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留守番
2009.12.19 (Sat) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
349 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/01/23 02:45
根岸さんという青年は、最近、京都にあるおじの家の二階から飛び出した。
これは、たとえで言っているのではなくて、本当に根岸さんはその家の二階の窓から飛び降りて、その後、痛む足を引きずりながら市内の友人の下宿に転がりこんだのである。
どうしてまた、彼はそんな危険な真似をしなければならなかったのか?
それは以下の通りである。
ある日、親しく話す機会さえなかったおじが、突然電話をかけてきた。
なんでも、大学で教授をしているそのおじが、突然海外にフィールドワークで出かけることになり、その間の家の管理を頼みたい、ということであった。
独身のおじの家には、たいして金目のものがあるわけではないが、研究用の資料が心配だと言うのである。
現在東京に住む根岸さんは、京都の大学を出てから久しく訪れていない。
会ってみたい友人もいるし、滞在費がロハで、その上わずかながらギャラも出るというので、根岸さんは引き受けた。
期間は未定だが、半年ほどかかる可能性もあるとのことだ。
おじは出かける前、根岸さんにしつこいくらいにこう言った。
「二階には、未整理の研究資料が散乱していてな。まあ、いってみれば二階全部がわしの書庫みたいなものだ。わしにとっては命より大切なものなんだ。他人にはいじられたくない。たとえ、それが身内であってもな。
二階は足を踏み入れられるだけでも耐えられんのだ。頼むぞ。冗談で言ってるんじゃないんだ。」
そういって、おじは根岸さんを睨みつけたという。
そして、初日の夜。
ビデオもテレビもない家だが、根岸さんはソファーでくつろぎ、満ち足りた気分でいた。
が、その満ち足りた気持ちに水をさすものがあった。
・・・・・話し声が、聞こえる。
ぼそぼそ、ヒソヒソと、誰かがそう遠くないところで会話しているのだ--押し殺した声で。
声はどうやら、階段を伝わってくるようだ。つまり---雨戸も締め切られ、真っ暗な二階から。
「ほんとかよ・・・おい?」
根岸さんは、わざと軽薄な口調でつぶやいた。
そして体を起こすと、階段を見上げた。
つけっぱなしの照明も階段の途中までしか届いてはいない。
根岸さんは、耳をすましてみる。
何も聞こえない。今は、何も。
京都に来て、一週間後。根岸さんは、当初の満ち足りた気分が徐々にしぼんでいくのを感じた。
旧友にあって馬鹿騒ぎをし、趣味の分野のショップをはしごするのは、なるほど楽しかった。
問題は家だ。
宿がわりになっている、そして留守番を引き受けてもいるおじの家なのだ。
最初の数日は、それでもどうということはなかった。だが----。
夜ごと---いや、どうかすると昼間でも、二階から階段を伝わってくるのだ。
………………人の声が。
もはや、耳のせいでは片付けられなかった。
二人、あるいはそれ以上の人間が、ぼそりぼそりとしきりに何かを話している。
ザワザワ、ゾワゾワと多人数がしゃべっている、繁華街の雑踏の中で耳にするような音が聞こえてくることもあった。
人声だけでは、ない。
ずるりずるりと足を引きずるみたいな音。
あるいはぴょこたん、ぴょこたんと子供くらいの重さのものが、跳びはねているのではないかと思われる物音が、聞こえたりもした。
肝心の階段の下に行って上をうかがっても、何の気配もない。
その時にかぎって寂として、耳が痛いくらいだ。
だが、他の部屋に行くと、やがてそれは始まる。
過敏になってしかたのない神経を何とか休ませようとする、まさにその時にそれは始まるのだ。
風呂に入っているとき。ソファーで本を読んでいるとき。あるいはこれから寝付こうとするとき。
そしてある夕暮れ時、根岸さんはついに、二階に上がることを決意し、大型の懐中電灯を購入した。
(これなら、力まかせに殴れば、大の男でも殴り倒せるな・・・)
根岸さんは、天井を見上げた。
それから彼は、階段をのぼり始めた。
ぎし、ぎし、ぎし、ぎし、ぎし、…………………ギシッ!
手すりのところまでのぼると、そこからまず首をのばし、二階の廊下を見た。
外はまだ明るいというのに、真っ暗だ。
誰かが、顔の前で白い手の平を、ひらひらと振っても気が付かずにいるに違いない。
二階には、カギ状に折れ曲がった廊下と、その先の部屋しかないようだ。
拾い廊下は左右に本が乱雑に積まれ、天井に届くほどのその柱が、ずっと続いている。
資料が散乱しているというおじの言葉は、この点で正しかった。
根岸さんは注意深く光を左右に向けた。とくに不審なものは、見当たらない。
床に厚く埃の層がたまっている。
ここに人が立ち入った形跡はない。
(でも、書庫--なんだろ?おじは出入りしていたはずだが・・それとも?)
角を曲がった廊下の突き当たりには、扉をはずされた部屋があった。
やはり廊下同様ひどい埃だ。
(あの物音は、ここでしていたはずなんだ。二階には他の部屋なんてないんだからな。廊下をのぞけば、他に部屋は一つも・・・)
だが、人が入った形跡すらない。
それでは、あの意味不明の会話は、どこから聞こえてきたというのだろう。
気負っていただけに、気持ちの張りが、ふにゃふにゃになってしまいそうだった。
-----と。根岸さんは、いきなり耳の中でカーンという鋭い音が聞こえたような気がした。
それは、五感で感じ取れるものなどではなかった。
チリチリと、ジワジワと、とてつもなく嫌な気配がする。
姿も何もない切迫感に似たものが、冷たく頭の後ろにはりついて、順番に髪の毛を一本一本逆立たせてゆくのだ………。
「何だって、いうんだ、よ」
根岸さんは、意識して大きな声でそう口に出していた。
心臓がドキドキする。
音がしない暗闇の中で、声は彼のものではなく、他の誰かが言ったように聞こえた。
………………………
ぺたん。
(アッ)
今、何かが本当に聞こえたみたいな。
自分の声などではない、何か別の。
---空耳だろうか。
ぺたん。
違う。本当に聞こえる。
廊下の向こう、階段をのぼりきったあたりから。
ぺたん。
「--------------!」
根岸さんは、その場に凍りついた。
廊下の方に背を向けた姿勢のまま、もう動けない。
たとえなどではなく、彼の全身の毛が、ブワッと総毛立っていた。
ぺたん。
あれは---足音ではないのか?
