都市伝説・・・奇憚・・・blog
都市伝説を中心にホラー、オカルト系の話題をお楽しみください。
メールはyoshizo0@hotmail.co.jpへ
☆☆投稿やまとめて欲しい話題のタレコミなど、情報提供受付中!
☆☆ありがとう5000万ヒット!☆☆
夜行列車
2010.04.09 (Fri) | Category : 体験特集
今ではすっかり息を潜めた感のある夜行列車だが、かつては多くの人が利用し、そこから数知れないドラマも生まれているはずだ。バス等では味わえない、ちょっと不思議な乗り物であるだけに…。
もう何年も前の話だが、ちょっと嫌なことがあり旅に出かけることにした。
もう仕事を辞めるつもりだったし、体調不良を理由に数日休みを取った。
そして、夜になってから出発し、まずは上野駅へ向かった。
当時は定期運行していた急行「能登」に乗車するためだ。
乗客は少ないと聞いていたので自由席に乗ったが、長距離の旅客よりサラリーマン風の人の方が多い。
途中大宮、熊谷、高崎等に止まるため、終電代わりに短距離利用する人も少なくはないのだろう。
高崎を出発する頃には、車内の様子も変わり、乗客もまばらになった。
4人分席を独占して眠っている人もいるくらいだ。
そう言えば腹が減った。すぐ眠ってしまうつもりで、駅弁等も買って来なかったどうしよう…。
悩んでいたら、車内販売がやって来た。
ああよかった、とにかくなにか買おうと思いお姉さんに声をかける。
何種類かの駅弁が目につき、かにめしを選び、四角いパックに入った懐かしいお茶とつまみも買うことにした。
小さいころ乗った特急列車などで親がこうして買ってくれたりしたもんだが、その時と似たようなメニューだ。
深夜なので車窓の景色を楽しみながら、とは行かないが、しばし駅弁を味わっていた。
空腹を満たしたところで、なんだか眠くなり、そのままうとうとしているうちに意識が遠退いていく…。
翌朝目が醒めるとちょうど富山駅へ着く直前だった。
終点であり私が降りる予定の金沢まではもうちょっと先だった。
ふと目をやると隣の座席にあったはずの駅弁のゴミが無くなっていることに気付いた。
そうか、乗務員が片付けちゃったんだ…、お茶のパックとか懐かしいから持って帰るつもりだったんだけど、まあしょうがないか。
やがて、列車は金沢へ到着し、ホームへと降り立った。
すると乗務前後の車内販売のワゴンが置かれているのが目についた。
その中にかにめしもあり「そうそう、これを食べたんだよ」とひとりでうなずいていた…。
そして列車を乗り継ぎ福井まで出た。
駅前広場で着信のあった友達へ電話をする。
彼も鉄道好きのため、私の話を聞きたかったのだろう。
そこで、昨夜の出来事を話すと
「はあ?うそだろ、能登で車販なんかやってないぞ」
という返事が返ってきた。
言われれば確かに不自然だ。
乗客もまばらな列車だし、第一車販があったとしても眠っている客の多い深夜にだけ売りに来るわけはない。
それに普通なら何往復かするはずなのに、通ったのはたった一回だけだった…。
さらに記憶を整理する。
そう言えば四角いお茶も、今は車販で売っていたっけ?ちょっと前に乗った列車ではペットボトルだったような気がする…。そもそも車内放送でも、食堂車や車内販売はございませんみたいなこと言ってたなあ…。
「それにさ、ゴミだって勝手には片付けないでしょ」
と友達。そりゃそうだ、ビニール袋に入れておいたので、本人の持ち物の可能性もあるうちは、無断では捨てないだろう。
「そんなネタでからかうなんてお前にしちゃ珍しいな、まあ、またいろいろ聞かせてくれよ」
と言われたところで、通話を終えた。
確かに、記憶以外の証拠はなく、夢でも見ていたのかも知れない。だとしたら、妙にリアルな夢だったなあ、久しぶりのかにめしがとても美味かったもの…。
この春、そんな思い出がある急行「能登」は姿を消すことになった。日々の辛さを忘れることのできる旅にいざなってくれたこと、それからあの日の不思議な体験をさせてくれたことに感謝したい。
(※フニテルさんからの投稿です。ありがとうございました)
もう何年も前の話だが、ちょっと嫌なことがあり旅に出かけることにした。
もう仕事を辞めるつもりだったし、体調不良を理由に数日休みを取った。
そして、夜になってから出発し、まずは上野駅へ向かった。
当時は定期運行していた急行「能登」に乗車するためだ。
乗客は少ないと聞いていたので自由席に乗ったが、長距離の旅客よりサラリーマン風の人の方が多い。
途中大宮、熊谷、高崎等に止まるため、終電代わりに短距離利用する人も少なくはないのだろう。
高崎を出発する頃には、車内の様子も変わり、乗客もまばらになった。
4人分席を独占して眠っている人もいるくらいだ。
