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トラブルメーカー
2011.06.23 (Thu) | Category : 都市伝説・ホラー・オカルト
24 :名無しさん@HOME:2011/03/09(水) 01:44:19.14 O
携帯からすまん
なぜか自分が遠出する度に災害やトラブルが起こる
1995年、阪神淡路大震災で泊まっていた親戚の家が全壊したが無傷
2001年、同時多発テロが起きた時に世界貿易センタービルにいたが無傷
2007年、能登半島地震が起きたときに輪島にいたが無傷
そしてその後に行った新潟にて中越沖地震に遭遇するが無傷
その他にも家族で旅行に行った先で水死体を見つける、玉突き事故に巻き込まれる(同乗者全員無傷)、旅館の五階から落ちる(無傷、かすり傷も無し)、借りていたアパートの同じ階でで殺人事件が起こるなど上げだしたらキリがない。
そして昨年、妻とオーストラリアに行った。
今までの経験上きっと何か起こる!とガクブルしていたが、滞在最終日まで変わった事は一切起こらないまま最終日になった。
なーんだwと思いながらシドニーで買い物をしていると、10年以上前の元カノにナイフで刺された。
ずっと私の事が好きだと思っていたのに!らしい
もちろん無傷だったが、今までで一番怖かった…。
若干スレ違いですまん。
最近では誰に話しても信じてくれないんだ。
妻は俺の事をコナン君と呼ぶ。
30 :名無しさん@HOME:2011/03/09(水) 02:28:51.59 O
>>25
突進してきたのでとっさに前を庇ったら、お土産の入った袋で受け止める形になった。
お土産は大きめのコアラの人形だったんだが、ナイフがほぼ貫通していてぞっとしたよ。そのまま受けていたら死んでいたかもしれないらしい。
61 :24:2011/03/09(水) 14:23:51.90 O
>>38
事件当時、自分はロビーにいたんだが、綺麗だなと思って見ていたガラス窓(ステンドグラスみたいな)が酷い衝撃で粉々になったことを覚えている。
不謹慎だが、きらきらと降り注ぐガラスはまるで星が降ってくるようで、綺麗なガラスは壊れる時にも美しいんだと思った。
>>40
勿論家にあるぞ
我が家の守り神だ
自分は多分、運が他人より強すぎるのだと思う。悪運、良運合わせて。
絶対ネタ扱いされると思って言わなかったが、今までに宝くじで100万円以上の当選が6回ある。
そしてすごいのかは分からないが、姪に頼まれて始めたモバゲーのくじで10000G当たった。
それと同時に死体を見つけた回数は10を越えている。
福井県の東尋坊近くに出張した時は酷かった。1ヶ月で3体の死体を見つけ、一人の飛び降りを目撃した。北陸は怖いところだ。
幼いときはトゥルーマン・ショーって映画を見て、俺も誰かに観察されているのではないか?と疑心暗鬼だったなぁ。あまりにも衝撃的過ぎる人生だから。
こんな俺と共に生きてくれている妻には本当に感謝している。この人に出会えたことが人生で一番のラッキーだな。
因みに5月、静岡に行く。
(※白さんからの投稿です。ありがとうございました)
携帯からすまん
なぜか自分が遠出する度に災害やトラブルが起こる
1995年、阪神淡路大震災で泊まっていた親戚の家が全壊したが無傷
2001年、同時多発テロが起きた時に世界貿易センタービルにいたが無傷
2007年、能登半島地震が起きたときに輪島にいたが無傷
そしてその後に行った新潟にて中越沖地震に遭遇するが無傷
その他にも家族で旅行に行った先で水死体を見つける、玉突き事故に巻き込まれる(同乗者全員無傷)、旅館の五階から落ちる(無傷、かすり傷も無し)、借りていたアパートの同じ階でで殺人事件が起こるなど上げだしたらキリがない。
そして昨年、妻とオーストラリアに行った。
今までの経験上きっと何か起こる!とガクブルしていたが、滞在最終日まで変わった事は一切起こらないまま最終日になった。
なーんだwと思いながらシドニーで買い物をしていると、10年以上前の元カノにナイフで刺された。
ずっと私の事が好きだと思っていたのに!らしい
もちろん無傷だったが、今までで一番怖かった…。
若干スレ違いですまん。
最近では誰に話しても信じてくれないんだ。
妻は俺の事をコナン君と呼ぶ。
30 :名無しさん@HOME:2011/03/09(水) 02:28:51.59 O
>>25
突進してきたのでとっさに前を庇ったら、お土産の入った袋で受け止める形になった。
お土産は大きめのコアラの人形だったんだが、ナイフがほぼ貫通していてぞっとしたよ。そのまま受けていたら死んでいたかもしれないらしい。
61 :24:2011/03/09(水) 14:23:51.90 O
>>38
事件当時、自分はロビーにいたんだが、綺麗だなと思って見ていたガラス窓(ステンドグラスみたいな)が酷い衝撃で粉々になったことを覚えている。
不謹慎だが、きらきらと降り注ぐガラスはまるで星が降ってくるようで、綺麗なガラスは壊れる時にも美しいんだと思った。
>>40
勿論家にあるぞ
我が家の守り神だ
自分は多分、運が他人より強すぎるのだと思う。悪運、良運合わせて。
絶対ネタ扱いされると思って言わなかったが、今までに宝くじで100万円以上の当選が6回ある。
そしてすごいのかは分からないが、姪に頼まれて始めたモバゲーのくじで10000G当たった。
それと同時に死体を見つけた回数は10を越えている。
福井県の東尋坊近くに出張した時は酷かった。1ヶ月で3体の死体を見つけ、一人の飛び降りを目撃した。北陸は怖いところだ。
幼いときはトゥルーマン・ショーって映画を見て、俺も誰かに観察されているのではないか?と疑心暗鬼だったなぁ。あまりにも衝撃的過ぎる人生だから。
こんな俺と共に生きてくれている妻には本当に感謝している。この人に出会えたことが人生で一番のラッキーだな。
因みに5月、静岡に行く。
(※白さんからの投稿です。ありがとうございました)
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11
2011.06.20 (Mon) | Category : 都市伝説・ホラー・オカルト
3:シャドー : 2011/06/17 (Fri) 16:04:16
初めに、都市伝説系の話が嫌いな人や否定派は、見ないことをオススメする、これは、そうゆう考えかたもあると、理解してほしい。
9・11について
ツインタワー
11に見える
9・11
分けてたすと、9+1+1=11
ビンラディの死亡日時
2011年05月02日
これも分けてたすと11
2+0+1+1+0+5+0+2=11
今年は自分の、生まれた年のしも2桁たす、今年なる年齢をたすと111
(例)1988年は今年23歳なので、しも2桁の88+23=111これは全員一致します
これは何かのメッセージだろうか
信じる信じないは、あなた次第です
(※シャドーさんからの投稿です。ありがとうございました)
初めに、都市伝説系の話が嫌いな人や否定派は、見ないことをオススメする、これは、そうゆう考えかたもあると、理解してほしい。
9・11について
ツインタワー
11に見える
9・11
分けてたすと、9+1+1=11
ビンラディの死亡日時
2011年05月02日
これも分けてたすと11
2+0+1+1+0+5+0+2=11
今年は自分の、生まれた年のしも2桁たす、今年なる年齢をたすと111
(例)1988年は今年23歳なので、しも2桁の88+23=111これは全員一致します
これは何かのメッセージだろうか
信じる信じないは、あなた次第です
(※シャドーさんからの投稿です。ありがとうございました)
お風呂のマイク
2011.06.18 (Sat) | Category : 都市伝説・ホラー・オカルト
2:電 : 2011/06/16 (Thu) 21:00:35
お風呂のマイク
僕の学校には、「お風呂のマイク」という怪談が広まっている。
「お風呂のマイク」とは、お風呂に入ってると風呂にある鏡からチョコレートがでてきて、それを受け取ると、
「ソレハカタミチキップデース。」
と、外国人の声がして、鏡から笑顔の表情をした外国人男性がでてきて、その人を鏡の中へ引きずり込む…という内容。
マイクはその外国人の名前だそうで。
僕は「下手な都市伝説だ。」
と嘲笑し、あまり話題にしなかった。
ある日、いつものように風呂に入る。
「ふうー」
1日の疲れと汚れ洗い落ちる。
お風呂は最高だ。
そう思ってたら、いつの間にかお湯にチョコレートが浮いていた。
「あれ?ここにこんなもんあったか?」
そう思うと、「お風呂のマイク」を思い出した。
「…あ…」
うっかり手に取るところだった。
「おいおい…あれはたしか怪談…作り話のはず…」
そう思いながらも、水面に浮かぶチョコレートから距離を置く。
「おーい、母さーん!なんで風呂場にチョコがあんのー!?」
大声で母親を呼び、聞く。
だが、返事はしない。
おかしい。
母親はさっき台所にいたし、いままででもこの場から大声を出して叱られたことがあるぐらい聞こえるはず。
「……」
都市伝説は信じない、あれは嘘だ、誰かが作った話だ、そう思いながらも体が恐怖のあまり固まる。
そしたら、男の人の声が聞こえた。
「ドーシタンデスカー?ウケトッテクダサーイ。」
「うわあああああああああああああああ」
僕は悲鳴を上げ、風呂場から飛び出した。
マイクの声だ。
僕はいちもくさんに居間へ入った。だが、そこには誰もいなかった。
両親も、二人の兄も、さっきまでいたはずなのに。
そしたら、部屋にあるすべての鏡に笑顔の表情を浮かべた外国人の男がうつる。
「ッ!?」
「オーノー、チャントウケトッテクダサーイヨー。」
僕はそこから気絶してしまった。
次の日、学校に来たら、新しい英語の先生がいた。
外国人で、名前はマイク。
「え!?」
その顔は、たしかにお風呂のマイクだ。
マイク先生は僕の方を向いた。
「キョウモアナタノフロバヘイクノデ、チャントウケトッテクダサイネー。」
笑顔でそういった。
(※電さん殻の投稿です。ありがとうございました)
お風呂のマイク
僕の学校には、「お風呂のマイク」という怪談が広まっている。
「お風呂のマイク」とは、お風呂に入ってると風呂にある鏡からチョコレートがでてきて、それを受け取ると、
「ソレハカタミチキップデース。」
と、外国人の声がして、鏡から笑顔の表情をした外国人男性がでてきて、その人を鏡の中へ引きずり込む…という内容。
マイクはその外国人の名前だそうで。
僕は「下手な都市伝説だ。」
と嘲笑し、あまり話題にしなかった。
ある日、いつものように風呂に入る。
「ふうー」
1日の疲れと汚れ洗い落ちる。
お風呂は最高だ。
そう思ってたら、いつの間にかお湯にチョコレートが浮いていた。
「あれ?ここにこんなもんあったか?」
そう思うと、「お風呂のマイク」を思い出した。
「…あ…」
うっかり手に取るところだった。
「おいおい…あれはたしか怪談…作り話のはず…」
そう思いながらも、水面に浮かぶチョコレートから距離を置く。
「おーい、母さーん!なんで風呂場にチョコがあんのー!?」
大声で母親を呼び、聞く。
だが、返事はしない。
おかしい。
母親はさっき台所にいたし、いままででもこの場から大声を出して叱られたことがあるぐらい聞こえるはず。
「……」
都市伝説は信じない、あれは嘘だ、誰かが作った話だ、そう思いながらも体が恐怖のあまり固まる。
そしたら、男の人の声が聞こえた。
「ドーシタンデスカー?ウケトッテクダサーイ。」
「うわあああああああああああああああ」
僕は悲鳴を上げ、風呂場から飛び出した。
マイクの声だ。
僕はいちもくさんに居間へ入った。だが、そこには誰もいなかった。
両親も、二人の兄も、さっきまでいたはずなのに。
そしたら、部屋にあるすべての鏡に笑顔の表情を浮かべた外国人の男がうつる。
「ッ!?」
「オーノー、チャントウケトッテクダサーイヨー。」
僕はそこから気絶してしまった。
次の日、学校に来たら、新しい英語の先生がいた。
外国人で、名前はマイク。
「え!?」
その顔は、たしかにお風呂のマイクだ。
マイク先生は僕の方を向いた。
「キョウモアナタノフロバヘイクノデ、チャントウケトッテクダサイネー。」
笑顔でそういった。
(※電さん殻の投稿です。ありがとうございました)
狐の加護を受ける家系(後編)
2011.06.09 (Thu) | Category : 都市伝説・ホラー・オカルト
(前編はこちら、中編はこちら)
※管理人注:中編まではなんとか読めましたが、後編はとんでもなく読みづらいうえに、読者が置いてきぼりになってしまっています。そういうのが嫌いな方は、ここで読むのを止めたほうがいいと思います。
210 :156:2008/07/27(日) 19:51:42 ID:EfKEngun0
>>204
与作は確かに狂人だな。
というか、エゴが凄く少なすぎるんだよな。
とはいえ、人としての歪みなんて誰にでもあるし、実は自称普通の奴の方がおかしい場合が多いよなあ。
>>205
まさかここでその名を聞くとは。
そういえばあまりに嘘臭いから、与作と狐内ではかかなかったけど、
狐の一族には酒池肉林をやった奴とか、葛葉とかいう名を人間から貰った奴が居るらしい。
213 :本当にあった怖い名無し:2008/07/27(日) 20:02:27 ID:OGhZebLQ0
>>156
興味深いですねー
平安時代くらいの話なのですか?
