都市伝説・・・奇憚・・・blog
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北大のトイレ
2011.04.24 (Sun) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
285 名前:279 投稿日:03/10/21 15:19
37 名前: なまら名無し 投稿日: 2003/08/14(木) 19:56:35
>18, 24
北大旧教養部の南の部分はどうも怖い
20年以上前、卒論を教養部の研究室でやった。
提出期限がせまると夜遅くまで残っていた。夜中にもう帰ろうとおもって、そのトイレに入った。
もちろん明かりつけて。
我慢していた小の方をたして、手を洗って明かりを消してかえろ、と思ったとき。
入ったときまったく気がつかなかったんだが、一つの個室のドアが閉まっていた。
そのドアの下の隙間から、けっこう長い黒い髪の毛の束が外に出ていた。
その髪は湿っていて床にはりついていたが、ゆっくりと個室の中にずるずるとひっこんでいるようにみえた(この点は記憶あいまい:見て動揺したので)。
トイレに入ったときには明かりは消えていたはず、そんな髪の毛もなかったはず、明かりを消して(たぶん、あまり記憶なし)、あわててトイレを飛び出して足をもつらせながらその前の階段を駆け下りて、建物をでた。
冬だったので寒かったけど、じっとりと汗をかいて下宿に戻ったときは気分がわるかった。
夜遅くにあのトイレにはいくなよ。
37 名前: なまら名無し 投稿日: 2003/08/14(木) 19:56:35
>18, 24
北大旧教養部の南の部分はどうも怖い
20年以上前、卒論を教養部の研究室でやった。
提出期限がせまると夜遅くまで残っていた。夜中にもう帰ろうとおもって、そのトイレに入った。
もちろん明かりつけて。
我慢していた小の方をたして、手を洗って明かりを消してかえろ、と思ったとき。
入ったときまったく気がつかなかったんだが、一つの個室のドアが閉まっていた。
そのドアの下の隙間から、けっこう長い黒い髪の毛の束が外に出ていた。
その髪は湿っていて床にはりついていたが、ゆっくりと個室の中にずるずるとひっこんでいるようにみえた(この点は記憶あいまい:見て動揺したので)。
トイレに入ったときには明かりは消えていたはず、そんな髪の毛もなかったはず、明かりを消して(たぶん、あまり記憶なし)、あわててトイレを飛び出して足をもつらせながらその前の階段を駆け下りて、建物をでた。
冬だったので寒かったけど、じっとりと汗をかいて下宿に戻ったときは気分がわるかった。
夜遅くにあのトイレにはいくなよ。
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中庭
2011.04.22 (Fri) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
162 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/10/18 20:49
少々長いですが…
以前、「標本室」という話を投稿させていただいた者です。
今回も、私が所属するある地方大学の医学部にまつわる不思議な話をさせていただきます。
私どもの医学部キャンパスには、その長い歴史を物語るように、新旧様々な建物が混在しています。
敷地内にある大学病院も三度目の移転新築工事が行われており、それまでの建物はそれぞれ他の目的に使用されています。
旧病院の中で最も古い建物は、現在基礎医学研究棟として使用されているのですが、ここが、この話の舞台です。
基礎研究棟は明治期に建築された、キャンパスの中でも最も古い部類に属しています。
当時の建築様式を踏襲し、古風な噴水跡のある中庭を囲んで、上から見ると「口」の字になっている、五階建ての建築物。
当時を偲ばせるなかなか風格のある建物ですが、手入れもされず雑草が伸び放題になっている中庭、ところどころ剥げているリノリウムの床、光の届きにくい廊下と、うら寂しい雰囲気も漂っています…
その建物の研究室に籍を置く講師のある先生は、その日も夜遅くまでご自身の研究に精を出しておられました。もう夜もふけ、周りの研究室の電気も消えていましたが、先生はちょうど定期的に数字を取らなければならない実験をなさっており、その時期は休日も返上で臨んでおられました。
やっと今日の分の数字も取り終わり、やれやれ帰ろうと研究室の電気を消し、月明かりに照らされるのみの暗い廊下を、コツコツと階段に向かわれました。
その夜は実に月明かりが美しく、先生はふと、窓辺から月でも眺めてみようかと思いつかれたそうです。廊下の中庭側の窓辺にふらりと近づき、窓を開け、上を眺める…
澄んだ月明かりは冷たく、連日の勤務に疲れていた先生も、我を忘れて射さす光に魅入られてしまったそうです。
ふと、建物の反対側の窓辺に目を移すと、そこにも自分と同じ白衣姿を認めました。
先生は、まだ残っている人が自分と同じように月明かりに誘われて…と思い、愛想に手でも振ろうかと思い、手を上げかけたとき…先生は眼前に広がるたくさんの窓辺に、同じような白衣姿がポツリ、ポツリと見えることに気がつかれました。
こんな時間に研究員たちが大勢残っていることも不思議ですが、さらにおかしなことに、誰も月明かりなどには目もくれず、一様に「下」を眺めているのです。
つまり…「中庭」を。
先生の背中に急に冷たい汗が流れました。「中庭」は雑草が生い茂り、見るべきものなどはなにもない…いや、彼らは見ている…いやちがう…
見たくもないのに視線が中庭に降りていく。
月光に青白く照らされる中庭。真ん中には朽ちかけた石造りの噴水。生い茂る雑草。
誰もいない。何もない。何も、「見えない」。
しかし「彼ら」は見ている。いや「看ている」?誰を?誰もいない中庭。
見えない、いや、見える。「中庭」にいる、たくさんの、人。あの人たちは…
寝巻き姿、浴衣姿、咳き込む少年、車椅子の老女、うつむく青年、佇む看護婦…
それを見下ろす、白衣姿の、あれは、医師たち?
