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うるさい!!!うるさい!!!
2016.11.25 (Fri) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
736:本当にあった怖い名無し:2006/03/16(木)19:43:04ID:LFDt9UEr0
ちょうど一月前に越してきたアパートの事なんだけどさ。
俺は角部屋のひとつ隣りの部屋に住んでんだけど、夜中寝てる時とかその角部屋の奴がしょっちゅう
「うるさい!!!うるさい!!!!」
って壁をドンドン叩くんだよ。声からして男なんだけど。
うるさいとか言われてもこっちは別に騒いでもいないしテレビやCDかけてるわけでもないし、つーか寝てるし、うるさいのはお前じゃボケ!って、越して来て一週間目くらいの昼間に乗り込んでみたんだが。
その角部屋、空き家だった。(((゚Д゚;)))
注意して見ても夜に人が出入りしている様子もないし、右隣り(角部屋とは反対の方)の住人に聞いたら
「私もよく知らないけど、前の住人も同じこと言ってたわぁ」
とか恐ろしいこと言われて、俺はもうどうすれば…。
おかげで寝不足だし…。
738:本当にあった怖い名無し:2006/03/16(木)20:03:14ID:wSt4rpKs0
>>736 殴り返してみれば?
お前がうるさいんじゃーって!
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話しを集めてみない?123
http://mimizun.com/log/2ch/occult/1141777021/736-738
.
ちょうど一月前に越してきたアパートの事なんだけどさ。
俺は角部屋のひとつ隣りの部屋に住んでんだけど、夜中寝てる時とかその角部屋の奴がしょっちゅう
「うるさい!!!うるさい!!!!」
って壁をドンドン叩くんだよ。声からして男なんだけど。
うるさいとか言われてもこっちは別に騒いでもいないしテレビやCDかけてるわけでもないし、つーか寝てるし、うるさいのはお前じゃボケ!って、越して来て一週間目くらいの昼間に乗り込んでみたんだが。
その角部屋、空き家だった。(((゚Д゚;)))
注意して見ても夜に人が出入りしている様子もないし、右隣り(角部屋とは反対の方)の住人に聞いたら
「私もよく知らないけど、前の住人も同じこと言ってたわぁ」
とか恐ろしいこと言われて、俺はもうどうすれば…。
おかげで寝不足だし…。
738:本当にあった怖い名無し:2006/03/16(木)20:03:14ID:wSt4rpKs0
>>736 殴り返してみれば?
お前がうるさいんじゃーって!
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話しを集めてみない?123
http://mimizun.com/log/2ch/occult/1141777021/736-738
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社員寮の廃墟で肝試し
2016.11.22 (Tue) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
741:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/[]2016/07/10(日)23:30:24.70ID:D6FQL7c30.net
俺が高校生の時の話だが、まあ聞いてくれ。
17歳の高2の夏に、俺とツレのA男で、地元にある廃墟の社員寮?で肝試しをする事になった。
その廃墟の社員寮は、町はずれにぽつんと建っている寂れた建物で、手入れされていない生い茂った木と雑草に囲まれ、からからに干からびたプール?がついていた。
ガキの頃に、何度か昼間に訪れ、秘密基地の様にA男と、封鎖されている正面入り口にある大きな柱の裏でポケモンのカードゲームなんかで遊んでいたのを思い出す。
その頃は封鎖されている正面玄関から、照明の落とされた玄関ホールをA男と恐る恐る覗くくらいが限界だった。
