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濡れ女(萌ver.)#2
2009.12.21 (Mon) | Category : 都市伝説・改変萌ver.
【#1】はこちら
- - - - - -
俺は酷く混乱していた。
なんで彼女がここにいる。それよりも、なんで濡れたままなんだ。
「君は濡れおなごなんだね?」
俺は自分の言葉に驚いた。なんで、こんな事を言ったのだろう。でも・・・
俺の想像は正しかった。
「そうよ。馬鹿な男。貴方は私に微笑み返した御陰で、死んでいくの。私なんかに笑顔を見せたこと。一生後悔して死んでいくの。」
彼女は、無表情のまま続ける。
「何人もの男が私に微笑み返した事を後悔して死んでいったわ。貴方もそうなるの!」
彼女の言葉には感情の色が無かった。
いや・・・俺には無理矢理感情を抑えつけているように聞こえた。
そして、先程から気になっていたことを訪ねることにした。
「この部屋を片づけてくれたの君なんだろ?」
まるで『ぼっ!』という音が聞こえてくると思ってしまうほど・・・
彼女の白い顔が真っ赤に染まった。
「な、なんで私が貴方の部屋を掃除しなきゃいけないのよ!?貴方って、じ、自意識過剰じゃないの?」
明らかに動揺している・・・。俺は面白くなって言葉を続ける。
「でもさぁ、この部屋、鍵掛かってたぜ?それに、合い鍵なんて作ってないし。おかしいんじゃない?」
長い沈黙の後。
「・・・・・したよ。」
今にも消えてしまいそうな小声だ。
「ん?聞こえないんだけど?」
「だから、掃除したよ!こんな汚い家じゃ私が居なくても病気になっちゃうし・・・じゃなくて!!こんな汚い家に私が住みたくないから掃除したの!貴方のためじゃないんだからね!」
彼女は、隣室から苦情が来そうな大声で一気にまくし立てた。
コレクションのことも聞いてやろうかと思ったが、これ以上虐めるのは可愛そうだよな。
俺は、出来る限り優しい声でお礼をいう。
「ありがとう。」
「だ、だから貴方のタメじゃないんだからっ!!」
そういうと彼女は恥ずかしそうに消えてしまった。
アパートに帰ったのは22時を回ったころだった。
俺は民族学の教授が教えてくれた事を頭の中で反芻していた。
「濡れおなごは悪意から人を取り殺すんじゃないんだ。彼女達は取り憑く男を選ぶことが出来ない。
彼女達に取り憑かれた男の周りは常に、異常な湿気に覆われてしまう。それが―――現代でいうのならカビによる多彩な疾患を引き起こし、取り憑いた男を殺してしまうんだ。
彼女達も犠牲者なんだよ。妖怪だって、心は元の人間のままなんだ。一緒に過ごした相手が死んでしまう。それの繰り返しだ。」
そんなことを考えながら、俺は無造作にドアを開けた。
クリームシチューの良い香りが漂ってくる。
台所には、フランスパンとクリームシチューさらに簡単なサラダまで置いてあった。
そして、申し訳無さそうに彼女がこちらを見つめていた。
「ぱ・・・パン、私のせいでダメになっちゃったから・・・。私は湿気で貴方を殺すんだから!空腹で死なれちゃ困るのよ!!」
俺は無言で彼女を抱きしめていた。
「きゃ、な・・・何するのよ!」
「何も言わなくて良いよ。俺は絶対に死なないから・・・。大丈夫。」
「は?な、何言ってるのよ。私は貴方を取り殺すのよ?し、死んで貰わないと困るんだから!」
そう言う彼女の声は震えている。今にも泣き出しそうな。そんな弱い声だった。
「君は何度も男を殺したって言ってたよね。辛かったよね・・・。悲しかったんだよね。俺は死なない。君の悲しみの連鎖は俺が止める。だから、安心して。」
彼女の微かな嗚咽が聞こえてくる。
トントントントン。
包丁の心地よい音で俺は目覚めた。
台所では彼女が朝食を作ってくれているのだろう。
正直、俺たちがこの後、どんな運命を辿るのか分からない。
でも・・・あいつを悲しませたくない。
「ちょっと!早く起きなさいよ!!せっかくご飯作ったんだから、空腹で死なれちゃ困るって言ったでしょ!?」
(つづく)
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俺は酷く混乱していた。
なんで彼女がここにいる。それよりも、なんで濡れたままなんだ。
「君は濡れおなごなんだね?」
俺は自分の言葉に驚いた。なんで、こんな事を言ったのだろう。でも・・・
俺の想像は正しかった。
「そうよ。馬鹿な男。貴方は私に微笑み返した御陰で、死んでいくの。私なんかに笑顔を見せたこと。一生後悔して死んでいくの。」
彼女は、無表情のまま続ける。
「何人もの男が私に微笑み返した事を後悔して死んでいったわ。貴方もそうなるの!」
彼女の言葉には感情の色が無かった。
いや・・・俺には無理矢理感情を抑えつけているように聞こえた。
そして、先程から気になっていたことを訪ねることにした。
「この部屋を片づけてくれたの君なんだろ?」
まるで『ぼっ!』という音が聞こえてくると思ってしまうほど・・・
