?・・ホラ、これもだ」
坊さんはDさんの写真を次々と机に並べる。言われてみればそんな気もしてきた。
「そうですね。そう言えば、本人も写真写りが悪いって気にしてましたよ」
「そんなレベルじゃないでしょう。例えばこれ、別人の顔でしょう?」
そう言って、坊さんはDさんのアゴのあたりを指差した。だらしなくたるんだアゴ。
「あれ?Dさんってどっちかっていうと痩せてる方ですよね?」
女性スタッフが頓狂な声を上げた。
確かに、実際に見るDさんの顔はもっとシャープな印象だ。
少なくとも、こんなにアゴがたるんでいるようには見えない。
「何なんですか、これ?」
「顔の下半分が別人と重なってるんです。ほら、この写真は鼻から下ですね。」
坊さんは手の平で顔の下半分を隠した。すると、実際のDさんの印象にグッと近づく。
「・・・で、これは目から上」
別の写真の、今度は顔の下半分を覆う。
「本当だ・・・こっちのほうがしっくりきますね」
そこで、私はあることを思いついた。
2枚の写真のカラーコピーを取り、それぞれの顔の上半分と下半分を切り抜いた。
それをつなげてみる・・・すると、例の中年男の顔が現れた。
背筋が急に寒くなる。
「・・・これって生きている人の仕業ですか?」
「違います。霊ですね。死霊です。ここまで綺麗に重なっているのは記憶にありませんが」
坊さんはあっさりとそう言った。
「たまにあるんですよ、こういう現象って。写真写りが悪い時なんかは要注意です」
「要注意って・・・霊障とか、そーいうのはあるんですか」
「さあ分かりません。ケースバイケースでしょう。ただ、こうなってしまうと─」
そこで一呼吸置き、Dさんの写真を指差した。
「─何にせよ、もう手遅れです」
夜になって帰ってきたDさんには、坊さんとのやりとりは何も話さなかった。
その後、Dさんの仕事振りに変わりはない。
ただ、紹介した女の子には見事に振られたようだ。
無線
2010.06.18 (Fri) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
243 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/05/18 15:00
俺はトラック運転手だった。いつものように山奥までの道のり。
しかし、その日だけはなにかいつもと違うのだ。
上司から無線に連絡が来た。
「今日○○線で事故があったそうだ。気をつけろよ。じゃな。」
それは今日通る道、俺が通らなくはならない道だった。
正直いって俺は霊感がつよい。その道に差し掛かった。なにもないだろうと思い切って通り過ぎた。
やはりなにも起こらなかった。
「ホッ・・・。」
俺はそのままアクセルを踏んで進んだ。
そして上司に連絡してみることにした。
「事故現場はなにも起こらなくてよかったっすよ。ほん・・・」
プチッ・・・
いきなり通信が途絶えた。
「俺の話すんなよ。」
・・・・「お~いどうしたぁ?」
そして上司の声が戻った。
そうそれは聞き覚えのない声・・・とても悲しい声だった・・・
それっきり俺はトラックを運転できなくなった。
無線を通じて幽霊と会話してしまったから・・・
俺はトラック運転手だった。いつものように山奥までの道のり。
しかし、その日だけはなにかいつもと違うのだ。
上司から無線に連絡が来た。
「今日○○線で事故があったそうだ。気をつけろよ。じゃな。」
それは今日通る道、俺が通らなくはならない道だった。
正直いって俺は霊感がつよい。その道に差し掛かった。なにもないだろうと思い切って通り過ぎた。
やはりなにも起こらなかった。
「ホッ・・・。」
俺はそのままアクセルを踏んで進んだ。
そして上司に連絡してみることにした。
「事故現場はなにも起こらなくてよかったっすよ。ほん・・・」
プチッ・・・
いきなり通信が途絶えた。
「俺の話すんなよ。」
・・・・「お~いどうしたぁ?」
そして上司の声が戻った。
そうそれは聞き覚えのない声・・・とても悲しい声だった・・・
それっきり俺はトラックを運転できなくなった。
無線を通じて幽霊と会話してしまったから・・・
繋 が っ た
