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8周年記念百物語No100:置かれた白衣
2013.10.01 (Tue) | Category : 誰も信じない人へ
537 :本当にあった怖い名無し:2013/01/19(土) 20:43:32.02 ID:O2M4k4o90
内容的に不謹慎かと思ったので悩みましたが昔、働いていた工場には検査室という6畳ほどの小さな部屋があり
そこに入室する時は白衣に着替えなければいけなかった
白衣は廊下にあるロッカーに2、3着掛けてあった
新入社員の時、検査室で一人作業をしているAさんに用事があ白衣に着替えて中に入った
Aさんへの用事が終わり
「では、失礼します。」
と頭を下げて帰ろうとした時Aさんが
「白衣、ちゃんと掛けといてね。」
と言った
自分は
「はい、わかりました。」
と返事をしてドアの方に体を向けた瞬間、とても驚いた
床に白衣が大の字に広げて置いてあった
小さい部屋の中、二人きり
誰かが入って来て気付かないはずのない距離
何だこれ・・いつの間に・・・と絶句しているとAさんが
「あら?聞いてないの?」
と驚いている
「これ、たまにあるから。」
この現象Aさんが入社した10年前からすでに発生しており
初めは、原因を究明しようと休日出勤し1日中見張ったこともあったが
ほんの少し目を離した隙に、白衣が置かれており
白衣が置かれる事以外に特に被害もなく
他の社員も慣れているのか
「またかよ。面倒くせえなあ」
なんて人もいるくらいだったのでもう、そんなもんなんだって事になったらしい
538 :本当にあった怖い名無し:2013/01/19(土) 20:44:28.89 ID:O2M4k4o90
そんなある日
東日本大震災が起こった
会社が海のすぐ側だったが、すぐに避難した為うちの会社に犠牲者はいなかった
震災後、数日経った頃だった
同僚が家に尋ねてきて工場を見に行かないかと誘ってきた
はっきり言って、仕事もなく電気もなくやることもなかった自分は同僚と工場を見に行くことにした
工場だった場所はもう瓦礫の山で、自然の力で積み上げられた車やどこかの家のアルバムや卒業証書やおもちゃやらエ□本やら色々なものを見つけては二人で嘆きあった
買ったばっかだった新車は屋根の上にきれいに乗ってあった
同僚と
「ここは第1工場があったあたり」
「ここは会議室だ」
なんて言いながら瓦礫の山を歩いていると遠くのほうで白くキラキラ光るものが見えた
あれはなんだろう。車の屋根とか?鏡じゃない?などと話しながら近づくとそれは大の字に広げられた白衣だった
津波で流されたはずにも関わらず、白衣には全く汚れがなく
たった今誰かが置いたかのように瓦礫の上に不自然に置いてあった
同僚と無言で見詰め合ったあと
「ああ、ここ検査室www」
と震災後初めて爆笑した
現在、工場は更地になっており、あの白衣がどうなっているのかは知らない
内容的に不謹慎かと思ったので悩みましたが昔、働いていた工場には検査室という6畳ほどの小さな部屋があり
そこに入室する時は白衣に着替えなければいけなかった
白衣は廊下にあるロッカーに2、3着掛けてあった
新入社員の時、検査室で一人作業をしているAさんに用事があ白衣に着替えて中に入った
Aさんへの用事が終わり
「では、失礼します。」
と頭を下げて帰ろうとした時Aさんが
「白衣、ちゃんと掛けといてね。」
と言った
自分は
「はい、わかりました。」
と返事をしてドアの方に体を向けた瞬間、とても驚いた
床に白衣が大の字に広げて置いてあった
小さい部屋の中、二人きり
誰かが入って来て気付かないはずのない距離
何だこれ・・いつの間に・・・と絶句しているとAさんが
「あら?聞いてないの?」
と驚いている
「これ、たまにあるから。」
この現象Aさんが入社した10年前からすでに発生しており
初めは、原因を究明しようと休日出勤し1日中見張ったこともあったが
ほんの少し目を離した隙に、白衣が置かれており
白衣が置かれる事以外に特に被害もなく
他の社員も慣れているのか
「またかよ。面倒くせえなあ」
なんて人もいるくらいだったのでもう、そんなもんなんだって事になったらしい
538 :本当にあった怖い名無し:2013/01/19(土) 20:44:28.89 ID:O2M4k4o90
そんなある日
東日本大震災が起こった
会社が海のすぐ側だったが、すぐに避難した為うちの会社に犠牲者はいなかった
震災後、数日経った頃だった
同僚が家に尋ねてきて工場を見に行かないかと誘ってきた
はっきり言って、仕事もなく電気もなくやることもなかった自分は同僚と工場を見に行くことにした
工場だった場所はもう瓦礫の山で、自然の力で積み上げられた車やどこかの家のアルバムや卒業証書やおもちゃやらエ□本やら色々なものを見つけては二人で嘆きあった
買ったばっかだった新車は屋根の上にきれいに乗ってあった
同僚と
「ここは第1工場があったあたり」
「ここは会議室だ」
なんて言いながら瓦礫の山を歩いていると遠くのほうで白くキラキラ光るものが見えた
あれはなんだろう。車の屋根とか?鏡じゃない?などと話しながら近づくとそれは大の字に広げられた白衣だった
津波で流されたはずにも関わらず、白衣には全く汚れがなく
たった今誰かが置いたかのように瓦礫の上に不自然に置いてあった
同僚と無言で見詰め合ったあと
「ああ、ここ検査室www」
と震災後初めて爆笑した
現在、工場は更地になっており、あの白衣がどうなっているのかは知らない
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Title : 無題
100話目は、なんだか和むお話でしたね!
一気に更新、お疲れ様です(^-^)
楽しく読ませていただきました。
ちなみに、8年前、私はまだ小学6年生でした(笑)
小学生が大学生になるくらいの年月…すごいです!
ぴーなっつ 2013.10.01 (Tue) 22:56 編集
Re:無題
楽しんでいただけたようで何よりです(*´ω`*)
今後とも宜しくお願いします!
東京都-40歳男性
2013.10.02 12:16
Title : 無題
「白衣」の二文字を見ただけでナースのお話と脊髄反射したアタクシが通りますよww
たとえ出だしに工場とか検査室とか書いてあっても、最後には絶対にナースのお話になるんだと信じてたんだ・・・・・。信じてたんだよ・・・・・・。
鼬の仔 2013.10.02 (Wed) 13:32 編集
Re:無題
そんな信じ込まれても…w
2013.10.02 18:53
Title : 無題
律義にクリーニングしてたのかな(^ω^;)なんかかわいい♪
ねこたま 2013.11.05 (Tue) 00:21 編集
Re:無題
汚れてちゃ台無しだもんね!
2013.11.06 20:23