あの時も夏の昼間だったが、照明の落とされた玄関ホールは薄暗く、ひんやりして見えた。
玄関ホールは管理人室の様な、受付の様なものがすぐ右手にあり、壁には木の板に筆で書かれた知らない男達の名前の書いた札が掛かっていた。
恐らく住んでいた社員達の名前だったと思う。
742:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/[]2016/07/10(日)23:31:53.55ID:D6FQL7c30.net
高校2年の夏休み、A男は俺の家に泊まりに来ており、晩飯を食った後、俺の部屋で2人でダラダラと、サイレントヒル(ゲーム)をやっていた時に、俺らの地元にもそういえばこんな気味悪い廃墟があったよな、という話になった。
そこから、あったあったと思い出話に花が咲き、秘密基地に見立てて遊んだ事、恐る恐る廃墟を覗いた事なんかが出て来て、ゲームそっちのけで盛り上がった。
「あ、あの廃墟にちょっと行ってみねえ?」
と、A男が言った。
こいつはホラー物に目がなく、この日もホラーゲームの他に、夜通しホラー映画を見るという計画を立てていた。
俺は怖いどうのこうのより、行くまでが面倒くさかったため、渋っていたが、A男にごり押され行く事になった。
俺たちは深夜1時になるまで、風呂に入ったりアイスを食ったりゲームをしたりして時間を潰した。
これは、肝試しなら丑三つ時だというA男の意見と、夜に出掛ける事に親がイエスと言う訳がなかったので、親が寝静まるまで待とうという俺の意見も含めて決まった。
743:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/[]2016/07/10(日)23:35:43.65ID:D6FQL7c30.net
やがて深夜1時になり、俺たちはこっそり家から抜け出した。
カメラ付きのガラケーと、懐中電灯、財布、あとは親父の煙草を一箱失敬して、ちょっとした冒険気分で廃墟に向かった。
廃墟までは歩いて25分位だ。
面倒くさいと思っていたが、田舎町のためぽつぽつある民家やアパートもしんと寝静まっていて、星は綺麗だし、夜は涼しいし、煙草をふかしながらタラタラ歩く道すがらは、なんというか最高に楽しかった。
くだらない下ネタを話しながら、俺たちは廃墟に向かう。
廃墟が徐々に近づくにつれ、街灯はどんどん少なくなり、雑草の生い茂げ具合もひどくなってきた。
俺たちの話は次第に下ネタから、オカルティックな話にシフトされ、A男がやがてこんな話をきりだした。
A男「お前、あの廃墟って何の建物だったか知ってる?」
俺「いや、なんかの社員寮じゃないの?」
A男「社員寮にプールかついてると思うか?」
確かに、あの廃墟にはプールの様な物がついていた。
プールがついている社員寮なんて、確かに聞いた事がない。
744:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/[]2016/07/10(日)23:37:08.69ID:D6FQL7c30.net
A男「おれ、昔ばあちゃんに聞いたんだけどさ、あれプールじゃなくて、貯水槽だったみてえだぜ」
俺「へえ」
A男「あの寮のやつはあの貯水槽の水を使って生活してたらしい」
俺「まじか」
A男「ただある時に、あの社員寮の奴等が次々に中毒症状になって死ぬという事件が起こった」
俺「はあ?」
A男「どうやら原因は、あの貯水槽の水だったらしい。貯水槽の水の中に、コレラだかなんだかに感染した女の死体が沈められてたらしいぜ」
俺「げえっ!」
A男「すぐに貯水槽と社員寮は封鎖、そのまま廃墟になったって話だぜ」
俺「へえ」
A男「おかしいのは、その水を使ったとしても、死ぬまではいかねーと思うんだよな」
俺は話半分でA男の話を聞いていた。
俺は生まれてからそんな話は聞いたこともなかったし、オカルト好きなA男のために、A男のばーちゃんがついた作り話だと思ったからだ。
ただ、A男の語り口調のせいか、俺は得体の知れない薄気味悪さを感じ、鳥肌が立っていた。
745:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/[]2016/07/10(日)23:41:21.23ID:D6FQL7c30.net
A男「お、見えてきた」
A男の声に顔を上げると、例の廃墟が生い茂った木の間に見えた。
街灯は無かったが、星の明かりと暗闇に目が慣れたおかげで、すすけた灰色の建物のアウトラインはくっきりと見えた。
当たり前だが、ガキの頃に見た時よりも老朽化が進んで、壁にはあちこちにヒビが入っていた。
正面に、俺たちが遊んだ正面入り口がある。
正面入り口にはめられたガラスが薄汚れている。
建物の左手には、例の貯水槽があった。
貯水槽は0.5階分くらいの高さのコンクリの上にあり、周りはフェンスと有刺鉄線に囲まれていた。
A男「おい、貯水槽を見に行こう」
A男はノリノリで貯水槽に向かって行った。
俺は重い足取りで奴について行ったが、あの話のせいか薄気味悪さが抜けずに、気乗りはしなかった。
(続きは『続きを読む』をクリック)
俺が高校生の時の話だが、まあ聞いてくれ。
17歳の高2の夏に、俺とツレのA男で、地元にある廃墟の社員寮?で肝試しをする事になった。
その廃墟の社員寮は、町はずれにぽつんと建っている寂れた建物で、手入れされていない生い茂った木と雑草に囲まれ、からからに干からびたプール?がついていた。
ガキの頃に、何度か昼間に訪れ、秘密基地の様にA男と、封鎖されている正面入り口にある大きな柱の裏でポケモンのカードゲームなんかで遊んでいたのを思い出す。
その頃は封鎖されている正面玄関から、照明の落とされた玄関ホールをA男と恐る恐る覗くくらいが限界だった。
あの時も夏の昼間だったが、照明の落とされた玄関ホールは薄暗く、ひんやりして見えた。
玄関ホールは管理人室の様な、受付の様なものがすぐ右手にあり、壁には木の板に筆で書かれた知らない男達の名前の書いた札が掛かっていた。
恐らく住んでいた社員達の名前だったと思う。
742:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/[]2016/07/10(日)23:31:53.55ID:D6FQL7c30.net
高校2年の夏休み、A男は俺の家に泊まりに来ており、晩飯を食った後、俺の部屋で2人でダラダラと、サイレントヒル(ゲーム)をやっていた時に、俺らの地元にもそういえばこんな気味悪い廃墟があったよな、という話になった。
そこから、あったあったと思い出話に花が咲き、秘密基地に見立てて遊んだ事、恐る恐る廃墟を覗いた事なんかが出て来て、ゲームそっちのけで盛り上がった。
「あ、あの廃墟にちょっと行ってみねえ?」
と、A男が言った。
こいつはホラー物に目がなく、この日もホラーゲームの他に、夜通しホラー映画を見るという計画を立てていた。
俺は怖いどうのこうのより、行くまでが面倒くさかったため、渋っていたが、A男にごり押され行く事になった。
俺たちは深夜1時になるまで、風呂に入ったりアイスを食ったりゲームをしたりして時間を潰した。
これは、肝試しなら丑三つ時だというA男の意見と、夜に出掛ける事に親がイエスと言う訳がなかったので、親が寝静まるまで待とうという俺の意見も含めて決まった。
743:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/[]2016/07/10(日)23:35:43.65ID:D6FQL7c30.net
やがて深夜1時になり、俺たちはこっそり家から抜け出した。
カメラ付きのガラケーと、懐中電灯、財布、あとは親父の煙草を一箱失敬して、ちょっとした冒険気分で廃墟に向かった。
廃墟までは歩いて25分位だ。
面倒くさいと思っていたが、田舎町のためぽつぽつある民家やアパートもしんと寝静まっていて、星は綺麗だし、夜は涼しいし、煙草をふかしながらタラタラ歩く道すがらは、なんというか最高に楽しかった。
くだらない下ネタを話しながら、俺たちは廃墟に向かう。
廃墟が徐々に近づくにつれ、街灯はどんどん少なくなり、雑草の生い茂げ具合もひどくなってきた。
俺たちの話は次第に下ネタから、オカルティックな話にシフトされ、A男がやがてこんな話をきりだした。