2010.06.18 (Fri) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
204 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/05/18 02:54
私が学生だった頃の話です。
友人が親元を離れ、一人暮らしをすることになりました。
引越しの手伝いをし、そのまま泊りがけで飲み会をしようということになり、早速手伝いに行きました。
新居は古い木造アパートで、四畳半の台所と六畳の和室、それにユニットバスという造り。
目の前は空き地で、風の通りは良いのですが、夏は薮蚊が多そうだな、などとのんびりと思っていました。
日中は引越しの片づけを手伝い、夜になって飲み会が始まりました。飲み会とはいえ、まだ引っ越した初日です。一応回りの住民にも気遣って、そんなに馬鹿騒ぎをすることも無く、集まった数人でまったりと話をしながら時を過ごしていました。
何の話をしていたのか、もう忘れてしまったのですが、別に怖い話をしていた訳でもありません。しかし、話をしながら私はあることに気が付きました。
この家は古い木造アパートだけあって、部屋の電灯が蛍光灯ではなく電球でした。
そのため部屋には陰影があり、話している私たちの姿も壁にぼんやりと影が浮かんでいます。
その影が、多いのです。光の加減で影が二重になることがあるので、そのせいかとも思ったのですが、影の位置は私たちの間にあり、まるで一緒に話を聞いているようでした。
こんな影の居る家に越してきた友人が気がかりでしたが、引越し初日にそれを言って無駄に怖がらせるのも悪い気がして、翌日何もこの事は話すことなく帰宅しました。
その日の夜、この事が気がかりだったせいなのか、夢を見ました。
場面は友人の家。時刻は夜中。昨夜と同じ状況で、電球の明かりの下、友人達と話をしている自分。
そして視線の先には昨夜と同じように一つ多い壁の影。
夢の中の影は私がじっと見ていると、そのうちゆっくりと左右に揺れ始めました。
まるで私に見られている事に気が付き、私を挑発するような動きです。
影からは悪意が感じられ、私は後悔していました。
あの影の存在に、気付かなければ良かったのに。
ふと周りを見回すと、友人達はいつの間にかおらず、この部屋には私と影だけが残っていました。
影は、最初は人の形を保っていたのですが、揺れているうちに形を変え、四つん這いになっていきます。
なにか、動物の思念の集合体のように私には感じられました。
それも邪念を持った集合体。
私は逃げ道を探し、じりじりと後ろに下がってゆきます。
六畳の狭い部屋の中、正面に影の映る壁。左横が窓。右横が四畳半の台所と玄関へ続く障子戸。背後が正面と同じくざらざらとした質感の、昔ながらの素材の壁。
来るな。来るな。来るな。来るな。来るな。
心の中で祈るように呟きながら、後ろに下がる私。影は揺れながら壁から離れ、立体となって私に近付いてきます。
後もう少しで壁に背が付いてしまう。
もう駄目だと思った瞬間、私の背後の空間が急に広がりました。
壁面が消え、その代り、私の家の自分の部屋が現れたのです。
自分の部屋の、窓がある面がそのまま友人の部屋の壁面に替わったのでした。
これで逃げられる。
そう思った私は急いで窓から自分の部屋へと入り込み、ガラス窓を閉めました。
私が自分の部屋に逃げたことを、影に知られたくなかったのです。
が、閉める瞬間、影と目があったような気がしました。
しまった。繋がってしまった。
何がどう繋がったのか、そんな論理的なことは考えられませんでした。
ただ、「繋がった。」と思った瞬間、私は一気に覚醒しました。
一気に現実の世界に戻ったのです。
が、目が覚めた途端、私の耳にガラス窓を叩く音が聞こえました。
コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン・・・。
風で木の枝が当たった等という音ではありませんでした。
明らかに規則的なノックの音。
体は金縛りに合い、動けません。繋がったのは、友人と私の部屋。
そしてあの世とこの世の事だったのでしょうか?
