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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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ホラー映画

2022.08.18 (Thu) Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象

612:本当にあった怖い名無し:2022/06/13(月)13:02:48.11ID:+2oPaPlH0.net
京都の大学にいた頃の話。

当時、名作ホラー『リング』の続編が出るということで話題になっていた。
DVDリリースの日に合わせて映画好きの友だち5人で見ようということになり、ツタヤに行ったのだが人気のため1本も残っていなかった。
しかし友人宅にはもう、ホラー映画鑑賞を楽しみにしているメンバーが待機している。

仕方なく、別の映画を借りた。
『女優霊』という、これも少し昔ではあるがかなりの名作ホラーだ。
だが当時はその詳細は知らず、ほとんどタイトルとジャケで判断してネタとして借りた。

結果、これがものすごい怖さだった。見終わって
「いや、やばいやつやん」
と、楽しかった一方でマジで震えながら顔を見合わせた。
翌日も平日で普通に講義があったため、深夜2時、各々帰宅の途についた。
真っ暗ななか自分は20分かけて自転車を猛烈に飛ばした。
なんだか物影を見るのもこわかった。

家に着いた瞬間、電話が鳴った。
電話をとると、無言だった。



613:本当にあった怖い名無し:2022/06/13(月)13:15:31.36ID:+2oPaPlH0.net
「もしもし」
「…」
「もしもし…?誰?」

ちなみに自分は当時携帯を持っていなくて、家電だった。
だから相手が誰かわからない。
小さなしゃがれた声が聞こえた。

「お前は 七日後に しぬ」

背筋が凍った瞬間、
「あはは!うそ〜!ビビったやろ」
と友だちの声がした。

ありきたりのリングネタなのに一瞬忘れるくらいビビってしまって、その反動でイラッとしたけど、それ以上にめちゃくちゃホッとした。
「やめてよ本気でビビったんだけど」
「笑ける マジで泣きそうやったやん」
と電話機の前で笑いながらしゃべっていたのだが、友だちの声の向こうでかなり大きな笑い声がして、会話が聞こえなくなった。

お笑い番組を見ているのだと思い、自分は何気なく言った。
「ていうか、テレビの音めっちゃでかい。ちょっと小さくして」
その途端、友だちがピタッと静かになった。
「テレビなんてついてへんよ」



614:本当にあった怖い名無し:2022/06/13(月)13:26:41.65ID:+2oPaPlH0.net
「もういいてそういうの。めっちゃ女の人の笑い声するし」
しつこさに呆れかえってツッコむと、意外な返事が返ってきた。
「やめてやマジで。仕返しすんの」
「何のこと? 仕返しじゃないって。もういいって。怖いの終わろうや〜」
「嘘言わんといてよ!!! もう、しつこいやん」
友だちの本気で泣きそうな様子に、彼女が嘘をついてないことを感じた。

彼女の部屋ではテレビがついていなかったのに、自分は確かに女の笑い声を聴いた。
手を打って大笑いしているような高い笑い声だった。
恐ろしくて、電話を切ったあと、朝までちびまる子ちゃんを読んで気を紛らわせてなんとか夜明けを迎えた。

次の日、昨夜のメンバーに早く会ってその話をしたくて急いで大学に行った。
学食に入ると、メンバーのうちの男子2人が向こうから歩いてきた。
駆けよって口を開こうとした瞬間、向こうから
「なあ!昨日やばかってんねんけど!」
と言われた。
「えっ」と思い、自分と女友達の話をする前に、彼らがおびえたように話し始めた。

AくんBくん2人は家が同じ方向だったため、自転車で連れだって帰宅していた。
田んぼをつっきる細い道で、縦に並んで自転車を走らせていたところ、Aくんが、背中のほうで女が笑うような声をきいた。
気のせいだと思い、そのまま走らせて住宅街に入ったところで、後ろを走っていたBくんが
「女が笑ってるような声してビビったわ」と言ったらしい。
「俺ら同時に、女が笑ってる声きいてん、ヤバイやろ」

それを聴いて、マジで背中が凍りついた。ゾッとした。
彼らは家が遠いので、田んぼを走っていたころ私は家についていた。
そして友だちと電話をしていたちょうどその頃の時間だった。

怖い話をしていると霊が寄ってくるというけど、本当にそうかもしれない。
あれ以来、みんなで集まってホラーを見ることはやめた。





引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?369
http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1652452819/612-614





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身代わり自画像って知ってる?