素足が板敷きを踏む音。
根岸さんが通って、埃がのぞかれたその足跡をなぞるようにして。
とてもゆっくりとだが、誰かが確実に廊下を歩いて、こちらに近づいてくる。
玄関には時代遅れで、自分すら外すのにてこずるような、しっかりとした錠がおろされている。
二階に誰もいないことは、たった今、確認したばかりだ。そうなんだ。
それなのに---。
異様な、足音だった。
妙にズレた間隔。
忘れた頃に踏み出される、次の一歩。
いったいどうやったら、あんな歩き方ができるものか。
いったいどんなものが、あんな歩き方をしているというのか。
ぺたん。
それは、もうすぐ廊下の曲がり角にやってくる。
そうすれば姿が見える。
根岸さんが、ほんの少し首を後ろに向けさえすれば。
だが、彼はそんなことはまっぴらだった。
死んだ方がマシとさえ思うほど、あるまがまがしい確信が、爆発的に彼の中で膨らんでいたのだ。
(もしも、あれを見たら……見てしまったら。どうかなってしまう。絶対にどうかなってしまう。俺は、どうかなってしまって、きっと、必ず)
激しく震える手の動きにしたがって、前方を照らしたままの懐中電灯の光が本棚のガラスに反射する。
光を与えられてたガラスは、鏡の役割をはたして、根岸さんの背後にあるものを一瞬、映し出した。
白っぽい--いや、ドロリとした灰色に近い、垂れて崩れたような形のもの。
それが、廊下の暗がりの角にちらり、と見えた。
……………ぺたん!
根岸さんは、何事かわめいていた。
ギャっと叫んだのかも知れなかった。
体の自由は戻っていた。
そして彼は走り出した。
どこへ?廊下とは正反対の、手近の窓の一つにである。
そこから外へ逃れるために---。
……窓は開いた。雨戸もだ。
外はもう、闇がおりかけている。
降りるとすれば飛び降りるしかないのだが、危険極まりない。
庭石があったら?いやコンクリートですら、ただですむかどうか。
けれども根岸さんの精神状態は、危険などにかまっている余裕はまったくなかった。
彼は、サッシの上にあがると、できるだけ足を下にのばして先をさぐり、そうして手を放した。
………ドサッ。
運良く土の上に落ちることができ、一方の足をひねった程度ですんだ。
根岸さんは、足にかまう前に、背後を仰ぎ見た。
スーーーッと音もなく、雨戸が閉まるところであった…………。
その後の根岸さんの行動は、すでに御存知のとおりだ。
友人の下宿に転がりこんだ。
そして彼は、おじに国際電話をかけた。
激怒するかと思ったおじは、意外にもため息をついただけであった。
根岸さんが東京に帰った後、これも意外なことであったが、当初の予定通りの謝礼金がおじから送られてきた。
国際電話の折、根岸さんは一連の妖異のことを、やや感情的に--いや、ありていに言ってわれを忘れるくらい感情的になって、おじに訴えた。
あれは何であったのか?もし心当たりがあるのなら、ぜひ教えてくれ---と。
だがおじは、そのことにはいっさい口を閉ざすのだった。
説明、弁解、謝罪、釈明、そのいずれもおじの口からは出なかった。
ため息をついたときに、「一階にさえ、いてくれればな……」と、つぶやいただけであった。
根岸さんは、今日も夢を実現するべくフリーター生活を送り、彼のおじも京都の自宅でそれまで同様、一人で暮し続けている。
たった一つ確実に言えることは、そんな両者にこの先、接点は二度とないということだけだ。
根岸さんという青年は、最近、京都にあるおじの家の二階から飛び出した。
これは、たとえで言っているのではなくて、本当に根岸さんはその家の二階の窓から飛び降りて、その後、痛む足を引きずりながら市内の友人の下宿に転がりこんだのである。
どうしてまた、彼はそんな危険な真似をしなければならなかったのか?
それは以下の通りである。
ある日、親しく話す機会さえなかったおじが、突然電話をかけてきた。
なんでも、大学で教授をしているそのおじが、突然海外にフィールドワークで出かけることになり、その間の家の管理を頼みたい、ということであった。
独身のおじの家には、たいして金目のものがあるわけではないが、研究用の資料が心配だと言うのである。
現在東京に住む根岸さんは、京都の大学を出てから久しく訪れていない。
会ってみたい友人もいるし、滞在費がロハで、その上わずかながらギャラも出るというので、根岸さんは引き受けた。
期間は未定だが、半年ほどかかる可能性もあるとのことだ。
おじは出かける前、根岸さんにしつこいくらいにこう言った。
「二階には、未整理の研究資料が散乱していてな。まあ、いってみれば二階全部がわしの書庫みたいなものだ。わしにとっては命より大切なものなんだ。他人にはいじられたくない。たとえ、それが身内であってもな。
二階は足を踏み入れられるだけでも耐えられんのだ。頼むぞ。冗談で言ってるんじゃないんだ。」
そういって、おじは根岸さんを睨みつけたという。
そして、初日の夜。
ビデオもテレビもない家だが、根岸さんはソファーでくつろぎ、満ち足りた気分でいた。
が、その満ち足りた気持ちに水をさすものがあった。
・・・・・話し声が、聞こえる。
ぼそぼそ、ヒソヒソと、誰かがそう遠くないところで会話しているのだ--押し殺した声で。
声はどうやら、階段を伝わってくるようだ。つまり---雨戸も締め切られ、真っ暗な二階から。
「ほんとかよ・・・おい?」
根岸さんは、わざと軽薄な口調でつぶやいた。
そして体を起こすと、階段を見上げた。
つけっぱなしの照明も階段の途中までしか届いてはいない。
根岸さんは、耳をすましてみる。
何も聞こえない。今は、何も。
京都に来て、一週間後。根岸さんは、当初の満ち足りた気分が徐々にしぼんでいくのを感じた。
旧友にあって馬鹿騒ぎをし、趣味の分野のショップをはしごするのは、なるほど楽しかった。
問題は家だ。
宿がわりになっている、そして留守番を引き受けてもいるおじの家なのだ。
最初の数日は、それでもどうということはなかった。だが----。
夜ごと---いや、どうかすると昼間でも、二階から階段を伝わってくるのだ。
………………人の声が。
もはや、耳のせいでは片付けられなかった。
二人、あるいはそれ以上の人間が、ぼそりぼそりとしきりに何かを話している。
ザワザワ、ゾワゾワと多人数がしゃべっている、繁華街の雑踏の中で耳にするような音が聞こえてくることもあった。
人声だけでは、ない。
ずるりずるりと足を引きずるみたいな音。
あるいはぴょこたん、ぴょこたんと子供くらいの重さのものが、跳びはねているのではないかと思われる物音が、聞こえたりもした。
肝心の階段の下に行って上をうかがっても、何の気配もない。
その時にかぎって寂として、耳が痛いくらいだ。
だが、他の部屋に行くと、やがてそれは始まる。
過敏になってしかたのない神経を何とか休ませようとする、まさにその時にそれは始まるのだ。
風呂に入っているとき。ソファーで本を読んでいるとき。あるいはこれから寝付こうとするとき。
そしてある夕暮れ時、根岸さんはついに、二階に上がることを決意し、大型の懐中電灯を購入した。
(これなら、力まかせに殴れば、大の男でも殴り倒せるな・・・)
根岸さんは、天井を見上げた。
それから彼は、階段をのぼり始めた。
ぎし、ぎし、ぎし、ぎし、ぎし、…………………ギシッ!