214 :156:2008/07/27(日) 20:49:37 ID:EfKEngun0
>>208
わかりました準備が出来次第、投下させていただきます。
>>213
狐と与作の話が事実であったと仮定した場合、
正確な年代はわかりませんが、源平合戦の前ではないかと思われます。
なにせ、負けた源氏の武将を助けて看病したせいで、
真作から5代経った後の子は、その武将に拉致監禁されるはめになるのですから。
215 :本当にあった怖い名無し:2008/07/27(日) 21:16:17 ID:OGhZebLQ0
>>214
>なにせ、負けた源氏の武将を助けて看病したせいで、
>真作から5代経った後の子は、その武将に拉致監禁されるはめになるのですから。
それはすごいですね!
1000年前という槍の伝来とも符合します。
その、狐と戦ったという槍ですが、日本の槍の原型の菊地槍でさえ12世紀に誕生しました。
あなたが今お持ちの槍は、一世紀以上その起源をさかのぼる品です。
しかもそれが荘園制の農民の所持した槍だとは、定説を覆す大発見だと思います。
217 :156:2008/07/27(日) 21:28:59 ID:EfKEngun0
>>215
うーむ・・・
それじゃあやっぱりあの槍は偽物だという事でしょうか?
ただでさえ固有名詞を極力排除した口伝ですから、信憑性は薄かったんですが。
そういえば、1180年あたりの飢饉の時に、与作の子孫の住んでいた村は、豊作とまで言えないが収穫が良かったせいで捕まったそうですが、
これも嘘なのでしょうか?
218 :本当にあった怖い名無し:2008/07/27(日) 21:38:09 ID:y7UqDbAvO
>>214
口伝の伝承なんてそんなもの。
槍の伝承があるだろうが定かではないだろう。
伝言ゲームで細部の信憑性は怪しいだろうね。
遺されてる槍があるとしたら、代々憑き物預かりしていたみたいだから、その手のモノがいつのまにか変化したものだと考えるのが妥当でしょ?
219 :本当にあった怖い名無し:2008/07/27(日) 21:53:13 ID:VWpGZa7K0
>>218
「憑き物預かりしてる」って言ってたのは、516とは別の人だよ
火の神に祟られて呪いも祝福も効かない一族の方
220 :本当にあった怖い名無し:2008/07/27(日) 22:05:02 ID:y7UqDbAvO
>>219
>>218だけど、そうだっけ?スマソ。
それだけの口伝があるなら、縁起帳とかないのかな?
江戸期以前のモノとかだと、民俗学者が欲しがるだろうな。
郷土史研究家に頼んで編纂してもらえば?
222 :156:2008/07/27(日) 22:22:11 ID:EfKEngun0
>>220
実家の方に、200年前の先祖がまとめた、自身の家系の話や自身の家系の研究書とかは多数置いてあります。
保存状態が悪くなると困るので、倉庫の奥に眠っているみたいです。
うーん、ばあちゃんが絶対に反対するし、親父も許可しないと思う。
ばあちゃんは、この呪いじみた加護を気味悪く思ってるし、自分達の名前が世間に出たら先祖の二の舞になると、本気で思っているからなあ。
223 :本当にあった怖い名無し:2008/07/27(日) 22:54:53 ID:ue2DKizP0
>>222
実際、自分自身で、
「周りの人に加護がいってるなぁ」
って思うことある?
もしよければ訊きたいんだけども。
224 :156:2008/07/27(日) 23:07:22 ID:EfKEngun0
>>223
正直言って、先祖達と比較するとたいした事は無いが一応ある。
たとえば、小学校の時に中学受験の為に塾に行ったが、そこの塾では、例年だと基本的に第三志望までに入れるのは30人中5人位らしくて、偏差値70以上の所に入れた奴は10年に一人位らしい。
しかし俺の時は、33人中30人が第二志望以内で、偏差値が70以上の所に入れた奴は4人居た。
ちなみおれは第三志望で、残り二人は途中でやめた奴だ。
後は、友人が全員希望の大学に入れたり、友人の親が宝くじで大当たりして借金の完済に成功した位だな。
まあ偶然という事も考えられるけどな。
270 :156:2008/07/29(火) 09:17:54 ID:2L8+J1vz0
この話ではめずらしく、うちの家系の人ではなく、ソウタという若い武士が主人公です。
ソウタには敬愛する女性が居た。
その女性は月と呼ばれる娘で、賎民でありながら、この国では誰よりも尊いお方と呼ばれていた。
ソウタと月の出会いは、ある夜の事だった。
ソウタが屋敷を巡回していると、悲しげな歌が聞こえました。
気になってソウタが歌の聞こえる方へ行くと、そこには月と戯れるように舞いながら歌を歌う女性が居ました。
ソウタはそこで気が付きました。
この女性こそが、神の化身である月姫様だと。
ソウタも噂で、この屋敷に月が居る事と、月がとても美しい女性であるとは聞いていたが、実物はそれを凌駕する程に美しい存在だった。
ソウタが見とれていると、月はソウタに気が付き歌をやめ、ソウタに問うた。
「あなたはだれ?」
ソウタは緊張してしまい、動けなかった。
月はソウタに微笑むと、
「私は月。今度はあなたの番だよ」
ソウタは緊張しながらも、
「私はソウタと申す者です。月姫様」
と返した。
月は苦笑して、
「姫様なんてつけないで良いよ。私よりソウタのほうが偉いのだから」
ソウタは土下座して、
「滅相もありません。月姫様はこの国で最も尊いお方。そのような方を呼び捨てなどと」
と返した。
月は悪戯気に笑いながら、
「ならば命令だ。私の事はこれからは月と呼べ。まさか出来ないとは言うまいな。私はこの国で最も尊いらしいのだからなあ」
ソウタは動揺しながら、
「謹んで拝命させていただきます。月様」
月は呆れ顔で、
「しかたない、月様で勘弁してやる」
ソウタは、
「ありがたき幸せ」
と返した。
月は微笑を浮かべ、
「そろそろ戻らないとまずいので今日は帰る。また明日もここで会おうなソウタ」
ソウタ、
「承知仕りました」
271 :156:2008/07/29(火) 09:18:27 ID:2L8+J1vz0
こうしてソウタと月は、毎日の僅かな時を語り合った。
ある夜ソウタは、月と最初に出会った時に歌っていたのはどんな歌なのかを尋ねた。
月は、
「それは恋の歌であり、別れを悲しむ歌であり、生を讃える歌だ。自分もいつかはそんな恋をしてみたい。でもそれは、絶対に叶う事の無い願いだ」
と言った。
ソウタは、
「それはどうしてですか」
と尋ねた。
月は悲しげに、
「私は月姫だから殿の子種を貰い、そしてこの屋敷で生涯を終らせるのだ」
と答えた。
ソウタはそんな月に、
「おれは必ず貴女をこの屋敷から解放します。そして、自分が貴女に愛されるにふさわしい男になる事を誓わせてください!!」
月は嬉しそうに笑って、
「期待して待ってるぞ」
と答えた。
ある日の事、殿様はソウタを呼び出し、もう二度と月姫に会うなと命令した。
ソウタは頭に血が上り、
「なぜですか!?殿!!」
と返した。
殿様は苦しげに、
「月に・・・意味なき希望を与えんがためだ。裏切られる希望なんて無いほうが良いと思うからだ」
そう呟きました。
確かにその通りです。ソウタもいずれは結婚しなければなりません。
ですが月と結婚する事は、ソウタがこの国の人間である限り無理な話です。
ソウタは、
「私に出来る事ならなんでもします。ですから、あのお方の幸せをあきらめないでください殿!!」
殿様は、
「お前が月を幸せに出来るのか!?そのために命を賭けられるのか!?」
とソウタに問うた。ソウタは、
「無論でございます殿!!」
と返した。
すると殿様は真剣な顔で、
「ならば、これからも月の傍に居てやってくれぬか?月がこれから先も笑っていけるように」
ソウタは、
「おまかせください!!殿」
と返した。
272 :156:2008/07/29(火) 09:31:53 ID:2L8+J1vz0
殿様からも許可を得た事で、月とソウタの会話の時間は少し増えた。
その事を月もソウタも喜び、このささやかな幸せがずっと続くように願った。
ですが、そんな二人を引き裂く事件が起きました。
周辺諸国を荒らしまわっていた鬼のグマソが、月姫の居る屋敷を襲撃したのです。
グマソの力は凄まじく、
手を振るえば頑丈な門ですら木っ端微塵になり、
咆哮すれば歴戦の武士ですら腰を抜かし、
その頑丈な皮膚は、槍とか矢を弾き返すほどに強靭でした。
グマソはゆうゆうと守備している武士達をなぎ払いながら、月の居る部屋へ進んでいきます。
その部屋の中でソウタは、怯える月を抱きしめながら襲撃者を待ち構えました。
そして、鬼のグマソが月の部屋に入りました。
ソウタは隙を突いてグマソを攻撃しましたが、グマソの皮膚は鉄よりも硬く、まるで歯が立ちません。
驚くソウタを見てグマソは笑い、手を振りました。
ソウタはまるで放たれた矢のように、部屋の端まで吹き飛ばされました。
そしてソウタは、自身の名を叫ぶ月姫の声と、耳障りな鬼の笑い声を最後に意識を失いました。
次にソウタが目が覚めると、全身の手当てがされていました。
ソウタは
「月姫様は無事なのか」
と手当てをしていた女中に聞くと、女中は口ごもりました。
そして殿様がソウタを呼んでいたと言うと、そそくさと出て行ってしまいました。
273 :156:2008/07/29(火) 09:34:06 ID:2L8+J1vz0
ソウタが殿様の部屋に行くと、殿様はソウタに
「月姫の救助はあきらめろ」
と言いました。
それにたいしてソウタは、
「月姫様は今頃とても怖がっている筈です。助けを待っているはずです。だからお願いします。おれも討伐隊に参加させてください!!」
殿様は自嘲気味に笑うと、
「そもそも討伐隊も結成しない。わが国には無駄死にさせて良いような武士は居ないのだから」
と答えた。
ソウタは言葉を失った。
殿様は続けて、
