都市伝説・・・奇憚・・・blog
都市伝説を中心にホラー、オカルト系の話題をお楽しみください。
メールはyoshizo0@hotmail.co.jpへ
☆☆投稿やまとめて欲しい話題のタレコミなど、情報提供受付中!
☆☆気がつけば1億PV☆☆
かんかんだら(中編1)
2010.11.01 (Mon) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
(前編はこちら)
それからずっと音に付きまとわれながら進んでたが、やっと柵が見えてくると、音なんかどうでもよくなった。
音以上にその柵の様子の方が意味不明だったからだ。
三人とも見るのは初めてだったんだが、想像以上のものだった。
同時にそれまでなかったある考えが頭に過ってしまった。
普段は霊などバカにしてるオレ達から見ても、その先にあるのが現実的なものでない事を示唆しているとしか思えない。それも半端じゃなくやばいものが。
まさか、そういう意味でいわくつきの場所なのか…?
森へ入ってから初めて、今オレ達はやばい場所にいるんじゃないかと思い始めた。
A「おい、これぶち破って奥行けってのか?誰が見ても普通じゃねえだろこれ!」
B「うるせえな、こんなんでビビってんじゃねえよ!」
柵の異常な様子に怯んでいたオレとAを怒鳴り、Bは持ってきた道具あれこれで柵をぶち壊し始めた。破壊音よりも、鳴り響く無数の鈴の音が凄かった。
しかしここまでとは想像してなかったため、持参した道具じゃ貧弱すぎた。
というか、不自然なほどに頑丈だったんだ。特殊な素材でも使ってんのかってぐらい、びくともしなかった。
結局よじのぼるしかなかったんだが、綱のおかげで上るのはわりと簡単だった。
だが柵を越えた途端、激しい違和感を覚えた。
閉塞感と言うのかな、檻に閉じ込められたような息苦しさを感じた。
AとBも同じだったみたいで踏み出すのを躊躇したんだが、柵を越えてしまったからにはもう行くしかなかった。
先へ進むべく歩きだしてすぐ、三人とも気付いた。
ずっと付きまとってた音が、柵を越えてからバッタリ聞こえなくなった事に。
正直そんなんもうどうでもいいとさえ思えるほど嫌な空気だったが、Aが放った言葉でさらに嫌な空気が増した。
A「もしかしてさぁ、そいつ…ずっとここにいたんじゃねえか?この柵、こっから見える分だけでも出入口みたいなのはないしさ、それで近付けなかったんじゃ…」
B「んなわけねえだろ。オレ達が音の動きに気付いた場所ですらこっからじゃもう見えねえんだぞ?それなのに入った時点からオレ達の様子がわかるわけねえだろ。」
普通に考えればBの言葉が正しかった。
禁止区域と森の入り口はかなり離れてる。時間にして四十分ほどと書いたが、オレ達だってちんたら歩いてたわけじゃないし、距離にしたらそれなりの数字にはなる。
だが、現実のものじゃないかも…という考えが過ってしまった事で、Aの言葉を頭では否定できなかった。柵を見てから絶対やばいと感じ始めていたオレとAを尻目に、Bだけが俄然強気だった。
B「霊だか何だか知らねえけどよ、お前の言うとおりだとしたら、そいつはこの柵から出られねえって事だろ?そんなやつ大したことねえよ。」
そう言って奧へ進んでいった。
柵を越えてから二、三十分歩き、うっすらと反対側の柵が見え始めたところで、不思議なものを見つけた。
特定の六本の木に注連縄が張られ、その六本の木を六本の縄で括り、六角形の空間がつくられていた。柵にかかってるのとは別の、正式なものっぽい紙垂もかけられてた。
そして、その中央に賽銭箱みたいなのがポツンと置いてあった。
目にした瞬間は、三人とも言葉が出なかった。
特にオレとAは、マジでやばい事になってきたと焦ってさえいた。
バカなオレ達でも、注連縄が通常どんな場で何のために用いられてるものか、何となくは知ってる。
そういう意味でも、ここを立入禁止にしているのは間違いなく目の前のこの光景のためだ。
オレ達はとうとう、来るとこまで来てしまったわけだ。
オレ「お前の親父が言ってたの、たぶんこれの事だろ。」
A「暴れるとか無理。明らかにやばいだろ。」
だが、Bは強気な姿勢を崩さなかった。
B「別に悪いもんとは限らねえだろ。とりあえずあの箱見て見ようぜ!宝でも入ってっかもな。」
Bは縄をくぐって六角形の中に入り、箱に近づいてった。
オレとAは箱よりもBが何をしでかすかが不安だったが、とりあえずBに続いた。
野晒しで雨とかにやられたせいか、箱はサビだらけだった。上部は蓋になってて、網目で中が見える。だが、蓋の下にまた板が敷かれていて結局見れない。
さらに箱にはチョークか何かで凄いのが書いてあった。
たぶん家紋?的な意味合いのものだと思うんだが、前後左右それぞれの面にいくつも紋所みたいなのが書き込まれてて、しかも全部違うやつ。ダブってるのは一個もなかった。
オレとAは極力触らないようにし、構わず触るBにも乱暴にはしないよう注意させながら箱を調べてみた。
どうやら地面に底を直接固定してあるらしく、大して重さは感じないのに持ち上がらなかった。中身をどうやって見るのかと隅々までチェックすると、後ろの面だけ外れるようになってるのに気付いた。
B「おっ、ここだけ外れるぞ!中見れるぜ!」
Bが箱の一面を取り外し、オレとAもBの後ろから中を覗き込んだ。
箱の中には四隅にペットボトルのような形の壺?が置かれてて、その中には何か液体が入ってた。
箱の中央に、先端が赤く塗られた五センチぐらいの楊枝みたいなのが、変な形で置かれてた。
/\/\>
こんな形で六本。接する四ヶ所だけ赤く塗られてる。
オレ「なんだこれ?爪楊枝か?」
A「おい、ペットボトルみてえなの中に何か入ってるぜ。気持ちわりいな。」
B「ここまで来てペットボトルと爪楊枝かよ。意味わかんねえ。」
オレとAはぺットボトルみたいな壺を少し触ってみたぐらいだったが、Bは手に取って匂いを嗅いだりした。
元に戻すと今度は/\/\>を触ろうと手を伸ばす。
ところが、汗をかいていたのか指先に一瞬くっつき、そのせいで離すときに形がずれてしまった。
その一瞬
チリンチリリン!!チリンチリン!!
