ギャングの通過儀礼

　1993年ごろから、アメリカでは「ギャングの通過儀礼」を警告する内容の文章が、主にファックスやチェーンメールを通じて出回り始めた。この文章が警告する「通過儀礼」とは、ギャングの仲間入りを望む若者が深夜のハイウェイをヘッドライトを消した車で走り、最初にハイビームなどで警告してきた車の運転手を追いかけて殺害するというもので、入団のための儀式としてギャングたちの間で行われているのだという。ところが、実際にはこの話は1980年代ごろから語られ始めるようになったただの都市伝説であり、このような儀式を通過儀礼に採用しているギャングは存在しない。かつての都市伝説がファックスやチェーンメールという新たな手段を得て、再び広まりだしたというのがことの真相であるらしい。