A男「お前、あの廃墟って何の建物だったか知ってる?」
俺「いや、なんかの社員寮じゃないの?」
A男「社員寮にプールかついてると思うか?」
確かに、あの廃墟にはプールの様な物がついていた。
プールがついている社員寮なんて、確かに聞いた事がない。
744:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/[]2016/07/10(日)23:37:08.69ID:D6FQL7c30.net
A男「おれ、昔ばあちゃんに聞いたんだけどさ、あれプールじゃなくて、貯水槽だったみてえだぜ」
俺「へえ」
A男「あの寮のやつはあの貯水槽の水を使って生活してたらしい」
俺「まじか」
A男「ただある時に、あの社員寮の奴等が次々に中毒症状になって死ぬという事件が起こった」
俺「はあ?」
A男「どうやら原因は、あの貯水槽の水だったらしい。貯水槽の水の中に、コレラだかなんだかに感染した女の死体が沈められてたらしいぜ」
俺「げえっ!」
A男「すぐに貯水槽と社員寮は封鎖、そのまま廃墟になったって話だぜ」
俺「へえ」
A男「おかしいのは、その水を使ったとしても、死ぬまではいかねーと思うんだよな」
俺は話半分でA男の話を聞いていた。
俺は生まれてからそんな話は聞いたこともなかったし、オカルト好きなA男のために、A男のばーちゃんがついた作り話だと思ったからだ。
ただ、A男の語り口調のせいか、俺は得体の知れない薄気味悪さを感じ、鳥肌が立っていた。
745:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/[]2016/07/10(日)23:41:21.23ID:D6FQL7c30.net
A男「お、見えてきた」
A男の声に顔を上げると、例の廃墟が生い茂った木の間に見えた。
街灯は無かったが、星の明かりと暗闇に目が慣れたおかげで、すすけた灰色の建物のアウトラインはくっきりと見えた。
当たり前だが、ガキの頃に見た時よりも老朽化が進んで、壁にはあちこちにヒビが入っていた。
正面に、俺たちが遊んだ正面入り口がある。
正面入り口にはめられたガラスが薄汚れている。
建物の左手には、例の貯水槽があった。
貯水槽は0.5階分くらいの高さのコンクリの上にあり、周りはフェンスと有刺鉄線に囲まれていた。
A男「おい、貯水槽を見に行こう」
A男はノリノリで貯水槽に向かって行った。
俺は重い足取りで奴について行ったが、あの話のせいか薄気味悪さが抜けずに、気乗りはしなかった。
(続きは『続きを読む』をクリック)
狐憑き?
2016.11.22 (Tue) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
685:(1/3):2006/03/16(木)04:29:38ID:8hW79fuA0
大叔母の話だが、その昔夢遊病だったらしい。
もしくは狐憑き? なのかも知れないが、とりあえず夢遊病ということにして進める。
目が覚めるとなぜか川原に立っていたり、山の中にいたりということがあり、曽祖父(以下、父)に相談してみた所、とりあえず家族で交代で見張る、ということになった。ただし曾祖母(以下、母)は体が弱かった為に不参加。
初日は父が見張り、大叔母が起き上がったところで顔の前で手を振ったり前に立ち塞がったりして本当に寝てるか確認した後で体を揺すって起こしたそうだ。
翌日は大伯父(以下、兄)で、父と同じ様にした。
もちろん大叔母(以下、姉)は起き上がったことなど覚えていなかった。
その次の日は祖母(妹)の番。妹は先の二人と同じく、本当に寝ているかどうか確認した後、姉を起こさず、この後何をするのか見てみようと思い立った。
姉は寝間着のまま裸足で外に出て少し立ち止まり、クルッと向きを変えてちょっと離れた牧草地の方へと歩き出した。
月も出てない夜で、外灯も無く、真っ暗な中を妹は石ころだとかに躓きながらやっと付いて行ってるのに姉は確かな足取りでしっかりと歩いていく。
何となく、ふらふらとした感じを思い描いていた妹は随分驚いたそうだ。
牧草地に着くと、姉は何かを探すようにぐるぐると歩き回り、やがてそこの真ん中あたりで立ち止まった。