2022.07.24 (Sun) Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象

676:本当にあった怖い名無し:2022/05/04(水)17:05:22.23ID:8ZwVxV8M0.net
身代わり自画像って知ってる?
要は自画像描いて憑いてるもんにこいつが身代わりになるから苦しめるのはやめてくれとやる行動なんだけど

不幸体質で悪い事ばかり起きる人がいてひょっとしたら悪霊でも憑いてんじゃねぇかと思い自画像描いてお決まりの文言を言ったんだわ
女性は憑かれやすいというしね

画力は問題なし鏡でもスマホで撮ったてめぇのきたねぇツラでもおk
自分を描いていると思いそれを見ながら描けば(自分を描いておいて似てねぇというのも変だが)大丈夫
似てる!これは自分と思おう!
ただし分じゃダメよ
いくらド下手でも時間ぐらいはかけて描こう

その女の人も絵は得意だったこともあり描けたんだけど最初の異変は2日後におきた
絵具がまったく乾いてないんだ
そう
垂れてんの絵具
おかげで顔がすんげぇブサイクになってる

唇は笑顔で描いたからあがっているはずだけどへの字になってた
垂れたおかげでね
うわぁ・・・と思いつつもスルーして日常をすごした

なるほど確かに悪い事は起きなくなった
些細な悪い事はそりゃおきるけどこれはひどいという不幸はおきなくなった

しばらく経過して絵を見に行った女の人は両手で口をおおった
おお!これはひどい!
垂れた絵の具がまるで黒い手のようになってて彼女の首に・・・
顔も変形して苦悶の表情だ 
描いた日からかなりたつのに触ると指につくぐらい乾いてねぇ!

恐怖に陥り部屋を飛び出し指を洗った彼女
その晩夢を見た
黒い女がつぶやいている



677:本当にあった怖い名無し:2022/05/04(水)17:06:25.50ID:8ZwVxV8M0.net
「もう死んじゃった・・・・あんたに戻っていい? まだまだ晴れないよ・・・」
飛び起きた彼女
朝になっていたが顔も洗わず絵を見に行った!

おお!なんたる光景!
倒れていて用紙が裂けてました
そして裂け目には使った覚えのない赤絵具

震える手で用紙を拾い見て絶叫した
描いた覚えのない構図の彼女の断末の表情がそこにはあった
口は絶叫のようにひらき目はぎゅうと閉じられ涙のような水色がふちからたれている

憑いてたもんが自分に帰ってくると思った彼女は慌ててもう一度自画像を描いた
「描いたわ!また描いた!この私にやって!酷い目にあわせないで」
と自画像を指差し誰もいない宙に向かって懇願した

その晩また夢を見た
黒い女性がゲタゲタ笑い
「いくらぶん殴ってもこの恨みは晴れないよう あははははは!次はどうしようかなぁ」



678:本当にあった怖い名無し:2022/05/04(水)17:07:44.55ID:8ZwVxV8M0.net
次の朝また絵を見に部屋にいくと自画像はまるで何百発もぶん殴られたように
ぼこぼこに顔中が腫れ上がっていた
目なんぞは腫れあがって開けられないレベルだ

それからしばらく確かに悪い事はおきず平穏な生活を送っていたがまた夢に出てきた
「おい、死んだぞ 早くしないと戻っちゃうぞ ほんとならお前を一生苦しめてやるんだけどどうしよっか?」

絵が置いてある部屋にいくと顔の部分がぶっ潰れてぶっ裂けていました
何をしたらこうなるんだろうというぐらい見事に顔が無くなっていた
憑いてる事は確定してしまった
彼女は自分の身の安全のために自画像を描き続けた