手すりのところまでのぼると、そこからまず首をのばし、二階の廊下を見た。
外はまだ明るいというのに、真っ暗だ。
誰かが、顔の前で白い手の平を、ひらひらと振っても気が付かずにいるに違いない。
二階には、カギ状に折れ曲がった廊下と、その先の部屋しかないようだ。
拾い廊下は左右に本が乱雑に積まれ、天井に届くほどのその柱が、ずっと続いている。
資料が散乱しているというおじの言葉は、この点で正しかった。
根岸さんは注意深く光を左右に向けた。とくに不審なものは、見当たらない。
床に厚く埃の層がたまっている。
ここに人が立ち入った形跡はない。
(でも、書庫--なんだろ?おじは出入りしていたはずだが・・それとも?)
角を曲がった廊下の突き当たりには、扉をはずされた部屋があった。
やはり廊下同様ひどい埃だ。
(あの物音は、ここでしていたはずなんだ。二階には他の部屋なんてないんだからな。廊下をのぞけば、他に部屋は一つも・・・)
だが、人が入った形跡すらない。
それでは、あの意味不明の会話は、どこから聞こえてきたというのだろう。
気負っていただけに、気持ちの張りが、ふにゃふにゃになってしまいそうだった。
-----と。根岸さんは、いきなり耳の中でカーンという鋭い音が聞こえたような気がした。
それは、五感で感じ取れるものなどではなかった。
チリチリと、ジワジワと、とてつもなく嫌な気配がする。
姿も何もない切迫感に似たものが、冷たく頭の後ろにはりついて、順番に髪の毛を一本一本逆立たせてゆくのだ………。
「何だって、いうんだ、よ」
根岸さんは、意識して大きな声でそう口に出していた。
心臓がドキドキする。
音がしない暗闇の中で、声は彼のものではなく、他の誰かが言ったように聞こえた。
………………………
ぺたん。
(アッ)
今、何かが本当に聞こえたみたいな。
自分の声などではない、何か別の。
---空耳だろうか。
ぺたん。
違う。本当に聞こえる。
廊下の向こう、階段をのぼりきったあたりから。
ぺたん。
「--------------!」
根岸さんは、その場に凍りついた。
廊下の方に背を向けた姿勢のまま、もう動けない。
たとえなどではなく、彼の全身の毛が、ブワッと総毛立っていた。
ぺたん。
あれは---足音ではないのか?
素足が板敷きを踏む音。
根岸さんが通って、埃がのぞかれたその足跡をなぞるようにして。
とてもゆっくりとだが、誰かが確実に廊下を歩いて、こちらに近づいてくる。
玄関には時代遅れで、自分すら外すのにてこずるような、しっかりとした錠がおろされている。
二階に誰もいないことは、たった今、確認したばかりだ。そうなんだ。
それなのに---。
異様な、足音だった。
妙にズレた間隔。
忘れた頃に踏み出される、次の一歩。
いったいどうやったら、あんな歩き方ができるものか。
いったいどんなものが、あんな歩き方をしているというのか。
ぺたん。
それは、もうすぐ廊下の曲がり角にやってくる。
そうすれば姿が見える。
根岸さんが、ほんの少し首を後ろに向けさえすれば。
だが、彼はそんなことはまっぴらだった。
死んだ方がマシとさえ思うほど、あるまがまがしい確信が、爆発的に彼の中で膨らんでいたのだ。
(もしも、あれを見たら……見てしまったら。どうかなってしまう。絶対にどうかなってしまう。俺は、どうかなってしまって、きっと、必ず)
激しく震える手の動きにしたがって、前方を照らしたままの懐中電灯の光が本棚のガラスに反射する。
光を与えられてたガラスは、鏡の役割をはたして、根岸さんの背後にあるものを一瞬、映し出した。
白っぽい--いや、ドロリとした灰色に近い、垂れて崩れたような形のもの。
それが、廊下の暗がりの角にちらり、と見えた。
……………ぺたん!
根岸さんは、何事かわめいていた。
ギャっと叫んだのかも知れなかった。
体の自由は戻っていた。
そして彼は走り出した。
どこへ?廊下とは正反対の、手近の窓の一つにである。
そこから外へ逃れるために---。
……窓は開いた。雨戸もだ。
外はもう、闇がおりかけている。
降りるとすれば飛び降りるしかないのだが、危険極まりない。
庭石があったら?いやコンクリートですら、ただですむかどうか。
けれども根岸さんの精神状態は、危険などにかまっている余裕はまったくなかった。
彼は、サッシの上にあがると、できるだけ足を下にのばして先をさぐり、そうして手を放した。
………ドサッ。
運良く土の上に落ちることができ、一方の足をひねった程度ですんだ。
根岸さんは、足にかまう前に、背後を仰ぎ見た。
スーーーッと音もなく、雨戸が閉まるところであった…………。
その後の根岸さんの行動は、すでに御存知のとおりだ。
友人の下宿に転がりこんだ。
そして彼は、おじに国際電話をかけた。
激怒するかと思ったおじは、意外にもため息をついただけであった。
根岸さんが東京に帰った後、これも意外なことであったが、当初の予定通りの謝礼金がおじから送られてきた。
国際電話の折、根岸さんは一連の妖異のことを、やや感情的に--いや、ありていに言ってわれを忘れるくらい感情的になって、おじに訴えた。
あれは何であったのか?もし心当たりがあるのなら、ぜひ教えてくれ---と。
だがおじは、そのことにはいっさい口を閉ざすのだった。
説明、弁解、謝罪、釈明、そのいずれもおじの口からは出なかった。
ため息をついたときに、「一階にさえ、いてくれればな……」と、つぶやいただけであった。
根岸さんは、今日も夢を実現するべくフリーター生活を送り、彼のおじも京都の自宅でそれまで同様、一人で暮し続けている。
たった一つ確実に言えることは、そんな両者にこの先、接点は二度とないということだけだ。
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落下中の出来事
2009.12.18 (Fri) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
269 名前:また、さたな 投稿日:03/01/21 13:07
高所から転落する人間がどうなるか---ごぞんじだろうか。
もちろん、最悪の場合は死んでしまう。
では、それ以外の場合は?