「納得が出来ていないようだから教えておこう。グマソはな、朝廷から派遣された精鋭武士や陰陽師を返り討ちにして、全員食ってしまったんだ。それだけでは無い。私自身も討伐隊を指揮してグマソと相対したが、まるで勝負にならずに敗北し、糞便を垂らしながら部下を見捨てて逃げ出したのだ。
他にも数多くの腕自慢や高名な武士達がグマソに挑戦したが、結局は返り討ちにあって終わった。これでわかっただろう。グマソに挑むのがどれだけ無謀な事なのかを」
ソウタ、
「それでも・・・諦めたくはありません。月姫様が待っているのなら、なにが立ち塞がろうと絶対に行きます!!」
殿様は、
「・・・わかった。お前の勇気で見事に月姫を救助してみせよ。成功の暁には月姫をお前にやろう!!」
ソウタは、
「承知!!かならずやグマソを討ち!!月姫様を奪還して見せます」
と言って退出しようとした。
すると殿様は、
「待て!!渡す物がある」
ソウタは殿様に、槍と狐の尾を渡された。
槍と狐の尾は、月の先祖から奪った物らしい。
「鬼退治を達成した暁には、月と一緒にお前の物になる」
と殿様は言った。
最後に殿様は、
「必ず帰って来るように」
とソウタに言った。
274 :156:2008/07/29(火) 09:37:28 ID:2L8+J1vz0
馬を駆り、ソウタは鬼の住処の近くまで来た。
そこでソウタは、怪しげな巫女装束の女に出会う。
ソウタは鬼の手先かと構えていたが、その女は
「私は鬼の手先では無いぞ少年」
と言った。
ソウタは、
「ならば何者だ!!」
と叫んだ。
女は笑って、
「まあまあ、落ち着きたまえ少年。そんな事では勝てる戦も勝てないぞ」
と答えた。
ソウタは、
「・・・悪いが相手をしている暇は無い」
と返した。
女は真剣な顔になって、
「あの鬼は強い。今のままでは死ぬだけだぞ」
と言った。
ソウタは悔しげに、
「ならば逃げろとでも?」
女は、
「まさか、そんな事なら呼び止めないさ。単刀直入にすませよう」
と言って、札と筆を懐から取り出した。
続けて女は、
「この札を槍に巻きつければ、鬼の皮膚を貫ける。後は、お前の額に文字を書けば、あの鬼程ではないが怪力と丈夫さが手に入る」
ソウタは女を信用した訳ではなかったが、鬼退治の為の気休めの一つや二つは合っても良いと思った。
そうして女は作業を終えると、
「月を頼んだぞ、少年」
と言い、姿を消した。
ソウタの心からは、不思議と焦りは消えていた。
ついに鬼の住処にソウタは着いた。
ソウタが注意深く進んでいると、
「グッケケケ、アンシンシロォォ、ワナナンテナイゾォオ」
と耳障りな声がした。
その声の方向に走っていくと、大きな空間に出た。
そこにはグマソと、広間の奥で縛られている月姫の姿があった。
ソウタは月姫の無事に安堵し、月姫はソウタが着てくれた事に感激していた。
そんな二人に鬼は構う事無く、
「グケケケ、コンナジョウトウナムスメヲクウナラ、ウンドウシテカラクイタクテマッテイタガ、ワザワザコロサレニキテクレテ、アリガトウヨ」
と、下品に笑いながら言った。
ソウタは、
「そうか。悪いがお前が飯にありつく事はもう無い。覚悟しろグマソ」
と強く返した。
鬼は、
「グヘヘヘ、イママデノレンチュウヨリハタノシメソウダ」
と笑い、無防備でソウタに近寄った。
275 :156:2008/07/29(火) 09:40:56 ID:2L8+J1vz0
ソウタは槍でグマソを突いた。
するとグマソの皮膚を貫通し、グマソは驚愕と苦痛にうめいた。
ソウタはグマソにトドメを刺すべく槍を引き抜こうとしたが、グマソに殴られ吹き飛ばされた。
ソウタは壁に叩き付けられ、激痛が全身をかけ巡った。
グマソは槍を引き抜き地面に叩き付けると、ソウタにトドメを刺そうと近寄った。
しかしソウタは即座に立ち上がると、グマソの目を指で突き刺して抉り取った。
グマソが激痛で動きを止めた隙に、ソウタは槍の元へと走った。
それを見たグマソが、させるものかとソウタを追った。
結局、グマソの方が素早く、グマソは足で槍を踏みつけた。
だがソウタは構うこと無く、全力でグマソを殴りつけた。
グマソは倒れ、ソウタは馬乗りになってグマソの顔面を殴り続けた。
それでもグマソは、全身に力を入れてソウタを吹き飛ばした。
グマソとソウタは立ち上がると、殴り合いをはじめた。
両者は何度も倒れ、その度に立ち上がり、殴り合いを続けた。
殴り合いは終始グマソ有利に進んだが、グマソはソウタの恐ろしいほどの気迫に圧倒されようとしていた。
ついにグマソは逃走を始めた。
しかし、途中でソウタの落とした狐の尾に引っかかり転んでしまった。
グマソは起き上がろうとするが、尾が引っかかって起き上がれない。
それを見たソウタは槍を拾いに行った。
グマソはやっと起き上がれたが時は遅く、ソウタに心臓を槍で貫かれてしまった。
ついにグマソは絶叫と共に力尽きた。
276 :156:2008/07/29(火) 09:44:10 ID:2L8+J1vz0
グマソを倒したソウタは月のいましめを解くと、ついに気力が尽きて倒れてしまった。
次にソウタが目を覚ますと、月が泣きながらソウタを見ていた。
月はソウタを抱きしめると、
「よかった、ソウタが生きててよかった」
と、心から嬉しそうに言った。
ひとしきりソウタに抱きついた後に、月はソウタがグマソを倒した後に起きた事を説明した。
ソウタが倒れた後、すぐに巫女装束の女性が来て、塗り薬を渡して、微笑むと
「安心しろ、ソウタは死なない。助けもすぐに来る」
と言った。
それで不安がる月を見て、
「不安なら看病してやれ。道具は置いていってやるから」
と言いました。
最後に、
「救援を案内するから、待っていろ」
と言ったそうです。
そして殿様が率いる武士達が、屋敷まで運んでくれたのだとか。
ソウタは不思議に思いました。
どうして殿様達は、鬼の住処の近くまで来ていたのだろうかと。
すると月は苦笑して、
「ソウタが出発してすぐに、武士達を説得して討伐隊を編成して、鬼の住処に向かったからだそうです。殿様も『ソウタだけに任せたとあっては武門の恥だと思った』と言っておりました」
と言いました。
やがてソウタの傷が治ると、近隣諸国を巻き込んだ婚礼の儀が行われました。
むろん主役はソウタと月です。
諸国の村の代表者たちも、涙ながらに感謝の言葉をソウタに捧げ、殿様も涙ぐみながら
「月を頼む」
と言い、遠くから来た武芸者達が、
「ソウタの指南を受けたい」
ともうしでたりと、終始にぎやかに進んだようです。
278 :156:2008/07/29(火) 10:02:07 ID:2L8+J1vz0
婚礼の儀も終わり、ついに初夜が訪れました。
ソウタは、
「なんか、夢みたいだなあ。下級武士の俺が領地持ちになったうえに、月姫様の夫になるなんて」
月は微笑んで、
「あらあら、ソウタ殿はもっと自分の武勲を誇るべきです。なにせあのグマソを退治したのですから」
ソウタは照れて、
「俺だけの力ではありません。槍と尾を残してくれた月姫様の先祖、力をくれた不思議な女、家宝をくださり武士を派遣してくれた殿様、そしてなによりも・・・」
月は、
「なによりもなんですか?」
ソウタは顔を真っ赤にして、
「月姫様が見ていてくれたから、俺はグマソに怯えずに戦えたんです」
月は涙を流しながら、
「ソウタにそう言ってもらえて嬉しい。私は悔しかったから・・・グマソと戦うソウタに、何も出来ない自分を殺したい程に憎んだのだから」
ソウタは月を抱きしめると、
「月姫様・・・俺はあなたを守り抜ける立派な男になるため努力します!!だから俺の恋人になってください」
月は涙を拭いながら微笑むと、
「私もあなたの女になります。だからこれからもずっと傍に居させてください」
ソウタは、
「よろこんで承ります月姫様」
と返した。
月は少し不機嫌になると、
「これからは月と呼んでください旦那様」
と言った。
ソウタは
「わかりました月姫・・・いや、わかったよ月」
と言い、月は「それではこれからもよろしくね旦那様」
と言いました。
ソウタは、
「ああ、よろしくな・・月」
と返した。
それから二人は、初めて出会った時の歌を歌った。
歌に悲しい響きはもう無かった。
これ以後も二人の話は続くが、いずれの話もこう締めくくれるので、その言葉で締めくくろうと思う。
つまりはめでたし、めでたしと
これで月姫とソウタは終わりです。
余談ですが、月姫と殿様は姪であり妹でもあるという、非常に辛い関係です。
読んでくれた皆様、ご苦労様でした。
279 :156:2008/07/29(火) 10:14:17 ID:2L8+J1vz0
あといい加減KYなんで、話の投下は当分控えさせていただきます。
不快になられた皆様、すいませんでした。
321 :156:2008/07/30(水) 14:53:53 ID:ERuvuJzy0
どうも自分のせいでスレが荒れているようで、まことに申し訳ありません。
皆様のおっしゃる通り、自分が思っていた以上に私は重度の厨二病だったようです。
正直言って、自分のお気に入りのスレでこんな筆力で話を投下したら、自分だったら叩きまくりです。
口伝で話を伝えてきてくれた先祖や、話を直接に教えてくれたばあちゃんに申し訳がありません。
あとは、身内バレの危険性を過小に見積もった愚劣さは、すでに弁解の余地がありません。
ばあちゃん本人の話を載せてしまった事を、今更ながらに後悔しています。
2CHの住人達がわざわざネタかどうかもわからない話を調べる訳など無い、などと侮っていた事も、
お詫びしたいと思います。
ばあちゃん本人の話以外は別に著作権なんて存在しませんから、一部引用も全部引用も話の改変でもどうぞご自由にしてください。
最後に、皆様にご迷惑をおかけした事をお詫びさせて頂きます。
まことに申し訳ありませんでした。
(※白さんからの投稿です。ありがとうございました)
※管理人:
>あとは、身内バレの危険性を過小に見積もった愚劣さは、すでに弁解の余地がありません。
