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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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2024.11.23 (Sat) Category : 

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葬儀

2009.07.06 (Mon) Category : 誰も信じない人へ

昔、花屋に勤めていた。
大概の花屋は葬儀屋と提携していて、葬儀に生花を届け、終わると片づけに行く。
これと県内外から注文された花の配達と、他県への依頼を主な業務としている。
(一部と深夜営業店を除く)

ある日、前日飾った生花を片づけに行った。

その告別式をしている家の前には、小学生が大勢並んでいた。
(自宅でやっていた)その数50人前後。
不思議に思い葬儀屋の人に聞くと、仏様は12歳の女の子で、長い闘病生活の末、亡くなったらしい。
祭壇にかわいい女の子が笑っている遺影が飾られていた。

普段、葬式や告別式に仕事で出向いても何とも思わなかったが、(殆どお年寄りだし)幼い遺影やショックでほうけいる両親、すすり泣いている姉妹二人やおじいさん、顔をくしゃくしゃにして参拝する小学生達を見ていたら、涙がこみ上げてきた。

棺を火葬場へ運ぶ時間が来た。
庭から参拝者や小学生達が出ていく。

堰を切ったように棺にすがりつく遺族。

「○○ちゃん!」
名前を叫ぶ両親、泣きじゃくる姉妹、なぜかひたすら
「ごめんね!」
と、謝り続けるおじいさん。

「ハハ、あのじいさんが殺したのかな?」
葬儀屋の一人がつぶやく。
不謹慎に思い振り向くと、歯を食いしばって涙を堪えていた。
(当時その葬儀屋は、なぜか現場では泣いてはいけない事になっていた)

ふと隣を見ると、葬儀屋のIさんが青い顔をして固まっている。
「どーかしたんスか?」
話しかけると、Iさんは目線の先にアゴをしゃくった。
つられてそっちを見ると・・。

遺族が一人増えていた。

女の子が三人いる。
遺族がすがりつく棺の向こうに遺影の女の子が立っている。
声もなく顔をくしゃくしゃにして泣いていた。
足下の遺族の方を向いている。
泣きながら、謝り続けるおじいさんを見ているように思えた。

「・・・・。」
何が起こったのか理解できず、その子を見つめたまま身動きできなくなってしまった。
(金縛りでは無かったと思う)

その子は、何かもどかしそうに身をよじりながら左右に首を振っていた。
ふと、顔を上げ、Iさんと俺を見た。
「!」
どうしていいのか分からず、固まっていると悲しそうな顔で俺たちを見つめ、左右に大きく首を振るとフッと消えた。

棺と遺族が火葬場へ向かい、花や祭壇の後かたづけをしている時に周りに聞いてみたところ、その子を見たのは俺とIさんだけだったようだ。

Iさんは、たまにああいった物を見るらしい。
俺はそれまで見たことがなかっただけに、まだ震えていた。
Iさんは、
「あの子、じいさんに、悪いのはじいさんじゃないよとか言いたかったのかなぁ。」
と、言った。

 








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