都市伝説・・・奇憚・・・blog
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不可解な旅行会社
2016.12.22 (Thu) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
222:本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火)05:32:50ID:SJ4c/GRF0
ー1-
幽霊の話しでは無いのですが、7~8年ぐらい前のこと、SEの仕事で小さな旅行会社に派遣されました。
社長は女性で経理と内勤の女性、営業の男性二人の会社でした。
女社長は40過ぎぶらいでしたが、背が高く、かなりの美人で面倒見が良く、出張に行ったぐらいでも社員全員にお土産を買って来たリ、高級料理店などに良く連れて行ってくれるような人でした。
私の仕事は新しく入れ替えるパソコンの設置と使い方指導で契約は3カ月。
旅行業務に関してはノータッチでした。
仕事について、一週間ほどした頃、不思議さを感じ始めました。
電話は日に数えるほどしか無く、営業が出てしまうと私以外は暇で女性だけでお茶を飲み、雑談しているサロンのようなんです。
社員の話しでは、女社長の旦那さんが急死し、奥さんが社長を引き継いだとのこと。
その時、会社で掛けていたものと、個人で掛けていたものとで女社長は億単位の保険金を手にして、会社は道楽でやっているようなものと。
旅行のお客なんて、週に1件あるか無いかです。
223:本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火)05:33:44ID:SJ4c/GRF0
ー2-
1カ月ほど過ぎたころ、ツアーで行ったお客さんが旅行先で亡くなりました。
死因はもともと持っていた持病が悪化してとのことで、旅行会社に責任は一切ありませんでした。
しかし、もしものことのために旅行会社では旅行に行く人に保険を掛けているんです。
保険金が下りたことで、遺族にお見舞金として、旅費全てを返しましたがそれでも会社が儲かるほどです。
そんなことが、1カ月間の間に3件も起こりました。
全て旅行会社の責任では無く、病気がちなのに家族が反対しても無理して行ったとか自由行動で現地の屋台で食べたものに当たって食中毒で死亡とか。
その度に会社は潤います。
女社長も自ら見舞金を持って行くぐらい、人柄の良い人でした。
224:本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火)05:34:38ID:SJ4c/GRF0
ー3-
一番恐かったのは2カ月目に入ろうとした時です。
出張でケニアに行った40代後半の営業マンが脳梗塞で倒れ、現地の医療では間に合わず帰らぬ人となってしまいました。
取締役をしていた方だから会社としてかなりの保険金が掛けられていて会社としてはウホ状態。
保険金殺人を疑いましたが、パソコン管理は全て私がやっていて、そのような現地とのやり取りも一切無いし、出来ることも無い。
社員たちも恐がってしまい、辞めようとする人たちも出て来ました。
お客さんが現地で死亡も相変わらずあるんですから。
以前の旦那さんの時代にはこんなことは一切起こらず奥さんが女社長になってから連続しているそうです。
私も恐くなり、派遣会社と相談して3カ月の契約でしたが2カ月で辞めました。
優しい顔をして、知らず知らず人の生き血を吸っている人は本当に存在するんだなと実感した恐怖体験です。
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?121
http://mimizun.com/log/2ch/occult/1137807755/222-224
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ー1-
幽霊の話しでは無いのですが、7~8年ぐらい前のこと、SEの仕事で小さな旅行会社に派遣されました。
社長は女性で経理と内勤の女性、営業の男性二人の会社でした。
女社長は40過ぎぶらいでしたが、背が高く、かなりの美人で面倒見が良く、出張に行ったぐらいでも社員全員にお土産を買って来たリ、高級料理店などに良く連れて行ってくれるような人でした。
私の仕事は新しく入れ替えるパソコンの設置と使い方指導で契約は3カ月。