>ばあちゃん本人の話を載せてしまった事を、今更ながらに後悔しています。
このばあちゃん本人の話、探したら見つけたんですが…他のまとめブログ同様、掲載するのは控えます。
※管理人注:中編まではなんとか読めましたが、後編はとんでもなく読みづらいうえに、読者が置いてきぼりになってしまっています。そういうのが嫌いな方は、ここで読むのを止めたほうがいいと思います。
210 :156:2008/07/27(日) 19:51:42 ID:EfKEngun0
>>204
与作は確かに狂人だな。
というか、エゴが凄く少なすぎるんだよな。
とはいえ、人としての歪みなんて誰にでもあるし、実は自称普通の奴の方がおかしい場合が多いよなあ。
>>205
まさかここでその名を聞くとは。
そういえばあまりに嘘臭いから、与作と狐内ではかかなかったけど、
狐の一族には酒池肉林をやった奴とか、葛葉とかいう名を人間から貰った奴が居るらしい。
213 :本当にあった怖い名無し:2008/07/27(日) 20:02:27 ID:OGhZebLQ0
>>156
興味深いですねー
平安時代くらいの話なのですか?
214 :156:2008/07/27(日) 20:49:37 ID:EfKEngun0
>>208
わかりました準備が出来次第、投下させていただきます。
>>213
狐と与作の話が事実であったと仮定した場合、
正確な年代はわかりませんが、源平合戦の前ではないかと思われます。
なにせ、負けた源氏の武将を助けて看病したせいで、
真作から5代経った後の子は、その武将に拉致監禁されるはめになるのですから。
215 :本当にあった怖い名無し:2008/07/27(日) 21:16:17 ID:OGhZebLQ0
>>214
>なにせ、負けた源氏の武将を助けて看病したせいで、
>真作から5代経った後の子は、その武将に拉致監禁されるはめになるのですから。
それはすごいですね!
1000年前という槍の伝来とも符合します。
その、狐と戦ったという槍ですが、日本の槍の原型の菊地槍でさえ12世紀に誕生しました。
あなたが今お持ちの槍は、一世紀以上その起源をさかのぼる品です。
しかもそれが荘園制の農民の所持した槍だとは、定説を覆す大発見だと思います。
217 :156:2008/07/27(日) 21:28:59 ID:EfKEngun0
>>215
うーむ・・・
それじゃあやっぱりあの槍は偽物だという事でしょうか?
ただでさえ固有名詞を極力排除した口伝ですから、信憑性は薄かったんですが。
そういえば、1180年あたりの飢饉の時に、与作の子孫の住んでいた村は、豊作とまで言えないが収穫が良かったせいで捕まったそうですが、
これも嘘なのでしょうか?
218 :本当にあった怖い名無し:2008/07/27(日) 21:38:09 ID:y7UqDbAvO
>>214
口伝の伝承なんてそんなもの。
槍の伝承があるだろうが定かではないだろう。
伝言ゲームで細部の信憑性は怪しいだろうね。
遺されてる槍があるとしたら、代々憑き物預かりしていたみたいだから、その手のモノがいつのまにか変化したものだと考えるのが妥当でしょ?
219 :本当にあった怖い名無し:2008/07/27(日) 21:53:13 ID:VWpGZa7K0
>>218
「憑き物預かりしてる」って言ってたのは、516とは別の人だよ
火の神に祟られて呪いも祝福も効かない一族の方
220 :本当にあった怖い名無し:2008/07/27(日) 22:05:02 ID:y7UqDbAvO
>>219
>>218だけど、そうだっけ?スマソ。
それだけの口伝があるなら、縁起帳とかないのかな?
江戸期以前のモノとかだと、民俗学者が欲しがるだろうな。
郷土史研究家に頼んで編纂してもらえば?
222 :156:2008/07/27(日) 22:22:11 ID:EfKEngun0
>>220
実家の方に、200年前の先祖がまとめた、自身の家系の話や自身の家系の研究書とかは多数置いてあります。
保存状態が悪くなると困るので、倉庫の奥に眠っているみたいです。
うーん、ばあちゃんが絶対に反対するし、親父も許可しないと思う。
ばあちゃんは、この呪いじみた加護を気味悪く思ってるし、自分達の名前が世間に出たら先祖の二の舞になると、本気で思っているからなあ。
223 :本当にあった怖い名無し:2008/07/27(日) 22:54:53 ID:ue2DKizP0
>>222
実際、自分自身で、
「周りの人に加護がいってるなぁ」
って思うことある?
もしよければ訊きたいんだけども。
224 :156:2008/07/27(日) 23:07:22 ID:EfKEngun0
>>223
正直言って、先祖達と比較するとたいした事は無いが一応ある。
たとえば、小学校の時に中学受験の為に塾に行ったが、そこの塾では、例年だと基本的に第三志望までに入れるのは30人中5人位らしくて、偏差値70以上の所に入れた奴は10年に一人位らしい。
しかし俺の時は、33人中30人が第二志望以内で、偏差値が70以上の所に入れた奴は4人居た。
ちなみおれは第三志望で、残り二人は途中でやめた奴だ。
後は、友人が全員希望の大学に入れたり、友人の親が宝くじで大当たりして借金の完済に成功した位だな。
まあ偶然という事も考えられるけどな。
270 :156:2008/07/29(火) 09:17:54 ID:2L8+J1vz0
この話ではめずらしく、うちの家系の人ではなく、ソウタという若い武士が主人公です。
ソウタには敬愛する女性が居た。
その女性は月と呼ばれる娘で、賎民でありながら、この国では誰よりも尊いお方と呼ばれていた。
ソウタと月の出会いは、ある夜の事だった。
ソウタが屋敷を巡回していると、悲しげな歌が聞こえました。
気になってソウタが歌の聞こえる方へ行くと、そこには月と戯れるように舞いながら歌を歌う女性が居ました。
ソウタはそこで気が付きました。
この女性こそが、神の化身である月姫様だと。
ソウタも噂で、この屋敷に月が居る事と、月がとても美しい女性であるとは聞いていたが、実物はそれを凌駕する程に美しい存在だった。
ソウタが見とれていると、月はソウタに気が付き歌をやめ、ソウタに問うた。
「あなたはだれ?」
ソウタは緊張してしまい、動けなかった。
月はソウタに微笑むと、
「私は月。今度はあなたの番だよ」
ソウタは緊張しながらも、
「私はソウタと申す者です。月姫様」
と返した。
月は苦笑して、
「姫様なんてつけないで良いよ。私よりソウタのほうが偉いのだから」
ソウタは土下座して、
「滅相もありません。月姫様はこの国で最も尊いお方。そのような方を呼び捨てなどと」
と返した。
月は悪戯気に笑いながら、
「ならば命令だ。私の事はこれからは月と呼べ。まさか出来ないとは言うまいな。私はこの国で最も尊いらしいのだからなあ」
ソウタは動揺しながら、
「謹んで拝命させていただきます。月様」
月は呆れ顔で、
「しかたない、月様で勘弁してやる」
ソウタは、
「ありがたき幸せ」
と返した。
月は微笑を浮かべ、
「そろそろ戻らないとまずいので今日は帰る。また明日もここで会おうなソウタ」
ソウタ、
「承知仕りました」
271 :156:2008/07/29(火) 09:18:27 ID:2L8+J1vz0
こうしてソウタと月は、毎日の僅かな時を語り合った。
ある夜ソウタは、月と最初に出会った時に歌っていたのはどんな歌なのかを尋ねた。
月は、
「それは恋の歌であり、別れを悲しむ歌であり、生を讃える歌だ。自分もいつかはそんな恋をしてみたい。でもそれは、絶対に叶う事の無い願いだ」
と言った。
ソウタは、
「それはどうしてですか」
と尋ねた。
月は悲しげに、
「私は月姫だから殿の子種を貰い、そしてこの屋敷で生涯を終らせるのだ」
と答えた。
ソウタはそんな月に、
「おれは必ず貴女をこの屋敷から解放します。そして、自分が貴女に愛されるにふさわしい男になる事を誓わせてください!!」
月は嬉しそうに笑って、
「期待して待ってるぞ」
と答えた。
ある日の事、殿様はソウタを呼び出し、もう二度と月姫に会うなと命令した。
ソウタは頭に血が上り、
「なぜですか!?殿!!」
と返した。
殿様は苦しげに、
「月に・・・意味なき希望を与えんがためだ。裏切られる希望なんて無いほうが良いと思うからだ」
そう呟きました。
確かにその通りです。ソウタもいずれは結婚しなければなりません。
ですが月と結婚する事は、ソウタがこの国の人間である限り無理な話です。
ソウタは、
「私に出来る事ならなんでもします。ですから、あのお方の幸せをあきらめないでください殿!!」
殿様は、
「お前が月を幸せに出来るのか!?そのために命を賭けられるのか!?」
とソウタに問うた。ソウタは、
「無論でございます殿!!」
と返した。
すると殿様は真剣な顔で、
「ならば、これからも月の傍に居てやってくれぬか?月がこれから先も笑っていけるように」
ソウタは、
「おまかせください!!殿」
と返した。
272 :156:2008/07/29(火) 09:31:53 ID:2L8+J1vz0
殿様からも許可を得た事で、月とソウタの会話の時間は少し増えた。
その事を月もソウタも喜び、このささやかな幸せがずっと続くように願った。
ですが、そんな二人を引き裂く事件が起きました。
周辺諸国を荒らしまわっていた鬼のグマソが、月姫の居る屋敷を襲撃したのです。
グマソの力は凄まじく、
手を振るえば頑丈な門ですら木っ端微塵になり、
咆哮すれば歴戦の武士ですら腰を抜かし、
その頑丈な皮膚は、槍とか矢を弾き返すほどに強靭でした。
グマソはゆうゆうと守備している武士達をなぎ払いながら、月の居る部屋へ進んでいきます。
その部屋の中でソウタは、怯える月を抱きしめながら襲撃者を待ち構えました。
そして、鬼のグマソが月の部屋に入りました。
ソウタは隙を突いてグマソを攻撃しましたが、グマソの皮膚は鉄よりも硬く、まるで歯が立ちません。