私は恐怖のあまり失神したようで、次に気がついた時には朝になっていました。
が、しばらくの間、夜になると金縛りにあって窓を叩く音が聞こえるという現象は続きました。
その後ですが、結局影は窓を開けて私の部屋に入ってくるまでのことは出来なかったようで(それでも十分恐怖でしたが)、しばらくすると諦めたのかこの現象は終わりました。
件の友達にはそれと無く様子を聞いてみたところ、
「うん。何か居るようで、時々勝手に電気がついたり扉が開いたりするよ。でも、気にしないから別に平気。」
とあっさりと返されてしまいました。
気にしなければただの影やポルターガイスト程度で済んでいたものを、必要以上に意識しすぎて、私の家(の外側)にまで呼び寄せてしまった。ということでしょうか。
以来、人以外の「何か」を見た時にも、必要以上に興味を持ったり怖がったりはしないように、押さえるようになりました。
私が学生だった頃の話です。
友人が親元を離れ、一人暮らしをすることになりました。
引越しの手伝いをし、そのまま泊りがけで飲み会をしようということになり、早速手伝いに行きました。
新居は古い木造アパートで、四畳半の台所と六畳の和室、それにユニットバスという造り。
目の前は空き地で、風の通りは良いのですが、夏は薮蚊が多そうだな、などとのんびりと思っていました。
日中は引越しの片づけを手伝い、夜になって飲み会が始まりました。飲み会とはいえ、まだ引っ越した初日です。一応回りの住民にも気遣って、そんなに馬鹿騒ぎをすることも無く、集まった数人でまったりと話をしながら時を過ごしていました。
何の話をしていたのか、もう忘れてしまったのですが、別に怖い話をしていた訳でもありません。しかし、話をしながら私はあることに気が付きました。
この家は古い木造アパートだけあって、部屋の電灯が蛍光灯ではなく電球でした。
そのため部屋には陰影があり、話している私たちの姿も壁にぼんやりと影が浮かんでいます。
その影が、多いのです。光の加減で影が二重になることがあるので、そのせいかとも思ったのですが、影の位置は私たちの間にあり、まるで一緒に話を聞いているようでした。
こんな影の居る家に越してきた友人が気がかりでしたが、引越し初日にそれを言って無駄に怖がらせるのも悪い気がして、翌日何もこの事は話すことなく帰宅しました。
その日の夜、この事が気がかりだったせいなのか、夢を見ました。
場面は友人の家。時刻は夜中。昨夜と同じ状況で、電球の明かりの下、友人達と話をしている自分。
そして視線の先には昨夜と同じように一つ多い壁の影。
夢の中の影は私がじっと見ていると、そのうちゆっくりと左右に揺れ始めました。
まるで私に見られている事に気が付き、私を挑発するような動きです。
影からは悪意が感じられ、私は後悔していました。
あの影の存在に、気付かなければ良かったのに。
ふと周りを見回すと、友人達はいつの間にかおらず、この部屋には私と影だけが残っていました。
影は、最初は人の形を保っていたのですが、揺れているうちに形を変え、四つん這いになっていきます。
なにか、動物の思念の集合体のように私には感じられました。
それも邪念を持った集合体。
私は逃げ道を探し、じりじりと後ろに下がってゆきます。
六畳の狭い部屋の中、正面に影の映る壁。左横が窓。右横が四畳半の台所と玄関へ続く障子戸。背後が正面と同じくざらざらとした質感の、昔ながらの素材の壁。
来るな。来るな。来るな。来るな。来るな。
心の中で祈るように呟きながら、後ろに下がる私。影は揺れながら壁から離れ、立体となって私に近付いてきます。
後もう少しで壁に背が付いてしまう。
もう駄目だと思った瞬間、私の背後の空間が急に広がりました。
壁面が消え、その代り、私の家の自分の部屋が現れたのです。
自分の部屋の、窓がある面がそのまま友人の部屋の壁面に替わったのでした。
これで逃げられる。
そう思った私は急いで窓から自分の部屋へと入り込み、ガラス窓を閉めました。
私が自分の部屋に逃げたことを、影に知られたくなかったのです。
が、閉める瞬間、影と目があったような気がしました。
しまった。繋がってしまった。
何がどう繋がったのか、そんな論理的なことは考えられませんでした。
ただ、「繋がった。」と思った瞬間、私は一気に覚醒しました。
一気に現実の世界に戻ったのです。
が、目が覚めた途端、私の耳にガラス窓を叩く音が聞こえました。
コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン・・・。
風で木の枝が当たった等という音ではありませんでした。
明らかに規則的なノックの音。
体は金縛りに合い、動けません。繋がったのは、友人と私の部屋。
そしてあの世とこの世の事だったのでしょうか?