旅行業務に関してはノータッチでした。
仕事について、一週間ほどした頃、不思議さを感じ始めました。
電話は日に数えるほどしか無く、営業が出てしまうと私以外は暇で女性だけでお茶を飲み、雑談しているサロンのようなんです。
社員の話しでは、女社長の旦那さんが急死し、奥さんが社長を引き継いだとのこと。
その時、会社で掛けていたものと、個人で掛けていたものとで女社長は億単位の保険金を手にして、会社は道楽でやっているようなものと。
旅行のお客なんて、週に1件あるか無いかです。
223:本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火)05:33:44ID:SJ4c/GRF0
ー2-
1カ月ほど過ぎたころ、ツアーで行ったお客さんが旅行先で亡くなりました。
死因はもともと持っていた持病が悪化してとのことで、旅行会社に責任は一切ありませんでした。
しかし、もしものことのために旅行会社では旅行に行く人に保険を掛けているんです。
保険金が下りたことで、遺族にお見舞金として、旅費全てを返しましたがそれでも会社が儲かるほどです。
そんなことが、1カ月間の間に3件も起こりました。
全て旅行会社の責任では無く、病気がちなのに家族が反対しても無理して行ったとか自由行動で現地の屋台で食べたものに当たって食中毒で死亡とか。
その度に会社は潤います。
女社長も自ら見舞金を持って行くぐらい、人柄の良い人でした。
224:本当にあった怖い名無し:2006/01/24(火)05:34:38ID:SJ4c/GRF0
ー3-
一番恐かったのは2カ月目に入ろうとした時です。
出張でケニアに行った40代後半の営業マンが脳梗塞で倒れ、現地の医療では間に合わず帰らぬ人となってしまいました。
取締役をしていた方だから会社としてかなりの保険金が掛けられていて会社としてはウホ状態。
保険金殺人を疑いましたが、パソコン管理は全て私がやっていて、そのような現地とのやり取りも一切無いし、出来ることも無い。
社員たちも恐がってしまい、辞めようとする人たちも出て来ました。
お客さんが現地で死亡も相変わらずあるんですから。
以前の旦那さんの時代にはこんなことは一切起こらず奥さんが女社長になってから連続しているそうです。
私も恐くなり、派遣会社と相談して3カ月の契約でしたが2カ月で辞めました。
優しい顔をして、知らず知らず人の生き血を吸っている人は本当に存在するんだなと実感した恐怖体験です。
http://mimizun.com/log/2ch/occult/1137807755/222-224
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三年坂
2016.12.21 (Wed) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
955:1/2@\(^o^)/:2016/12/19(月)04:30:49.31ID:GbT7mVDh0.net
昔、中学の校外学習で京都に行った
清水寺の近くに三年坂という坂があり、「三年坂で転ぶと三年で死ぬという伝説」がある
「坂の上の清水にある子安観音に「お産が寧か(やすらか)でありますように」と祈願するために通る坂」
であることから、安産祈願の妊婦が転ばないようにと注意を促す話だとガイドから聞いていた
三年坂は石畳で作られていて、雨なら滑るかもしれないなと思った記憶がある
秋晴れの、少し肌寒い日、友人はこの坂で転んだ
私を含め同じクラスの子はみんな
「ちょっ?!ヤバイんじゃない?!」
と言いながら友人に手を貸して立ち上がらせた
そんな迷信を、転んだ本人も含め誰も信じていなくて、彼女は
「三年坂で転んだ私w」
とその後も完全にネタにさえしていたくらいだった
清水寺について、彼女はバスガイドさんにも
「転んじゃったw私、死ぬかもー」
と笑って話していた
翌日、バスガイドさんから彼女は御守りにと瓢箪のストラップをもらっていた
「転んでしまっても、この瓢箪には厄よけの効果があるそうだから、大丈夫よ」
と
本人は気にしていなかったから、翌日になってまで御守りを渡されたことに
「そこまで気にしてないんだけど…」
ビックリしつつも、ありがたく受け取っていた
しかしぶっちゃけ可愛いものじゃない
だからか、カバンの中に入れたままで、それを袋から出して何かにつけたりはしなかった
修学旅行から帰って、
「三年坂で本当に転ぶ人がいるなんてw」