驚くソウタを見てグマソは笑い、手を振りました。
ソウタはまるで放たれた矢のように、部屋の端まで吹き飛ばされました。
そしてソウタは、自身の名を叫ぶ月姫の声と、耳障りな鬼の笑い声を最後に意識を失いました。
次にソウタが目が覚めると、全身の手当てがされていました。
ソウタは
「月姫様は無事なのか」
と手当てをしていた女中に聞くと、女中は口ごもりました。
そして殿様がソウタを呼んでいたと言うと、そそくさと出て行ってしまいました。
273 :156:2008/07/29(火) 09:34:06 ID:2L8+J1vz0
ソウタが殿様の部屋に行くと、殿様はソウタに
「月姫の救助はあきらめろ」
と言いました。
それにたいしてソウタは、
「月姫様は今頃とても怖がっている筈です。助けを待っているはずです。だからお願いします。おれも討伐隊に参加させてください!!」
殿様は自嘲気味に笑うと、
「そもそも討伐隊も結成しない。わが国には無駄死にさせて良いような武士は居ないのだから」
と答えた。
ソウタは言葉を失った。
殿様は続けて、
「納得が出来ていないようだから教えておこう。グマソはな、朝廷から派遣された精鋭武士や陰陽師を返り討ちにして、全員食ってしまったんだ。それだけでは無い。私自身も討伐隊を指揮してグマソと相対したが、まるで勝負にならずに敗北し、糞便を垂らしながら部下を見捨てて逃げ出したのだ。
他にも数多くの腕自慢や高名な武士達がグマソに挑戦したが、結局は返り討ちにあって終わった。これでわかっただろう。グマソに挑むのがどれだけ無謀な事なのかを」
ソウタ、
「それでも・・・諦めたくはありません。月姫様が待っているのなら、なにが立ち塞がろうと絶対に行きます!!」
殿様は、
「・・・わかった。お前の勇気で見事に月姫を救助してみせよ。成功の暁には月姫をお前にやろう!!」
ソウタは、
「承知!!かならずやグマソを討ち!!月姫様を奪還して見せます」
と言って退出しようとした。
すると殿様は、
「待て!!渡す物がある」
ソウタは殿様に、槍と狐の尾を渡された。
槍と狐の尾は、月の先祖から奪った物らしい。
「鬼退治を達成した暁には、月と一緒にお前の物になる」
と殿様は言った。
最後に殿様は、
「必ず帰って来るように」
とソウタに言った。
274 :156:2008/07/29(火) 09:37:28 ID:2L8+J1vz0
馬を駆り、ソウタは鬼の住処の近くまで来た。
そこでソウタは、怪しげな巫女装束の女に出会う。
ソウタは鬼の手先かと構えていたが、その女は
「私は鬼の手先では無いぞ少年」
と言った。
ソウタは、
「ならば何者だ!!」
と叫んだ。
女は笑って、
「まあまあ、落ち着きたまえ少年。そんな事では勝てる戦も勝てないぞ」
と答えた。
ソウタは、
「・・・悪いが相手をしている暇は無い」
と返した。
女は真剣な顔になって、
「あの鬼は強い。今のままでは死ぬだけだぞ」
と言った。
ソウタは悔しげに、
「ならば逃げろとでも?」
女は、
「まさか、そんな事なら呼び止めないさ。単刀直入にすませよう」
と言って、札と筆を懐から取り出した。
続けて女は、
「この札を槍に巻きつければ、鬼の皮膚を貫ける。後は、お前の額に文字を書けば、あの鬼程ではないが怪力と丈夫さが手に入る」
ソウタは女を信用した訳ではなかったが、鬼退治の為の気休めの一つや二つは合っても良いと思った。
そうして女は作業を終えると、
「月を頼んだぞ、少年」
と言い、姿を消した。
ソウタの心からは、不思議と焦りは消えていた。
ついに鬼の住処にソウタは着いた。
ソウタが注意深く進んでいると、
「グッケケケ、アンシンシロォォ、ワナナンテナイゾォオ」
と耳障りな声がした。
その声の方向に走っていくと、大きな空間に出た。
そこにはグマソと、広間の奥で縛られている月姫の姿があった。
ソウタは月姫の無事に安堵し、月姫はソウタが着てくれた事に感激していた。
そんな二人に鬼は構う事無く、
「グケケケ、コンナジョウトウナムスメヲクウナラ、ウンドウシテカラクイタクテマッテイタガ、ワザワザコロサレニキテクレテ、アリガトウヨ」
と、下品に笑いながら言った。
ソウタは、
「そうか。悪いがお前が飯にありつく事はもう無い。覚悟しろグマソ」
と強く返した。
鬼は、
「グヘヘヘ、イママデノレンチュウヨリハタノシメソウダ」
と笑い、無防備でソウタに近寄った。
275 :156:2008/07/29(火) 09:40:56 ID:2L8+J1vz0
ソウタは槍でグマソを突いた。
するとグマソの皮膚を貫通し、グマソは驚愕と苦痛にうめいた。
ソウタはグマソにトドメを刺すべく槍を引き抜こうとしたが、グマソに殴られ吹き飛ばされた。
ソウタは壁に叩き付けられ、激痛が全身をかけ巡った。
グマソは槍を引き抜き地面に叩き付けると、ソウタにトドメを刺そうと近寄った。
しかしソウタは即座に立ち上がると、グマソの目を指で突き刺して抉り取った。
グマソが激痛で動きを止めた隙に、ソウタは槍の元へと走った。
それを見たグマソが、させるものかとソウタを追った。
結局、グマソの方が素早く、グマソは足で槍を踏みつけた。
だがソウタは構うこと無く、全力でグマソを殴りつけた。
グマソは倒れ、ソウタは馬乗りになってグマソの顔面を殴り続けた。
それでもグマソは、全身に力を入れてソウタを吹き飛ばした。
グマソとソウタは立ち上がると、殴り合いをはじめた。
両者は何度も倒れ、その度に立ち上がり、殴り合いを続けた。
殴り合いは終始グマソ有利に進んだが、グマソはソウタの恐ろしいほどの気迫に圧倒されようとしていた。
ついにグマソは逃走を始めた。
しかし、途中でソウタの落とした狐の尾に引っかかり転んでしまった。
グマソは起き上がろうとするが、尾が引っかかって起き上がれない。
それを見たソウタは槍を拾いに行った。
グマソはやっと起き上がれたが時は遅く、ソウタに心臓を槍で貫かれてしまった。
ついにグマソは絶叫と共に力尽きた。
276 :156:2008/07/29(火) 09:44:10 ID:2L8+J1vz0
グマソを倒したソウタは月のいましめを解くと、ついに気力が尽きて倒れてしまった。
次にソウタが目を覚ますと、月が泣きながらソウタを見ていた。
月はソウタを抱きしめると、
「よかった、ソウタが生きててよかった」
と、心から嬉しそうに言った。
ひとしきりソウタに抱きついた後に、月はソウタがグマソを倒した後に起きた事を説明した。
ソウタが倒れた後、すぐに巫女装束の女性が来て、塗り薬を渡して、微笑むと
「安心しろ、ソウタは死なない。助けもすぐに来る」
と言った。
それで不安がる月を見て、
「不安なら看病してやれ。道具は置いていってやるから」
と言いました。
最後に、
「救援を案内するから、待っていろ」
と言ったそうです。
そして殿様が率いる武士達が、屋敷まで運んでくれたのだとか。
ソウタは不思議に思いました。
どうして殿様達は、鬼の住処の近くまで来ていたのだろうかと。
すると月は苦笑して、
「ソウタが出発してすぐに、武士達を説得して討伐隊を編成して、鬼の住処に向かったからだそうです。殿様も『ソウタだけに任せたとあっては武門の恥だと思った』と言っておりました」
と言いました。
やがてソウタの傷が治ると、近隣諸国を巻き込んだ婚礼の儀が行われました。
むろん主役はソウタと月です。
諸国の村の代表者たちも、涙ながらに感謝の言葉をソウタに捧げ、殿様も涙ぐみながら
「月を頼む」
と言い、遠くから来た武芸者達が、
「ソウタの指南を受けたい」
ともうしでたりと、終始にぎやかに進んだようです。
278 :156:2008/07/29(火) 10:02:07 ID:2L8+J1vz0
婚礼の儀も終わり、ついに初夜が訪れました。
ソウタは、
「なんか、夢みたいだなあ。下級武士の俺が領地持ちになったうえに、月姫様の夫になるなんて」
月は微笑んで、
「あらあら、ソウタ殿はもっと自分の武勲を誇るべきです。なにせあのグマソを退治したのですから」
ソウタは照れて、
「俺だけの力ではありません。槍と尾を残してくれた月姫様の先祖、力をくれた不思議な女、家宝をくださり武士を派遣してくれた殿様、そしてなによりも・・・」
月は、
「なによりもなんですか?」
ソウタは顔を真っ赤にして、
「月姫様が見ていてくれたから、俺はグマソに怯えずに戦えたんです」
月は涙を流しながら、
「ソウタにそう言ってもらえて嬉しい。私は悔しかったから・・・グマソと戦うソウタに、何も出来ない自分を殺したい程に憎んだのだから」
ソウタは月を抱きしめると、
「月姫様・・・俺はあなたを守り抜ける立派な男になるため努力します!!だから俺の恋人になってください」
月は涙を拭いながら微笑むと、
「私もあなたの女になります。だからこれからもずっと傍に居させてください」
ソウタは、
「よろこんで承ります月姫様」
と返した。
月は少し不機嫌になると、
「これからは月と呼んでください旦那様」
と言った。
ソウタは
「わかりました月姫・・・いや、わかったよ月」
と言い、月は「それではこれからもよろしくね旦那様」
と言いました。
ソウタは、
「ああ、よろしくな・・月」
と返した。
それから二人は、初めて出会った時の歌を歌った。
歌に悲しい響きはもう無かった。
これ以後も二人の話は続くが、いずれの話もこう締めくくれるので、その言葉で締めくくろうと思う。
つまりはめでたし、めでたしと
これで月姫とソウタは終わりです。
余談ですが、月姫と殿様は姪であり妹でもあるという、非常に辛い関係です。
読んでくれた皆様、ご苦労様でした。
279 :156:2008/07/29(火) 10:14:17 ID:2L8+J1vz0
あといい加減KYなんで、話の投下は当分控えさせていただきます。
不快になられた皆様、すいませんでした。
321 :156:2008/07/30(水) 14:53:53 ID:ERuvuJzy0
どうも自分のせいでスレが荒れているようで、まことに申し訳ありません。
