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ようやくとれた宿にて
2013.02.26 (Tue) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
566 :本当にあった怖い名無し:04/08/08 07:38 ID:bTuDAPbC
実体験なので、まったく怖くないです…
1998年8月、お盆休みに当時高崎に住んでいた友人と連れだって、ドライブに出かけた。
特にあてもなく、関越を水上で降りて利根川の源流や尾瀬を抜けて日光等々、ふらふらと。
午後になり、さて宿をどうするかという段になった。
当時、月2箇所ぐらいのペースで出張のある仕事に就いていた私は、前日当日に宿を取るなど朝飯前と自負していた。
ガイドブック片手に携帯であちこち電話をしたが、時期はお盆の真っ最中、しかも週末とあって、近場の温泉宿は殆ど満室。友人にうそぶいていた私の額に、うっすらと汗が浮いてきた頃、○神温泉の文字が目に入った。
当時この名前を知らなかった私は、
「ここはマイナーだろ」
と思い、とりあえず目に留まった一軒の宿に電話した。
名前は○○荘。ホテル~や~旅館など器の大きそうな宿にことごとく振られていたので、この名前が真っ先に目に付いた。
電話には番頭格らしき中年男性が、比較的丁寧な物腰で出た。
「これから2人なんですが、空いてます?」
「え~っとですね、う~ん、少々お待ち頂けますか?」
対応は微妙だった。1分近く待たされ、こりゃ次あたるかと電話を切ろうとした時、
「もしもし」
と、先ほどとは別の中年女性が対応に出た。
「今どちらですか、一応、手狭になりますが一部屋ご用意できますが」
「1時間ほどで着けると思います、お願いします」
日も傾きかけてきていた。即決だった。
567 :本当にあった怖い名無し:04/08/08 07:40 ID:bTuDAPbC
宿は案の定古かった。
歴史を感じさせるなどという情緒などなく、築20~30年くらいの単なる古びた2階建ての宿だった。
2階の突き当たりにある「ききょうの間」という部屋に通された。6畳間に2畳程の板間とトイレが付いた、本当に狭い部屋だった。おそらく、普段は従業員が使用してる部屋なのだろう、仲居さんは、しきりに
「すいません」
と繰り返していた。
風呂は以外にも広く、温泉はかけ流しだった。
「だろっ」
っと、ほくそえんだ私を見て友人は
「まあまあだな」
と笑った。
朝が早かった為、夕食のビールが効く。
途中トイレにたつと、2人の仲居さんが私を見て立ち話を中断し、妙な愛想笑いを浮かべた。
睡魔が程よく回っていた為、さほど気にしなかった。
友人の驚異的な大イビキで目が覚めた。
部屋の明かりは友人が消したのであろう、さて、寝たのは何時だったのか…ぼ~っとした頭で考えて、さぁもう一眠りだと思うが、隣がうるさい。
「んっ?」
と思った。
右手に板間がある位置のふとんで寝ていた私は、仕切りの障子が開いていることに気づいた。
何故か気になる。普段ならどうでもいいことが、何故か気になる…
「閉めなきゃ、閉めなきゃ」
と何故かしきりに思っている。
体を起こそうとした瞬間、金縛りにあった。
幼少の頃から疲れたとき、金縛りにあうことには慣れていた私は、
「またかよ」
とうんざりしながらも、少しづつ気合を入れて解く作業に転換した。
だが、いつもと違う。頭は金縛りを早く解かねばと考えているのだが、目を板間の方向から離せない。
それでも、指先から徐々に動くよう気合を入れる。恐怖感よりもこの動けない苦痛が嫌いだといつもは思っているが、この日は何故か怖い。真夏の空調も無い部屋なのに、体温が低下してゆくのが分かる。
568 :本当にあった怖い名無し:04/08/08 07:42 ID:bTuDAPbC
どのくらい時間がたったのか、なんとか金縛りが解けた。
浅く持ち上げていた体を、ゆっくりとふとんに沈めた。耳鳴りがしていたので気づかなかったが、友人はまだ大イビキをかいている。
「うるさいな」
と寝返りをうった。
軍人がいた。
私と友人との間に軍人、いや、正確にいうとそれらしき帽子を目深にかぶった者が正座し、板間の方向を凝視していた。
気が付くと朝だった。
「おはようさん」
と朝風呂からサッパリした顔の友人が戻ってきた。
「イビキうるさいよ」
と軽く文句を言いつつ、昨日のことは夢だろうと記憶を打ち消していた。
板間の古びた赤いビニールの椅子に腰掛けようと引いたとき、ふと気づいた。
その椅子には、うっすらと埃がかかっていた。
その時思った。この部屋は普段人の出入りが無いんだな、何らかの理由でと。
大広間での朝食の時、電話に出た女将らしき人がいたので、それとなく聞こうかとも思ったが、忙しそうなのでやめた、というより、その時点でも今でもあれは夢だと思っている。
長文、駄文スマソ。
実体験なので、まったく怖くないです…
1998年8月、お盆休みに当時高崎に住んでいた友人と連れだって、ドライブに出かけた。
特にあてもなく、関越を水上で降りて利根川の源流や尾瀬を抜けて日光等々、ふらふらと。
午後になり、さて宿をどうするかという段になった。
当時、月2箇所ぐらいのペースで出張のある仕事に就いていた私は、前日当日に宿を取るなど朝飯前と自負していた。