見えないのに?見える、看られている、もう二度と、家には帰れない、あの人たち。
それを見下ろす、白衣姿の、満足げな、笑み。
「あの人たちは帰れないのだ。帰りたくても、「彼ら」がそれを許さない…」
この話をなさった時の先生は、とても悲しそうなお顔をなさっていました。
医学部ではさまざまな不思議な話が語り継がれています。
機会があればまた、お話させていただきたいと思います。
少々長いですが…
以前、「標本室」という話を投稿させていただいた者です。
今回も、私が所属するある地方大学の医学部にまつわる不思議な話をさせていただきます。
私どもの医学部キャンパスには、その長い歴史を物語るように、新旧様々な建物が混在しています。
敷地内にある大学病院も三度目の移転新築工事が行われており、それまでの建物はそれぞれ他の目的に使用されています。
旧病院の中で最も古い建物は、現在基礎医学研究棟として使用されているのですが、ここが、この話の舞台です。
基礎研究棟は明治期に建築された、キャンパスの中でも最も古い部類に属しています。
当時の建築様式を踏襲し、古風な噴水跡のある中庭を囲んで、上から見ると「口」の字になっている、五階建ての建築物。
当時を偲ばせるなかなか風格のある建物ですが、手入れもされず雑草が伸び放題になっている中庭、ところどころ剥げているリノリウムの床、光の届きにくい廊下と、うら寂しい雰囲気も漂っています…
その建物の研究室に籍を置く講師のある先生は、その日も夜遅くまでご自身の研究に精を出しておられました。もう夜もふけ、周りの研究室の電気も消えていましたが、先生はちょうど定期的に数字を取らなければならない実験をなさっており、その時期は休日も返上で臨んでおられました。
やっと今日の分の数字も取り終わり、やれやれ帰ろうと研究室の電気を消し、月明かりに照らされるのみの暗い廊下を、コツコツと階段に向かわれました。
その夜は実に月明かりが美しく、先生はふと、窓辺から月でも眺めてみようかと思いつかれたそうです。廊下の中庭側の窓辺にふらりと近づき、窓を開け、上を眺める…
澄んだ月明かりは冷たく、連日の勤務に疲れていた先生も、我を忘れて射さす光に魅入られてしまったそうです。
ふと、建物の反対側の窓辺に目を移すと、そこにも自分と同じ白衣姿を認めました。
先生は、まだ残っている人が自分と同じように月明かりに誘われて…と思い、愛想に手でも振ろうかと思い、手を上げかけたとき…先生は眼前に広がるたくさんの窓辺に、同じような白衣姿がポツリ、ポツリと見えることに気がつかれました。
こんな時間に研究員たちが大勢残っていることも不思議ですが、さらにおかしなことに、誰も月明かりなどには目もくれず、一様に「下」を眺めているのです。
つまり…「中庭」を。
先生の背中に急に冷たい汗が流れました。「中庭」は雑草が生い茂り、見るべきものなどはなにもない…いや、彼らは見ている…いやちがう…
見たくもないのに視線が中庭に降りていく。
月光に青白く照らされる中庭。真ん中には朽ちかけた石造りの噴水。生い茂る雑草。
誰もいない。何もない。何も、「見えない」。
しかし「彼ら」は見ている。いや「看ている」?誰を?誰もいない中庭。
見えない、いや、見える。「中庭」にいる、たくさんの、人。あの人たちは…
寝巻き姿、浴衣姿、咳き込む少年、車椅子の老女、うつむく青年、佇む看護婦…
それを見下ろす、白衣姿の、あれは、医師たち?