私は恐怖のあまり失神したようで、次に気がついた時には朝になっていました。
が、しばらくの間、夜になると金縛りにあって窓を叩く音が聞こえるという現象は続きました。
その後ですが、結局影は窓を開けて私の部屋に入ってくるまでのことは出来なかったようで(それでも十分恐怖でしたが)、しばらくすると諦めたのかこの現象は終わりました。
件の友達にはそれと無く様子を聞いてみたところ、
「うん。何か居るようで、時々勝手に電気がついたり扉が開いたりするよ。でも、気にしないから別に平気。」
とあっさりと返されてしまいました。
気にしなければただの影やポルターガイスト程度で済んでいたものを、必要以上に意識しすぎて、私の家(の外側)にまで呼び寄せてしまった。ということでしょうか。
以来、人以外の「何か」を見た時にも、必要以上に興味を持ったり怖がったりはしないように、押さえるようになりました。
閉ざされたフロア
2010.06.17 (Thu) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
47 名前:1 投稿日:03/05/17 01:04
数年前に勤めていたバイト先でのはなしです。
そのバイト先のオンボロ工場は4階建てですが、使用されているのは1階と2階だけです。3階と4階は十数年前までは倉庫として使われていたそうですが、現在は全く人の出入りはありません。
社員の話によれば、施錠されたまま鍵も紛失してしまって、そのまま、無駄な上のフロアの放置を気にするものは誰もいなくなってしまったということなのだそうです。
倉庫の中に何が仕舞われていたのか、最後に使用されたのがいつなのか、もう誰も覚えていません。
ある日のことです。1階と2階との間のみで往来する汎用のエレベーターが故障してしまって、普段ほとんど使用されたことの無い貨物専用のエレベーターが臨時で使われることになりました。
山積みにされた機械や荷物をどけるとその小型エレベーターは隅っこで埃にまみれてひっそりと佇んでいました。
稼動するかどうか心配はあったのですが、電源スイッチを入れると何の故障も無くそれは扉を開けました。
1階で貨物を積み入れ、2階に送ります。
よく見ると、3階と4階の行き先ボタンもありました。
僕らアルバイト学生はこれを見て全員が同じことを考えました。
「上のフロアに行ける唯一の手段である」と。
30分間の休憩時間、社員の姿がなくなるのを確認して、僕達はジャンケンを始めました。負けた者二人が三階と四階を探検してくるのです。
Aがビリで四階、僕はその次だったんで三階を探検しなければならなくなりました。
それぞれ懐中電灯を手に、エレベーターに乗り込みました。
貨物専用なので、扉が閉まった時点から暗闇です。
まず三階で止まりました。僕らは息を飲み、扉が開くのを待ちました。
ひんやりしたカビ臭い空気が流れ、ゆっくり扉が開きました。
懐中電灯で照らすと、フロアは二階とほぼ同じ作りになっているらしいことがわかりました。
「じゃぁお先に・・・」
僕はAを残して恐る恐るエレベーターから出ました。
「気をつけてな」
Aがそう言い終らぬうちに扉は閉まりました。
エレベーターは四階へ上って止まりました。
取り残された僕は、まずフロアの照明スイッチを探しました。
多分二階と同じ場所にあるだろうと思って奥のほうへ歩いて行ったのですが見つかりませんでした。
とりあえず壁伝いに歩いて探すことにしました。
ほとんどがらんどうになっていて、目を引く物と言えば山積みにされたコンテナ、埃を被った作業机、乱暴な殴り書きの「禁煙」の張り紙、それと、えらく古い型のエアコンくらいでした。
壁伝いに半周ほどしましたがスイッチはみつかりません。