そう言えば腹が減った。すぐ眠ってしまうつもりで、駅弁等も買って来なかったどうしよう…。
悩んでいたら、車内販売がやって来た。
ああよかった、とにかくなにか買おうと思いお姉さんに声をかける。
何種類かの駅弁が目につき、かにめしを選び、四角いパックに入った懐かしいお茶とつまみも買うことにした。
小さいころ乗った特急列車などで親がこうして買ってくれたりしたもんだが、その時と似たようなメニューだ。
深夜なので車窓の景色を楽しみながら、とは行かないが、しばし駅弁を味わっていた。
空腹を満たしたところで、なんだか眠くなり、そのままうとうとしているうちに意識が遠退いていく…。
翌朝目が醒めるとちょうど富山駅へ着く直前だった。
終点であり私が降りる予定の金沢まではもうちょっと先だった。
ふと目をやると隣の座席にあったはずの駅弁のゴミが無くなっていることに気付いた。
そうか、乗務員が片付けちゃったんだ…、お茶のパックとか懐かしいから持って帰るつもりだったんだけど、まあしょうがないか。
やがて、列車は金沢へ到着し、ホームへと降り立った。
すると乗務前後の車内販売のワゴンが置かれているのが目についた。
その中にかにめしもあり「そうそう、これを食べたんだよ」とひとりでうなずいていた…。
そして列車を乗り継ぎ福井まで出た。
駅前広場で着信のあった友達へ電話をする。
彼も鉄道好きのため、私の話を聞きたかったのだろう。
そこで、昨夜の出来事を話すと
「はあ?うそだろ、能登で車販なんかやってないぞ」
という返事が返ってきた。
言われれば確かに不自然だ。
乗客もまばらな列車だし、第一車販があったとしても眠っている客の多い深夜にだけ売りに来るわけはない。
それに普通なら何往復かするはずなのに、通ったのはたった一回だけだった…。
さらに記憶を整理する。
そう言えば四角いお茶も、今は車販で売っていたっけ?ちょっと前に乗った列車ではペットボトルだったような気がする…。そもそも車内放送でも、食堂車や車内販売はございませんみたいなこと言ってたなあ…。
「それにさ、ゴミだって勝手には片付けないでしょ」
と友達。そりゃそうだ、ビニール袋に入れておいたので、本人の持ち物の可能性もあるうちは、無断では捨てないだろう。
「そんなネタでからかうなんてお前にしちゃ珍しいな、まあ、またいろいろ聞かせてくれよ」
と言われたところで、通話を終えた。
確かに、記憶以外の証拠はなく、夢でも見ていたのかも知れない。だとしたら、妙にリアルな夢だったなあ、久しぶりのかにめしがとても美味かったもの…。
この春、そんな思い出がある急行「能登」は姿を消すことになった。日々の辛さを忘れることのできる旅にいざなってくれたこと、それからあの日の不思議な体験をさせてくれたことに感謝したい。
(※フニテルさんからの投稿です。ありがとうございました)
PR
この記事へのトラックバック
:
スポンサードリンク
ブログ内検索
カテゴリー
アーカイブ
過去50ヶ月分を表示しています
アクセス解析
カウンター
この記事にコメントする
Title : 無題
夜の鉄道は独特の雰囲気ありますよね~
私も一度だけ、ブルートレイン+青函連絡船で北海道まで行った事あります
最近鉄道関係はあまり良いニュース見ませんが(ボソw
イズ 2010.04.10 (Sat) 22:28 編集
Re:無題
ワタシの夢はカシオペアか北斗星で北海道に行くことです。
いつもチケットが取れず、飛行機ですが。
2010.04.11 17:41
Title : 感謝
イズ様、コメありがとうございます。この体験をした時は、精神的にかなりまいっていたこともあり、ただの思い違いなのかも知れません。実は福井を目指したのは東尋坊に行くかどうか迷ってのことでした…。
でも、あのかにめしが引き留めてくれたような気がして、結局東尋坊は見物だけして2日後には帰って来ました(復路は新幹線にしましたが…)。定期列車としては能登が廃止となり、何だか寂しさというか懐かしさというか、何か感じるものがあり、誰かに話したいという気持ちになり、ここへ投稿してみました…。
フニテル 2010.04.11 (Sun) 01:31 編集
Re:感謝
えええ
お弁当様のおかげですね。
2010.04.11 17:55
Title : 無題
お弁当様ww かにめし妖怪!(マテw
夜汽車の付喪神?か何かが見せてくれた夢、だったのかもしれませんね(^^
廃止になった列車もいろんな再利用されてるみたいですし(海外で走ってたり)
何処かで再会できるかも・・
イズ 2010.04.11 (Sun) 19:17 編集
Re:無題
近代化もいいですけど、あんまりあれもこれもとなくすのは止めて欲しいですね。
2010.04.12 13:43