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プリンのおじちゃん
2012.12.07 (Fri) | Category : 人を信じすぎる人へ
762: プリンのおじちゃん 1/2:2012/04/23(月) 21:06:37.79 ID:SuQL66lL0
結城は契約家主の物件にいる滞納者から家賃を回収する仕事をしていた。
一ヶ月も続けると人間不信に陥るほど精神的にキツイ仕事だった。
バレバレのその場しのぎの嘘を並べるのは良い方、逆切れして暴言・罵声をあびせられることもたびたびだった。
ノイローゼになり辞めたり自殺した社員もいる。
あるワンルームマンションに一年近く滞納している女からの回収を命じられ部屋に行くと、サラ金の取り立ての督促状がぎっしり郵便受けにたまりドアは蹴られたのかあちこち凹んでいた。
これは家賃どころではないだろうと、あきらめ半分で呼びかけたが返事はない。
その後何度も足を運んだが、女との接触はかなわなかった。
ある晩、ようやく部屋の電気が点いていたので呼び鈴を押すとドアが開き中から3・4歳くらいの男の子が顔を出した。
ママは?と聞くと「開けちゃいけないのに、ママに怒られる」と泣き出した。
なだめながら部屋に入れてもらうと、中はゴミの山で、隅には赤ん坊と猫が一緒にタオルケットに包まれ寝ていた。
男の子はけんちゃんといい、母親は仕事だという。
2人とも風呂に入っている様子もなく、痩せこけて酷い有様だった。
帰ろうとする結城の裾を掴み、「おじちゃん、また来てね」と言った。
764: プリンのおじちゃん 2/2:2012/04/23(月) 21:09:48.01 ID:SuQL66lL0
翌日コンビニでプリンを買って行くと、けんちゃんは生まれて初めて食べたと目を輝かせて喜んだ。
さらに翌日も。家賃回収もだが、子供たちが気になったからだ。
母親が置いていったという消費期限をとっくに過ぎた異臭のするコンビニ弁当を食べようとするのを止め、新しい弁当とプリンを買い与えた。
プリンをおいしいおいしいと食べるけんちゃんに
「お母さんに連絡するように言ってね」
と告げてメモを残し帰った。
その翌日会社に母親から「住居侵入で訴える」とクレームが入り、結城は上司に叱られ担当から外された。
それでも子供たちが気になり、何度か訪ねそっとドアにプリンや食料の入った袋をかけておいた。
半年ほど過ぎた頃、偶然あのマンションの前を通ったので気になり、部屋の呼び鈴を押していると隣の住民が顔を出し、その部屋には今誰もいないと教えてくれた。
引っ越したのかと聞くと、母親が捕まったからだ、子供を死なせたんだと言う。
驚いて赤ちゃんが?と言うと。
「上のお兄ちゃんが死んだんだ、なんだかプリンのおじちゃんを待つんだ、待つんだと言ってベランダによじ登って外を見ているうちに落ちちゃった。母親はそれから色々調べられて逮捕された」
結城は一晩中溢れる涙を抑えることができなかった。
翌日会社に辞表を出した。
(※平山夢明氏の作品のあらすじらしいです)
結城は契約家主の物件にいる滞納者から家賃を回収する仕事をしていた。
一ヶ月も続けると人間不信に陥るほど精神的にキツイ仕事だった。
バレバレのその場しのぎの嘘を並べるのは良い方、逆切れして暴言・罵声をあびせられることもたびたびだった。
ノイローゼになり辞めたり自殺した社員もいる。
あるワンルームマンションに一年近く滞納している女からの回収を命じられ部屋に行くと、サラ金の取り立ての督促状がぎっしり郵便受けにたまりドアは蹴られたのかあちこち凹んでいた。
これは家賃どころではないだろうと、あきらめ半分で呼びかけたが返事はない。
その後何度も足を運んだが、女との接触はかなわなかった。
ある晩、ようやく部屋の電気が点いていたので呼び鈴を押すとドアが開き中から3・4歳くらいの男の子が顔を出した。
ママは?と聞くと「開けちゃいけないのに、ママに怒られる」と泣き出した。
なだめながら部屋に入れてもらうと、中はゴミの山で、隅には赤ん坊と猫が一緒にタオルケットに包まれ寝ていた。
男の子はけんちゃんといい、母親は仕事だという。
2人とも風呂に入っている様子もなく、痩せこけて酷い有様だった。
帰ろうとする結城の裾を掴み、「おじちゃん、また来てね」と言った。
764: プリンのおじちゃん 2/2:2012/04/23(月) 21:09:48.01 ID:SuQL66lL0
翌日コンビニでプリンを買って行くと、けんちゃんは生まれて初めて食べたと目を輝かせて喜んだ。
さらに翌日も。家賃回収もだが、子供たちが気になったからだ。
母親が置いていったという消費期限をとっくに過ぎた異臭のするコンビニ弁当を食べようとするのを止め、新しい弁当とプリンを買い与えた。
プリンをおいしいおいしいと食べるけんちゃんに
「お母さんに連絡するように言ってね」
と告げてメモを残し帰った。
その翌日会社に母親から「住居侵入で訴える」とクレームが入り、結城は上司に叱られ担当から外された。
それでも子供たちが気になり、何度か訪ねそっとドアにプリンや食料の入った袋をかけておいた。
半年ほど過ぎた頃、偶然あのマンションの前を通ったので気になり、部屋の呼び鈴を押していると隣の住民が顔を出し、その部屋には今誰もいないと教えてくれた。
引っ越したのかと聞くと、母親が捕まったからだ、子供を死なせたんだと言う。
驚いて赤ちゃんが?と言うと。
「上のお兄ちゃんが死んだんだ、なんだかプリンのおじちゃんを待つんだ、待つんだと言ってベランダによじ登って外を見ているうちに落ちちゃった。母親はそれから色々調べられて逮捕された」
結城は一晩中溢れる涙を抑えることができなかった。
翌日会社に辞表を出した。
(※平山夢明氏の作品のあらすじらしいです)
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Title : 無題
悲しい話やね
NONAME 2012.12.07 (Fri) 22:50 編集
Re:無題
後味悪いですなぁ
2012.12.08 18:16
Title : 無題
小説のあらすじみたいだし後味の悪い話だった。
NONAME 2012.12.08 (Sat) 09:44 編集
Re:無題
相当後味悪いですよねこの話。
2012.12.08 18:20
Title : 無題
悲しい話やね
NONAME 2012.12.08 (Sat) 19:12 編集
Re:無題
なぜ2回もw
2012.12.10 17:31
Title : 無題
これが現実にもあるんだからイヤになる。
ネフェルタリ 2013.08.20 (Tue) 08:14 編集
Re:無題
子供のまんま大人になっちゃう人も増えてるからねぇ
2013.08.22 21:53