オレ達が来た方とは反対、六角形地点のさらに奧にうっすらと見えている柵の方から、物凄い勢いで鈴の音が鳴った。さすがに三人ともうわっと声を上げてビビり、一斉に顔を見合わせた。
B「誰だちくしょう!ふざけんなよ!」
Bはその方向へ走りだした。
オレ「バカ、そっち行くな!」
A「おいB!やばいって!」
慌てて後を追おうと身構えると、Bは突然立ち止まり、前方に懐中電灯を向けたまま動かなくなった。
「何だよ、フリかよ〜」
とオレとAがホッとして急いで近付いてくと、Bの体が小刻みに震えだした。
「お、おい、どうした…?」
言いながら無意識に照らされた先を見た。
Bの懐中電灯は、立ち並ぶ木々の中の一本、その根元のあたりを照らしていた。
その陰から、女の顔がこちらを覗いていた。
ひょこっと顔半分だけ出して、眩しがる様子もなくオレ達を眺めていた。
上下の歯をむき出しにするようにい〜っと口を開け、目は据わっていた。
「うわぁぁぁぁぁ!!」
誰のものかわからない悲鳴と同時に、オレ達は一斉に振り返り走った。頭は真っ白で、体が勝手に最善の行動をとったような感じだった。
互いを見合わす余裕もなく、それぞれが必死で柵へ向かった。
柵が見えると一気に飛び掛かり、急いでよじのぼる。
上まで来たらまた一気に飛び降り、すぐに入り口へ戻ろうとした。
だが、混乱しているのかAが上手く柵を上れずなかなかこっちに来ない。
オレ「A!早く!!」
B「おい!早くしろ!!」
Aを待ちながらオレとBはどうすりゃいいかわからなかった。
オレ「何だよあれ!?何なんだよ!?」
B「知らねえよ黙れ!!」
完全にパニック状態だった。
その時
チリリン!!チリンチリン!!
凄まじい大音量で鈴の音が鳴り響き、柵が揺れだした。
何だ…!?どこからだ…!?オレとBはパニック状態になりながらも周囲を確認した。
入り口とは逆、山へ向かう方角から鳴り響き、近づいているのか音と柵の揺れがどんどん激しくなってくる。
オレ「やばいやばい!」
B「まだかよ!早くしろ!!」
オレ達の言葉が余計にAを混乱させていたのはわかってたが、急かさないわけにはいかなかった。
Aは無我夢中に必死で柵をよじのぼった。
Aがようやく上りきろうかというその時、オレとBの視線はそこになかった。がたがたと震え、体中から汗が噴き出し、声を出せなくなった。
それに気付いたAも、柵の上からオレ達が見ている方向を見た。
山への方角にずらっと続く柵を伝った先、しかもこっち側にあいつが張りついていた。
顔だけかと思ったそれは、裸で上半身のみ、右腕左腕が三本ずつあった。
それらで器用に綱と有刺鉄線を掴んでい〜っと口を開けたまま、巣を渡る蜘蛛のようにこちらへ向かってきていた。
とてつもない恐怖
「うわぁぁぁぁ!!」
Aがとっさに上から飛び降り、オレとBに倒れこんできた。
それではっとしたオレ達はすぐにAを起こし、一気に入り口へ走った。
後ろは見れない。前だけを見据え、ひたすら必死で走った。
全力で走れば三十分もかからないだろうに、何時間も走ったような気分だった。
入り口が見えてくると、何やら人影も見えた。
おい、まさか…三人とも急停止し、息を呑んで人影を確認した。
誰だかわからないが何人かが集まってる。あいつじゃない。
そう確認できた途端に再び走りだし、その人達の中に飛び込んだ。
「おい!出てきたぞ!」
「まさか…本当にあの柵の先に行ってたのか!?」
「おーい!急いで奥さんに知らせろ!」
集まっていた人達はざわざわとした様子で、オレ達に駆け寄ってきた。
何て話しかけられたか、すぐにはわからないぐらい、三人とも頭が真っ白で放心状態だった。
そのままオレ達は車に乗せられ、すでに三時をまわっていたにも関わらず、行事の時とかに使われる集会所に連れてかれた。
中に入ると、うちは母親と姉貴が、Aは親父、Bはお母さんが来ていた。
Bのお母さんはともかく、ろくに会話した事すらなかったうちの母親まで泣いてて、Aもこの時の親父の表情は普段見た事ないようなもんだったらしい。
B母「みんな無事だったんだね…!よかった…!」
Bのお母さんとは違い、オレは母親に殴られAも親父に殴られた。だが、今まで聞いた事ない暖かい言葉をかけられた。
しばらくそれぞれが家族と接したところで、Bのお母さんが話した。
B母「ごめんなさい。今回の事はうちの主人、ひいては私の責任です。本当に申し訳ありませんでした…!本当に…」
と何度も頭を下げた。
よその家とはいえ、子供の前で親がそんな姿をさらしているのは、やっぱり嫌な気分だった。
A父「もういいだろう奥さん。こうしてみんな無事だったんだから。」
オレ母「そうよ。あなたのせいじゃない。」
この後ほとんど親同士で話が進められ、オレ達はぽかんとしてた。
時間が遅かったのもあって、無事を確認しあって終わり…って感じだった。
この時は何の説明もないまま解散したわ。
(つづく)
(中編2はこちら)
それからずっと音に付きまとわれながら進んでたが、やっと柵が見えてくると、音なんかどうでもよくなった。
音以上にその柵の様子の方が意味不明だったからだ。
三人とも見るのは初めてだったんだが、想像以上のものだった。
同時にそれまでなかったある考えが頭に過ってしまった。
普段は霊などバカにしてるオレ達から見ても、その先にあるのが現実的なものでない事を示唆しているとしか思えない。それも半端じゃなくやばいものが。
まさか、そういう意味でいわくつきの場所なのか…?
