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愛のメール
2007.09.30 (Sun) | Category : 都市伝説・チェーンメール
私の家にほど近い海岸で初めてその女の子と出会ったとき、彼女は6歳だった。私は、世界がよそよそしく感じられるようになり始めるといつでも、車で3、4マイル離れたこの海岸に来ることにしている。その子は砂の城のようなものを作っていて、こちらを見上げた瞳の色は、海と同じ青だった。
「こんにちは」と彼女がいう。
私はあいまいにうなづき返す。正直言って、子供にかかずらう気分ではない。
「工事中なの」と彼女はいう。
「そうみたいだね。なんなの、それ?」そう興味もなく、私はたずねる。
「私も知らないの。私、砂を触ってるのが好きなの」それはちょっといい感じに思えたので、私も靴を脱いではだしになった。シギが一羽、空を舞っている。
「あれは喜びよ」少女はそういった。
「なんだって?」
「喜び。ママがいってたの。シギは喜びを運んでくるんだって」
シギは砂浜に舞い降りた。喜びよ、さようなら、私は自分に向かってそうつぶやく、苦しみよこんにちは、そして歩きだした。私は打ちひしがれていた。私の人生は完全に平静さを失っているように思えていた。
「お名前をおしえて」少女はあきらめない。
「ロバートだよ。ロバート・ピーターソン」
「私はウェンディ、六才よ」
「じゃね、ウェンディ」
彼女はくすくす笑いながらいう。「あなたって、変」
そんな気分ではなかったが、私もつられて笑いだし、歩きつづけた。彼女の歌うような笑い声が追いかけてくる。
「また来てね、ピーターソンさん。また一緒に遊んでちょうだい」
続く日々は他人に属していた。ボーイスカウト、PTAの会合、そして病んだ私の母。太陽の輝くある朝、私は汚水溜めから手を取り出すことにした。シギを見たいな、私はそう自分につぶやき、コートを取り出した。
海岸の安らぎが私を待っていた。風は冷たかったが、私は歩き続け、景色を取り込もうとしていた。
「こんにちは、ピーターソンさん」あの娘がいう。「遊びに来たの?」
「君は何を企んでいるんだい?」私は少々わずらわしげに尋ねた。
「言ってること、わからないわ」
「ジェスチャーでもしてみようか?」皮肉っぽく言ってみる。
「歩きたいだけなんだ」
その子は、なんとなく顔色が悪かった。「どこに住んでいるの?」と私は尋ねた。
「あそこよ」彼女はコテージが集まっているあたりを指差した。
どうして?こんな冬に。「学校はどこにいってるの?」
「学校には行ってないの。ママがお休みでいいっていうから」
海岸をぶらつきながら、彼女は女の子ぽいおしゃべりをつづける。しかし私はほとんど聞いていなかった。私が帰ろうとすると、ウェンディはとっても楽しかったといった。私もちょっといい気分になって、そうだねと、彼女に微笑みかけた。
3週間後、私はほとんどパニック状態で海岸にいた。ウェンディと話をする気にもなれず、彼女の母親にウェンディを家に入れておいてくれと頼もうと思ったほどだ。ウェンディがやってきたとき、私は不機嫌な調子でいった。「お願いだ。今日は独りになりたいんだ」
「どうしたの?」彼女はひどく蒼ざめていて、息も切れている様子だった。
私は彼女に向き直り、叫んだ。「母が死んだんだ」、ああ、こんなこと、何で小さい子供に言っているんだろう。
彼女は静かに言った。「だから今日は悪い日なのね」
「そうだ」私は言った。「昨日も、その前の日も、みんなどこかへいってほしい」
「苦しんだの?」と彼女は尋ねる。
「何が苦しんだって?」私は彼女にも、自分にも腹を立てながら聞き返した。
「お母さんが死んだとき」
「苦しんだにきまってるだろ」私はそういい捨てると、そこから歩き去った。