道路沿いの窓まで歩いて、外を眺めると、いつも見ている二階からの風景とちょっと違うようでなんだか新鮮な感じがしました。窓の周辺は月明かりで多少良く見渡すことができました。
てるてる坊主がひとつぶら下がっていました。
Aはいまごろ何やってるだろう・・・
と思った時にちょうどエレベーターの扉が開き、Aが出てきました。
「おーい、そろそろ戻ろー」
「はーい」
エレベーターに乗り込み、社員に見つからないように僕らはそっと
二階へ戻りました。
僕もAも、待ち構えていた他のバイト学生たちにこれといって話すほどの冒険譚は何も無かったんで、さほど盛り上がることも無く休憩時間は終わりました。
深夜、仕事が終わり、帰り支度をしながら僕はAと先ほどの探検についてちょっと話しました。
Aの行った四階には中身のわからないダンボールや貨物が多少あったそうですが、やはり他には目を引くようなものは何もなかったということでした。
僕はと言えば、印象に残ったものと言えば、「禁煙」の張り紙と窓際のてるてる坊主ぐらいで、幽霊の一匹くらい出ても良かったのに、とクスクス笑ってしまいました。
Aもつきあいでちょっとニヤッと笑いましたが、すぐに真顔にもどりました。
それはちょうど僕らが自転車に乗って道路を渡ろうとしていた時でした。
Aは笑うのをやめ、しばらくボーっとしていました。
「どうした?幽霊にでもとりつかれたんじゃないの?」
僕はニヤニヤしながら冗談を言いました。
「さっき月明かりがどうって言ってたよね」
Aがそう言うのを聞いて僕はアッ!と思いました。
月は出ていませんでした。でも確かに窓の辺りは明るく照らされていました。
「じゃぁあれは町の明かりに照らされていたのを勘違いしちゃっただけなのかなぁ・・・」
たしかに月を見た気もしたんですが、気のせいだったようにも思えますし、現に月は出ていませんから、そうとしか言い様がありません。
そして道路を渡り終えたところで、やがてAが再び口を開きました。
「ヤバイかも・・・」
彼の言う意味がはじめ良くわからなかったんですが、彼の視線の先を見たときに僕もそれを理解し、頭の中がパンクしそうになってしまいました。何がなんだかわからなくなってしまったのです。
道路を渡ったところで初めて高い塀で囲われた工場の三階四階の壁が見えるのですが、そのどこにも、窓が付いていなかったのです。
僕はさすがにもうその工場でバイトする気になれずにそのまま辞めてしまいました。
Aも数週間後に辞めたそうです。
数年前に勤めていたバイト先でのはなしです。
そのバイト先のオンボロ工場は4階建てですが、使用されているのは1階と2階だけです。3階と4階は十数年前までは倉庫として使われていたそうですが、現在は全く人の出入りはありません。
社員の話によれば、施錠されたまま鍵も紛失してしまって、そのまま、無駄な上のフロアの放置を気にするものは誰もいなくなってしまったということなのだそうです。
倉庫の中に何が仕舞われていたのか、最後に使用されたのがいつなのか、もう誰も覚えていません。
ある日のことです。1階と2階との間のみで往来する汎用のエレベーターが故障してしまって、普段ほとんど使用されたことの無い貨物専用のエレベーターが臨時で使われることになりました。
山積みにされた機械や荷物をどけるとその小型エレベーターは隅っこで埃にまみれてひっそりと佇んでいました。
稼動するかどうか心配はあったのですが、電源スイッチを入れると何の故障も無くそれは扉を開けました。
1階で貨物を積み入れ、2階に送ります。
よく見ると、3階と4階の行き先ボタンもありました。
僕らアルバイト学生はこれを見て全員が同じことを考えました。
「上のフロアに行ける唯一の手段である」と。
30分間の休憩時間、社員の姿がなくなるのを確認して、僕達はジャンケンを始めました。負けた者二人が三階と四階を探検してくるのです。