少し離れた所で見ていた妹は次の行動を待ったが、どれだけ待っても全然動かなかったので姉に近寄った。
顔に手をかざして寝ているのを確認したものの、ここで起こしては自分が言いつけを破ったことがバレると思い、何とか寝たまま家に連れ帰れないものかと考えたが、担いで帰れるほどの力は勿論無い。
結局起こすしかないかと肩に手をかけようとしたその時、姉の手がスッと妹の方に伸びた。
何事か分からずに、何となくその手をとってみたが、姉に特に変化は無くそのまま寝息を立てている。
手を掴んで軽く引くと、姉はそのまま付いてきた。
方向を変えるとそれにあわせて寝たまま歩く。
家族にバレると起こられると思い、妹はそのまま姉を引いて帰った。
686:(2/3):2006/03/16(木)04:30:39ID:8hW79fuA0
自分の番が来るたび、妹は姉について行く様になった。
姉の行く場所は一定しておらず、ある日は橋の袂、ある日は田んぼと向かい、
ぐるぐると何かを探すように歩き回って立ち止まる。
姉の手を引いて帰り、汚れた足を拭いてバレないように体を揺すって起こす。
そんな日々が一月ほど続いたそうだ。
夢遊病は一向に改善されず、拝み屋を呼ぼうかという話も出ていた。
妹自身も、最初の方こそ探検気分で面白かったりもしたのだが、この頃では、有り体に言えば飽きてきており、次に一緒に行った後は部屋から出る前に起こそうと思っていた。
そして妹が最後だと決めていた日。
姉はいつもの様に起き上がり、いつもの様に裸足で外に出て、立ち止まり、どこかを目指して歩き出した。
妹はほとんど惰性で後を付いていったのだが、進んでいくにつれて疑問が持ち上がった。
今までは家の周囲、少なくとも歩いて行ける場所にしか向かわなかったが、今歩いてるこの道は、歩きだと3時間ほどかかる街への道だ。
横には線路が通っており、家の近くと街とを結んでいる。このまま街まで向かうのだろうか?
妹は帰りの時間も考え、ある程度まで行ったらとにかく引っ張って帰ろうと考えた。
姉はそのまま進んでいき、不意に立ち止まった。
妹は驚き、周りを見回したが特に何があるわけでもない。
強いて言えば線路の向こうにトンネルが口を開けているくらいだが、ただの道の途中で特定の場所という訳じゃない。
今日はこれで終わりかと、姉の手を取ろうとした瞬間、姉は弾かれた様に走り出した。
一直線に、トンネルへ向かって。
道と線路を隔てる藪を突っ切り、線路の敷石を踏みしめ、一直線に。
妹は外のよりもいっそう深い闇の中を、姉の足音だけを頼りに進んでいった。
687:(3/3):2006/03/16(木)04:31:11ID:8hW79fuA0
間もなく、
「キイィィィィィ!」
という叫び声が前方から聞こえた。姉の声だ。
何かあったのかと急いで進むと、出口の半円状の「夜」と、トンネル内の闇との差で、
姉の姿がかろうじてシルエットとして浮かび上がった。姉は天を仰ぎ、歓喜の声を上げていたように見えたそうだ。
そして姉は壁に近づき、そこを引っ掻き始めた。
何かを掘り出そうとしているようにも見える。
姉は時折唸り声を上げ、コンクリートの壁を一心不乱に掻き続ける。
怖くなった妹は、いつもの様に手を引いて帰ろうとするが、姉は取り合わない。それでもなお手を取ろうとすると「キイ」とも「ガア」とも聞こえる声で威嚇してきた。
妹は急いで家へ戻り、家族を叩き起こして事情を説明した。
父と兄は納屋から縄を持って飛び出していった。
妹は案内する為に自分も行くと言ったが、場所さえ分かれば良いと押し留められた。
自分の好奇心の為に姉がおかしくなってしまったと後悔し、姉が無事で帰ってくる事だけを祈った。
仏壇の前で手を合わせる妹に、母は一晩中寄り添っていてくれたそうだ。
夜が明け、日も高くなってきた頃、兄だけが帰ってきた。
母と何事か話していたようだったが、それが終わると出された食事にも手をつけず、ボーッと目の前を見つめていた。
どうなったか聞いてみるが
「もう終わったから」
としか言わず、しばらくして自分の部屋へと戻った。
母に聞いても何も答えてくれなかった。
数日して姉とともに帰ってきた父も同じで、姉は何かがあったこと自体覚えていなかった。