たとえばビルの四階から、飛び降りたとしよう。
個人差はあるだろうが、足から落ちたとすると、骨盤骨折と両足の裂傷はさけられないはずだ。
足底は、パックリと割れてしまうだろう。
傷口からは、脂肪が小さな黄色い卵のつぶつぶみたいに、のぞくわけである。
それも最初のうちだけで、すぐに出血で真っ赤になり、つぶれた果実とそう変わらなくなる。
……とび職をしていた葉山さんは、ビル建築現場から転落して、九死に一生を得た。
よく人間は事故などに遭った時、死ぬまでの短いあいだにフラッシュを焚くように
して、それまでの人生を振り返るという。
葉山さんの場合には、地面に激突するまでの時間が異常に長く感じられるという形で、それはあらわれた。
なにしろ、落ちている最中に、「まだ落ちないのか」と、上下左右を見回す余裕があったというから、驚きである。 たった数秒の間に、葉山さんは自分を見て驚いてわめいている同僚の様子や、たまたま自分が転落するのを目撃した通行人たちの様子をはっきりと覚えていた。
あとで確認したところ、彼の証言と目撃者の証言とはピタリと一致していたそうなのだ。
ところが、その証言のなかで、一つだけ一致しないものがあった。
彼の事故現場の向かい側には、もう一つ建築中のビルがあって、こちらはほぼ完成していた。
内装こそまだだったが、すでにビルとしての体裁はととのっていて、作業員の数もずいぶん少なくなっていた。
そのビルの三階の一室に、窓にそって人間が鈴なりに並んでいたというのである。
そして、落下していく葉山さんをそれぞれが指さして、とてもおもしろそうにげらげらと笑っていたというのである。
白い歯を、むきだしにして、げらげらと---。
もちろん、笑い声まで葉山さんにとどくわけはない。
それぞれの顔もこまかく見て取ったわけでもない。
というよりは、仮に近くで会ってもすぐに忘れてしまいそうな、没個性的な顔ばかりであったという。
それらのことを葉山さんははっきりと覚えているし、ビルのどの部屋であったかも指摘できる。
だが、テナントが入れるような状態からはまだ遠いそのビルは、事実を先に言えば、そんな大勢の人が一室にいるわけはなかった。
いるとしたら作業員だが、葉山さんの話ではぜったいに作業員の服装ではなかったということだ。
また、作業中の彼等が一室に集合していたということも考えにくい。
まして、窓際に鈴なりになって、死ぬかもしれない人間を笑いながら見物するなど---。
では、葉山さんが目撃したものは何だったのか。
まぼろしや見間違いでないとすると、それは………?
「………そういうものが、いるかいないかなんて、考えたこともなかったけどね」
命拾いをしたかわりに、最初に説明したような負傷をした葉山さんは、最後にポツリとつぶやいた。
「あれが、死神ってものかもしれないなあ」
高所から転落する人間がどうなるか---ごぞんじだろうか。
もちろん、最悪の場合は死んでしまう。
では、それ以外の場合は?
たとえばビルの四階から、飛び降りたとしよう。
個人差はあるだろうが、足から落ちたとすると、骨盤骨折と両足の裂傷はさけられないはずだ。
足底は、パックリと割れてしまうだろう。
傷口からは、脂肪が小さな黄色い卵のつぶつぶみたいに、のぞくわけである。
それも最初のうちだけで、すぐに出血で真っ赤になり、つぶれた果実とそう変わらなくなる。
……とび職をしていた葉山さんは、ビル建築現場から転落して、九死に一生を得た。
よく人間は事故などに遭った時、死ぬまでの短いあいだにフラッシュを焚くように
して、それまでの人生を振り返るという。
葉山さんの場合には、地面に激突するまでの時間が異常に長く感じられるという形で、それはあらわれた。
なにしろ、落ちている最中に、「まだ落ちないのか」と、上下左右を見回す余裕があったというから、驚きである。 たった数秒の間に、葉山さんは自分を見て驚いてわめいている同僚の様子や、たまたま自分が転落するのを目撃した通行人たちの様子をはっきりと覚えていた。
あとで確認したところ、彼の証言と目撃者の証言とはピタリと一致していたそうなのだ。
ところが、その証言のなかで、一つだけ一致しないものがあった。
彼の事故現場の向かい側には、もう一つ建築中のビルがあって、こちらはほぼ完成していた。
内装こそまだだったが、すでにビルとしての体裁はととのっていて、作業員の数もずいぶん少なくなっていた。
そのビルの三階の一室に、窓にそって人間が鈴なりに並んでいたというのである。
そして、落下していく葉山さんをそれぞれが指さして、とてもおもしろそうにげらげらと笑っていたというのである。
白い歯を、むきだしにして、げらげらと---。
もちろん、笑い声まで葉山さんにとどくわけはない。
それぞれの顔もこまかく見て取ったわけでもない。
というよりは、仮に近くで会ってもすぐに忘れてしまいそうな、没個性的な顔ばかりであったという。
それらのことを葉山さんははっきりと覚えているし、ビルのどの部屋であったかも指摘できる。
だが、テナントが入れるような状態からはまだ遠いそのビルは、事実を先に言えば、そんな大勢の人が一室にいるわけはなかった。
いるとしたら作業員だが、葉山さんの話ではぜったいに作業員の服装ではなかったということだ。
また、作業中の彼等が一室に集合していたということも考えにくい。
まして、窓際に鈴なりになって、死ぬかもしれない人間を笑いながら見物するなど---。
では、葉山さんが目撃したものは何だったのか。
まぼろしや見間違いでないとすると、それは………?
