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猟銃
2011.04.20 (Wed) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
434 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2011/03/31(木) 21:13:19.48 ID:Jp1OLhwu0
知り合いの話。
彼がまだ若い頃、猟のため山に籠もっていた時のこと。
夜、焚き火の側で猟銃の手入れをしていたという。
作業が終わり、小用を足そうと近くの繁みに足を向けた。
背後で物音がした。
振り向くと、手入れを終えたばかりの銃がない。
木立の奥に目をやると、細長い物を手にした人のような影が走り去っていく。
慌てて追い掛けたが、影はあっという間に暗い山の中に逃げ込んでしまった。
「一体アレは何だったんだ?」
全身が黒い毛で覆われていて、若干前屈み気味だったが、間違いなく二本の脚で走っていた。
体付きからして人ではない。
腕が長く、それに比べて脚は大層短かった。
しかし、猿にしては大き過ぎる。
パッと見、寸足らずなゴリラを連想したそうだ。
胸騒ぎがした。
焚き火の周りには、まだ片付けていない剥き出しの糧食があった。
なのにそれには目もくれず、アレは銃だけを掴み山へと逃げたのだ。
とても眠り込む気にはなれなかった。
火を絶やさないように気を付け、翌朝早々に山を下りることにする。
護身用の山刀を握りしめ、夜が明けるのを待った。
無事に朝を迎え、山を下っているその途中―。
どこかで乾いた破裂音がした。
間髪おかず、すぐ傍らの木の幹が爆ぜる。
「狙撃された!?」
理由はないが、昨晩盗られたあの銃で撃たれたと思った。
というか、それ以外考えられなかった。
頭を低くし、小走りでジグザグに木々の間を駆け下りる。
銃で狙ったことはあっても、狙われた経験などない。
獲物が狙いにくかった状況を頭の中に思い浮かべ、その時の獲物の真似をして必死で逃げた。
また破裂音が聞こえると、離れた繁みが揺れた。
幸い、狙撃手は腕が宜しくないようだ。
必死で逃げながらも、しっかりと発射の回数を数えていく。
弾倉内に装填した数だけ音が聞こえた後は、思わず安堵で足がもつれた。
もうこれ以上の弾は無いはずだ。
緊張の糸が切れ、その場にへたり込む。
息を弾ませていると突然、嫌な可能性を思い付いてしまった。
「・・・まさか他に弾をくすねていて、リロードしたりしないよな・・・そこまで知恵、持ってないよな・・・」
慌てて再び走り出そうとした時、何かが勢いよく横手に落ちてきた。
銃身が途中でひん曲げられた、彼の猟銃だった。
狙撃してきたモノが何かはわからないが、どうやら、換えの弾までは入手していなかったらしい。
それ以降、何かが彼を襲ってくることはなかった。
無事に下山できたものの、しばらくは山に入る気になれなかったそうだ。
(※白さんからの投稿です。ありがとうございました)
知り合いの話。
彼がまだ若い頃、猟のため山に籠もっていた時のこと。
夜、焚き火の側で猟銃の手入れをしていたという。
作業が終わり、小用を足そうと近くの繁みに足を向けた。
背後で物音がした。
振り向くと、手入れを終えたばかりの銃がない。
木立の奥に目をやると、細長い物を手にした人のような影が走り去っていく。
慌てて追い掛けたが、影はあっという間に暗い山の中に逃げ込んでしまった。
「一体アレは何だったんだ?」
全身が黒い毛で覆われていて、若干前屈み気味だったが、間違いなく二本の脚で走っていた。
体付きからして人ではない。
腕が長く、それに比べて脚は大層短かった。
しかし、猿にしては大き過ぎる。
パッと見、寸足らずなゴリラを連想したそうだ。
胸騒ぎがした。
焚き火の周りには、まだ片付けていない剥き出しの糧食があった。
なのにそれには目もくれず、アレは銃だけを掴み山へと逃げたのだ。
とても眠り込む気にはなれなかった。
火を絶やさないように気を付け、翌朝早々に山を下りることにする。
護身用の山刀を握りしめ、夜が明けるのを待った。
無事に朝を迎え、山を下っているその途中―。
どこかで乾いた破裂音がした。
間髪おかず、すぐ傍らの木の幹が爆ぜる。
「狙撃された!?」
理由はないが、昨晩盗られたあの銃で撃たれたと思った。
というか、それ以外考えられなかった。
頭を低くし、小走りでジグザグに木々の間を駆け下りる。
銃で狙ったことはあっても、狙われた経験などない。
獲物が狙いにくかった状況を頭の中に思い浮かべ、その時の獲物の真似をして必死で逃げた。