森へ入ってから初めて、今オレ達はやばい場所にいるんじゃないかと思い始めた。
A「おい、これぶち破って奥行けってのか?誰が見ても普通じゃねえだろこれ!」
B「うるせえな、こんなんでビビってんじゃねえよ!」
柵の異常な様子に怯んでいたオレとAを怒鳴り、Bは持ってきた道具あれこれで柵をぶち壊し始めた。破壊音よりも、鳴り響く無数の鈴の音が凄かった。
しかしここまでとは想像してなかったため、持参した道具じゃ貧弱すぎた。
というか、不自然なほどに頑丈だったんだ。特殊な素材でも使ってんのかってぐらい、びくともしなかった。
結局よじのぼるしかなかったんだが、綱のおかげで上るのはわりと簡単だった。
だが柵を越えた途端、激しい違和感を覚えた。
閉塞感と言うのかな、檻に閉じ込められたような息苦しさを感じた。
AとBも同じだったみたいで踏み出すのを躊躇したんだが、柵を越えてしまったからにはもう行くしかなかった。
先へ進むべく歩きだしてすぐ、三人とも気付いた。
ずっと付きまとってた音が、柵を越えてからバッタリ聞こえなくなった事に。
正直そんなんもうどうでもいいとさえ思えるほど嫌な空気だったが、Aが放った言葉でさらに嫌な空気が増した。
A「もしかしてさぁ、そいつ…ずっとここにいたんじゃねえか?この柵、こっから見える分だけでも出入口みたいなのはないしさ、それで近付けなかったんじゃ…」
B「んなわけねえだろ。オレ達が音の動きに気付いた場所ですらこっからじゃもう見えねえんだぞ?それなのに入った時点からオレ達の様子がわかるわけねえだろ。」
普通に考えればBの言葉が正しかった。
禁止区域と森の入り口はかなり離れてる。時間にして四十分ほどと書いたが、オレ達だってちんたら歩いてたわけじゃないし、距離にしたらそれなりの数字にはなる。
だが、現実のものじゃないかも…という考えが過ってしまった事で、Aの言葉を頭では否定できなかった。柵を見てから絶対やばいと感じ始めていたオレとAを尻目に、Bだけが俄然強気だった。
B「霊だか何だか知らねえけどよ、お前の言うとおりだとしたら、そいつはこの柵から出られねえって事だろ?そんなやつ大したことねえよ。」
そう言って奧へ進んでいった。
柵を越えてから二、三十分歩き、うっすらと反対側の柵が見え始めたところで、不思議なものを見つけた。
特定の六本の木に注連縄が張られ、その六本の木を六本の縄で括り、六角形の空間がつくられていた。柵にかかってるのとは別の、正式なものっぽい紙垂もかけられてた。
そして、その中央に賽銭箱みたいなのがポツンと置いてあった。
目にした瞬間は、三人とも言葉が出なかった。
特にオレとAは、マジでやばい事になってきたと焦ってさえいた。
バカなオレ達でも、注連縄が通常どんな場で何のために用いられてるものか、何となくは知ってる。
そういう意味でも、ここを立入禁止にしているのは間違いなく目の前のこの光景のためだ。
オレ達はとうとう、来るとこまで来てしまったわけだ。
オレ「お前の親父が言ってたの、たぶんこれの事だろ。」
A「暴れるとか無理。明らかにやばいだろ。」
だが、Bは強気な姿勢を崩さなかった。
B「別に悪いもんとは限らねえだろ。とりあえずあの箱見て見ようぜ!宝でも入ってっかもな。」
Bは縄をくぐって六角形の中に入り、箱に近づいてった。
オレとAは箱よりもBが何をしでかすかが不安だったが、とりあえずBに続いた。
野晒しで雨とかにやられたせいか、箱はサビだらけだった。上部は蓋になってて、網目で中が見える。だが、蓋の下にまた板が敷かれていて結局見れない。
さらに箱にはチョークか何かで凄いのが書いてあった。
たぶん家紋?的な意味合いのものだと思うんだが、前後左右それぞれの面にいくつも紋所みたいなのが書き込まれてて、しかも全部違うやつ。ダブってるのは一個もなかった。
オレとAは極力触らないようにし、構わず触るBにも乱暴にはしないよう注意させながら箱を調べてみた。
どうやら地面に底を直接固定してあるらしく、大して重さは感じないのに持ち上がらなかった。中身をどうやって見るのかと隅々までチェックすると、後ろの面だけ外れるようになってるのに気付いた。
B「おっ、ここだけ外れるぞ!中見れるぜ!」
Bが箱の一面を取り外し、オレとAもBの後ろから中を覗き込んだ。
箱の中には四隅にペットボトルのような形の壺?が置かれてて、その中には何か液体が入ってた。
箱の中央に、先端が赤く塗られた五センチぐらいの楊枝みたいなのが、変な形で置かれてた。
/\/\>
こんな形で六本。接する四ヶ所だけ赤く塗られてる。
オレ「なんだこれ?爪楊枝か?」
A「おい、ペットボトルみてえなの中に何か入ってるぜ。気持ちわりいな。」
B「ここまで来てペットボトルと爪楊枝かよ。意味わかんねえ。」
オレとAはぺットボトルみたいな壺を少し触ってみたぐらいだったが、Bは手に取って匂いを嗅いだりした。
元に戻すと今度は/\/\>を触ろうと手を伸ばす。
ところが、汗をかいていたのか指先に一瞬くっつき、そのせいで離すときに形がずれてしまった。
その一瞬
チリンチリリン!!チリンチリン!!
オレ達が来た方とは反対、六角形地点のさらに奧にうっすらと見えている柵の方から、物凄い勢いで鈴の音が鳴った。さすがに三人ともうわっと声を上げてビビり、一斉に顔を見合わせた。
B「誰だちくしょう!ふざけんなよ!」
Bはその方向へ走りだした。
オレ「バカ、そっち行くな!」
A「おいB!やばいって!」
慌てて後を追おうと身構えると、Bは突然立ち止まり、前方に懐中電灯を向けたまま動かなくなった。
「何だよ、フリかよ〜」
とオレとAがホッとして急いで近付いてくと、Bの体が小刻みに震えだした。
「お、おい、どうした…?」
言いながら無意識に照らされた先を見た。
Bの懐中電灯は、立ち並ぶ木々の中の一本、その根元のあたりを照らしていた。
その陰から、女の顔がこちらを覗いていた。
ひょこっと顔半分だけ出して、眩しがる様子もなくオレ達を眺めていた。
上下の歯をむき出しにするようにい〜っと口を開け、目は据わっていた。
「うわぁぁぁぁぁ!!」
誰のものかわからない悲鳴と同時に、オレ達は一斉に振り返り走った。頭は真っ白で、体が勝手に最善の行動をとったような感じだった。
互いを見合わす余裕もなく、それぞれが必死で柵へ向かった。
柵が見えると一気に飛び掛かり、急いでよじのぼる。
上まで来たらまた一気に飛び降り、すぐに入り口へ戻ろうとした。
だが、混乱しているのかAが上手く柵を上れずなかなかこっちに来ない。
オレ「A!早く!!」
B「おい!早くしろ!!」
Aを待ちながらオレとBはどうすりゃいいかわからなかった。
オレ「何だよあれ!?何なんだよ!?」
B「知らねえよ黙れ!!」
完全にパニック状態だった。
その時
チリリン!!チリンチリン!!