Aがビリで四階、僕はその次だったんで三階を探検しなければならなくなりました。
それぞれ懐中電灯を手に、エレベーターに乗り込みました。
貨物専用なので、扉が閉まった時点から暗闇です。
まず三階で止まりました。僕らは息を飲み、扉が開くのを待ちました。
ひんやりしたカビ臭い空気が流れ、ゆっくり扉が開きました。
懐中電灯で照らすと、フロアは二階とほぼ同じ作りになっているらしいことがわかりました。
「じゃぁお先に・・・」
僕はAを残して恐る恐るエレベーターから出ました。
「気をつけてな」
Aがそう言い終らぬうちに扉は閉まりました。
エレベーターは四階へ上って止まりました。
取り残された僕は、まずフロアの照明スイッチを探しました。
多分二階と同じ場所にあるだろうと思って奥のほうへ歩いて行ったのですが見つかりませんでした。
とりあえず壁伝いに歩いて探すことにしました。
ほとんどがらんどうになっていて、目を引く物と言えば山積みにされたコンテナ、埃を被った作業机、乱暴な殴り書きの「禁煙」の張り紙、それと、えらく古い型のエアコンくらいでした。
壁伝いに半周ほどしましたがスイッチはみつかりません。
道路沿いの窓まで歩いて、外を眺めると、いつも見ている二階からの風景とちょっと違うようでなんだか新鮮な感じがしました。窓の周辺は月明かりで多少良く見渡すことができました。
てるてる坊主がひとつぶら下がっていました。
Aはいまごろ何やってるだろう・・・
と思った時にちょうどエレベーターの扉が開き、Aが出てきました。
「おーい、そろそろ戻ろー」
「はーい」
エレベーターに乗り込み、社員に見つからないように僕らはそっと
二階へ戻りました。
僕もAも、待ち構えていた他のバイト学生たちにこれといって話すほどの冒険譚は何も無かったんで、さほど盛り上がることも無く休憩時間は終わりました。
深夜、仕事が終わり、帰り支度をしながら僕はAと先ほどの探検についてちょっと話しました。
Aの行った四階には中身のわからないダンボールや貨物が多少あったそうですが、やはり他には目を引くようなものは何もなかったということでした。
僕はと言えば、印象に残ったものと言えば、「禁煙」の張り紙と窓際のてるてる坊主ぐらいで、幽霊の一匹くらい出ても良かったのに、とクスクス笑ってしまいました。
Aもつきあいでちょっとニヤッと笑いましたが、すぐに真顔にもどりました。
それはちょうど僕らが自転車に乗って道路を渡ろうとしていた時でした。
Aは笑うのをやめ、しばらくボーっとしていました。
「どうした?幽霊にでもとりつかれたんじゃないの?」
僕はニヤニヤしながら冗談を言いました。
「さっき月明かりがどうって言ってたよね」
Aがそう言うのを聞いて僕はアッ!と思いました。
月は出ていませんでした。でも確かに窓の辺りは明るく照らされていました。
「じゃぁあれは町の明かりに照らされていたのを勘違いしちゃっただけなのかなぁ・・・」
たしかに月を見た気もしたんですが、気のせいだったようにも思えますし、現に月は出ていませんから、そうとしか言い様がありません。
そして道路を渡り終えたところで、やがてAが再び口を開きました。
「ヤバイかも・・・」
彼の言う意味がはじめ良くわからなかったんですが、彼の視線の先を見たときに僕もそれを理解し、頭の中がパンクしそうになってしまいました。何がなんだかわからなくなってしまったのです。
道路を渡ったところで初めて高い塀で囲われた工場の三階四階の壁が見えるのですが、そのどこにも、窓が付いていなかったのです。
僕はさすがにもうその工場でバイトする気になれずにそのまま辞めてしまいました。
Aも数週間後に辞めたそうです。
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