見えないのに?見える、看られている、もう二度と、家には帰れない、あの人たち。
それを見下ろす、白衣姿の、満足げな、笑み。
「あの人たちは帰れないのだ。帰りたくても、「彼ら」がそれを許さない…」
この話をなさった時の先生は、とても悲しそうなお顔をなさっていました。
医学部ではさまざまな不思議な話が語り継がれています。
機会があればまた、お話させていただきたいと思います。
猟銃
2011.04.20 (Wed) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
434 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2011/03/31(木) 21:13:19.48 ID:Jp1OLhwu0
知り合いの話。
彼がまだ若い頃、猟のため山に籠もっていた時のこと。
夜、焚き火の側で猟銃の手入れをしていたという。
作業が終わり、小用を足そうと近くの繁みに足を向けた。
背後で物音がした。
振り向くと、手入れを終えたばかりの銃がない。
木立の奥に目をやると、細長い物を手にした人のような影が走り去っていく。
慌てて追い掛けたが、影はあっという間に暗い山の中に逃げ込んでしまった。
「一体アレは何だったんだ?」
全身が黒い毛で覆われていて、若干前屈み気味だったが、間違いなく二本の脚で走っていた。
体付きからして人ではない。
腕が長く、それに比べて脚は大層短かった。
しかし、猿にしては大き過ぎる。
パッと見、寸足らずなゴリラを連想したそうだ。
胸騒ぎがした。
焚き火の周りには、まだ片付けていない剥き出しの糧食があった。
なのにそれには目もくれず、アレは銃だけを掴み山へと逃げたのだ。
とても眠り込む気にはなれなかった。
火を絶やさないように気を付け、翌朝早々に山を下りることにする。
護身用の山刀を握りしめ、夜が明けるのを待った。
無事に朝を迎え、山を下っているその途中―。
どこかで乾いた破裂音がした。
間髪おかず、すぐ傍らの木の幹が爆ぜる。
「狙撃された!?」
理由はないが、昨晩盗られたあの銃で撃たれたと思った。
というか、それ以外考えられなかった。
頭を低くし、小走りでジグザグに木々の間を駆け下りる。
銃で狙ったことはあっても、狙われた経験などない。
獲物が狙いにくかった状況を頭の中に思い浮かべ、その時の獲物の真似をして必死で逃げた。
また破裂音が聞こえると、離れた繁みが揺れた。
幸い、狙撃手は腕が宜しくないようだ。
必死で逃げながらも、しっかりと発射の回数を数えていく。
弾倉内に装填した数だけ音が聞こえた後は、思わず安堵で足がもつれた。
もうこれ以上の弾は無いはずだ。
緊張の糸が切れ、その場にへたり込む。
息を弾ませていると突然、嫌な可能性を思い付いてしまった。
「・・・まさか他に弾をくすねていて、リロードしたりしないよな・・・そこまで知恵、持ってないよな・・・」
慌てて再び走り出そうとした時、何かが勢いよく横手に落ちてきた。
銃身が途中でひん曲げられた、彼の猟銃だった。
狙撃してきたモノが何かはわからないが、どうやら、換えの弾までは入手していなかったらしい。
それ以降、何かが彼を襲ってくることはなかった。
無事に下山できたものの、しばらくは山に入る気になれなかったそうだ。
(※白さんからの投稿です。ありがとうございました)
知り合いの話。
彼がまだ若い頃、猟のため山に籠もっていた時のこと。
夜、焚き火の側で猟銃の手入れをしていたという。
作業が終わり、小用を足そうと近くの繁みに足を向けた。
背後で物音がした。
振り向くと、手入れを終えたばかりの銃がない。
木立の奥に目をやると、細長い物を手にした人のような影が走り去っていく。
慌てて追い掛けたが、影はあっという間に暗い山の中に逃げ込んでしまった。
「一体アレは何だったんだ?」
全身が黒い毛で覆われていて、若干前屈み気味だったが、間違いなく二本の脚で走っていた。
体付きからして人ではない。
腕が長く、それに比べて脚は大層短かった。
しかし、猿にしては大き過ぎる。