としばらくはネタにされていた
「ところであの瓢箪どうしたの?」
グループの誰かが聞くと、彼女はパッケージに入ったままの瓢箪をカバンから取り出した
「一応、持ってるよ!」
そう言ってパッケージから瓢箪を取り出して、みんなにそれを回して見せてくれた
瓢箪は蓋がついていて、中に6つの小さな瓢箪と、小判やら鯛やら破魔矢みたいなのが入っていた
4月になり、私たちは付属の高校へ進んだ
私とはクラスは別になってしまったけど、高校から入学してきた子に、彼女は瓢箪を見せながらネタ的にあの話をして笑いをとっていたそうだ
「可愛いね!中にもちっちゃい瓢箪が4つ入ってるんだね♪」
彼女はその時見せていた子からそう言われて、初めて瓢箪の異変に気がついたらしい
「あれ、絶対6つあったよ!」
その日、あの時一緒に行動していた仲のいい友人数人で集まって中身を確認した
カラフルな6つの瓢箪のうち、赤とピンクがないことに気づいた
色が似てるから、もっと違う色のほうが可愛いのにねと話していたから間違いない
他にも金色の破魔矢もないことに気付いた
カバンの中もよく見たけど、カバンの中には落ちていなかった
いつからないのかも、なくした場所すらわからなかったけど、彼女は気にするわけでもなく
「まぁ、でも所詮迷信だしwないからどうなるわけでもないからいいよ。見つかればラッキー!くらいだわ」
そう笑った
956:2/2@\(^o^)/:2016/12/19(月)04:32:01.94ID:GbT7mVDh0.net
秋を迎えたある日、彼女はあの校外学習があった同じ月に死んでしまった
金曜日の放課後、駅から自転車で家に帰る途中で事故に遭ったそうだ
お通夜の時に彼女の顔を見たら、顔だけは寝ているみたいに綺麗だった
葬儀も過ぎて、いよいよ納骨される四十九日の前に、私たちは最期のお別れがしたくて彼女の家を訪問した
祭壇には遺影とお骨、お花や果物が供えてあったが、あの時持っていたであろう通学カバンや折れた携帯電話などが置いてあった
カバンは轢かれなかったのか、特にボロボロになっている様子はなかった
「カバン…見てもいいですか?」
と友人が許可を取り、中を見始めた
中身はその時のままなのよとお母さんが話してくれた
友人の手が止まり、半泣きで私たち全員の顔を見始めた
カバンから出した手は、蓋と紐だけになった瓢箪ストラップが摘んでいた
瓢箪がなくなったことと、亡くなった因果関係はわからない
でも彼女のお母さんはそれを見てこう言った
「あら、瓢箪いつなくなったのかしら…事故の1週間前くらいには多分あったと思うけど、事故で落としちゃったのかしらね」
と
迷信かもしれない
迷信じゃないかもしれない
けれど彼女が亡くなったのは事実です
京都の三年坂を通るかたは、くれぐれも転ばないように足元にご注意ください
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?342
http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1476840448/955-956
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昔、中学の校外学習で京都に行った
清水寺の近くに三年坂という坂があり、「三年坂で転ぶと三年で死ぬという伝説」がある
「坂の上の清水にある子安観音に「お産が寧か(やすらか)でありますように」と祈願するために通る坂」
であることから、安産祈願の妊婦が転ばないようにと注意を促す話だとガイドから聞いていた
三年坂は石畳で作られていて、雨なら滑るかもしれないなと思った記憶がある
秋晴れの、少し肌寒い日、友人はこの坂で転んだ
私を含め同じクラスの子はみんな
「ちょっ?!ヤバイんじゃない?!」
と言いながら友人に手を貸して立ち上がらせた
そんな迷信を、転んだ本人も含め誰も信じていなくて、彼女は
「三年坂で転んだ私w」
とその後も完全にネタにさえしていたくらいだった
清水寺について、彼女はバスガイドさんにも
「転んじゃったw私、死ぬかもー」
と笑って話していた
翌日、バスガイドさんから彼女は御守りにと瓢箪のストラップをもらっていた
「転んでしまっても、この瓢箪には厄よけの効果があるそうだから、大丈夫よ」
と
本人は気にしていなかったから、翌日になってまで御守りを渡されたことに
「そこまで気にしてないんだけど…」
