マニキュア

女性の旅行者が、アフリカのある国できれいな紫のマニキュアを見つけた。

早速店で売ってくれと頼むが、外国人には売らないという。

どうしてもそのマニキュアが欲しかった彼女は 万引きして日本に持ち帰った。
量に限りがある為、爪にそれを塗った彼女は夜寝る時も落とさずに過ごした。が、一週間ほどして異変に気づく。 爪が伸びてこなくなったのだ。

不審に思った彼女はマニキュアを落として卒倒する。 彼女の爪はどす黒く変色し、明らかに爪の内側が腐食していた。
 
じつは彼女が盗んだのはマニキュアではなく、現地の人間が指先から侵入する寄生虫を防ぐ劇薬だった。
 
現地の人たちも自らの爪を犠牲にして、致命的な毒虫や寄生虫から身を守っていたのだ。
彼女の手は今も付け爪が手放せない有様だという。