姉の指先には包帯が巻かれており、爪が剥がれ肉が削げて骨まで見えていたそうだ。
その後、姉の夢遊病は無くなり、日常が戻った。
誰からも説明は聞けず、たまにトンネルへ行って確認しようかと思うこともあったそうだが、あの夜の体験が恐ろしく、結局一度も行くことはなかった。
祖母は言う。
何があったんだろう。
あれはなんだったんだろうと。
怖いけど知りたい。
でも、あれを思い出すと、頭の中で姉の叫び声が響くんだと。
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話しを集めてみない?123
http://mimizun.com/log/2ch/occult/1141777021/685-687
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大叔母の話だが、その昔夢遊病だったらしい。
もしくは狐憑き? なのかも知れないが、とりあえず夢遊病ということにして進める。
目が覚めるとなぜか川原に立っていたり、山の中にいたりということがあり、曽祖父(以下、父)に相談してみた所、とりあえず家族で交代で見張る、ということになった。ただし曾祖母(以下、母)は体が弱かった為に不参加。
初日は父が見張り、大叔母が起き上がったところで顔の前で手を振ったり前に立ち塞がったりして本当に寝てるか確認した後で体を揺すって起こしたそうだ。
翌日は大伯父(以下、兄)で、父と同じ様にした。
もちろん大叔母(以下、姉)は起き上がったことなど覚えていなかった。
その次の日は祖母(妹)の番。妹は先の二人と同じく、本当に寝ているかどうか確認した後、姉を起こさず、この後何をするのか見てみようと思い立った。
姉は寝間着のまま裸足で外に出て少し立ち止まり、クルッと向きを変えてちょっと離れた牧草地の方へと歩き出した。
月も出てない夜で、外灯も無く、真っ暗な中を妹は石ころだとかに躓きながらやっと付いて行ってるのに姉は確かな足取りでしっかりと歩いていく。
何となく、ふらふらとした感じを思い描いていた妹は随分驚いたそうだ。
牧草地に着くと、姉は何かを探すようにぐるぐると歩き回り、やがてそこの真ん中あたりで立ち止まった。
少し離れた所で見ていた妹は次の行動を待ったが、どれだけ待っても全然動かなかったので姉に近寄った。
顔に手をかざして寝ているのを確認したものの、ここで起こしては自分が言いつけを破ったことがバレると思い、何とか寝たまま家に連れ帰れないものかと考えたが、担いで帰れるほどの力は勿論無い。
結局起こすしかないかと肩に手をかけようとしたその時、姉の手がスッと妹の方に伸びた。
何事か分からずに、何となくその手をとってみたが、姉に特に変化は無くそのまま寝息を立てている。
手を掴んで軽く引くと、姉はそのまま付いてきた。
方向を変えるとそれにあわせて寝たまま歩く。
家族にバレると起こられると思い、妹はそのまま姉を引いて帰った。
686:(2/3):2006/03/16(木)04:30:39ID:8hW79fuA0
自分の番が来るたび、妹は姉について行く様になった。
姉の行く場所は一定しておらず、ある日は橋の袂、ある日は田んぼと向かい、
ぐるぐると何かを探すように歩き回って立ち止まる。
姉の手を引いて帰り、汚れた足を拭いてバレないように体を揺すって起こす。
そんな日々が一月ほど続いたそうだ。
夢遊病は一向に改善されず、拝み屋を呼ぼうかという話も出ていた。
妹自身も、最初の方こそ探検気分で面白かったりもしたのだが、この頃では、有り体に言えば飽きてきており、次に一緒に行った後は部屋から出る前に起こそうと思っていた。
そして妹が最後だと決めていた日。
姉はいつもの様に起き上がり、いつもの様に裸足で外に出て、立ち止まり、どこかを目指して歩き出した。
妹はほとんど惰性で後を付いていったのだが、進んでいくにつれて疑問が持ち上がった。
今までは家の周囲、少なくとも歩いて行ける場所にしか向かわなかったが、今歩いてるこの道は、歩きだと3時間ほどかかる街への道だ。
横には線路が通っており、家の近くと街とを結んでいる。このまま街まで向かうのだろうか?