「………そういうものが、いるかいないかなんて、考えたこともなかったけどね」
命拾いをしたかわりに、最初に説明したような負傷をした葉山さんは、最後にポツリとつぶやいた。
「あれが、死神ってものかもしれないなあ」
幽霊と…
2009.12.17 (Thu) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
260 名前:実話です 投稿日:03/01/21 00:03
今から12年ほど前、会社の独身寮にいた時の話。
それまであった古い寮をとりこわし、新築された寮に入って4、5ヶ月ほどたった夏の夜のことだった。
中学のころからよく金縛りに遭っていて、それまではただ体が動かなくなり、どこからか声が聞こえてくる程度のものだったのだが、その夜の金縛り体験は全く違っていた。
エアコンをかけながらベッドに寝ていると、いつもと同じようにキーンという耳鳴りとともに金縛りに遭う前兆を感じはじめた。
そして「来た」と思うと同時に体が動かなくなった。
いつものようにしばらく我慢していれば解けるだろうと思いながら唯一動く目を右側に動かすとそこには髪の長い女性が立っていた。
そして私の方をじっとみつめているようだった。
部屋のカギも窓のカギも閉めたはずなのに、しかもここは男性しかいない独身寮なのに。そのときは恐いというよりも何故?誰?という気持ちの方が強かった。
その人と言葉を交わした記憶があるのだが、なぜか内容は憶えていなくて、かすれたような声をしていたことだけ憶えていた。
そして少ししてからその女性は私の体のほうに手を指しだした。
すると触れてもいないのに布団がするすると足元のほうにめくれていった。まだ体は動かないままだ。
すると今度はその女性は私のトランクスの上からアレをまさぐるように触り始めたのだった。
気持ち良くなってきた私はさっきまで体が動かなかったはずなのに気がつくと女性をベッドに寝かせ、女性の上におおいかぶさっていた。
そしてそのままその女性を抱き、絶頂に達した。おそらくその女性も同時に達したと思う。
正直夢と現実の区別がついていなくて何がなんだかわからなかったのだが、もうどうでも良くなっていた。そして気がついたら朝になっていた。
昨日のことは夢だったのか?と思ったのだが絶頂感があったわりには夢精もしていない。もしや俺は幽霊とやっちまったのか?そんなことを考えながら通常どおり支度をして会社に出社した。
会社では電話によるセールスをしていたのだが、飽きてくると当時流行だったダイヤルQ2をしたりして仕事をするふりをしながらさぼっていた。そして午前11時を過ぎた頃、ふと自分の部屋の留守番電話を聴いてみようと思い、自分の部屋に電話をした。すると1件の伝言が登録されていた。
「もしもし、あたしです・・・」
「いないのでざんねんです・・・」
「またかけます・・・」
かすれた女の声だった。誰だろう?そのとき付き合っていた彼女でもないし、知り合いだったら通常部屋にいない時間なのはわかりきっているはずなのに・・・と、そのとき昨夜の記憶が甦ってきた。彼女だ!
このかすれた声は昨夜の女の声だ!なんで電話番号を知っているんだ?あれは現実だったのか?!体中の毛が逆立った。
その後なぜか頻繁に遭っていた金縛りにも遭わなくなった。
そしてあの夜の女にも再び合う事はなかった。
まさに昇天させてあげたのだろうかw
今から12年ほど前、会社の独身寮にいた時の話。
それまであった古い寮をとりこわし、新築された寮に入って4、5ヶ月ほどたった夏の夜のことだった。
中学のころからよく金縛りに遭っていて、それまではただ体が動かなくなり、どこからか声が聞こえてくる程度のものだったのだが、その夜の金縛り体験は全く違っていた。
エアコンをかけながらベッドに寝ていると、いつもと同じようにキーンという耳鳴りとともに金縛りに遭う前兆を感じはじめた。
そして「来た」と思うと同時に体が動かなくなった。
いつものようにしばらく我慢していれば解けるだろうと思いながら唯一動く目を右側に動かすとそこには髪の長い女性が立っていた。
そして私の方をじっとみつめているようだった。
部屋のカギも窓のカギも閉めたはずなのに、しかもここは男性しかいない独身寮なのに。そのときは恐いというよりも何故?誰?という気持ちの方が強かった。
その人と言葉を交わした記憶があるのだが、なぜか内容は憶えていなくて、かすれたような声をしていたことだけ憶えていた。
そして少ししてからその女性は私の体のほうに手を指しだした。
すると触れてもいないのに布団がするすると足元のほうにめくれていった。まだ体は動かないままだ。
すると今度はその女性は私のトランクスの上からアレをまさぐるように触り始めたのだった。
気持ち良くなってきた私はさっきまで体が動かなかったはずなのに気がつくと女性をベッドに寝かせ、女性の上におおいかぶさっていた。
そしてそのままその女性を抱き、絶頂に達した。おそらくその女性も同時に達したと思う。
正直夢と現実の区別がついていなくて何がなんだかわからなかったのだが、もうどうでも良くなっていた。そして気がついたら朝になっていた。
昨日のことは夢だったのか?と思ったのだが絶頂感があったわりには夢精もしていない。もしや俺は幽霊とやっちまったのか?そんなことを考えながら通常どおり支度をして会社に出社した。
会社では電話によるセールスをしていたのだが、飽きてくると当時流行だったダイヤルQ2をしたりして仕事をするふりをしながらさぼっていた。そして午前11時を過ぎた頃、ふと自分の部屋の留守番電話を聴いてみようと思い、自分の部屋に電話をした。すると1件の伝言が登録されていた。
「もしもし、あたしです・・・」
「いないのでざんねんです・・・」
「またかけます・・・」
かすれた女の声だった。誰だろう?そのとき付き合っていた彼女でもないし、知り合いだったら通常部屋にいない時間なのはわかりきっているはずなのに・・・と、そのとき昨夜の記憶が甦ってきた。彼女だ!