顔を中心に描けば殴られる、裂ける、目がつぶれてる、鼻が陥没などといった変化が!
全身を描いたらば複数人にリンチされてるかのような構図に変化してボッコボコにやられてる
いずれも絵具が乾かず垂れてそう見える感じだけど・・・それにしたって使った覚えのない色になってるのはねぇ・・・

服を破られたのか肌色・・・てか全裸でそこら中真っ赤の全身像とかね
リンチされまくり全身血まみれという状態だろう

彼女が描いた自画像は数百枚におよんでいる
最近は夢に出ることもなくなりタイミングがわからない
はっきりとした酷い不幸が降りかかった時
しまったと慌てて部屋に行くと案の定
ボロボロのバラバラになってる自画像がある
彼女に憑いてる悪霊はとんでもない恨みを持つ悪霊のようだ

みんなも悪い事が頻繁に起きて霊に憑かれていると感じるのならばこの身代わり自画像を描いて絵が変化するかお試ししてみたらどうか

終わり



679:本当にあった怖い名無し:2022/05/04(水)17:34:04.63ID:kQnB9yzP0.net
勝手に恨んでくる幽霊とかって理不尽すぎて恐怖より怒りが来る




引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?368
http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1649945810/676-679





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公衆電話 他

2022.07.15 (Fri) Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象

(※NAVERまとめ(閉鎖)に掲載されていた学校の怖い話や体験談です。短い話もあるので12話一挙投稿します。)


-公衆電話-

学校に1台は設置されている公衆電話ですが、基本的に公衆電話から電話をかけることはあっても電話がかかってくることはありません。

ですが、たまに電話がかかってくることがあるそうです。その電話をとってしまうと
「とったな」
という声が聞こえたと思ったら、電話をとった人がこつ然と消えてしまうそうです。

電話をとった人はその後見つかることはなく、どこに消えたのか、生きているのかどうかもわからない状態になってしまうと言われています。





-ウサギ小屋-

小学校の頃
ウサギ小屋の掃除当番になって数日早朝、いつものようにウサギ小屋へ入ったら、妙に生臭いにおいがした。
なんだろうと思いながら、小屋の外に敷いてあるすのこを上げた。
血まみれの内臓がべったりと地面に張り付いていた。

その出来事ははカラスの仕業と結論付けられた。
ウサギの死体そのものは見つからなかった。





-動くデッサン人形-

デッサン人形が踊りだす。





-給食-

小学校の頃、給食のときだけ教室に現れる男子がいた。

不登校の生徒か?とも思ったけど名簿にも乗ってないし、先生に聞いても
「学校の生徒だよ」
とそっけない返事。なぜか俺以外は誰もその子の存在を気にしないので、なんか不気味だった。

結局彼がなんだかわからないまま俺は卒業。
でも、後に知った事実。
俺の弟が後に6-6になったんだけど、弟曰わく
「給食時間だけ変な男子がいる」
とのことだった。

ちなみに弟は3個下です。

何年生徒でいるんだよ。











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じゃあそこにつれてってみてよ

2022.07.15 (Fri) Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象

719:本当にあった怖い名無し:2007/07/10(火)02:12:01ID:6L6dyfX30
友達から聞いた話

その子の家には1階に仏間がある。
ある日風邪を引いてしまった友達は、看病しやすいからということで2階にある自室ではなく、空いていた仏間に寝かされた。
うつらうつらしていると、耳元で誰かがしゃべってる。
内容ははっきり覚えてないけどとにかく
「今自分がいる所が如何に苦しくて辛いか」
ということを延々と話してるらしい。
頭が痛くてイライラしてた友達は
「じゃあそこにつれてってみてよ」
と声に出した。

その途端、誰かに抱き上げられる感覚がした。

慌てて飛び起きてお母さんの所まで走ったらしい。
あの部屋はイヤだ、というと2階に戻してもらえたとか。





引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?168
https://hobby9.5ch.net/test/read.cgi/occult/1182759124/719





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オルゴールの音

2022.07.09 (Sat) Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象

379:本当にあった怖い名無し:2022/04/25(月)22:58:08ID:1EMC2nlh0.net
日常生活の中のちょっとした出来事。
それにほんの少しだけ深入りしたせいで、怖い目に遭ってしまう。
これはそういうお話である。