皆様のおっしゃる通り、自分が思っていた以上に私は重度の厨二病だったようです。
正直言って、自分のお気に入りのスレでこんな筆力で話を投下したら、自分だったら叩きまくりです。
口伝で話を伝えてきてくれた先祖や、話を直接に教えてくれたばあちゃんに申し訳がありません。
あとは、身内バレの危険性を過小に見積もった愚劣さは、すでに弁解の余地がありません。
ばあちゃん本人の話を載せてしまった事を、今更ながらに後悔しています。
2CHの住人達がわざわざネタかどうかもわからない話を調べる訳など無い、などと侮っていた事も、
お詫びしたいと思います。
ばあちゃん本人の話以外は別に著作権なんて存在しませんから、一部引用も全部引用も話の改変でもどうぞご自由にしてください。
最後に、皆様にご迷惑をおかけした事をお詫びさせて頂きます。
まことに申し訳ありませんでした。
(※白さんからの投稿です。ありがとうございました)
※管理人:
>あとは、身内バレの危険性を過小に見積もった愚劣さは、すでに弁解の余地がありません。
>ばあちゃん本人の話を載せてしまった事を、今更ながらに後悔しています。
このばあちゃん本人の話、探したら見つけたんですが…他のまとめブログ同様、掲載するのは控えます。
狐の加護を受ける家系(中編)
2011.06.09 (Thu) | Category : 都市伝説・ホラー・オカルト
(前編はこちら)
188 :156:2008/07/27(日) 15:01:38 ID:EfKEngun0
それから幾日か経った時の事、狐が
「贅沢を教えてやる」
と言って、与作を大きな町に連れて行った。
そして与作は、大きな屋敷の中に通された。
中には、与作が見た事の無いような豪華な食事や、多数の美女が用意されていた。
与作は萎縮してしまい、料理にも女性にも手を出せない。
そんな与作を見た狐は、料理を皿に盛って、与作に箸渡しで食べさせた。
料理の美味しさに感激した与作は、貪る様に料理を食べた。
やがて満足した与作は、狐にお礼を言った。
狐は上機嫌で、
「満足したのならばそれで良い。ところで与作、これ以上の食事を毎日食べたくは無いか。それ位なら簡単に叶えてやれるが?」
与作は、
「それは勘弁だ。たまにだから良いんだから。ところで、残った料理持って帰って良いか?村の皆にも食べさせてあげたいだ」
すると狐は怒って、
「あいつらは恩を仇で返すような連中だ。だから駄目だ」。
与作は驚いて、
「そんな事は無いと思うけどなあ?」
と返した。
狐は諭すように、
「良いか与作。ほとんどの人間は、恩を仇で返すような連中だ。お前達に対して威張ってるような連中も、その上で君臨してる連中も皆そうだ。普通の人間というのは、人の弱みに付け込んで、自分だけ旨い汁を吸おうとするんだ。お前みたいな馬鹿なお人好しは初めて見るが、そんなお前が長生き出来るとは思えん」
そう言うと狐は、与作を連れて家へと帰った。
その後も、こんな感じの事を狐は何度もやったが、基本的に与作の対応は変わらなかった。
189 :156:2008/07/27(日) 15:02:28 ID:EfKEngun0
ある夜、狐は言った。
「今でも、お前には望みは無いのか?」
与作はこう返した。
「うーん、今でもやっぱり皆幸せなのがいいだ。でも、もう一つ欲しい物が出来ただ」
狐は破顔すると、
「そうかそうか、お前にもやっと人並みの欲望が出てきたか。それで欲しい物とは何だ?」
与作は照れながら、
「狐が欲しいだ・・・」
狐はきょとんとして、
「え・・・わたし。なんだ美女がほしいのか?だったら私以上の美女をお前にやろう」
与作はまじめな顔で、
「ちがうだ。おらはお前が欲しいんだ」
狐は完全に顔を真っ赤にして、
「お前が人をからかう事を覚えるなんてな。少しは人が悪くなったようだな」
与作は
「おらは本気だ」
と返した。
狐は泣きそうな顔で、
「どうして私なんだ?私の何が好きになったんだ?」
与作は、
「何をと言われても困るだ。狐のきれいな髪も肌も目も好きだし、時折の仕草も好きだし、狐の優しい所とかも大好きだ」
狐は泣きながら、
「下手な口説き文句だな。でも真心込めて口説かれたのは初めてだ。とても嬉しい。でもその願いは叶えられない」
与作は
「どうしてだ」
と問うた。
狐は、
「だって、私だってお前と一緒にいたい。お前の傍だと、今まで感じたことの無い位に優しい気持ちになれるんだ。お前の為に何かをしたいと自然と思える。でもそれは卑怯だ。どう考えた所で、お前がくれた物と私とでは釣り合わない。そもそもそれでは恩返しにならない」
与作は言った。
「おらが狐が大好きなのは変わらない。狐もおらが好きなら夫婦になろう。そうすればおらはとても幸せだ」
狐は、
「わかった夫婦になろう。でもそれはお前の願いだからじゃない、私の望みだからだ」
与作は笑って、
「うん、これからもよろしくな狐」
と答えた。
それから幾つかの年月が過ぎた後に、与作と狐の間に待望の男の子が生まれた。
与作と狐は、その子供に真作と名付けた。
二人は幸せの絶頂だった。
190 :156:2008/07/27(日) 15:03:35 ID:EfKEngun0
しかし、そんな彼等を憎憎しげに見つめる者が居た。
それは一人の娘だった。
娘は、昔から与作の良さを知っていた。
ただ、恥ずかしくてその想いを伝えられなかったのである。
そして気が付けば、与作の横には何時も狐が居て、二人の関係は強固になっていた。
最初は想いをこらえていた娘も、やがては激しい憎悪に屈してしまった。
娘は狐から与作を取り戻すべく計画を立てた。
まずは協力者を探す事、これは簡単だった。
なぜならば、狐に欲情しているうえに、恨んでいる男を知っていたからだ。
その男とは、村長の所の長男だった。
長男は妻が居ながら、好色で暴力的で、怪力以外の美点が無いような男だった。
長男は以前、狐に夜這いしたが返り討ちにあい、それ以来復讐の機会を探っていた。
娘は長男を言葉巧みに、自身の計画に参加する事を承諾させた。
191 :156:2008/07/27(日) 15:04:36 ID:EfKEngun0
まずはこの娘と長男は、与作と狐の弱味を握る為に情報を集めた。
その結果、狐は満月の夜だけは人の姿を保てずに狐に戻る、と知った。
狐が妖怪の類だと知った二人は、狐の弱点を調べた。
その結果、妖怪は基本的に鉄に弱い事や、満月の時に力を発揮するものは、基本的に新月の時には力の大半を封じられる事がわかった。
ここまでわかった二人は、狐を嵌める為に、与作が野良仕事中に熊に襲われたという嘘で、狐を人気の無い所までおびき寄せた。
何時もの狐なら嘘を見破れただろうが、与作の危機と聞いて冷静では居られなくなって、罠に嵌められたらしい。
結局、狐は鉄の輪をはめられて、男に村長の家の蔵の中に幽閉された。
与作は突然行方不明になった狐を何ヶ月も捜索したが、見つかったのは、前に与作が狐にあげたお守りだけだった。
そして狐を嵌めた娘も、必死に捜索に協力をしているように見せかけた。
狐の生存が絶望視されて、与作はまともに食事が喉を通らなくなって、ついに倒れたらしい。
娘は必死に看病して、その折に与作と狐の子とも仲良くなったらしい。
192 :156:2008/07/27(日) 15:06:03 ID:EfKEngun0
結局、その後娘は数年間かけて、狐を失って傷心状態になった与作の心に付け込んだのと、与作の子と仲良くなる事で、ついに婚約の約束を取り付けた。
喜んだ娘は、蔵に閉じ込められた狐にその事を告げた。
狐はついに、自分を嵌めた者達の抹殺を計画する。
まず最初に、自分に惚れ抜いてる男に媚を売って、満月の夜に鉄の輪を外させた。
そして輪を外した男を殺して食って、力を回復させた。
やがて娘と与作の結婚式の時に狐の姿で乗り込み、娘を惨殺し、ついでに共犯者の長男も惨殺した。
与作は、狐が生きてた事と、いきなりの凶行に驚愕した。
狐は正気に戻ると、凄い速度で森に逃げていった。
その後、幾度も山狩りが行われたが、その度に多数の犠牲者を出した。
やがてその噂を聞いて数多くの腕自慢が各地から集まって、山狩りに参加したが、結果的には変わらなかった。
ちなみに、この頃の与作は、事の顛末を村長から土下座されながら聞かされた事と、真作が狐に激しい憎悪を持っている事に苦悩していた。
193 :156:2008/07/27(日) 15:07:29 ID:EfKEngun0
山狩りが行われなくなった後、近隣の村々で神隠しが多発。
それが狐のやった事だと気がついた与作は、ついに覚悟を決めて、村長から槍を貰い、狐退治に向かった。
狐は人の姿で与作を出迎えた。
狐は微笑を浮かべて、
「やっとその気になってくれたか。待ってたんだぞ、お前が私を殺しに来る事を」
与作は苦しげに、
「もうこんな事はやめてくれだ!おらに出来る償いなら何でもする!だから・・・」
狐は悲しげに、
「お前に出来る償いなんて無いし、償う必要も無い。私とあの娘が一番悪いのだから」
与作は顔を上げ、
「なら一緒に帰ろう。そして一緒に皆に謝ろう。皆が許してくれなかったら、真作も連れて一緒にどこかへ逃げよう」
狐は首を振り、
「無理だな。自分が一番悪いとわかってても、お前や村人や人間への憎悪は消えないんだ」
そして狐は、牛の何倍も大きい狐の姿に変わって、
「お前を殺せば、この気持ちが消えるのかどうかわからない。試すのも怖かった。だがお前と私が剥き出しでぶつかり合えば、この不快な気持ちも消えるかもしれない。さあ立ち上がれ与作!!お前が私を殺さないというのなら、手始めに真作を含めた近隣の村の連中を皆殺しにするぞ!!」
与作は槍を強く握り、
「狐・・・それがおめえの望みなら・・・行くぞ!!」
狐へ向かい駆け出した。
195 :本当にあった怖い名無し:2008/07/27(日) 15:35:09 ID:p9DM/niP0
狐が、狐が可哀想すぎる....。
村の連中なんか皆殺しにしちゃえ!