凄まじい大音量で鈴の音が鳴り響き、柵が揺れだした。
何だ…!?どこからだ…!?オレとBはパニック状態になりながらも周囲を確認した。
入り口とは逆、山へ向かう方角から鳴り響き、近づいているのか音と柵の揺れがどんどん激しくなってくる。
オレ「やばいやばい!」
B「まだかよ!早くしろ!!」
オレ達の言葉が余計にAを混乱させていたのはわかってたが、急かさないわけにはいかなかった。
Aは無我夢中に必死で柵をよじのぼった。
Aがようやく上りきろうかというその時、オレとBの視線はそこになかった。がたがたと震え、体中から汗が噴き出し、声を出せなくなった。
それに気付いたAも、柵の上からオレ達が見ている方向を見た。
山への方角にずらっと続く柵を伝った先、しかもこっち側にあいつが張りついていた。
顔だけかと思ったそれは、裸で上半身のみ、右腕左腕が三本ずつあった。
それらで器用に綱と有刺鉄線を掴んでい〜っと口を開けたまま、巣を渡る蜘蛛のようにこちらへ向かってきていた。
とてつもない恐怖
「うわぁぁぁぁ!!」
Aがとっさに上から飛び降り、オレとBに倒れこんできた。
それではっとしたオレ達はすぐにAを起こし、一気に入り口へ走った。
後ろは見れない。前だけを見据え、ひたすら必死で走った。
全力で走れば三十分もかからないだろうに、何時間も走ったような気分だった。
入り口が見えてくると、何やら人影も見えた。
おい、まさか…三人とも急停止し、息を呑んで人影を確認した。
誰だかわからないが何人かが集まってる。あいつじゃない。
そう確認できた途端に再び走りだし、その人達の中に飛び込んだ。
「おい!出てきたぞ!」
「まさか…本当にあの柵の先に行ってたのか!?」
「おーい!急いで奥さんに知らせろ!」
集まっていた人達はざわざわとした様子で、オレ達に駆け寄ってきた。
何て話しかけられたか、すぐにはわからないぐらい、三人とも頭が真っ白で放心状態だった。
そのままオレ達は車に乗せられ、すでに三時をまわっていたにも関わらず、行事の時とかに使われる集会所に連れてかれた。
中に入ると、うちは母親と姉貴が、Aは親父、Bはお母さんが来ていた。
Bのお母さんはともかく、ろくに会話した事すらなかったうちの母親まで泣いてて、Aもこの時の親父の表情は普段見た事ないようなもんだったらしい。
B母「みんな無事だったんだね…!よかった…!」
Bのお母さんとは違い、オレは母親に殴られAも親父に殴られた。だが、今まで聞いた事ない暖かい言葉をかけられた。
しばらくそれぞれが家族と接したところで、Bのお母さんが話した。
B母「ごめんなさい。今回の事はうちの主人、ひいては私の責任です。本当に申し訳ありませんでした…!本当に…」
と何度も頭を下げた。
よその家とはいえ、子供の前で親がそんな姿をさらしているのは、やっぱり嫌な気分だった。
A父「もういいだろう奥さん。こうしてみんな無事だったんだから。」
オレ母「そうよ。あなたのせいじゃない。」
この後ほとんど親同士で話が進められ、オレ達はぽかんとしてた。
時間が遅かったのもあって、無事を確認しあって終わり…って感じだった。
この時は何の説明もないまま解散したわ。
(つづく)
(中編2はこちら)
PR
かんかんだら(前編)
2010.11.01 (Mon) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
小中学の頃は田舎もんで世間知らずで、特に仲の良かったA、Bと三人で毎日バカやって荒れた生活してたんだわ。
オレとAは家族にもまるっきり見放されてたんだが、Bはお母さんだけは必ず構ってくれてた。
あくまで厳しい態度でだけど、何だかんだ言ってBのためにいろいろと動いてくれてた。
そのB母子が中三のある時、かなりキツい喧嘩になった。
内容は言わなかったが、精神的にお母さんを痛め付けたらしい。
お母さんをズタボロに傷つけてたら、親父が帰ってきた。
一目で状況を察した親父はBを無視して黙ったまんまお母さんに近づいていった。
服とか髪とかボロボロなうえに、死んだ魚みたいな目で床を茫然と見つめてるお母さんを見て、親父はBに話した。
B父「お前、ここまで人を踏み躙れるような人間になっちまったんだな。母さんがどれだけお前を想ってるか、なんでわからないんだ。」
親父はBを見ず、お母さんを抱き締めながら話してたそうだ。
B「うるせえよ。てめえは殺してやろうか?あ?」
Bは全く話を聞く気がなかった。
だが親父は何ら反応する様子もなく、淡々と話を続けたらしい。
B父「お前、自分には怖いものなんか何もないと、そう思ってるのか。」
B「ねえな。あるなら見せてもらいてえもんだぜ。」
親父は少し黙った後、話した。
B父「お前はオレの息子だ。母さんがお前をどれだけ心配してるかもよくわかってる。だがな、お前が母さんに対してこうやって踏み躙る事しか出来ないなら、オレにも考えがある。これは父としてでなく、一人の人間、他人として話す。先にはっきり言っておくがオレがこれを話すのは、お前が死んでも構わんと覚悟した証拠だ。それでいいなら聞け。」
その言葉に何か凄まじい気迫みたいなものを感じたらしいが、いいから話してみろ!と煽った。
B父「森の中で立入禁止になってる場所知ってるよな。あそこに入って奥へ進んでみろ。後は行けばわかる。そこで今みたいに暴れてみろよ。出来るもんならな。」
親父が言う森ってのは、オレ達が住んでるとこに小規模の山があって、そのふもとにある場所。
樹海みたいなもんかな。山自体は普通に入れるし、森全体も普通なんだが、中に入ってくと途中で立入禁止になってる区域がある。
言ってみれば四角の中に小さい円を書いてその円の中は入るな、ってのと同じできわめて部分的。
二メートル近い高さの柵で囲まれ、柵には太い綱と有刺鉄線、柵全体にはが連なった白い紙がからまってて(独自の紙垂みたいな)、大小いろんな鈴が無数についてる。
変に部分的なせいで柵自体の並びも歪だし、とにかく尋常じゃないの一言に尽きる。
あと、特定の日に巫女さんが入り口に数人集まってるのを見かけるんだが、その日は付近一帯が立入禁止になるため何してんのかは謎だった。