ビックリしつつも、ありがたく受け取っていた
しかしぶっちゃけ可愛いものじゃない
だからか、カバンの中に入れたままで、それを袋から出して何かにつけたりはしなかった
修学旅行から帰って、
「三年坂で本当に転ぶ人がいるなんてw」
としばらくはネタにされていた
「ところであの瓢箪どうしたの?」
グループの誰かが聞くと、彼女はパッケージに入ったままの瓢箪をカバンから取り出した
「一応、持ってるよ!」
そう言ってパッケージから瓢箪を取り出して、みんなにそれを回して見せてくれた
瓢箪は蓋がついていて、中に6つの小さな瓢箪と、小判やら鯛やら破魔矢みたいなのが入っていた
4月になり、私たちは付属の高校へ進んだ
私とはクラスは別になってしまったけど、高校から入学してきた子に、彼女は瓢箪を見せながらネタ的にあの話をして笑いをとっていたそうだ
「可愛いね!中にもちっちゃい瓢箪が4つ入ってるんだね♪」
彼女はその時見せていた子からそう言われて、初めて瓢箪の異変に気がついたらしい
「あれ、絶対6つあったよ!」
その日、あの時一緒に行動していた仲のいい友人数人で集まって中身を確認した
カラフルな6つの瓢箪のうち、赤とピンクがないことに気づいた
色が似てるから、もっと違う色のほうが可愛いのにねと話していたから間違いない
他にも金色の破魔矢もないことに気付いた
カバンの中もよく見たけど、カバンの中には落ちていなかった
いつからないのかも、なくした場所すらわからなかったけど、彼女は気にするわけでもなく
「まぁ、でも所詮迷信だしwないからどうなるわけでもないからいいよ。見つかればラッキー!くらいだわ」
そう笑った
956:2/2@\(^o^)/:2016/12/19(月)04:32:01.94ID:GbT7mVDh0.net
秋を迎えたある日、彼女はあの校外学習があった同じ月に死んでしまった
金曜日の放課後、駅から自転車で家に帰る途中で事故に遭ったそうだ
お通夜の時に彼女の顔を見たら、顔だけは寝ているみたいに綺麗だった
葬儀も過ぎて、いよいよ納骨される四十九日の前に、私たちは最期のお別れがしたくて彼女の家を訪問した
祭壇には遺影とお骨、お花や果物が供えてあったが、あの時持っていたであろう通学カバンや折れた携帯電話などが置いてあった
カバンは轢かれなかったのか、特にボロボロになっている様子はなかった
「カバン…見てもいいですか?」
と友人が許可を取り、中を見始めた
中身はその時のままなのよとお母さんが話してくれた
友人の手が止まり、半泣きで私たち全員の顔を見始めた
カバンから出した手は、蓋と紐だけになった瓢箪ストラップが摘んでいた
瓢箪がなくなったことと、亡くなった因果関係はわからない
でも彼女のお母さんはそれを見てこう言った
「あら、瓢箪いつなくなったのかしら…事故の1週間前くらいには多分あったと思うけど、事故で落としちゃったのかしらね」
と
迷信かもしれない
迷信じゃないかもしれない
けれど彼女が亡くなったのは事実です
京都の三年坂を通るかたは、くれぐれも転ばないように足元にご注意ください
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?342
http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1476840448/955-956
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初老のAさんという夫婦がいた。
2016.12.21 (Wed) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
230:⑦⑦⑦ : 2016/12/09 (Fri) 08:34:53
なんとかっていう町で、父親と娘で二人でやっている居酒屋があった。
小さいがつまみが旨いと評判の店で地元の人を中心に何人か常連がいた。
その中にAさんという夫婦がいて、トシは初老といったところ。
子供はいなかったが仲のいい夫婦で、週一か週二のペースでその店に通って夫婦水入らずで食事をするのを楽しみにしていたらしい。
感じのいい夫婦で、そのお店の父娘とも気さくにしゃべっていたからよく覚えていたんだそうだ。
そんな夫婦に悲劇が襲った。
なんの病気かは敢えて聞いていなかったが、結構前から奥さんは治る見込みのない、つらい病気に悩まされていた。