Gさんが仕事の都合で引っ越し、マンション暮らしをはじめて1年経った頃のことだ。
「彼女もいない一人暮らしでしたけど、その分かなり気楽ではありましたね」

平和だし、騒音もなく、迷惑な近隣住民もいない。いい環境だな、と感じていた。
街での生活にも慣れてきたなと思った1年目のあるとき、妙なことが起きた。
「オルゴールがね、聞こえてきたんですよ。どこからか…………」

最初に聞いたのは──いや、実はもっと前から流れていたのかもしれないので、正確には「気づいた」だが──Gさんが夜、寝ようとしていた時だったそうだ。
エアコンが苦手なので窓を開けて、ベッドに横たわっていた。
風に乗ってかすかに、かすかにそれは聞こえてきたという。

テテテンテンテン……という柔らかな響きで、すぐにオルゴールだとわかった。
マンションの隣室や上下の階ではない。外のどこかからである。
彼は高層階ではなく低い階に住んでいた。
なんとなく、この部屋から少し距離がある場所のように感じる。
あぁ、誰かオルゴールを鳴らしてる。夜だけど、誰かヒーリング目的で聞いてるのだろうか。
はてこれは、何の曲かな…………
曲は、数秒聞いていてすぐわかった。ディズニーの「It's a small world」、「小さな世界」というやつだ。


世界中どこだって笑いあり涙ありみんなそれぞれ助け合う小さな世界……
(訳:若谷和子)
うろおぼえだけど、確かこんな感じの歌詞だったっけ。

そんなことを考えているうちに1番の終わり、「世界はまるいただひとつ……」まで曲が進み、オルゴールの音色は止んだ。
……ネジを回すやつでもフタを開けるやつでも、普通はネジが終わるまで鳴ってるもんだけどなぁ。
1回だけ聞いて満足して、フタを閉めたのかな。でもオルゴールを1回こっきり聞いて満足、って、あんまりイメージできないけど……

しっくりこない気もしたが、単なる日常生活のひとコマでしかない。
特に気にも止めず眠りについて、記憶の底に埋もれてしまったという。



380:本当にあった怖い名無し:2022/04/25(月)22:58:59ID:1EMC2nlh0.net
それから1週間も経たないうちだった。夜中に目が覚めた。
部屋の中も、例によって少し開けてある窓の外も真っ暗だ。深夜の2時か3時かと思われた。
どうしてこんな時間に、理由もなく目が覚めたのかな。

そう思う間もなく、外からまたテテテンテンテン……と、「小さな世界」の音色が耳に届いた。
あぁ、また誰かがオルゴールを鳴らしてる。Gさんはベッドの上で考えた。
こないだは気づかなかったけど、これ、生音だなぁ。スマホとかスピーカーじゃなくて、オルゴール本体からしてるやつだぞ。
俺が目覚めたのを見計らったように鳴るなんて、おかしなこともあるもんだなぁ……
寝起きの夢見心地のままトロトロと考えているうちに、ふとわけもなく、こう思ったという。
…………これって、どこから聞こえてくるんだろう?

マンションの敷地内、じゃないなぁ。目の前の道路……でもなさそうだ。もうちょっと遠いな。
でもそんなには離れてないぞ。そうだなぁ、道路を渡って、公園があって。
そうそう、ちょうど公園の、真ん中あたりから聞こえてくる、って距離感だな。
うん、これは公園の中で鳴らしてるんだ……でもこんな夜中に、公園の中でオルゴール…………

こんな考えを巡らせているうちに、オルゴールはまた「世界はまるいただひとつ……」まで鳴り終わって、ぱったりと静かになった。

突然だった。
Gさんの部屋のクローゼットの中からテテテンテンテン……とオルゴールが鳴りはじめた。
「それがね、上から布をかぶせたような、にぶくて、くぐもった音で……」

もちろん彼の部屋にはオルゴールなどない。そういう音源もない。
そもそもクローゼットの中に音楽を流すようなものは何も入れていない。
びくっ、として掛け布団をつかんだが、冷静に耳をすませた。