いろんな噂が飛び交ってたが、カルト教団の洗脳施設がある…ってのが一番広まってた噂。そもそもその地点まで行くのが面倒だから、その奥まで行ったって話はほとんどなかったな。
親父はBの返事を待たずにお母さんを連れて2階に上がってった。
Bはそのまま家を出て、待ち合わせてたオレとAと合流。そこでオレ達も話を聞いた。
A「父親がそこまで言うなんて相当だな。」
オレ「噂じゃカルト教団のアジトだっけ。捕まって洗脳されちまえって事かね。怖いっちゃ怖いが…どうすんだ?行くのか?」
B「行くに決まってんだろ。どうせ親父のハッタリだ。」
面白半分でオレとAもついていき、三人でそこへ向かう事になった。
あれこれ道具を用意して、時間は夜中の一時過ぎぐらいだったかな。
意気揚揚と現場に到着し、持ってきた懐中電灯で前を照らしながら森へ入っていった。
軽装でも進んで行けるような道だし、オレ達はいつも地下足袋だったんで歩きやすかったが、問題の地点へは四十分近くは歩かないといけない。
ところが、入って五分もしないうちにおかしな事になった。
オレ達が入って歩きだしたのとほぼ同じタイミングで、何か音が遠くから聞こえ始めた。
夜の静けさがやたらとその音を強調させる。最初に気付いたのはBだった。
B「おい、何か聞こえねぇか?」
Bの言葉で耳をすませてみると、確かに聞こえた。
落ち葉を引きずるカサカサ…という音と、枝がパキッ…パキッ…と折れる音。
それが遠くの方から微かに聞こえてきている。
遠くから微かに…というせいもあって、さほど恐怖は感じなかった。
人って考える前に動物ぐらいいるだろ、そんな思いもあり構わず進んでいった。
動物だと考えてから気にしなくなったが、そのまま二十分ぐらい進んできたところでまたBが何か気付き、オレとAの足を止めた。
B「A、お前だけちょっと歩いてみてくれ。」
A「?…何でだよ。」
B「いいから早く」
Aが不思議そうに一人で前へ歩いていき、またこっちへ戻ってくる。
それを見て、Bは考え込むような表情になった。
A「おい、何なんだよ?」
オレ「説明しろ!」
オレ達がそう言うと
Bは
「静かにしてよ〜く聞いててみ」
と、Aにさせたように一人で前へ歩いていき、またこっちに戻ってきた。
二、三度繰り返してようやくオレ達も気付いた。
遠くから微かに聞こえてきている音は、オレ達の動きに合わせていた。
オレ達が歩きだせばその音も歩きだし、オレ達が立ち止まると音も止まる。
まるでこっちの様子がわかっているようだった。
何かひんやりした空気を感じずにはいられなかった。
周囲にオレ達が持つ以外の光はない。月は出てるが、木々に遮られほとんど意味はなかった。
懐中電灯つけてんだから、こっちの位置がわかるのは不思議じゃない…だが一緒に歩いてるオレ達でさえ、互いの姿を確認するのに目を凝らさなきゃいけない暗さだ。
そんな暗闇で光もなしに何してる?
なぜオレ達と同じように動いてんだ?
B「ふざけんなよ。誰かオレ達を尾けてやがんのか?」
A「近づかれてる気配はないよな。向こうはさっきからずっと同じぐらいの位置だし。」
Aが言うように森に入ってからここまでの二十分ほど、オレ達とその音との距離は一向に変わってなかった。
近づいてくるわけでも遠ざかるわけでもない。
終始、同じ距離を保ったままだった。
オレ「監視されてんのかな?」
A「そんな感じだよな…カルト教団とかなら何か変な装置とか持ってそうだしよ。」
音から察すると、複数ではなく一人がずっとオレ達にくっついてるような感じだった。
しばらく足を止めて考え、下手に正体を探ろうとするのは危険と判断し、一応あたりを警戒しつつそのまま先へ進む事にした。
(白さんからの投稿です。ありがとうございました。)
(長文のため一旦区切ります)
(中編1はこちら)
オレとAは家族にもまるっきり見放されてたんだが、Bはお母さんだけは必ず構ってくれてた。
あくまで厳しい態度でだけど、何だかんだ言ってBのためにいろいろと動いてくれてた。
そのB母子が中三のある時、かなりキツい喧嘩になった。
内容は言わなかったが、精神的にお母さんを痛め付けたらしい。
お母さんをズタボロに傷つけてたら、親父が帰ってきた。
一目で状況を察した親父はBを無視して黙ったまんまお母さんに近づいていった。
服とか髪とかボロボロなうえに、死んだ魚みたいな目で床を茫然と見つめてるお母さんを見て、親父はBに話した。
B父「お前、ここまで人を踏み躙れるような人間になっちまったんだな。母さんがどれだけお前を想ってるか、なんでわからないんだ。」
親父はBを見ず、お母さんを抱き締めながら話してたそうだ。
B「うるせえよ。てめえは殺してやろうか?あ?」
Bは全く話を聞く気がなかった。
だが親父は何ら反応する様子もなく、淡々と話を続けたらしい。
B父「お前、自分には怖いものなんか何もないと、そう思ってるのか。」
B「ねえな。あるなら見せてもらいてえもんだぜ。」
親父は少し黙った後、話した。
B父「お前はオレの息子だ。母さんがお前をどれだけ心配してるかもよくわかってる。だがな、お前が母さんに対してこうやって踏み躙る事しか出来ないなら、オレにも考えがある。これは父としてでなく、一人の人間、他人として話す。先にはっきり言っておくがオレがこれを話すのは、お前が死んでも構わんと覚悟した証拠だ。それでいいなら聞け。」
その言葉に何か凄まじい気迫みたいなものを感じたらしいが、いいから話してみろ!と煽った。
B父「森の中で立入禁止になってる場所知ってるよな。あそこに入って奥へ進んでみろ。後は行けばわかる。そこで今みたいに暴れてみろよ。出来るもんならな。」
親父が言う森ってのは、オレ達が住んでるとこに小規模の山があって、そのふもとにある場所。
樹海みたいなもんかな。山自体は普通に入れるし、森全体も普通なんだが、中に入ってくと途中で立入禁止になってる区域がある。
言ってみれば四角の中に小さい円を書いてその円の中は入るな、ってのと同じできわめて部分的。
二メートル近い高さの柵で囲まれ、柵には太い綱と有刺鉄線、柵全体にはが連なった白い紙がからまってて(独自の紙垂みたいな)、大小いろんな鈴が無数についてる。
変に部分的なせいで柵自体の並びも歪だし、とにかく尋常じゃないの一言に尽きる。
