囲まれた場所

　これは、自分が中学生の頃の話です。

当時、よく学校内の図書室に通っていました。ちなみに、出身中学校はいじめや自殺、校内暴力なども多く、図書館に近寄る生徒は自分以外滅多にいませんでした。

　２年生の、ある夏の日の事でした。翌日から夏休みという事もあり、本を借りようと図書室に寄りました。
やはり誰もおらず、締め切られた部屋の中は暑い空気がこもっていました。

どうせ、司書は隣接されている準備室で涼んでいるのだろうと、そのまま本を物色し始めました。
その頃、日本の有名作家の全集を端から借りていた為、続きを取ろうとした時でした。自分の三方にあった本棚から、一気に本がなだれ落ちて来たのです。慌てて頭を押さえ、その場に屈みました。

　一瞬の事に呆然としていると、本の落ちた音に驚いたのか司書が慌ててやってきました。
地震も無ければ、自分が本棚にぶつかったわけでもありません。それに、その部屋には自分しかいませんでした。
司書に説教を受けていても、全く耳に入りませんでした。

　取り敢えず、自分の周りに落ちた本を片付けてから、全集の続きを借りて帰宅しました。
それでから、しばらく自分の周りが三方に囲まれている場所で、１人でいる時だけにおいて、同じ様な現象が１ヶ月程続きました。それ以降その様な現象は無くなったのですが、特に理由も解らない現象の１つです。

（※今市さんからの投稿です。ありがとうございました）