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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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精神(2)

2007.10.20 (Sat) Category : 都市伝説・考察・真相

電気けいれん療法は、頭部に通電することでけいれん発作を誘発する治療法で、うつ病、躁うつ病、統合失調症などの精神疾患(まれにパーキンソン病などにも)の治療に用いられる。ECT(electroconvulsive therapy)、電撃療法(electroshock theraphy: EST)とも言う。

主な適応
うつ病:重症で自殺の危険が高く緊急を要する場合や、薬物療法を充分行っても症状が改善しない場合、薬物療法の副作用が強い場合など。 
躁うつ病:うつ状態で上記したような問題がある場合や、躁状態で興奮が強く緊急を要する場合など。 
統合失調症:難治性の場合や、抑うつを伴い自殺の危険が強い場合、緊張型の昏迷状態など。 

改良された修正型電気けいれん療法
電気けいれん療法には大きく分けて、四肢や体幹の筋にけいれんを実際に起こすもの(有けいれんECT)と、筋弛緩剤を用いて筋のけいれんを起こさせないもの(修正型ECT,無けいれんECT)に分類され、用いる電流も「サイン波」型と「パルス波」型に分類できる。

けいれんについて
電気けいれん療法は、脳内でてんかん発作の電気活動を起こすことで効果を得るため、それに伴って起こる全身の筋のけいれんは治療のために必要でないばかりか、血圧を上昇させたり骨折の危険を起こしたりと、有害である。そのため、筋弛緩剤で筋を弛緩させて、麻酔科医が呼吸管理(人工呼吸)を行いつつ、頭部に通電するという「無けいれん電気けいれん療法」が開発されて日本でも主流になりつつあるが、現状では、精神科単科の病院では麻酔科医の確保は不可能に近い。 

「サイン波」と「パルス波」電流
以前より、日本においては「サイン波」(送電線を流れている電流を変圧しただけのもの)による通電が行われていたが、これは海外で用いられていた「パルス波」の電流に比べて認知障害などの副作用が大きいことが知られている。そのため、平成14年にパルス波型の通電装置「サイマトロン」が日本でも認可された。 

副作用
術前の全身状態の評価を適切に行い、無けいれん電気けいれん療法を行った場合、安全で有効な治療法である。薬物療法による副作用での死亡率よりも少ないという報告もある。絶対的な禁忌といったものも存在しない。 しかし、以下のような副作用が起こることがある。

心血管系の障害:筋はけいれんしなくても、交感神経の興奮などで血圧上昇、不整脈などが起こることもある。 
一過性の健忘:術直前・直後の記憶が飛ぶことがあるが、一過性である。 
認知障害:前向性健忘(以前の記憶はあるが、新しいことが覚えられなくなる)が見られることがある。老人に頻度が高い。多くは時間とともに回復するが、そのまま認知機能の低下が遷延するという例も少数だが報告されている。 

歴史
1937年、L.メドゥナが薬物を用いて人工的にけいれん発作を作ることで統合失調症患者の治療に成功した。当時、てんかん患者は統合失調症を合併しないと信じられており、これは「てんかん発作には精神病を予防・治療する効果があるのではないか」という着想のもとに行われたという。この結果を受けて、1938年、イタリアのU.ツェルレッティとL.ビニは、電気を用いてけいれんを起こすことに成功した。

その後、この療法は世界各地で行われ、1950年代にフェノチアジン(クロルプロマジン)が開発されるまで、精神疾患治療法の花形であった。しかし、その後様々な抗精神病薬や抗うつ薬、気分安定薬などの開発により使用される頻度は減少していくこととなった。また、一部の精神病院では患者に対して懲罰的に電気けいれん療法を行っていたことが明らかになり、社会問題として大きく取り上げられ、その傾向に拍車をかけることとなった。

しかし、薬物療法に対して電気けいれん療法の利点(比較的即効性であることなど)が徐々に明らかになり、また無けいれん電気けいれん療法の開発、パルス波通電装置の開発などの電気けいれん療法自体の改良が行われたことにより、現在では再び治療において重要な地位を占めるようになっている。

…上記に見られるように、悪しき慣習として懲罰目的で電気療法が用いられたことがあった。したがって、この話は都市伝説ではなく、れっきとした過去の事実であったのである。
現在も改良されたとはいえ、現在の日本では保険の適用も利く、合法的な治療法であることは間違いない。







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