このかすれた声は昨夜の女の声だ!なんで電話番号を知っているんだ?あれは現実だったのか?!体中の毛が逆立った。
その後なぜか頻繁に遭っていた金縛りにも遭わなくなった。
そしてあの夜の女にも再び合う事はなかった。
まさに昇天させてあげたのだろうかw
上庭のトイレ
2009.12.16 (Wed) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
173 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/01/18 20:03
俺が行っていた小学校は山際にあり、グラウンドも校舎より高い位置にあって「上庭」と呼ばれていた。
そこの上庭の端のほうに当時でさえ古く誰も使わないようなトイレがあった。
一応小の方は使えるが、大の方は完全に板で封鎖されていたのね。
話によるとそれは父親がガキのころからあるトイレでそのころから
すでに大の方は封鎖されていて「開かずのトイレ」と呼ばれていたらしい。
まあ、そんなものがあれば当然のごとく探検したがる奴が出てくるわけで俺と、Kという奴とⅠという奴でその開かずのトイレを探検することにした。
当時から3人で悪さばかりしていたから、今回も何の迷いもなく当然のようにやろうということになった。
174 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/01/18 20:04
日曜日の昼間、3人で集まり、探検開始。
入口に鍵がかかっている。休みだから先生がかけたのか。
Kが横に回ると
「ここに小さい窓があるぞ」
と指をさした。
頭より高い位置にあったが飛びつけば入れそうだった。
何とか協力して中に入ると、実に嫌な空気だったことを覚えている。
もう何十年も開けていなかった扉から出てくるような古びた臭い。
そして昼間なのに気味悪いくらいに薄暗い。
光源がその窓しかないのだ。
とにかく、目的の大の方に貼り付けてある板をはがすため、持ってきたバールで3人がかりで必死で板をはずした。はずし終ったときには3人とも相当疲れていたがあとはこのドアを開けるだけ。
開けるときはさすがに緊張したが、押すと何の抵抗もなく、自分から開くようにドアは開いた。
中には汲み取り式の便器が1つ。そして正面の壁には梵字のようなものが大きく書かれていたのだが、書かれていたというよりウンコのようなもので擦り付けて書いてあるといった感じだった。
3人は
「なんだこれ」
「気持ちわりい」
「まあでも何もなかったな」
などと口にしていたが俺は内心ほっとしていた。もっと恐ろしいものが出るような気がしたから。
しかし次の瞬間外から声がした
「おい、誰かおるんか」
先生ではなかった。近くに住むじいさんといった声。
俺たちはあせった。
「やべえ、見つかる!」
「どうすんだよ!」
外からは鍵を壊そうとガンガンと何かで叩いているらしい
「おい!そこの扉を絶対に開けちゃならん!!承知せんぞ!」
叱るというより、殺意のこもった叫び声だった。俺たちは本当に恐ろしくなった。
トイレの異様な光景より、外のじいさんのほうが恐い。叩く音はさらに大きくなり鍵というよりドア全体を壊そうとしているようだった。叫び声も
「承知せんぞ!承知せんぞ!」
しか言わなくなり、見つかったら何をされるかわからないと本気で思った。
このとき、入ってきた窓から逃げればよかったのかもしれないが、3人とも気が動転していた。
不意にⅠが
「ここに隠れよう!」
とこじ開けた大の方の部屋に3人を押し込めドアを締めた。
そのとき、俺は心臓が止まりそうになった。
閉めたドアの内側には、墨で描かれたような絵と、それを取り囲むようにびっしりとお札が貼ってあった。
絵は、相当色褪せていたが、数人が1人の人物を取り囲み、蹴ったり鍬のようなもので
叩いたりしているように見えた。中心でリンチにあっている人物には首がなく、下に転がっていた。
俺を含め、3人とも叫んでいたと思う。
その叫び声を聞いて、外のじいさんはさらに気が狂ったように叫び中に入ろうとしていた。
俺はどうすることもできず、狭い部屋の中で震えているしかなかったが、Ⅰが突然
「あははははは!」
と笑い出し後ろの壁を蹴り始めた。妙な文字が書かれている壁だ。
俺とKは必死で
「何やってんだ!」
と押さえたがⅠには俺たちは見えていないようで狂ったように壁を蹴りはじめた。
外ではじいさんが扉を破ったらしく、足音が近づいてきてドアを開け、俺たちを引っ張り出した。
「何しとるんじゃ!承知せんぞ!」
もう俺とKは
「ごめんなさい、ごめんなさい」
というしかなかった。
Ⅰは相変わらず笑い続けていた。そして一旦トイレの外に出されたのだが、手をはなされた隙にまたトイレの中にもう突進して行き、あの壁に何度も体当たりをしていた。
そして、何度目かの時に、壁が崩れ、Ⅰはその下の崖に転落してしまった。
そのあとのことはよく覚えていないが、じいさんが救急車も呼ばず冷静に
「あいつはもう助からんぞ」
と言っていたことと、親と学校から死ぬほど怒られたこと、そして「Ⅰが植物状態になった」ということで警察から事情を聴かれたことは覚えている。
それだけの出来事があったのに、あのトイレはそれからもかなりの間壊されることなくその場にあった。
あのときⅠに何が起こったのかわからないが、今Ⅰが生きていたら謝りたい。
俺が行っていた小学校は山際にあり、グラウンドも校舎より高い位置にあって「上庭」と呼ばれていた。
そこの上庭の端のほうに当時でさえ古く誰も使わないようなトイレがあった。
一応小の方は使えるが、大の方は完全に板で封鎖されていたのね。
話によるとそれは父親がガキのころからあるトイレでそのころから
すでに大の方は封鎖されていて「開かずのトイレ」と呼ばれていたらしい。
まあ、そんなものがあれば当然のごとく探検したがる奴が出てくるわけで俺と、Kという奴とⅠという奴でその開かずのトイレを探検することにした。
当時から3人で悪さばかりしていたから、今回も何の迷いもなく当然のようにやろうということになった。
174 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/01/18 20:04
日曜日の昼間、3人で集まり、探検開始。
入口に鍵がかかっている。休みだから先生がかけたのか。
Kが横に回ると
「ここに小さい窓があるぞ」
と指をさした。
頭より高い位置にあったが飛びつけば入れそうだった。
何とか協力して中に入ると、実に嫌な空気だったことを覚えている。
もう何十年も開けていなかった扉から出てくるような古びた臭い。
そして昼間なのに気味悪いくらいに薄暗い。
光源がその窓しかないのだ。
とにかく、目的の大の方に貼り付けてある板をはがすため、持ってきたバールで3人がかりで必死で板をはずした。はずし終ったときには3人とも相当疲れていたがあとはこのドアを開けるだけ。
開けるときはさすがに緊張したが、押すと何の抵抗もなく、自分から開くようにドアは開いた。
中には汲み取り式の便器が1つ。そして正面の壁には梵字のようなものが大きく書かれていたのだが、書かれていたというよりウンコのようなもので擦り付けて書いてあるといった感じだった。
3人は
「なんだこれ」