あと、特定の日に巫女さんが入り口に数人集まってるのを見かけるんだが、その日は付近一帯が立入禁止になるため何してんのかは謎だった。
いろんな噂が飛び交ってたが、カルト教団の洗脳施設がある…ってのが一番広まってた噂。そもそもその地点まで行くのが面倒だから、その奥まで行ったって話はほとんどなかったな。
親父はBの返事を待たずにお母さんを連れて2階に上がってった。
Bはそのまま家を出て、待ち合わせてたオレとAと合流。そこでオレ達も話を聞いた。
A「父親がそこまで言うなんて相当だな。」
オレ「噂じゃカルト教団のアジトだっけ。捕まって洗脳されちまえって事かね。怖いっちゃ怖いが…どうすんだ?行くのか?」
B「行くに決まってんだろ。どうせ親父のハッタリだ。」
面白半分でオレとAもついていき、三人でそこへ向かう事になった。
あれこれ道具を用意して、時間は夜中の一時過ぎぐらいだったかな。
意気揚揚と現場に到着し、持ってきた懐中電灯で前を照らしながら森へ入っていった。
軽装でも進んで行けるような道だし、オレ達はいつも地下足袋だったんで歩きやすかったが、問題の地点へは四十分近くは歩かないといけない。
ところが、入って五分もしないうちにおかしな事になった。
オレ達が入って歩きだしたのとほぼ同じタイミングで、何か音が遠くから聞こえ始めた。
夜の静けさがやたらとその音を強調させる。最初に気付いたのはBだった。
B「おい、何か聞こえねぇか?」
Bの言葉で耳をすませてみると、確かに聞こえた。
落ち葉を引きずるカサカサ…という音と、枝がパキッ…パキッ…と折れる音。
それが遠くの方から微かに聞こえてきている。
遠くから微かに…というせいもあって、さほど恐怖は感じなかった。
人って考える前に動物ぐらいいるだろ、そんな思いもあり構わず進んでいった。
動物だと考えてから気にしなくなったが、そのまま二十分ぐらい進んできたところでまたBが何か気付き、オレとAの足を止めた。
B「A、お前だけちょっと歩いてみてくれ。」
A「?…何でだよ。」
B「いいから早く」
Aが不思議そうに一人で前へ歩いていき、またこっちへ戻ってくる。
それを見て、Bは考え込むような表情になった。
A「おい、何なんだよ?」
オレ「説明しろ!」
オレ達がそう言うと
Bは
「静かにしてよ〜く聞いててみ」
と、Aにさせたように一人で前へ歩いていき、またこっちに戻ってきた。
二、三度繰り返してようやくオレ達も気付いた。
遠くから微かに聞こえてきている音は、オレ達の動きに合わせていた。
オレ達が歩きだせばその音も歩きだし、オレ達が立ち止まると音も止まる。
まるでこっちの様子がわかっているようだった。
何かひんやりした空気を感じずにはいられなかった。
周囲にオレ達が持つ以外の光はない。月は出てるが、木々に遮られほとんど意味はなかった。
懐中電灯つけてんだから、こっちの位置がわかるのは不思議じゃない…だが一緒に歩いてるオレ達でさえ、互いの姿を確認するのに目を凝らさなきゃいけない暗さだ。
そんな暗闇で光もなしに何してる?
なぜオレ達と同じように動いてんだ?
B「ふざけんなよ。誰かオレ達を尾けてやがんのか?」
A「近づかれてる気配はないよな。向こうはさっきからずっと同じぐらいの位置だし。」
Aが言うように森に入ってからここまでの二十分ほど、オレ達とその音との距離は一向に変わってなかった。
近づいてくるわけでも遠ざかるわけでもない。
終始、同じ距離を保ったままだった。
オレ「監視されてんのかな?」
A「そんな感じだよな…カルト教団とかなら何か変な装置とか持ってそうだしよ。」
音から察すると、複数ではなく一人がずっとオレ達にくっついてるような感じだった。
しばらく足を止めて考え、下手に正体を探ろうとするのは危険と判断し、一応あたりを警戒しつつそのまま先へ進む事にした。
(白さんからの投稿です。ありがとうございました。)
(長文のため一旦区切ります)
(中編1はこちら)
マウスの飼育
2010.10.30 (Sat) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
921 名前:俺はしらん 投稿日:03/07/30 23:02
某研究所の実験動物棟で働いていたときの話です。
仕事内容は動物の世話/実験室の掃除/滅菌処理/実験補助等。
自分がいた実験動物棟はクリーン動物(マウス)を飼育している棟で、入室には無塵衣という、塵の付きにくい全身を覆うタイプの衣に着替えます。
むき出しの部分は顔と手、足だけの服です。
滅菌マスクをし、手は消毒後、医療用手袋をつけます。足は滅菌済みの靴下をはきます。
この状態だと声、体型、目、眼鏡くらいでしか、人を判断できません。
その日、私は休日出勤に当たっており、チャチャッと終わらせて帰ろうと思い、急いで、クリーンエリアへと向かいました。
扉の前には私たち実験補助要員のネームプレートと研究員のネームプレートが掛かっており、私は自分の名前の書かれたプレートをひっくり返し、他に人がいないことを確認しました。
動物を扱うため、休日はローテーションで一人出勤があたりまえです。
また、研究員たちも、まず出勤する人はほとんどいません。
早々と無塵衣に着替え、エアシャワーを浴び、中に入りました。
クリーンエリアといっても色々で、通常、導線は
脱衣所→エアシャワー→廊下→各部屋(動物室/実験室)→廊下→脱衣所
まあ、簡単に書くとこんな感じです。
気圧調整もされています。
淡々と作業をこなしていき、作業も半ばに来たときでした。
「ゴゥーーー」というエアシャワーの音がしました。
私は
「あ、誰か入ってきたな」
と思い作業を続けたのですが、しばらくして、おかししい事に気がつきました。
いくらたっても部屋に入る扉の音がしないのです。
普通、気圧調整された部屋に入るときは、扉の上にあるダンパー(空気を逃がす装置)が「カパーン!」と音がするし、扉自体の音が「ガチャン!」と音がします。
一番遠くの部屋にいても聞こえる音です。
不思議に思い、各部屋を点検に行きました。
扉には小窓(のぞき窓)がついており、小窓には蓋がついています。
一部屋ずつ小窓を覗いていきます。
蓋を「カパッ」とあけ小窓を覗き、「パタン」と締め次の部屋へと。