これは、隣の部屋から聞こえてきてるんじゃないか?
十秒ほど息を詰めて確かめた。
だがやはり、「小さな世界」は自分の部屋のクローゼットから聞こえてくる。間違いなく。

電気をつければよかったものの、判断力が鈍っていた。それに窓から月明かりが入ってきていた。



381:本当にあった怖い名無し:2022/04/25(月)22:59:22ID:1EMC2nlh0.net
ゆっくりと、寝床から降りて、クローゼットに近づいていく。
この中に、何が入っているのか……いや、何も入っていないことを確認しなければ、怖くて寝つけない。
放っておいてまた鳴り出したら怖い。
今度は聞こえ方が違っていたりしたら、と想像するともっと怖い。

足音を殺しながら移動しているうちに、オルゴールはまたもや「ただひとつ……」までを鳴らし終えた。
部屋の中が死んだように静かになった。
Gさんはクローゼットの、観音開きの扉の取っ手を両手で掴んだ。
それから一気にグイッ、と開けた。

女が立っていた。
掛けてある洋服をかき分けるようにして、女の後ろ姿があった。

「えっ」
Gさんが言葉を失っていると、女はくるり、とこちらを向いた。

女はひどくのっぺりとした、無個性な顔立ちだった。街ですれ違ってもすぐ忘れてしまうようなタイプだった。
なんの表情も浮かんでいない顔だった。死んだ魚のような目がGさんを見つめている。

女と目が合ったような気がした。
すると、特徴のない目と鼻の下にあった口が、いきなりパカッと大きく開いた。

「せかぁいーじゅーうぅーどこだぁーあってー
わらいぃーあーりぃーなみぃだーあーりぃー」

女は、「小さな世界」を大声で歌いはじめた。
腰を抜かしそうになってよろめいたGさんを尻目に、女は無表情のまま口を大きく開けて歌い続ける。

「みぃんなーそぉれぞーれたぁすぅーけあうー
ちいさぁなぁーせぇーかぁーいぃーーーー」

Gさんは扉を閉める余裕もなく、クローゼットの前から逃げた。
なんなんだ。誰なんだこの女は。どうして俺の部屋にいるんだ。混乱する彼のすぐそば、クローゼットの奥から女の歌声は続いている。



382:本当にあった怖い名無し:2022/04/25(月)22:59:53ID:1EMC2nlh0.net
「せぇーーかいーーはーーーせーーーーまいーーーー
せぇーーかいーーはーーーおぉーーーなじぃーーーー」

Gさんは寝巻きのまま玄関に走った。スマホも財布も持たなかった。
家の鍵だけを握って部屋を飛び出た。

「せぇーーかいーーーはーーーまぁーーるいーーーー…………」

廊下を走り外階段を駆け下りて1階まで行き外に出て、道を走った。

自動販売機がいくつも並ぶ道端で、Gさんはようやく立ち止まった。
目がちらつくような強い明かりが、今はありがたかった。

「…………はぁ……っ?…………ええっ…………?なんで…………?……なにあれ……?ちょっと…………マジで…………」飲み物の見本が並ぶあたりに手を置いて息を切らせながら、彼はかすれた声で途切れ途切れに言い続けた。
混乱しきっていた。
自分の住んでいた部屋が事故物件だなんて聞いていないし、不審な出来事だってなかった。
近所で事件や事故も起きてない。祟られるようなことをした記憶もゼロだ。
いつもの日常だ。あのオルゴールの音色以外は…………

越してきてまだ1年である。職場に友人知人はいたが、深夜に転がりこめるような間柄ではまだない。
財布もスマホも置いてきてしまったので彼は仕方なく、自動販売機周辺の明るい道端で、夜が白むのを待った。
オルゴールや歌声が聞こえてきたり、女の姿が現れるのではないかとビクビクして過ごした。
人生でいちばん長い夜だったかもしれない、という。