一ヶ月ほどして、私はまた海岸に行った。ウェンディはいなかった。申し訳ないのと、恥ずかしい思いも重なり、彼女に会いたいと思った。私は彼女のコテージに向かって歩き、そのドアをノックした。蜂蜜色の髪の、疲れた感じの若い女性がドアを開いた。
「こんにちは、私はロバート・ピーターソンと申します。今日はお宅のお嬢さんと会えなくて、どこにいるのかなと思いまして」
「ピーターソンさん、どうぞお入りになって。あなたのことはウェンディから聞いていますわ。あの子があなたをわずらわせたのではないかと、気になっていたんです。迷惑だったなら、私から謝らせてください」
「そんなことありませんよ。ウェンディはとっても素晴らしい子でした」そういった時、私は突然自分の言葉の意味を悟った。
「ウェンディは先週亡くなりました。あの子は白血病だったんです。多分言わなかったでしょうけど」
息がつまり、私は椅子で身体を支えた。呼吸が戻ってくるまで、しばらくかかった。
「あの子はこの海岸が好きでした。ここに来たいといったとき、だめだと言えませんでした。ここだとあの子はとっても調子がいいように見え、とても幸せにすごせるといっていました。でも、ほんのちょっと前から急に悪くなって……」母親は口ごもった。「あの子があなたに渡してほしいといってたものがありますわ…。見つけてきますので、待っていてください」
母親に何か言わないといけないと心はあせったのだが、私はバカみたいにうなずくだけだった。母親は私に「ピーターソンさんへ」と子供らしい字でかかれた封筒を手渡した。中にはクレヨンで書かれた一枚の絵が入っていた。黄色い砂浜、青い海、茶色い鳥。その下にはこう書かれていた。あなたに喜びを運んでくれるシギ。
涙があふれ、愛をあらかた忘れかけていた心が開かれた思いがした。
私は母親の手をとり、「ごめんなさい」と何度もつぶやきながら、共に泣いた。
その貴重な絵は、今は額に入れられて私の机の前に置かれている。彼女の書いてくれた言葉は、彼女の短い人生そのものだ。それは私に調和と、勇気、無償の愛を呼びかけてくれる。海の色の瞳と砂色の髪をもった少女からの、愛という名の贈り物だ。
「こんにちは」と彼女がいう。
私はあいまいにうなづき返す。正直言って、子供にかかずらう気分ではない。
「工事中なの」と彼女はいう。
「そうみたいだね。なんなの、それ?」そう興味もなく、私はたずねる。
「私も知らないの。私、砂を触ってるのが好きなの」それはちょっといい感じに思えたので、私も靴を脱いではだしになった。シギが一羽、空を舞っている。
「あれは喜びよ」少女はそういった。
「なんだって?」
「喜び。ママがいってたの。シギは喜びを運んでくるんだって」
シギは砂浜に舞い降りた。喜びよ、さようなら、私は自分に向かってそうつぶやく、苦しみよこんにちは、そして歩きだした。私は打ちひしがれていた。私の人生は完全に平静さを失っているように思えていた。
「お名前をおしえて」少女はあきらめない。
「ロバートだよ。ロバート・ピーターソン」
「私はウェンディ、六才よ」
「じゃね、ウェンディ」
彼女はくすくす笑いながらいう。「あなたって、変」
そんな気分ではなかったが、私もつられて笑いだし、歩きつづけた。彼女の歌うような笑い声が追いかけてくる。
「また来てね、ピーターソンさん。また一緒に遊んでちょうだい」
続く日々は他人に属していた。ボーイスカウト、PTAの会合、そして病んだ私の母。太陽の輝くある朝、私は汚水溜めから手を取り出すことにした。シギを見たいな、私はそう自分につぶやき、コートを取り出した。
海岸の安らぎが私を待っていた。風は冷たかったが、私は歩き続け、景色を取り込もうとしていた。
「こんにちは、ピーターソンさん」あの娘がいう。「遊びに来たの?」
「君は何を企んでいるんだい?」私は少々わずらわしげに尋ねた。
「言ってること、わからないわ」
「ジェスチャーでもしてみようか?」皮肉っぽく言ってみる。
「歩きたいだけなんだ」
その子は、なんとなく顔色が悪かった。「どこに住んでいるの?」と私は尋ねた。