199 :156:2008/07/27(日) 17:27:46 ID:EfKEngun0
狐と与作の戦いは激しく、周囲の木々は狐の尾に砕かれ、その音は周囲の村々に響いたという。
与作は何度も打ちのめされたが、その度に立ち上がり狐を槍で突き刺した。
そしてついに、与作の槍は狐に致命打を与え、狐は崩れ落ちた。
狐は嬉しそうに、
「強かったよ・・与作。さあとどめを刺しておくれ」
与作は、
「もういいだろ・・狐、おめえは最初からおらを殺す気無かったんだろう?」
狐は首を振り、
「いや本気だったさ。ただ無意識に手加減をしていたらしい」
与作、
「そういえば、狐と本気で喧嘩したのは初めてだったな」
狐は微笑を浮かべて、
「そういえば、そうだな。お前に嫌われるのが怖くて、無意識に媚びてたのかもな。幸せすぎて気が付かなかったけど」
与作は笑いながら、
「それはよかっただ。狐と本気で喧嘩したら、おらが勝てる訳無いしな」
狐は、
「おいおい私は本気だったんだぞ」
与作と狐は互いを見合って、笑い合っていた。
それは二人とも、とてもいい笑顔だったらしい。
笑い終わると、狐は自分の尾をひとつ食いちぎり、与作に投げた。
与作は驚いて、
「狐、何馬鹿なことをしているだ!」
狐は、
「馬鹿な事じゃ無い。尾の一つも無ければ、私が死んだ証にならんだろう?」
と言った。
与作は薬を取り出して狐に塗りながら、
「馬鹿を言うな!一緒に帰ろう」
狐は悲しげに首を振り、
「私は罪を償わなければいけない。それは、狐としての生を捨て神になる事だ。そして神になって、お前と真作、気に入らないが村の連中達の係累を守護する事だ」
与作は鼻水を流しながら号泣し、
「わけわからないだ狐。おらはもうお前と離れたくないだああ!!」
狐は泣きながら、
「ごめんね与作。でもね、それが私達一族に伝わる掟なの」
与作と狐は互いに抱き合い泣きあった。
200 :156:2008/07/27(日) 17:37:43 ID:EfKEngun0
狐は最後に与作に問うた。
「与作、お前の願いはなんだ」
与作は一番の願いは叶えられないと気が付いていた。
だから答えた。
「狐と真作と、娘と長男と死んでいった皆と、それ以外の皆の幸せだ」
狐は懐かしげに笑うと、
「欲張りな望みだな。しかしお前らしい。良かろう、その願い叶えよう」
そう言って狐は姿を消した。
その後、与作は狐と娘、それ以外の死んでいった者達の供養の為に出家した。
真作は村長の家の養子になって、次代の村長となった。
与作は死ぬ前に、真作に狐との出会いから始まる事件の顛末を伝えたという。
なお、狐の尾と槍は、いくども他人の手に渡ったが、何故かうちの家系の誰かの手に戻って来るらしい。
ちゃんと実家に両方ともあるが、狐の尾は純金のような金色で、触り心地は普通に動物の尾のように思える。
まあ作り物だと思うんだが。
槍の方は、1000年位前の良品らしい。
これで、ばあちゃんから聞いた与作と狐の話は終わり。
まあ真実は不明だが、これがうちの家に伝わるお話だな。
これ以降も子孫達の話は続いていくけど、その中で狐らしき存在も度々出てきたりする。
最後まで読んだ皆様、ご苦労様でした。
202 :156:2008/07/27(日) 17:51:18 ID:EfKEngun0
>>195
おれも物語内とはいえ、事実を知りながら与作を騙し続けた村長に怒りを感じたな。
というか、厄介者も殺せたし跡継ぎも手に入れたし、実はこいつが黒幕だったんじゃなかろうか?
204 :本当にあった怖い名無し:2008/07/27(日) 18:09:28 ID:VWpGZa7K0
書いてくれてありがとう!すげー面白かった。
尻尾と槍見てええええええええええ!
個人的には与作が一番怖かったな。ある意味狂人だと思った。狐が屈するほどの。
子孫達の話もwktkしてるんで、もし気が向いたら書いてほしいな
205 :本当にあった怖い名無し:2008/07/27(日) 18:24:54 ID:UDfJXRte0
獣の槍だーww
207 :156:2008/07/27(日) 18:54:56 ID:EfKEngun0
正直言って子孫の話は・・・
基本的に、
加護が原因で権力者の寵愛を受ける。
↓
権力者の息子か側近が、うちの家系の人間が権力者を狂わせてると判断
↓
権力者を殺害もしくは失脚させて、うちの家系の人間を放逐もしくは根絶やしにしようとする。
↓
逃げる
↓
家族とかが捕まる場合があるが、基本的には援助者のおかげで逃げ切る
↓
どこかの村に居つく、もしくは旅芸者とかになる
↓
振り出しに戻る
・・・になるか、
加護を過信して無謀な事に挑戦して失敗した奴が、逆恨みして変な噂を立てられたり、他の奴に加護の事を話して、知った奴に拉致監禁とかのパターンだしなあ。
それでも良いなら、書きますが
208 :本当にあった怖い名無し:2008/07/27(日) 19:45:02 ID:ue2DKizP0
>>207
そちらの差し支えさせなければ、是非お願いします!
(長文なので一旦区切ります。後編はこちら)
(※白さんからの投稿です。ありがとうございました)
188 :156:2008/07/27(日) 15:01:38 ID:EfKEngun0
それから幾日か経った時の事、狐が
「贅沢を教えてやる」
と言って、与作を大きな町に連れて行った。
そして与作は、大きな屋敷の中に通された。
中には、与作が見た事の無いような豪華な食事や、多数の美女が用意されていた。
与作は萎縮してしまい、料理にも女性にも手を出せない。
そんな与作を見た狐は、料理を皿に盛って、与作に箸渡しで食べさせた。
料理の美味しさに感激した与作は、貪る様に料理を食べた。
やがて満足した与作は、狐にお礼を言った。
狐は上機嫌で、
「満足したのならばそれで良い。ところで与作、これ以上の食事を毎日食べたくは無いか。それ位なら簡単に叶えてやれるが?」
与作は、
「それは勘弁だ。たまにだから良いんだから。ところで、残った料理持って帰って良いか?村の皆にも食べさせてあげたいだ」
すると狐は怒って、
「あいつらは恩を仇で返すような連中だ。だから駄目だ」。
与作は驚いて、
「そんな事は無いと思うけどなあ?」
と返した。
狐は諭すように、
「良いか与作。ほとんどの人間は、恩を仇で返すような連中だ。お前達に対して威張ってるような連中も、その上で君臨してる連中も皆そうだ。普通の人間というのは、人の弱みに付け込んで、自分だけ旨い汁を吸おうとするんだ。お前みたいな馬鹿なお人好しは初めて見るが、そんなお前が長生き出来るとは思えん」
そう言うと狐は、与作を連れて家へと帰った。
その後も、こんな感じの事を狐は何度もやったが、基本的に与作の対応は変わらなかった。
189 :156:2008/07/27(日) 15:02:28 ID:EfKEngun0
ある夜、狐は言った。
「今でも、お前には望みは無いのか?」
与作はこう返した。
「うーん、今でもやっぱり皆幸せなのがいいだ。でも、もう一つ欲しい物が出来ただ」
狐は破顔すると、
「そうかそうか、お前にもやっと人並みの欲望が出てきたか。それで欲しい物とは何だ?」
与作は照れながら、
「狐が欲しいだ・・・」
狐はきょとんとして、
「え・・・わたし。なんだ美女がほしいのか?だったら私以上の美女をお前にやろう」
与作はまじめな顔で、
「ちがうだ。おらはお前が欲しいんだ」
狐は完全に顔を真っ赤にして、
「お前が人をからかう事を覚えるなんてな。少しは人が悪くなったようだな」
与作は
「おらは本気だ」
と返した。
狐は泣きそうな顔で、
「どうして私なんだ?私の何が好きになったんだ?」
与作は、
「何をと言われても困るだ。狐のきれいな髪も肌も目も好きだし、時折の仕草も好きだし、狐の優しい所とかも大好きだ」
狐は泣きながら、
「下手な口説き文句だな。でも真心込めて口説かれたのは初めてだ。とても嬉しい。でもその願いは叶えられない」
与作は
「どうしてだ」
と問うた。
狐は、
「だって、私だってお前と一緒にいたい。お前の傍だと、今まで感じたことの無い位に優しい気持ちになれるんだ。お前の為に何かをしたいと自然と思える。でもそれは卑怯だ。どう考えた所で、お前がくれた物と私とでは釣り合わない。そもそもそれでは恩返しにならない」
与作は言った。
「おらが狐が大好きなのは変わらない。狐もおらが好きなら夫婦になろう。そうすればおらはとても幸せだ」
狐は、
「わかった夫婦になろう。でもそれはお前の願いだからじゃない、私の望みだからだ」
与作は笑って、
「うん、これからもよろしくな狐」
と答えた。
それから幾つかの年月が過ぎた後に、与作と狐の間に待望の男の子が生まれた。
与作と狐は、その子供に真作と名付けた。
二人は幸せの絶頂だった。
190 :156:2008/07/27(日) 15:03:35 ID:EfKEngun0
しかし、そんな彼等を憎憎しげに見つめる者が居た。
それは一人の娘だった。
娘は、昔から与作の良さを知っていた。
ただ、恥ずかしくてその想いを伝えられなかったのである。
そして気が付けば、与作の横には何時も狐が居て、二人の関係は強固になっていた。
最初は想いをこらえていた娘も、やがては激しい憎悪に屈してしまった。
娘は狐から与作を取り戻すべく計画を立てた。
まずは協力者を探す事、これは簡単だった。
なぜならば、狐に欲情しているうえに、恨んでいる男を知っていたからだ。
その男とは、村長の所の長男だった。