日に日に病状は悪化しているという話だったが、それでもなじみの店に来れば少しは気が休まるのか来店のペースは落ちながらもちょくちょく二人そろって食事にはきていた。
それがある日を境にぱったりと来店しなくなった。
心配していた父娘の耳にほどなくして入ってきたのは奥さんの自殺という最悪の知らせだった。
231:⑦⑦⑦ : 2016/12/09 (Fri) 08:41:19
大変なことであっただろう。
かける言葉も見当たらないが、もしまた店に来てくれれば少しでも慰めになるのではないか・・・。
そんな風に思っていながら月日は流れ、少し記憶からも消えかかっていたときにその夫さんはふらりと店に現れた。もちろん一人ではあったが。
「何よその顔。心配かけちゃった?」
無理に笑顔を作っているのは痛いほどわかったが、思っていたよりも元気そうだ。
「なんにしましょう?」
「最初瓶ビールね。」
「あいよ。」
「コップは二つね。」
父娘は一瞬顔を見合わせた。夫さんはその微妙な空気を察したのか
「あ・・・。いけね、つい癖で・・・。」
と頭をかいた。
「A子、Bさんとこにコップ二つね。」
「はい。」
驚いて父さんを見る夫さんに向かって父さんは
「Bさん、久しぶりにゆっくりお二人で飲んでくださいよ。最初の一本はサービスにしますよ。」
と気を利かせた。
「すまないね・・・。」
といいながら夫さんは最初に自分のコップに、その後向かいの席に置いたもう一つのコップにビールを注ぎ、軽くコップを合わせた後ゆっくりと飲みだした
何本か瓶を空けた後、
「ちょっとトイレ。」
と言って夫さんは席を立った。
楽しそうに飲んでいるその空気のせいか、娘さんにちょっとしたいたずら心がわいた。
232:⑦⑦⑦ : 2016/12/09 (Fri) 08:45:31
不謹慎なことだったのかもしれないが、その時の娘さんにはそんな気持ちは一切なく、
「こうしたら夫さんは少しは驚き、そして笑うんじゃないかしら」
という思いだけだった。
奥さんのために注がれていたビールを一口分ほどこっそり手に持っていた新しい布巾の中にたらし、その布巾をさっと隠した。
夫さんが出てこれを見たらきっと驚くだろう。
そしたら
「あら、奥さんが少し飲まれたのかしら」
と言ってみよう・・・。
ほろ酔い気分でトイレから帰ってきた夫さんが発した言葉は意外なものだった。
「A子ちゃん、困るなあ。いたずらしちゃ。」
え?なんで?トイレの扉が完全に閉まっていたのは確認した。
夫さんからは私の行動は見えていないはずなのに・・・。
びっくりして言葉が出ない娘さんにむかって夫さんはさらに言った。
「C枝がさあ、トイレの中で教えてくれたんだよ。A子ちゃんがなんかやってますよーってね。」
奥さんの名前だ。
いくら酔っていても夫さんはいつもはこんな冗談を言う人ではない。
なんでこんな事を言うんだろう。なんでばれたんだろう・・・。
「トイレの奥の方にいるよ?聞いてきてみなって」
「トイレの・・・奥ですか?あ・・・・はい。」
楽しそうに話す夫さんの、その雰囲気を壊したくなかったということもあり、気が進まなかったがトイレに行ってみた。
奥さんがねぇ。まさかねぇ。
などと思いつつひとつひとつは小さいが3つもある個室を手前から順にのぞいていく。
ひとつめ。ふたつめ。みっつめをのぞきこんだとき、娘さんは大声をあげ腰を抜かした。
233:⑦⑦⑦ : 2016/12/09 (Fri) 08:50:35
みっつめの個室の中にいたのは夫さんが首を吊っている姿だった。
一番奥の個室の上には排気だかの太いダクトが通っており、そこに自分のベルトをひっかけて首を吊っていた。もう息はしていなさそうだ。
嘘だ、夫さんはさっき自分の席に戻ったはず・・・。
立たない足腰をなんとか引きずりながら店内に戻るともちろん夫さんの席には誰も座っていなかった。
「と、父さん、Bさん、Bさんは・・・・!!!」
「え?まだトイレから戻ってないだろ?心配して見に行ったんじゃないのかい?」
ほどなく家から遺書が見つかった。
これからC枝との思い出の場所をまわってみる。
C枝ともしまたどこかで出会えたら、そこで、私も・・・。
店で自殺があったとなれば客商売としてはつらい。
でも夫妻の気持ちを考えると娘さんはそれだけでお店を閉めることには反対だった。
そんな娘さんに父さんは言った。
「いつからかはわからんが、奥さんはあそこにいるわけだ。もしかしたら、今となっては夫さんも・・・。」
父さんはお店をたたむことを決めた。
(※⑦⑦⑦さんからの投稿です。ありがとうございました)
.