パッと見、寸足らずなゴリラを連想したそうだ。
胸騒ぎがした。
焚き火の周りには、まだ片付けていない剥き出しの糧食があった。
なのにそれには目もくれず、アレは銃だけを掴み山へと逃げたのだ。
とても眠り込む気にはなれなかった。
火を絶やさないように気を付け、翌朝早々に山を下りることにする。
護身用の山刀を握りしめ、夜が明けるのを待った。
無事に朝を迎え、山を下っているその途中―。
どこかで乾いた破裂音がした。
間髪おかず、すぐ傍らの木の幹が爆ぜる。
「狙撃された!?」
理由はないが、昨晩盗られたあの銃で撃たれたと思った。
というか、それ以外考えられなかった。
頭を低くし、小走りでジグザグに木々の間を駆け下りる。
銃で狙ったことはあっても、狙われた経験などない。
獲物が狙いにくかった状況を頭の中に思い浮かべ、その時の獲物の真似をして必死で逃げた。
また破裂音が聞こえると、離れた繁みが揺れた。
幸い、狙撃手は腕が宜しくないようだ。
必死で逃げながらも、しっかりと発射の回数を数えていく。
弾倉内に装填した数だけ音が聞こえた後は、思わず安堵で足がもつれた。
もうこれ以上の弾は無いはずだ。
緊張の糸が切れ、その場にへたり込む。
息を弾ませていると突然、嫌な可能性を思い付いてしまった。
「・・・まさか他に弾をくすねていて、リロードしたりしないよな・・・そこまで知恵、持ってないよな・・・」
慌てて再び走り出そうとした時、何かが勢いよく横手に落ちてきた。
銃身が途中でひん曲げられた、彼の猟銃だった。
狙撃してきたモノが何かはわからないが、どうやら、換えの弾までは入手していなかったらしい。
それ以降、何かが彼を襲ってくることはなかった。
無事に下山できたものの、しばらくは山に入る気になれなかったそうだ。
(※白さんからの投稿です。ありがとうございました)
盗んだ金
2011.04.19 (Tue) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
160 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/10/18 19:35
男がいた。
生計を立てるため、ひったくりをしていた。
その手口は、夜中に自転車に乗りながら、ひったくりをし、ある程度逃げた後、鞄を川に投げ込んで、時期を見て鞄を引き上げ、濡れた金(札)は、家の壁に貼り付け乾かす、というものだった。
そんな事を何度も繰り返していた。
ある時、老人を襲った。いつものように、ひったくりをして逃げた。
後ろで自動車の急ブレーキの音が聞こえたが、なりふり構わず逃げ、鞄を川へ投げ込んだ。
翌日、男はテレビで老人が事故で死亡したニュースを見た。
同じ時間、同じ場所、間違い無いあの老人だ。
だが事故と見なされ、男が捕まる事はなかった。
これを機に、二度と強盗をしなくなった。
最後に盗んだ鞄の中には、数百万の金が入っていた。
幾度も札を壁に貼り、乾かしてはまた札を張る作業を繰り返した。
何度も、何度も…
数年後、男は働いていた。給料は安かったが、それなりの生活もできた。
結婚もできた。あの事件を思い出す事も少なくなっていた。
子供が生まれ、そしてまた数年後…
子供は4歳になっていた。事件を思い出す事は無くなっていた。
子供が奇妙な遊びをするようになった。
新聞紙を切っては、水に濡らし、壁に貼る。乾いたら剥がす。
また濡らしておいた新聞紙を貼る。そして剥がす…
また貼って、剥がす。また貼って、剥がす…
男は思い当たる。自分の過去、あの事件。
もちろん妻には言っていないし、ましてや子供が知るはずもない。
だが子供は毎日、奇妙な遊びを繰り返す。
男は日増しに恐怖心が募る。
男は耐え切れなくなり、ついに子供に聞いてみた。
「どうして、そんな遊びをすんだ?」
子供は不思議そうに聞き返す。
「え?だってパパもやっていたんでしょ?」
男がいた。
生計を立てるため、ひったくりをしていた。