また破裂音が聞こえると、離れた繁みが揺れた。
幸い、狙撃手は腕が宜しくないようだ。
必死で逃げながらも、しっかりと発射の回数を数えていく。
弾倉内に装填した数だけ音が聞こえた後は、思わず安堵で足がもつれた。
もうこれ以上の弾は無いはずだ。
緊張の糸が切れ、その場にへたり込む。
息を弾ませていると突然、嫌な可能性を思い付いてしまった。
「・・・まさか他に弾をくすねていて、リロードしたりしないよな・・・そこまで知恵、持ってないよな・・・」
慌てて再び走り出そうとした時、何かが勢いよく横手に落ちてきた。
銃身が途中でひん曲げられた、彼の猟銃だった。
狙撃してきたモノが何かはわからないが、どうやら、換えの弾までは入手していなかったらしい。
それ以降、何かが彼を襲ってくることはなかった。
無事に下山できたものの、しばらくは山に入る気になれなかったそうだ。
(※白さんからの投稿です。ありがとうございました)
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Title : 無題
えっ…ええっっ…怖いwww
なんか凄くバイオハザードの香りがwww
鱒 2011.04.20 (Wed) 20:35 編集
Re:無題
狩られちゃう方ですかw
2011.04.22 15:25
Title : 無題
ゴルゴ13「……。」
春月 2011.04.20 (Wed) 21:48 編集
Re:無題
デューク東郷にしたら、ちょっと調子が悪すぎですねw
2011.04.22 15:26
Title : 無題
銃ひん曲げるくらいパワフルなら直接襲ったほうが手っ取り早い気がするけどね?遊びたかったの?
NONAME 2011.04.20 (Wed) 22:01 編集
Re:無題
おもちゃを使ってみたかったんじゃないですかね?w
2011.04.22 15:27
Title : 無題
というか化け物なら金属は苦手なはず…ちなみにライフルなら整備もせずに撃ちっぱなしにしておけばすぐに撃てなくなるから問題はないかと、つーか銃の管理に関してははどう報告したんだろうか…
数字 2011.04.20 (Wed) 23:07 編集
Re:無題
紛失した、とか盗まれた、なんて届出したら大変ですよねぇ。
そういえば、物の怪は金属が苦手っていいますね。
2011.04.22 15:29
Title : 無題
銃が珍しかったのか
撃ってみたかったのか
ま 2011.04.21 (Thu) 00:42 編集
Re:無題
きっと珍しかったのでしょうね。
2011.04.22 16:24
Title : 無題
ターちゃんw
NONAME 2011.04.21 (Thu) 03:24 編集
Re:無題
ターちゃん…ジャングル以外にもいたのねw
2011.04.22 21:06
Title : 無題
単に人間を殺してみたかったのか…
火巳ヶ家 2011.04.21 (Thu) 19:40 編集
Re:無題
というより、もしかしたら見よう見まねでやってみた、程度かもしれません。
2011.04.22 22:35
Title : 無題
ほんとは当てる気はもともとなかったんだよ。
ただ「狙われる恐怖」を教えたかっただけだよ。
NONAME 2011.04.22 (Fri) 01:04 編集
Re:無題
森の守り神みたいな人(?)なのかな。
2011.04.24 14:22
Title : 無題
もののけ姫の森の民みたいな?
確か、人間喰うって言ってたし
ユンボ 2011.04.22 (Fri) 01:09 編集
Re:無題
え、じゃあ捕まったら食べられちゃうのか…
2011.04.24 14:21
Title : 無題
>どこかで乾いた破裂音がした。
間髪おかず、すぐ傍らの木の幹が爆ぜる。
弾丸は大抵音速以上だから、木の幹が爆ぜた後に発射音だね。
NONAME 2011.04.23 (Sat) 19:18 編集
Re:無題
弾丸の初速は300m/sからあるらしいので、必ずしもそう、というわけでもなさそうですよ。
2011.04.25 20:57
Title : ↑
猟銃って秒速200㍍くらいからあった気がする……
NONAME 2011.04.24 (Sun) 00:04 編集
Re:↑
そうなんですか?
ハンドガンだと300m/sからみたいです。
2011.04.25 21:02
Title : 無題
猟銃ってどのくらい精密な射撃が出来るのかな?
ネッシー 2011.04.25 (Mon) 20:52 編集
Re:無題
普通は20mくらい、って言いますけど…どうなのでしょう。
2011.04.27 15:38