「あそこよ」彼女はコテージが集まっているあたりを指差した。
どうして?こんな冬に。「学校はどこにいってるの?」
「学校には行ってないの。ママがお休みでいいっていうから」
海岸をぶらつきながら、彼女は女の子ぽいおしゃべりをつづける。しかし私はほとんど聞いていなかった。私が帰ろうとすると、ウェンディはとっても楽しかったといった。私もちょっといい気分になって、そうだねと、彼女に微笑みかけた。
3週間後、私はほとんどパニック状態で海岸にいた。ウェンディと話をする気にもなれず、彼女の母親にウェンディを家に入れておいてくれと頼もうと思ったほどだ。ウェンディがやってきたとき、私は不機嫌な調子でいった。「お願いだ。今日は独りになりたいんだ」
「どうしたの?」彼女はひどく蒼ざめていて、息も切れている様子だった。
私は彼女に向き直り、叫んだ。「母が死んだんだ」、ああ、こんなこと、何で小さい子供に言っているんだろう。
彼女は静かに言った。「だから今日は悪い日なのね」
「そうだ」私は言った。「昨日も、その前の日も、みんなどこかへいってほしい」
「苦しんだの?」と彼女は尋ねる。
「何が苦しんだって?」私は彼女にも、自分にも腹を立てながら聞き返した。
「お母さんが死んだとき」
「苦しんだにきまってるだろ」私はそういい捨てると、そこから歩き去った。
一ヶ月ほどして、私はまた海岸に行った。ウェンディはいなかった。申し訳ないのと、恥ずかしい思いも重なり、彼女に会いたいと思った。私は彼女のコテージに向かって歩き、そのドアをノックした。蜂蜜色の髪の、疲れた感じの若い女性がドアを開いた。
「こんにちは、私はロバート・ピーターソンと申します。今日はお宅のお嬢さんと会えなくて、どこにいるのかなと思いまして」
「ピーターソンさん、どうぞお入りになって。あなたのことはウェンディから聞いていますわ。あの子があなたをわずらわせたのではないかと、気になっていたんです。迷惑だったなら、私から謝らせてください」
「そんなことありませんよ。ウェンディはとっても素晴らしい子でした」そういった時、私は突然自分の言葉の意味を悟った。
「ウェンディは先週亡くなりました。あの子は白血病だったんです。多分言わなかったでしょうけど」
息がつまり、私は椅子で身体を支えた。呼吸が戻ってくるまで、しばらくかかった。
「あの子はこの海岸が好きでした。ここに来たいといったとき、だめだと言えませんでした。ここだとあの子はとっても調子がいいように見え、とても幸せにすごせるといっていました。でも、ほんのちょっと前から急に悪くなって……」母親は口ごもった。「あの子があなたに渡してほしいといってたものがありますわ…。見つけてきますので、待っていてください」
母親に何か言わないといけないと心はあせったのだが、私はバカみたいにうなずくだけだった。母親は私に「ピーターソンさんへ」と子供らしい字でかかれた封筒を手渡した。中にはクレヨンで書かれた一枚の絵が入っていた。黄色い砂浜、青い海、茶色い鳥。その下にはこう書かれていた。あなたに喜びを運んでくれるシギ。
涙があふれ、愛をあらかた忘れかけていた心が開かれた思いがした。
私は母親の手をとり、「ごめんなさい」と何度もつぶやきながら、共に泣いた。
その貴重な絵は、今は額に入れられて私の机の前に置かれている。彼女の書いてくれた言葉は、彼女の短い人生そのものだ。それは私に調和と、勇気、無償の愛を呼びかけてくれる。海の色の瞳と砂色の髪をもった少女からの、愛という名の贈り物だ。
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Title : 無題
悲しい
悲しいです
NOMANE 2012.06.08 (Fri) 01:34 編集
Re:無題
正直こんなもん、チェンメで送りつけられてどうしろっていうんだ
2012.07.13 19:14