彼女の白い顔が真っ赤に染まった。
「な、なんで私が貴方の部屋を掃除しなきゃいけないのよ!?貴方って、じ、自意識過剰じゃないの?」
明らかに動揺している・・・。俺は面白くなって言葉を続ける。
「でもさぁ、この部屋、鍵掛かってたぜ?それに、合い鍵なんて作ってないし。おかしいんじゃない?」
長い沈黙の後。
「・・・・・したよ。」
今にも消えてしまいそうな小声だ。
「ん?聞こえないんだけど?」
「だから、掃除したよ!こんな汚い家じゃ私が居なくても病気になっちゃうし・・・じゃなくて!!こんな汚い家に私が住みたくないから掃除したの!貴方のためじゃないんだからね!」
彼女は、隣室から苦情が来そうな大声で一気にまくし立てた。
コレクションのことも聞いてやろうかと思ったが、これ以上虐めるのは可愛そうだよな。
俺は、出来る限り優しい声でお礼をいう。
「ありがとう。」
「だ、だから貴方のタメじゃないんだからっ!!」
そういうと彼女は恥ずかしそうに消えてしまった。
アパートに帰ったのは22時を回ったころだった。
俺は民族学の教授が教えてくれた事を頭の中で反芻していた。
「濡れおなごは悪意から人を取り殺すんじゃないんだ。彼女達は取り憑く男を選ぶことが出来ない。
彼女達に取り憑かれた男の周りは常に、異常な湿気に覆われてしまう。それが―――現代でいうのならカビによる多彩な疾患を引き起こし、取り憑いた男を殺してしまうんだ。
彼女達も犠牲者なんだよ。妖怪だって、心は元の人間のままなんだ。一緒に過ごした相手が死んでしまう。それの繰り返しだ。」
そんなことを考えながら、俺は無造作にドアを開けた。
クリームシチューの良い香りが漂ってくる。
台所には、フランスパンとクリームシチューさらに簡単なサラダまで置いてあった。
そして、申し訳無さそうに彼女がこちらを見つめていた。
「ぱ・・・パン、私のせいでダメになっちゃったから・・・。私は湿気で貴方を殺すんだから!空腹で死なれちゃ困るのよ!!」
俺は無言で彼女を抱きしめていた。
「きゃ、な・・・何するのよ!」
「何も言わなくて良いよ。俺は絶対に死なないから・・・。大丈夫。」
「は?な、何言ってるのよ。私は貴方を取り殺すのよ?し、死んで貰わないと困るんだから!」
そう言う彼女の声は震えている。今にも泣き出しそうな。そんな弱い声だった。
「君は何度も男を殺したって言ってたよね。辛かったよね・・・。悲しかったんだよね。俺は死なない。君の悲しみの連鎖は俺が止める。だから、安心して。」
彼女の微かな嗚咽が聞こえてくる。
トントントントン。
包丁の心地よい音で俺は目覚めた。
台所では彼女が朝食を作ってくれているのだろう。
正直、俺たちがこの後、どんな運命を辿るのか分からない。
でも・・・あいつを悲しませたくない。
「ちょっと!早く起きなさいよ!!せっかくご飯作ったんだから、空腹で死なれちゃ困るって言ったでしょ!?」
(つづく)
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Title : 無題
ぬーべーにもこんなバージョンの濡れ女の話あったな。
白 2009.12.21 (Mon) 15:32 編集
Re:無題
ぬーべーには結構いろんな妖怪が出てますからね。
2009.12.22 00:29
Title : 無題
なんか面白くなってきた( ̄∀ ̄)ww
ヒミコ 2009.12.21 (Mon) 18:49 編集
Re:無題
続きものは初の試みです。
展開もおもしろいですよね!
2009.12.22 00:30
Title : 無題
すごい妄想です。
違う意味で背中に悪寒が...(笑)
いつも朗らかに 2009.12.22 (Tue) 00:33 編集
Re:無題
いえいえ、こういう妄想力がそのうち文壇を支える…
かもしれません。
多分。
2009.12.23 15:46
Title : 無題
作者に彼女が居ないのは
間違いないですね('A`)
ま 2009.12.22 (Tue) 04:39 編集
Re:無題
彼女がいて、理想とのギャップにくじけた人かも…
2009.12.23 15:47
Title : 無題
ぬーべーのは男がすげぇ汚いオタクでしたよねwwww
私の周りにこういう妄想する奴が異常に多いです(^ω^)
鱒 2009.12.22 (Tue) 10:49 編集
Re:無題
妄想ですら自分がモテてるのを想像できない…
オワタ…
2009.12.23 15:48
Title : 無題
みなぎってきた!
ガッテン 2009.12.23 (Wed) 01:00 編集
Re:無題
どのヘンがみなぎってきたのかkwsk!
2009.12.23 15:52
Title : 無題
俺に早く続きを・・・・・・
マガンドルーズ 2009.12.23 (Wed) 14:55 編集
Re:無題
今回の更新で完結です!
お楽しみいただけましたか?
2009.12.23 16:00