「明け方、もう大丈夫だろうと思って部屋に戻りました。もしかしたらほら、夢だったかもしれませんし……」
部屋は、逃げ出してきた時から変化していなかった。
クローゼットも開いたままだった。
少なくとも自分がここを開けたことは、動かしようのない事実であった。
夜明けの朝日が窓から射し込む中、彼はそっと、クローゼットを覗いた。そこには誰もいなかった。服も荷物も、一切乱れていなかった。

Gさんは寝不足と精神的疲労を抱えたまま、その日は仕事に行ったのだという。



383:本当にあった怖い名無し:2022/04/25(月)23:00:47ID:1EMC2nlh0.net
「そこのマンションって、管理人さんが常駐してないんですね。で、週2くらいで管理人の関係者のおばあさんが、掃除に来るんです」
数日後の朝、そのおばあさんに行き会った。この間のあれについて尋ねてみたい、とGさんは思った。
しかし、
「部屋に女の幽霊が出て歌を歌った」
などと言って信じてもらえるはずもない。おはようございます、と挨拶してから、おもむろにこう言ってみた。
「あのぅ、この辺で、夜なんですけどね」
「はいはい」
おばあさんは愛想よく返事をする。
「なんだろうなぁ、オルゴール?の音がしてくるんですよね」
「あぁー、それねぇ。オルゴールの曲ね。あなたも聞いたのね?」
「あっ、以前からそうなんですか?」
「そうそう、いつからなのかはわかんないんだけど」
おばあさんはいつものほのぼのした口調で答える。



384:本当にあった怖い名無し:2022/04/25(月)23:01:27ID:1EMC2nlh0.net
「あれねぇ、季節とか時期によって曲が変わるんだよねぇ」
「えっ?……あぁ、そうなんですね…………」
曲が変化すると聞いて少し驚いたが、どうにかごまかした。

「いや、真夜中に聞こえてきたもんで、あれって何なのかな、って思いまして」
「あー気にしなくてもいいから。『なんかオルゴール鳴ってるなー』って思ってればすぐ止むから。すぐ止んだでしょう?」「そうですね、1番っていうか、一回鳴ったら終わりましたね」
「うんうん、うるさくないでしょ全然。ちょっと聞こえるだけね」
「えぇ。えぇ。かすかに聞こえるだけなので、耳障りではないんですけど」
「あれ、どこからかなって思わなきゃいいから」
「…………どこから?」
「これ、どこからかなー、って思うと、よくないからね」
「…………あのつまり、どこから聞こえてくるのか、って考えると…………」
「あーもうダメダメ、それ考えちゃうとダメ。場所、気にしちゃダメ」
「……………………」
「あとは大丈夫だから。なんともないやつだから。ね!」

そういうことは早く言ってほしかった、とGさんは哀しく思ったそうである。

「…………それからねぇ」
これで終わりかと思いきや、彼はまだ話を続けた。
「後で気づいて、いちばん怖かったことがあるんですよ」
彼の部屋のクローゼットは、真ん中に上下を分ける仕切り板が一枚入っている。



385:本当にあった怖い名無し:2022/04/25(月)23:01:46ID:1EMC2nlh0.net
上にはスーツや私服を掛けて、下段には衣装ケースや雑貨を詰め込んでいるというのだが。
「歌ってた女はね、最初俺、『クローゼットの中に立ってた』って思ったんですよ。でも無理なんですよね。下段には荷物があるし、仕切り板があるんですもん。だから……あの時は瞬間的に『女が立ってる』って判断したんですけど、もしかしたらあの女って、仕切り板から上の、上半身しかなかったんじゃないか、って…………」

暗いクローゼットの中にいた女の特徴のない顔は思い出せるのに、体がどうなっていたのかは思い出せない。
Gさんは、それがとても怖いんです、と語るのだった。

彼はまだ、そこに住んでいる。
夏や冬はもちろん、春でも秋でも、夜になったら窓をピッタリ閉めるようにしている。
オルゴールの音色が、できるだけ聞こえないようにしているのだそうである。



387:本当にあった怖い名無し:2022/04/25(月)23:23:31ID:ewZM3zEy0.net
お見事
プロの文章って感じ




引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?368
http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1649945810/379-387






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