「気持ちわりい」
「まあでも何もなかったな」
などと口にしていたが俺は内心ほっとしていた。もっと恐ろしいものが出るような気がしたから。
しかし次の瞬間外から声がした
「おい、誰かおるんか」
先生ではなかった。近くに住むじいさんといった声。
俺たちはあせった。
「やべえ、見つかる!」
「どうすんだよ!」
外からは鍵を壊そうとガンガンと何かで叩いているらしい
「おい!そこの扉を絶対に開けちゃならん!!承知せんぞ!」
叱るというより、殺意のこもった叫び声だった。俺たちは本当に恐ろしくなった。
トイレの異様な光景より、外のじいさんのほうが恐い。叩く音はさらに大きくなり鍵というよりドア全体を壊そうとしているようだった。叫び声も
「承知せんぞ!承知せんぞ!」
しか言わなくなり、見つかったら何をされるかわからないと本気で思った。
このとき、入ってきた窓から逃げればよかったのかもしれないが、3人とも気が動転していた。
不意にⅠが
「ここに隠れよう!」
とこじ開けた大の方の部屋に3人を押し込めドアを締めた。
そのとき、俺は心臓が止まりそうになった。
閉めたドアの内側には、墨で描かれたような絵と、それを取り囲むようにびっしりとお札が貼ってあった。
絵は、相当色褪せていたが、数人が1人の人物を取り囲み、蹴ったり鍬のようなもので
叩いたりしているように見えた。中心でリンチにあっている人物には首がなく、下に転がっていた。
俺を含め、3人とも叫んでいたと思う。
その叫び声を聞いて、外のじいさんはさらに気が狂ったように叫び中に入ろうとしていた。
俺はどうすることもできず、狭い部屋の中で震えているしかなかったが、Ⅰが突然
「あははははは!」
と笑い出し後ろの壁を蹴り始めた。妙な文字が書かれている壁だ。
俺とKは必死で
「何やってんだ!」
と押さえたがⅠには俺たちは見えていないようで狂ったように壁を蹴りはじめた。
外ではじいさんが扉を破ったらしく、足音が近づいてきてドアを開け、俺たちを引っ張り出した。
「何しとるんじゃ!承知せんぞ!」
もう俺とKは
「ごめんなさい、ごめんなさい」
というしかなかった。
Ⅰは相変わらず笑い続けていた。そして一旦トイレの外に出されたのだが、手をはなされた隙にまたトイレの中にもう突進して行き、あの壁に何度も体当たりをしていた。
そして、何度目かの時に、壁が崩れ、Ⅰはその下の崖に転落してしまった。
そのあとのことはよく覚えていないが、じいさんが救急車も呼ばず冷静に
「あいつはもう助からんぞ」
と言っていたことと、親と学校から死ぬほど怒られたこと、そして「Ⅰが植物状態になった」ということで警察から事情を聴かれたことは覚えている。
それだけの出来事があったのに、あのトイレはそれからもかなりの間壊されることなくその場にあった。
あのときⅠに何が起こったのかわからないが、今Ⅰが生きていたら謝りたい。
反魂の術
2009.12.15 (Tue) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
813 本当にあった怖い名無し sage 2008/02/14(木) 01:14:03 ID:vQZo+/hzO
この話はいい話と言うよりも寧ろ後味の悪い話になってしまうかもしれない。
またオカルトとは少し違うような気もする。
でも大切なものを失った時人はどうするか。
他スレよりも少しは解ってくれるかもしれないのでここに書く。
私の友人にNという者がいる。
ある大手の商事会社勤めていていつも忙しく世界を飛び回っていた。
彼には奥さんと二人の子供がいて普段は余りに家族と満足な会話もできずにいたが家内はそれなりに平和で彼はそれなりに満足していた。
特に彼は子供達を愛おしく思っていたし、中でも下の子はそれこそ目の中に入れても痛くないほどに溺愛していた。
けれども残念な事に彼の海外出張の間にその子が交通事故で亡くなった。
その年小学校に上がったばかりの男の子だった。
彼は直ぐに日本に戻ったがその日から順風満帆だった彼の人生が少しずつ狂い始めた。
葬儀が終わっても彼は会社に行こうとはしなかった。
それどころか息子の部屋に座り込んで、息子の野球帽を頭に乗せて息子の使っていた毛布を頭から引き被り日がなボーとしている事が多くなった。
814 本当にあった怖い名無し sage 2008/02/14(木) 01:16:37 ID:vQZo+/hzO
Nの奥さんから電話が掛かってきたのはそんな状態が続いて二月くらいした頃だった。
彼には息子の他にその姉が居る。
けれどもNはもう奥さんの事も娘の事も見えてはいないようだった。
ただただ失った者の悲しみに捕らわれていたのだと思う。
自分にも子供はいた。
しかし身から出た錆、バツイチで子供の養育権まで失った自分には身に余る相談事だった。
自分に出きることはせめて気晴らしにでも彼を外に連れだすことだった。
しかし一年程後にはそれも全て徒労に終わった。
彼は家族の信頼も失い、職も失って文字通り全てを失った。
その後に彼と会ったのは学生の頃によく行った薄暗いバーの中だった。
珍しくNからの誘いで彼は会った当初からかなりハイな印象だった。
一時間もした頃彼は私に顔を近付けて興奮した面持ちで言った。
「とうとう見つけたよ。」
え?最初私は何の事か全くわからなかった。
次にNが言ったのは
「おまえ、反魂の術って知っているか?」
聞きかじりだが知ってはいた。
昔、西行法師が試みて失敗した死者を蘇らせる術だろ。
コイツとうとう狂ったか?
まずそう思う。
顔を近付けて嬉々として話すNに私は狂気と恐怖を覚えた。
815 本当にあった怖い名無し sage 2008/02/14(木) 01:48:38 ID:vQZo+/hzO
その日のNとの別れ際、また別の不安が頭をよぎる。
まさか余所の子を誘拐して自分の子にしようとしているんじゃないだろうか。
あまり馬鹿な事を考えないように。
そう釘を刺してその日は別れた気がする。
それくらいその日のNは取り付かれた顔をしていた。
アパートの部屋に戻ってその日のNの言動をもう一度思い出してみる。
日本中の書物を調べたのだと言う。
反魂の術とは何かの草の蔓で正確に死者の骨をつなぎ合わせ、幾種類かの薬草を使い数日間祈るのだと言っていた。
昔西行が山中の修行の淋しさに耐えかね話し相手を作ろうと試みたが
たった一つ工程を間違えたために心を持たない木愚が生まれてしまったらしい。
しかしあの子の骨は既に焼いてしまってバラバラじゃないか、そう私は辛うじて答えた。
しかしNは、なにアレは器に過ぎない、骨なら誰のでもいいし泥でも代用できるといった。
そして明日から紀州へ行くとも。
彼が言うにはもう半ば成功しているとも。
夜中に鏡を覗いてみたり、おろし婆をよんでみたりその結果確信したそうだ、まだ息子の魂がこの世に存在していることを。
816 本当にあった怖い名無し sage 2008/02/14(木) 01:58:58 ID:vQZo+/hzO
おまえ少し頭オカシイ。
そう思ったが口にはだせなかった。
俺の息子はいつでも会えないが生きている。
面会権を行使すれば大抵は会える。
でもそうでなければどうしていたろう。
もしNと同じ立場なら、何となく彼と同じ事をしていたのではないか。
いや、もしかしたら死者蘇生はどこかにあるんじゃないのか?