その手口は、夜中に自転車に乗りながら、ひったくりをし、ある程度逃げた後、鞄を川に投げ込んで、時期を見て鞄を引き上げ、濡れた金(札)は、家の壁に貼り付け乾かす、というものだった。
そんな事を何度も繰り返していた。
ある時、老人を襲った。いつものように、ひったくりをして逃げた。
後ろで自動車の急ブレーキの音が聞こえたが、なりふり構わず逃げ、鞄を川へ投げ込んだ。
翌日、男はテレビで老人が事故で死亡したニュースを見た。
同じ時間、同じ場所、間違い無いあの老人だ。
だが事故と見なされ、男が捕まる事はなかった。
これを機に、二度と強盗をしなくなった。
最後に盗んだ鞄の中には、数百万の金が入っていた。
幾度も札を壁に貼り、乾かしてはまた札を張る作業を繰り返した。
何度も、何度も…
数年後、男は働いていた。給料は安かったが、それなりの生活もできた。
結婚もできた。あの事件を思い出す事も少なくなっていた。
子供が生まれ、そしてまた数年後…
子供は4歳になっていた。事件を思い出す事は無くなっていた。
子供が奇妙な遊びをするようになった。
新聞紙を切っては、水に濡らし、壁に貼る。乾いたら剥がす。
また濡らしておいた新聞紙を貼る。そして剥がす…
また貼って、剥がす。また貼って、剥がす…
男は思い当たる。自分の過去、あの事件。
もちろん妻には言っていないし、ましてや子供が知るはずもない。
だが子供は毎日、奇妙な遊びを繰り返す。
男は日増しに恐怖心が募る。
男は耐え切れなくなり、ついに子供に聞いてみた。
「どうして、そんな遊びをすんだ?」
子供は不思議そうに聞き返す。
「え?だってパパもやっていたんでしょ?」
木蔭の女
2011.04.17 (Sun) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
春。桜前線がどんどん北上し、横浜も桜で満開となった。
花見だと人は浮かれ、橋本茂見さん(仮名・20歳)も専門学校の仲間達と、野毛山公園で大いに騒いだ。
夜も更けた頃、仲間達と別れた橋本さんは、まだ花見の余韻が覚めなかったので、一人で飲み直す事にした。
コンビニでビールを買い、自宅近くの小さな公園に入った。そこでも小振りな桜が一本、花びらを一杯に開いていたが、花見をしている人はいなかった。どこか遠くから犬の吠える声が届き、風で木の葉がザワザワ擦れる。
そんな淋しい風景だったからかもしれない。橋本さんは、有名な小説のフレーズを思い出した。
「桜の木の下には屍体が埋まっている」
少し気持ち悪かったが、まあ良いか、と桜の根本に座る。ビールの缶を開けながら、寒い頃に、この樹の下で立ち小便をした事を思い出した。
「あの時は悪かったな」
橋本さんは、ニヤニヤ笑いながら桜を見上げた。
満開の桜は、夜風にキシキシ枝を鳴らすだけだった。
ビールが空になったので、帰ろうと立ち上がった橋本さんは、急に尿意を催した。
またここですっか! と、桜の根本に小便を始めた。
「ごめんよ!」と目の前の桜におどけてみた橋本さんは、すぐに「まずいっ」と思った。桜の木の向こうに人影が見えたのだ。女のようだった。
橋本さんはどうしようと慌てたが、女はすぐに樹の幹に姿を隠した。少し安堵した橋本さんは、小便も終えたので、そこから立ち去ろうとした。
その時、ふと桜を見た橋本さんは、妙だと気付いた。
よく考えると、目の前の小さな幹に、人が姿を隠す事など不可能だからだ。
不思議に思った橋本さんは、暗闇に目を凝らして桜を見た。
ど、どうして!
橋本さんは目を疑った。幅20cmほどの幹の向こうに、女の姿はなかったのだ。
信じられない出来事に呆然となった橋本さんは、気を取り直そうと、自分の後頭部を叩いた。
きっと、酔いで錯覚したのだ。頭の中でそう結論を出した橋本さんは、帰ろうと背後を振り向いた。
「……!!」
驚いて立ちすくんだ。目の前に、あの女が立っていたのだ。
桜の花びらをデザインした柄のワンピースを着た女は、じっと橋本さんを見つめている。血の気のない白い顔が、彼の目に焼き付いた。
女は橋本さんを見ながら、ゆっくりと桜の傍まで歩いていく。そして、再び幹の向こうの木蔭に進み、そのまま姿を消した。
そ、そんな!