長男は妻が居ながら、好色で暴力的で、怪力以外の美点が無いような男だった。
長男は以前、狐に夜這いしたが返り討ちにあい、それ以来復讐の機会を探っていた。
娘は長男を言葉巧みに、自身の計画に参加する事を承諾させた。
191 :156:2008/07/27(日) 15:04:36 ID:EfKEngun0
まずはこの娘と長男は、与作と狐の弱味を握る為に情報を集めた。
その結果、狐は満月の夜だけは人の姿を保てずに狐に戻る、と知った。
狐が妖怪の類だと知った二人は、狐の弱点を調べた。
その結果、妖怪は基本的に鉄に弱い事や、満月の時に力を発揮するものは、基本的に新月の時には力の大半を封じられる事がわかった。
ここまでわかった二人は、狐を嵌める為に、与作が野良仕事中に熊に襲われたという嘘で、狐を人気の無い所までおびき寄せた。
何時もの狐なら嘘を見破れただろうが、与作の危機と聞いて冷静では居られなくなって、罠に嵌められたらしい。
結局、狐は鉄の輪をはめられて、男に村長の家の蔵の中に幽閉された。
与作は突然行方不明になった狐を何ヶ月も捜索したが、見つかったのは、前に与作が狐にあげたお守りだけだった。
そして狐を嵌めた娘も、必死に捜索に協力をしているように見せかけた。
狐の生存が絶望視されて、与作はまともに食事が喉を通らなくなって、ついに倒れたらしい。
娘は必死に看病して、その折に与作と狐の子とも仲良くなったらしい。
192 :156:2008/07/27(日) 15:06:03 ID:EfKEngun0
結局、その後娘は数年間かけて、狐を失って傷心状態になった与作の心に付け込んだのと、与作の子と仲良くなる事で、ついに婚約の約束を取り付けた。
喜んだ娘は、蔵に閉じ込められた狐にその事を告げた。
狐はついに、自分を嵌めた者達の抹殺を計画する。
まず最初に、自分に惚れ抜いてる男に媚を売って、満月の夜に鉄の輪を外させた。
そして輪を外した男を殺して食って、力を回復させた。
やがて娘と与作の結婚式の時に狐の姿で乗り込み、娘を惨殺し、ついでに共犯者の長男も惨殺した。
与作は、狐が生きてた事と、いきなりの凶行に驚愕した。
狐は正気に戻ると、凄い速度で森に逃げていった。
その後、幾度も山狩りが行われたが、その度に多数の犠牲者を出した。
やがてその噂を聞いて数多くの腕自慢が各地から集まって、山狩りに参加したが、結果的には変わらなかった。
ちなみに、この頃の与作は、事の顛末を村長から土下座されながら聞かされた事と、真作が狐に激しい憎悪を持っている事に苦悩していた。
193 :156:2008/07/27(日) 15:07:29 ID:EfKEngun0
山狩りが行われなくなった後、近隣の村々で神隠しが多発。
それが狐のやった事だと気がついた与作は、ついに覚悟を決めて、村長から槍を貰い、狐退治に向かった。
狐は人の姿で与作を出迎えた。
狐は微笑を浮かべて、
「やっとその気になってくれたか。待ってたんだぞ、お前が私を殺しに来る事を」
与作は苦しげに、
「もうこんな事はやめてくれだ!おらに出来る償いなら何でもする!だから・・・」
狐は悲しげに、
「お前に出来る償いなんて無いし、償う必要も無い。私とあの娘が一番悪いのだから」
与作は顔を上げ、
「なら一緒に帰ろう。そして一緒に皆に謝ろう。皆が許してくれなかったら、真作も連れて一緒にどこかへ逃げよう」
狐は首を振り、
「無理だな。自分が一番悪いとわかってても、お前や村人や人間への憎悪は消えないんだ」
そして狐は、牛の何倍も大きい狐の姿に変わって、
「お前を殺せば、この気持ちが消えるのかどうかわからない。試すのも怖かった。だがお前と私が剥き出しでぶつかり合えば、この不快な気持ちも消えるかもしれない。さあ立ち上がれ与作!!お前が私を殺さないというのなら、手始めに真作を含めた近隣の村の連中を皆殺しにするぞ!!」
与作は槍を強く握り、
「狐・・・それがおめえの望みなら・・・行くぞ!!」
狐へ向かい駆け出した。
195 :本当にあった怖い名無し:2008/07/27(日) 15:35:09 ID:p9DM/niP0
狐が、狐が可哀想すぎる....。
村の連中なんか皆殺しにしちゃえ!
199 :156:2008/07/27(日) 17:27:46 ID:EfKEngun0
狐と与作の戦いは激しく、周囲の木々は狐の尾に砕かれ、その音は周囲の村々に響いたという。
与作は何度も打ちのめされたが、その度に立ち上がり狐を槍で突き刺した。
そしてついに、与作の槍は狐に致命打を与え、狐は崩れ落ちた。
狐は嬉しそうに、
「強かったよ・・与作。さあとどめを刺しておくれ」
与作は、
「もういいだろ・・狐、おめえは最初からおらを殺す気無かったんだろう?」
狐は首を振り、
「いや本気だったさ。ただ無意識に手加減をしていたらしい」
与作、
「そういえば、狐と本気で喧嘩したのは初めてだったな」
狐は微笑を浮かべて、
「そういえば、そうだな。お前に嫌われるのが怖くて、無意識に媚びてたのかもな。幸せすぎて気が付かなかったけど」
与作は笑いながら、
「それはよかっただ。狐と本気で喧嘩したら、おらが勝てる訳無いしな」
狐は、
「おいおい私は本気だったんだぞ」
与作と狐は互いを見合って、笑い合っていた。
それは二人とも、とてもいい笑顔だったらしい。
笑い終わると、狐は自分の尾をひとつ食いちぎり、与作に投げた。
与作は驚いて、
「狐、何馬鹿なことをしているだ!」
狐は、
「馬鹿な事じゃ無い。尾の一つも無ければ、私が死んだ証にならんだろう?」
と言った。
与作は薬を取り出して狐に塗りながら、
「馬鹿を言うな!一緒に帰ろう」
狐は悲しげに首を振り、
「私は罪を償わなければいけない。それは、狐としての生を捨て神になる事だ。そして神になって、お前と真作、気に入らないが村の連中達の係累を守護する事だ」
与作は鼻水を流しながら号泣し、
「わけわからないだ狐。おらはもうお前と離れたくないだああ!!」
狐は泣きながら、
「ごめんね与作。でもね、それが私達一族に伝わる掟なの」
与作と狐は互いに抱き合い泣きあった。
200 :156:2008/07/27(日) 17:37:43 ID:EfKEngun0
狐は最後に与作に問うた。
「与作、お前の願いはなんだ」
与作は一番の願いは叶えられないと気が付いていた。
だから答えた。
「狐と真作と、娘と長男と死んでいった皆と、それ以外の皆の幸せだ」
狐は懐かしげに笑うと、
「欲張りな望みだな。しかしお前らしい。良かろう、その願い叶えよう」
そう言って狐は姿を消した。
その後、与作は狐と娘、それ以外の死んでいった者達の供養の為に出家した。
真作は村長の家の養子になって、次代の村長となった。
与作は死ぬ前に、真作に狐との出会いから始まる事件の顛末を伝えたという。
なお、狐の尾と槍は、いくども他人の手に渡ったが、何故かうちの家系の誰かの手に戻って来るらしい。
ちゃんと実家に両方ともあるが、狐の尾は純金のような金色で、触り心地は普通に動物の尾のように思える。
まあ作り物だと思うんだが。
槍の方は、1000年位前の良品らしい。
これで、ばあちゃんから聞いた与作と狐の話は終わり。
まあ真実は不明だが、これがうちの家に伝わるお話だな。
これ以降も子孫達の話は続いていくけど、その中で狐らしき存在も度々出てきたりする。
最後まで読んだ皆様、ご苦労様でした。
202 :156:2008/07/27(日) 17:51:18 ID:EfKEngun0
>>195
おれも物語内とはいえ、事実を知りながら与作を騙し続けた村長に怒りを感じたな。
というか、厄介者も殺せたし跡継ぎも手に入れたし、実はこいつが黒幕だったんじゃなかろうか?
204 :本当にあった怖い名無し:2008/07/27(日) 18:09:28 ID:VWpGZa7K0
書いてくれてありがとう!すげー面白かった。
尻尾と槍見てええええええええええ!
個人的には与作が一番怖かったな。ある意味狂人だと思った。狐が屈するほどの。
子孫達の話もwktkしてるんで、もし気が向いたら書いてほしいな
205 :本当にあった怖い名無し:2008/07/27(日) 18:24:54 ID:UDfJXRte0
獣の槍だーww
207 :156:2008/07/27(日) 18:54:56 ID:EfKEngun0
正直言って子孫の話は・・・
基本的に、
加護が原因で権力者の寵愛を受ける。
↓
権力者の息子か側近が、うちの家系の人間が権力者を狂わせてると判断
↓
権力者を殺害もしくは失脚させて、うちの家系の人間を放逐もしくは根絶やしにしようとする。
↓
逃げる
↓
家族とかが捕まる場合があるが、基本的には援助者のおかげで逃げ切る
↓
どこかの村に居つく、もしくは旅芸者とかになる
↓
振り出しに戻る
・・・になるか、
加護を過信して無謀な事に挑戦して失敗した奴が、逆恨みして変な噂を立てられたり、他の奴に加護の事を話して、知った奴に拉致監禁とかのパターンだしなあ。
それでも良いなら、書きますが
208 :本当にあった怖い名無し:2008/07/27(日) 19:45:02 ID:ue2DKizP0
>>207
そちらの差し支えさせなければ、是非お願いします!
(長文なので一旦区切ります。後編はこちら)
(※白さんからの投稿です。ありがとうございました)
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