全ての部屋を覗きましたが誰もいません。
釈然としませんでしたが、作業中の部屋に戻りました。
作業はマウスの戸敷を新しいものに変えるという作業です。
部屋にはケージと呼ばれるマウスを飼育するケースが、ラックに並べられています。
ラックは一部屋に6個設置されており、1ラックは4段の作りになっています。
1段に5ケース。1ケースには1~5匹のマウス達が飼育されています。
かなりの数のマウスがガサガサゴソゴソ、「チチチッ」(泣き声)など絶えず音がしています。
と、そのとき一瞬マウス達のザワザワが止み、「パタン」という音が部屋に響きました。
扉についている小窓の蓋を閉める音です。
「!!」
「なんだ?!」
「誰か覗いていたのか?」
急いで扉を開け廊下を確認したのですが、一歩道の廊下には誰もいません。
廊下には飼育室/実験室へと繋がる扉が均等に並んでいるだけです。
ドアの開閉の音も聞こえませんし、
「なんかやばいぞ!」
と思い、とにかく急いで仕事を終わらせました。
クリーンエリアを出てネームプレートの確認をしましたが、"入室中"は自分のみ。
靴も確認しましたが、自分の靴しかありません。
おかしい。確かに音がしたのに。
エリア外から中の廊下を覗ける場所があり、見に行きました。
「あれ・・誰かいる・・」
一本の廊下の左右に扉が並んでいる。
その廊下の真ん中あたりに人がいます。
廊下の突き当たりは壁。反対の突き当たりは、今除いている壁+窓。
「あれは誰だ?」
無塵衣を着た人が、這っているのが見えました。
四つんばいで、身を小さくして、ちょっと進んでは止まり、またちょっと進んでは止まりという感じです。
じっと見ていると、ソレの動きは止まりました。
そしてこっちを振り返りました。
私は反射的にお辞儀をしていました。(エリア内では普通の挨拶の仕方です)
そして誰かを確かめようと顔を見ました。
無塵衣の空いている部分(顔の部分)、マスクのせいで目だけしか見えませんが、その目がおかしい。目に何か生えている。
距離にして約30mくらい。遠くてよく見えない。
よく見ようと身を乗り出した時。
ソレが凄いスピードでこっちに向かって這いずってきました。
四つんばいなのに滅茶苦茶はやい。
「うわっ!」
思わず声がでてしまった。
2~3mまで迫ったとき、目に生えているものがわかりました。
それは注射針でした。向かって左の眼球に注射針が刺さっていました。
反対の目は、目元が糜爛(ビラン)しているようで爛(タダ)れていました。
その瞬間、ピョンとソレがジャンプして私に飛びつこうとしました。
私は目をつぶってしまい、恐る恐る目を開けたのですが、壁(ガラス)にあたっているだろうソレは消えていました。音もしませんでした。
ホットしたそのとき、女性の大きな声が!
「許さない!許さない!お前ら覚悟しておけ!*○×▼△!(聞き取り不可能)」
逃げた。
私は転げるように逃げ帰りました。
職場の人にはこの話をしませんでした。
その後転職してしまったので、どうなったかはわかりません。
あれは何だったのか・・
ただ、目元の糜爛って、マウスがよくなる症状なのです。
長文失礼しました。
某研究所の実験動物棟で働いていたときの話です。
仕事内容は動物の世話/実験室の掃除/滅菌処理/実験補助等。
自分がいた実験動物棟はクリーン動物(マウス)を飼育している棟で、入室には無塵衣という、塵の付きにくい全身を覆うタイプの衣に着替えます。
むき出しの部分は顔と手、足だけの服です。
滅菌マスクをし、手は消毒後、医療用手袋をつけます。足は滅菌済みの靴下をはきます。
この状態だと声、体型、目、眼鏡くらいでしか、人を判断できません。
その日、私は休日出勤に当たっており、チャチャッと終わらせて帰ろうと思い、急いで、クリーンエリアへと向かいました。
扉の前には私たち実験補助要員のネームプレートと研究員のネームプレートが掛かっており、私は自分の名前の書かれたプレートをひっくり返し、他に人がいないことを確認しました。
動物を扱うため、休日はローテーションで一人出勤があたりまえです。
また、研究員たちも、まず出勤する人はほとんどいません。
早々と無塵衣に着替え、エアシャワーを浴び、中に入りました。
クリーンエリアといっても色々で、通常、導線は
脱衣所→エアシャワー→廊下→各部屋(動物室/実験室)→廊下→脱衣所
まあ、簡単に書くとこんな感じです。
気圧調整もされています。
淡々と作業をこなしていき、作業も半ばに来たときでした。
「ゴゥーーー」というエアシャワーの音がしました。
私は
「あ、誰か入ってきたな」
と思い作業を続けたのですが、しばらくして、おかししい事に気がつきました。
いくらたっても部屋に入る扉の音がしないのです。
普通、気圧調整された部屋に入るときは、扉の上にあるダンパー(空気を逃がす装置)が「カパーン!」と音がするし、扉自体の音が「ガチャン!」と音がします。
一番遠くの部屋にいても聞こえる音です。
不思議に思い、各部屋を点検に行きました。
扉には小窓(のぞき窓)がついており、小窓には蓋がついています。
一部屋ずつ小窓を覗いていきます。
蓋を「カパッ」とあけ小窓を覗き、「パタン」と締め次の部屋へと。
全ての部屋を覗きましたが誰もいません。
釈然としませんでしたが、作業中の部屋に戻りました。
作業はマウスの戸敷を新しいものに変えるという作業です。
部屋にはケージと呼ばれるマウスを飼育するケースが、ラックに並べられています。
ラックは一部屋に6個設置されており、1ラックは4段の作りになっています。
1段に5ケース。1ケースには1~5匹のマウス達が飼育されています。
かなりの数のマウスがガサガサゴソゴソ、「チチチッ」(泣き声)など絶えず音がしています。
と、そのとき一瞬マウス達のザワザワが止み、「パタン」という音が部屋に響きました。
扉についている小窓の蓋を閉める音です。
「!!」
「なんだ?!」
「誰か覗いていたのか?」
急いで扉を開け廊下を確認したのですが、一歩道の廊下には誰もいません。
廊下には飼育室/実験室へと繋がる扉が均等に並んでいるだけです。
ドアの開閉の音も聞こえませんし、
「なんかやばいぞ!」