ガイドブック片手に携帯であちこち電話をしたが、時期はお盆の真っ最中、しかも週末とあって、近場の温泉宿は殆ど満室。友人にうそぶいていた私の額に、うっすらと汗が浮いてきた頃、○神温泉の文字が目に入った。
当時この名前を知らなかった私は、
「ここはマイナーだろ」
と思い、とりあえず目に留まった一軒の宿に電話した。
名前は○○荘。ホテル~や~旅館など器の大きそうな宿にことごとく振られていたので、この名前が真っ先に目に付いた。
電話には番頭格らしき中年男性が、比較的丁寧な物腰で出た。
「これから2人なんですが、空いてます?」
「え~っとですね、う~ん、少々お待ち頂けますか?」
対応は微妙だった。1分近く待たされ、こりゃ次あたるかと電話を切ろうとした時、
「もしもし」
と、先ほどとは別の中年女性が対応に出た。
「今どちらですか、一応、手狭になりますが一部屋ご用意できますが」
「1時間ほどで着けると思います、お願いします」
日も傾きかけてきていた。即決だった。
567 :本当にあった怖い名無し:04/08/08 07:40 ID:bTuDAPbC
宿は案の定古かった。
歴史を感じさせるなどという情緒などなく、築20~30年くらいの単なる古びた2階建ての宿だった。
2階の突き当たりにある「ききょうの間」という部屋に通された。6畳間に2畳程の板間とトイレが付いた、本当に狭い部屋だった。おそらく、普段は従業員が使用してる部屋なのだろう、仲居さんは、しきりに
「すいません」
と繰り返していた。
風呂は以外にも広く、温泉はかけ流しだった。
「だろっ」
っと、ほくそえんだ私を見て友人は
「まあまあだな」
と笑った。
朝が早かった為、夕食のビールが効く。
途中トイレにたつと、2人の仲居さんが私を見て立ち話を中断し、妙な愛想笑いを浮かべた。
睡魔が程よく回っていた為、さほど気にしなかった。
友人の驚異的な大イビキで目が覚めた。
部屋の明かりは友人が消したのであろう、さて、寝たのは何時だったのか…ぼ~っとした頭で考えて、さぁもう一眠りだと思うが、隣がうるさい。
「んっ?」
と思った。
右手に板間がある位置のふとんで寝ていた私は、仕切りの障子が開いていることに気づいた。
何故か気になる。普段ならどうでもいいことが、何故か気になる…
「閉めなきゃ、閉めなきゃ」
と何故かしきりに思っている。
体を起こそうとした瞬間、金縛りにあった。
幼少の頃から疲れたとき、金縛りにあうことには慣れていた私は、
「またかよ」
とうんざりしながらも、少しづつ気合を入れて解く作業に転換した。
だが、いつもと違う。頭は金縛りを早く解かねばと考えているのだが、目を板間の方向から離せない。
それでも、指先から徐々に動くよう気合を入れる。恐怖感よりもこの動けない苦痛が嫌いだといつもは思っているが、この日は何故か怖い。真夏の空調も無い部屋なのに、体温が低下してゆくのが分かる。
568 :本当にあった怖い名無し:04/08/08 07:42 ID:bTuDAPbC
どのくらい時間がたったのか、なんとか金縛りが解けた。
浅く持ち上げていた体を、ゆっくりとふとんに沈めた。耳鳴りがしていたので気づかなかったが、友人はまだ大イビキをかいている。
「うるさいな」
と寝返りをうった。
軍人がいた。
私と友人との間に軍人、いや、正確にいうとそれらしき帽子を目深にかぶった者が正座し、板間の方向を凝視していた。
気が付くと朝だった。
「おはようさん」
と朝風呂からサッパリした顔の友人が戻ってきた。
「イビキうるさいよ」
と軽く文句を言いつつ、昨日のことは夢だろうと記憶を打ち消していた。
板間の古びた赤いビニールの椅子に腰掛けようと引いたとき、ふと気づいた。
その椅子には、うっすらと埃がかかっていた。
その時思った。この部屋は普段人の出入りが無いんだな、何らかの理由でと。
大広間での朝食の時、電話に出た女将らしき人がいたので、それとなく聞こうかとも思ったが、忙しそうなのでやめた、というより、その時点でも今でもあれは夢だと思っている。
長文、駄文スマソ。
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Title : 無題
律儀に正座…素晴らしい
NONAME 2013.02.26 (Tue) 23:17 編集
Re:無題
さすが軍人さん
2013.03.02 19:40
Title : 無題
男2人の寝姿を間で正座しながら見つめる軍人さん…
イカガワシイBL妄想しておきます。
ねこたま 2013.02.27 (Wed) 11:56 編集
Re:無題
ちょっと待ってww
2013.03.03 15:54
Title : 無題
こういう普段は使わない所に泊まる時の宿泊料をしりたい。。
ぬ氏 2013.02.27 (Wed) 12:51 編集
Re:無題
割安になったりするのかしら…
2013.03.03 15:56
Title : 無題
いくら普段使ってなくて、緊急でお客が入ることになったからって、仮にも旅館で椅子に埃なんてあり得ないんじゃあ...。
ネフェルタリ 2013.07.29 (Mon) 13:22 編集
Re:無題
誰も入ってなかったんだろうねぇ。従業員すら。
2013.07.31 20:58