Nは本当に息子を連れて戻ってくるのじゃないのか。
そこまで考えて私はNの妄想の中に入りかけている自分を想像して背筋が寒くなった。
817 本当にあった怖い名無し 2008/02/14(木) 02:20:45 ID:vQZo+/hzO
Nから再び電話があったのはそれから半年くらいしてからだった。
電話に出た私に彼はあのバーで話した時と同じくすごく興奮した調子で喋りだした。
ついにやったよ、成功だよ。
息子が帰ってきた。
私にはもう彼の言葉に頷くしかなかった。
ほら、聞こえるだろアイツの声!
その瞬間部屋がグラッと揺れた気がした
自分の体が一瞬傾き目の前の風景がグニャリと歪む。
確かに耳を側立てると電話の向こうで子供のハシャぐ声がする。
おまえ、何をしてきたんだ、そう問いただしたかったがその前に膝が折れ吐き気がした。
数日後別な友人からNが和歌山のとある山中で縊死した事を知らされた。
遺体が発見されたのは既にひと月以上経過してからのことだったらしい。
その時、全てに合点がいった気がした。
あの時、あの電話の主達
あれは死者が蘇ったのじやないと思う。
私の方が彼らの世界に一歩足を踏み入れていたのだと、蘇りとはそういうことらしい。
この話はいい話と言うよりも寧ろ後味の悪い話になってしまうかもしれない。
またオカルトとは少し違うような気もする。
でも大切なものを失った時人はどうするか。
他スレよりも少しは解ってくれるかもしれないのでここに書く。
私の友人にNという者がいる。
ある大手の商事会社勤めていていつも忙しく世界を飛び回っていた。
彼には奥さんと二人の子供がいて普段は余りに家族と満足な会話もできずにいたが家内はそれなりに平和で彼はそれなりに満足していた。
特に彼は子供達を愛おしく思っていたし、中でも下の子はそれこそ目の中に入れても痛くないほどに溺愛していた。
けれども残念な事に彼の海外出張の間にその子が交通事故で亡くなった。
その年小学校に上がったばかりの男の子だった。
彼は直ぐに日本に戻ったがその日から順風満帆だった彼の人生が少しずつ狂い始めた。
葬儀が終わっても彼は会社に行こうとはしなかった。
それどころか息子の部屋に座り込んで、息子の野球帽を頭に乗せて息子の使っていた毛布を頭から引き被り日がなボーとしている事が多くなった。
814 本当にあった怖い名無し sage 2008/02/14(木) 01:16:37 ID:vQZo+/hzO
Nの奥さんから電話が掛かってきたのはそんな状態が続いて二月くらいした頃だった。
彼には息子の他にその姉が居る。
けれどもNはもう奥さんの事も娘の事も見えてはいないようだった。
ただただ失った者の悲しみに捕らわれていたのだと思う。
自分にも子供はいた。
しかし身から出た錆、バツイチで子供の養育権まで失った自分には身に余る相談事だった。
自分に出きることはせめて気晴らしにでも彼を外に連れだすことだった。
しかし一年程後にはそれも全て徒労に終わった。
彼は家族の信頼も失い、職も失って文字通り全てを失った。
その後に彼と会ったのは学生の頃によく行った薄暗いバーの中だった。
珍しくNからの誘いで彼は会った当初からかなりハイな印象だった。
一時間もした頃彼は私に顔を近付けて興奮した面持ちで言った。
「とうとう見つけたよ。」
え?最初私は何の事か全くわからなかった。
次にNが言ったのは
「おまえ、反魂の術って知っているか?」
聞きかじりだが知ってはいた。
昔、西行法師が試みて失敗した死者を蘇らせる術だろ。
コイツとうとう狂ったか?
まずそう思う。
顔を近付けて嬉々として話すNに私は狂気と恐怖を覚えた。
815 本当にあった怖い名無し sage 2008/02/14(木) 01:48:38 ID:vQZo+/hzO
その日のNとの別れ際、また別の不安が頭をよぎる。
まさか余所の子を誘拐して自分の子にしようとしているんじゃないだろうか。
あまり馬鹿な事を考えないように。
そう釘を刺してその日は別れた気がする。
それくらいその日のNは取り付かれた顔をしていた。
アパートの部屋に戻ってその日のNの言動をもう一度思い出してみる。
日本中の書物を調べたのだと言う。
反魂の術とは何かの草の蔓で正確に死者の骨をつなぎ合わせ、幾種類かの薬草を使い数日間祈るのだと言っていた。
昔西行が山中の修行の淋しさに耐えかね話し相手を作ろうと試みたが
たった一つ工程を間違えたために心を持たない木愚が生まれてしまったらしい。
しかしあの子の骨は既に焼いてしまってバラバラじゃないか、そう私は辛うじて答えた。
しかしNは、なにアレは器に過ぎない、骨なら誰のでもいいし泥でも代用できるといった。
そして明日から紀州へ行くとも。
彼が言うにはもう半ば成功しているとも。
夜中に鏡を覗いてみたり、おろし婆をよんでみたりその結果確信したそうだ、まだ息子の魂がこの世に存在していることを。
816 本当にあった怖い名無し sage 2008/02/14(木) 01:58:58 ID:vQZo+/hzO
おまえ少し頭オカシイ。
そう思ったが口にはだせなかった。
俺の息子はいつでも会えないが生きている。
面会権を行使すれば大抵は会える。
でもそうでなければどうしていたろう。
もしNと同じ立場なら、何となく彼と同じ事をしていたのではないか。
いや、もしかしたら死者蘇生はどこかにあるんじゃないのか?
Nは本当に息子を連れて戻ってくるのじゃないのか。
そこまで考えて私はNの妄想の中に入りかけている自分を想像して背筋が寒くなった。
817 本当にあった怖い名無し 2008/02/14(木) 02:20:45 ID:vQZo+/hzO
Nから再び電話があったのはそれから半年くらいしてからだった。
電話に出た私に彼はあのバーで話した時と同じくすごく興奮した調子で喋りだした。
ついにやったよ、成功だよ。
息子が帰ってきた。
私にはもう彼の言葉に頷くしかなかった。
ほら、聞こえるだろアイツの声!
その瞬間部屋がグラッと揺れた気がした
自分の体が一瞬傾き目の前の風景がグニャリと歪む。
確かに耳を側立てると電話の向こうで子供のハシャぐ声がする。
おまえ、何をしてきたんだ、そう問いただしたかったがその前に膝が折れ吐き気がした。
数日後別な友人からNが和歌山のとある山中で縊死した事を知らされた。
遺体が発見されたのは既にひと月以上経過してからのことだったらしい。
その時、全てに合点がいった気がした。
あの時、あの電話の主達
あれは死者が蘇ったのじやないと思う。
私の方が彼らの世界に一歩足を踏み入れていたのだと、蘇りとはそういうことらしい。
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