と思い、とにかく急いで仕事を終わらせました。
クリーンエリアを出てネームプレートの確認をしましたが、"入室中"は自分のみ。
靴も確認しましたが、自分の靴しかありません。
おかしい。確かに音がしたのに。
エリア外から中の廊下を覗ける場所があり、見に行きました。
「あれ・・誰かいる・・」
一本の廊下の左右に扉が並んでいる。
その廊下の真ん中あたりに人がいます。
廊下の突き当たりは壁。反対の突き当たりは、今除いている壁+窓。
「あれは誰だ?」
無塵衣を着た人が、這っているのが見えました。
四つんばいで、身を小さくして、ちょっと進んでは止まり、またちょっと進んでは止まりという感じです。
じっと見ていると、ソレの動きは止まりました。
そしてこっちを振り返りました。
私は反射的にお辞儀をしていました。(エリア内では普通の挨拶の仕方です)
そして誰かを確かめようと顔を見ました。
無塵衣の空いている部分(顔の部分)、マスクのせいで目だけしか見えませんが、その目がおかしい。目に何か生えている。
距離にして約30mくらい。遠くてよく見えない。
よく見ようと身を乗り出した時。
ソレが凄いスピードでこっちに向かって這いずってきました。
四つんばいなのに滅茶苦茶はやい。
「うわっ!」
思わず声がでてしまった。
2~3mまで迫ったとき、目に生えているものがわかりました。
それは注射針でした。向かって左の眼球に注射針が刺さっていました。
反対の目は、目元が糜爛(ビラン)しているようで爛(タダ)れていました。
その瞬間、ピョンとソレがジャンプして私に飛びつこうとしました。
私は目をつぶってしまい、恐る恐る目を開けたのですが、壁(ガラス)にあたっているだろうソレは消えていました。音もしませんでした。
ホットしたそのとき、女性の大きな声が!
「許さない!許さない!お前ら覚悟しておけ!*○×▼△!(聞き取り不可能)」
逃げた。
私は転げるように逃げ帰りました。
職場の人にはこの話をしませんでした。
その後転職してしまったので、どうなったかはわかりません。
あれは何だったのか・・
ただ、目元の糜爛って、マウスがよくなる症状なのです。
長文失礼しました。
ロクサン様
2010.10.29 (Fri) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
38 :可愛い奥様 :2010/10/17(日) 23:17:28 ID:0A7wWSGO0
大正生まれの私のバアちゃん、もう亡くなったけど、手の節々が痛いと言って、
「ロクサンサマが祟っているから、お願いして鎮めてもらう」
と、仏壇からロウソク立てを持ってきて、ガス炊飯器のところでロウソクを灯していた。
本来はご飯を炊く竈(カマド)のところに置くらしい。
「ロクサンサマはがめつい神様だから、祟っていると火がついている間、全部吸い取ってロウが垂れてこない」
と説明してくれた。鎮めるために最後まで灯しておくらしい。
ホントに全くロウは垂れていなかった。
効き目は???だったようだけど
(※白さんからの投稿です。ありがとうございました)
大正生まれの私のバアちゃん、もう亡くなったけど、手の節々が痛いと言って、
「ロクサンサマが祟っているから、お願いして鎮めてもらう」
と、仏壇からロウソク立てを持ってきて、ガス炊飯器のところでロウソクを灯していた。
本来はご飯を炊く竈(カマド)のところに置くらしい。
「ロクサンサマはがめつい神様だから、祟っていると火がついている間、全部吸い取ってロウが垂れてこない」
と説明してくれた。鎮めるために最後まで灯しておくらしい。
ホントに全くロウは垂れていなかった。
効き目は???だったようだけど
(※白さんからの投稿です。ありがとうございました)
死んじゃえよ
2010.10.28 (Thu) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
625 :自治スレでローカルルール他を議論中 :2010/10/22(金) 12:44:50 ID:jkro+OW90
さっきの話。
俺は家でネットをしてた。
親兄弟も一緒に住んでるけど、昼間はみんな出かけるのでこのとき家には俺一人。
俺ん家は静かな住宅街の中の普通の一軒屋。
その二階の隅の自分の部屋でPCに向かっていた。
で、イヤホンを付けてた。動画サイトを見たり音楽を聴いたりするので、イヤホンは常に付けてる。
で、さっきのこと。
イヤホンの右耳側から、動画の音に混じって別の声が聞こえた。
「お前もう死んじゃえよ」
びっくりした。
動画の音ではなかったみたい。
怖かった。幻聴かと思いつつも、座ったまま背後を確認してドアをのほうを確認して上を確認した。
上を向いたとたん、天井から?針みたいなのが落ちてきて目に当たった。
痛え!ってなった。
よく見たら、くすんだ緑色の鉛筆の、先を物凄く尖らせたやつだった。
鏡で確認した限り目は重傷ではなさそうだが、
こわい…
(※白さんからの投稿です。ありがとうございました)
さっきの話。
俺は家でネットをしてた。
親兄弟も一緒に住んでるけど、昼間はみんな出かけるのでこのとき家には俺一人。
俺ん家は静かな住宅街の中の普通の一軒屋。
その二階の隅の自分の部屋でPCに向かっていた。
で、イヤホンを付けてた。動画サイトを見たり音楽を聴いたりするので、イヤホンは常に付けてる。
で、さっきのこと。
イヤホンの右耳側から、動画の音に混じって別の声が聞こえた。
「お前もう死んじゃえよ」
びっくりした。
動画の音ではなかったみたい。
怖かった。幻聴かと思いつつも、座ったまま背後を確認してドアをのほうを確認して上を確認した。
上を向いたとたん、天井から?針みたいなのが落ちてきて目に当たった。
痛え!ってなった。
よく見たら、くすんだ緑色の鉛筆の、先を物凄く尖らせたやつだった。
鏡で確認した限り目は重傷ではなさそうだが、
こわい…
(※白さんからの投稿です。ありがとうございました)
カレンダー
スポンサードリンク
ブログ内検索
カテゴリー
最新記事
(05/08)
(05/08)
(05/08)
アーカイブ
過去50ヶ月分を表示しています
アクセス解析