恐ろしくなった橋本さんは、その場から駆け出した。しばらく夜道を走っていると、行く手に交番がある。
お巡りさん、と叫びながら交番に飛び込んだ橋本さんは、何事かと驚いている警官に、今さっきあった出来事を話した。
「酔っぱらいの相手はしてられないんだ」
一通り話を聞いた警官は、うんざりとした表情になった。嘘じゃない、本当なんだと、橋本さんは公園の方を指差しながら、必死に警官に訴えようとした。
だがその時、交番の前を、桜の柄のワンピースを着た女が横切ったのを見て、橋本さんは絶句した。あの女だった。
女はにっこり微笑み、軽く会釈をした。つられて警官も頭を下げる。
そのほんの一瞬の間、女の表情が変わった。
さっきと同じ、生気のない無表情な顔。死人の様な冷ややかな視線で、橋本さんを見つめる。
「あ…あ…あっ……」
女はすぐに元の表情に戻ると、闇の中へ去っていった。
蛇に見込まれた蛙の様になった橋本さんの脳裏に、再びある小説のフレーズが蘇った。
「桜の木の下には屍体が埋まっている」
(暗さんからの投稿です。ありがとうございました)
花見だと人は浮かれ、橋本茂見さん(仮名・20歳)も専門学校の仲間達と、野毛山公園で大いに騒いだ。
夜も更けた頃、仲間達と別れた橋本さんは、まだ花見の余韻が覚めなかったので、一人で飲み直す事にした。
コンビニでビールを買い、自宅近くの小さな公園に入った。そこでも小振りな桜が一本、花びらを一杯に開いていたが、花見をしている人はいなかった。どこか遠くから犬の吠える声が届き、風で木の葉がザワザワ擦れる。
そんな淋しい風景だったからかもしれない。橋本さんは、有名な小説のフレーズを思い出した。
「桜の木の下には屍体が埋まっている」
少し気持ち悪かったが、まあ良いか、と桜の根本に座る。ビールの缶を開けながら、寒い頃に、この樹の下で立ち小便をした事を思い出した。
「あの時は悪かったな」
橋本さんは、ニヤニヤ笑いながら桜を見上げた。
満開の桜は、夜風にキシキシ枝を鳴らすだけだった。
ビールが空になったので、帰ろうと立ち上がった橋本さんは、急に尿意を催した。
またここですっか! と、桜の根本に小便を始めた。
「ごめんよ!」と目の前の桜におどけてみた橋本さんは、すぐに「まずいっ」と思った。桜の木の向こうに人影が見えたのだ。女のようだった。
橋本さんはどうしようと慌てたが、女はすぐに樹の幹に姿を隠した。少し安堵した橋本さんは、小便も終えたので、そこから立ち去ろうとした。
その時、ふと桜を見た橋本さんは、妙だと気付いた。
よく考えると、目の前の小さな幹に、人が姿を隠す事など不可能だからだ。
不思議に思った橋本さんは、暗闇に目を凝らして桜を見た。
ど、どうして!
橋本さんは目を疑った。幅20cmほどの幹の向こうに、女の姿はなかったのだ。
信じられない出来事に呆然となった橋本さんは、気を取り直そうと、自分の後頭部を叩いた。
きっと、酔いで錯覚したのだ。頭の中でそう結論を出した橋本さんは、帰ろうと背後を振り向いた。
「……!!」
驚いて立ちすくんだ。目の前に、あの女が立っていたのだ。
桜の花びらをデザインした柄のワンピースを着た女は、じっと橋本さんを見つめている。血の気のない白い顔が、彼の目に焼き付いた。
女は橋本さんを見ながら、ゆっくりと桜の傍まで歩いていく。そして、再び幹の向こうの木蔭に進み、そのまま姿を消した。
そ、そんな!
恐ろしくなった橋本さんは、その場から駆け出した。しばらく夜道を走っていると、行く手に交番がある。
お巡りさん、と叫びながら交番に飛び込んだ橋本さんは、何事かと驚いている警官に、今さっきあった出来事を話した。
「酔っぱらいの相手はしてられないんだ」
一通り話を聞いた警官は、うんざりとした表情になった。嘘じゃない、本当なんだと、橋本さんは公園の方を指差しながら、必死に警官に訴えようとした。
だがその時、交番の前を、桜の柄のワンピースを着た女が横切ったのを見て、橋本さんは絶句した。あの女だった。
女はにっこり微笑み、軽く会釈をした。つられて警官も頭を下げる。
そのほんの一瞬の間、女の表情が変わった。
さっきと同じ、生気のない無表情な顔。死人の様な冷ややかな視線で、橋本さんを見つめる。
「あ…あ…あっ……」
女はすぐに元の表情に戻ると、闇の中へ去っていった。
蛇に見込まれた蛙の様になった橋本さんの脳裏に、再びある小説のフレーズが蘇った。
「桜の木の下には屍体が埋まっている」
(暗さんからの投稿です。ありがとうございました)
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