なんとかっていう町で、父親と娘で二人でやっている居酒屋があった。
小さいがつまみが旨いと評判の店で地元の人を中心に何人か常連がいた。
その中にAさんという夫婦がいて、トシは初老といったところ。
子供はいなかったが仲のいい夫婦で、週一か週二のペースでその店に通って夫婦水入らずで食事をするのを楽しみにしていたらしい。
感じのいい夫婦で、そのお店の父娘とも気さくにしゃべっていたからよく覚えていたんだそうだ。
そんな夫婦に悲劇が襲った。
なんの病気かは敢えて聞いていなかったが、結構前から奥さんは治る見込みのない、つらい病気に悩まされていた。
日に日に病状は悪化しているという話だったが、それでもなじみの店に来れば少しは気が休まるのか来店のペースは落ちながらもちょくちょく二人そろって食事にはきていた。
それがある日を境にぱったりと来店しなくなった。
心配していた父娘の耳にほどなくして入ってきたのは奥さんの自殺という最悪の知らせだった。
231:⑦⑦⑦ : 2016/12/09 (Fri) 08:41:19
大変なことであっただろう。
かける言葉も見当たらないが、もしまた店に来てくれれば少しでも慰めになるのではないか・・・。
そんな風に思っていながら月日は流れ、少し記憶からも消えかかっていたときにその夫さんはふらりと店に現れた。もちろん一人ではあったが。
「何よその顔。心配かけちゃった?」
無理に笑顔を作っているのは痛いほどわかったが、思っていたよりも元気そうだ。
「なんにしましょう?」
「最初瓶ビールね。」
「あいよ。」
「コップは二つね。」
父娘は一瞬顔を見合わせた。夫さんはその微妙な空気を察したのか
「あ・・・。いけね、つい癖で・・・。」
と頭をかいた。
「A子、Bさんとこにコップ二つね。」
「はい。」
驚いて父さんを見る夫さんに向かって父さんは
「Bさん、久しぶりにゆっくりお二人で飲んでくださいよ。最初の一本はサービスにしますよ。」
と気を利かせた。
「すまないね・・・。」
といいながら夫さんは最初に自分のコップに、その後向かいの席に置いたもう一つのコップにビールを注ぎ、軽くコップを合わせた後ゆっくりと飲みだした
何本か瓶を空けた後、
「ちょっとトイレ。」
と言って夫さんは席を立った。
楽しそうに飲んでいるその空気のせいか、娘さんにちょっとしたいたずら心がわいた。
232:⑦⑦⑦ : 2016/12/09 (Fri) 08:45:31
不謹慎なことだったのかもしれないが、その時の娘さんにはそんな気持ちは一切なく、
「こうしたら夫さんは少しは驚き、そして笑うんじゃないかしら」
という思いだけだった。
奥さんのために注がれていたビールを一口分ほどこっそり手に持っていた新しい布巾の中にたらし、その布巾をさっと隠した。
夫さんが出てこれを見たらきっと驚くだろう。
そしたら
「あら、奥さんが少し飲まれたのかしら」
と言ってみよう・・・。
ほろ酔い気分でトイレから帰ってきた夫さんが発した言葉は意外なものだった。
「A子ちゃん、困るなあ。いたずらしちゃ。」
え?なんで?トイレの扉が完全に閉まっていたのは確認した。
夫さんからは私の行動は見えていないはずなのに・・・。
びっくりして言葉が出ない娘さんにむかって夫さんはさらに言った。
「C枝がさあ、トイレの中で教えてくれたんだよ。A子ちゃんがなんかやってますよーってね。」
奥さんの名前だ。
いくら酔っていても夫さんはいつもはこんな冗談を言う人ではない。
なんでこんな事を言うんだろう。なんでばれたんだろう・・・。
「トイレの奥の方にいるよ?聞いてきてみなって」
「トイレの・・・奥ですか?あ・・・・はい。」
楽しそうに話す夫さんの、その雰囲気を壊したくなかったということもあり、気が進まなかったがトイレに行ってみた。
奥さんがねぇ。まさかねぇ。
などと思いつつひとつひとつは小さいが3つもある個室を手前から順にのぞいていく。
ひとつめ。ふたつめ。みっつめをのぞきこんだとき、娘さんは大声をあげ腰を抜かした。
233:⑦⑦⑦ : 2016/12/09 (Fri) 08:50:35
みっつめの個室の中にいたのは夫さんが首を吊っている姿だった。
一番奥の個室の上には排気だかの太いダクトが通っており、そこに自分のベルトをひっかけて首を吊っていた。もう息はしていなさそうだ。
嘘だ、夫さんはさっき自分の席に戻ったはず・・・。
立たない足腰をなんとか引きずりながら店内に戻るともちろん夫さんの席には誰も座っていなかった。
「と、父さん、Bさん、Bさんは・・・・!!!」
「え?まだトイレから戻ってないだろ?心配して見に行ったんじゃないのかい?」
ほどなく家から遺書が見つかった。
これからC枝との思い出の場所をまわってみる。
C枝ともしまたどこかで出会えたら、そこで、私も・・・。
店で自殺があったとなれば客商売としてはつらい。
でも夫妻の気持ちを考えると娘さんはそれだけでお店を閉めることには反対だった。
そんな娘さんに父さんは言った。
「いつからかはわからんが、奥さんはあそこにいるわけだ。もしかしたら、今となっては夫さんも・・・。」
父さんはお店をたたむことを決めた。
(※⑦⑦⑦さんからの投稿です。ありがとうございました)
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