妹は帰りの時間も考え、ある程度まで行ったらとにかく引っ張って帰ろうと考えた。
姉はそのまま進んでいき、不意に立ち止まった。
妹は驚き、周りを見回したが特に何があるわけでもない。
強いて言えば線路の向こうにトンネルが口を開けているくらいだが、ただの道の途中で特定の場所という訳じゃない。
今日はこれで終わりかと、姉の手を取ろうとした瞬間、姉は弾かれた様に走り出した。
一直線に、トンネルへ向かって。
道と線路を隔てる藪を突っ切り、線路の敷石を踏みしめ、一直線に。
妹は外のよりもいっそう深い闇の中を、姉の足音だけを頼りに進んでいった。
687:(3/3):2006/03/16(木)04:31:11ID:8hW79fuA0
間もなく、
「キイィィィィィ!」
という叫び声が前方から聞こえた。姉の声だ。
何かあったのかと急いで進むと、出口の半円状の「夜」と、トンネル内の闇との差で、
姉の姿がかろうじてシルエットとして浮かび上がった。姉は天を仰ぎ、歓喜の声を上げていたように見えたそうだ。
そして姉は壁に近づき、そこを引っ掻き始めた。
何かを掘り出そうとしているようにも見える。
姉は時折唸り声を上げ、コンクリートの壁を一心不乱に掻き続ける。
怖くなった妹は、いつもの様に手を引いて帰ろうとするが、姉は取り合わない。それでもなお手を取ろうとすると「キイ」とも「ガア」とも聞こえる声で威嚇してきた。
妹は急いで家へ戻り、家族を叩き起こして事情を説明した。
父と兄は納屋から縄を持って飛び出していった。
妹は案内する為に自分も行くと言ったが、場所さえ分かれば良いと押し留められた。
自分の好奇心の為に姉がおかしくなってしまったと後悔し、姉が無事で帰ってくる事だけを祈った。
仏壇の前で手を合わせる妹に、母は一晩中寄り添っていてくれたそうだ。
夜が明け、日も高くなってきた頃、兄だけが帰ってきた。
母と何事か話していたようだったが、それが終わると出された食事にも手をつけず、ボーッと目の前を見つめていた。
どうなったか聞いてみるが
「もう終わったから」
としか言わず、しばらくして自分の部屋へと戻った。
母に聞いても何も答えてくれなかった。
数日して姉とともに帰ってきた父も同じで、姉は何かがあったこと自体覚えていなかった。
姉の指先には包帯が巻かれており、爪が剥がれ肉が削げて骨まで見えていたそうだ。
その後、姉の夢遊病は無くなり、日常が戻った。
誰からも説明は聞けず、たまにトンネルへ行って確認しようかと思うこともあったそうだが、あの夜の体験が恐ろしく、結局一度も行くことはなかった。
祖母は言う。
何があったんだろう。
あれはなんだったんだろうと。
怖いけど知りたい。
でも、あれを思い出すと、頭の中で姉の叫び声が響くんだと。
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話しを集めてみない?123
http://mimizun.com/log/2ch/occult/1141777021/685-687
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