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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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2024.11.25 (Mon) Category : 

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もうひとつの声

2008.07.18 (Fri) Category : 誰も信じない人へ

高校で軽音楽部に所属していたときの、カセットテープが残っています。
 
文化祭でオリジナルソングを歌ったときのものですが、あまりの悲惨な結果のためすぐに聞く勇気はなかったので、部屋のラックの中に入れっぱなしのままでした。

聞いてみようと思ったのは、大学3年のときでした。そのときは山岳部に所属していました。
山小屋で皆に聞かせれば笑いの種にもなろうぞとテープを再生し、はじめて気づきました。
声が入っている。自分の声ではない。誰かが、何か言っている。
私は即座に停止ボタンを押した。歌っているときは夢中で、そんな声が入っていたかはわからない。しかし、あの中に盛り上がるような声はなかったはずなのです。

鳥肌がたった腕をさすりつつ、やっぱり話の種くらいにはなるだろうと、私はテープを上高地まで持って行きました。
仲間は5人。就職活動前の最後の登山でした。僕らの登山は名前ばかりで、ハイキング寄りと言った方がいいかもしれません。

山小屋まで移動するコースの途中で私たちは道を失いました。遭難しかけたのは短い間でした。
深い霧の中で、私たちは暖かくして岩と岩の間でじっとしていました。
山では年間何人もの人間が死にます。もしその数字に自分が数えられるたら、もし助かっても莫大なレスキュー費用が請求されたらどうしようと震えていました。

私が持ってきたデッキにはラジオがついていましたが、不鮮明な音が流れるだけでした。その時、仲間が私の持ってきたお化けテープを見つけ、
「気分が悪くなる。聞こう」
と言い出しました。明るくするどころか、さらに不幸な気分に貶めそうな内容なので止めようとしたのですが、
情けない文化祭の、本人以外には愉快この上ないテープと勘違いしだ彼らは制止を聞かずに再生してしまいました。

やはり、声が入っています。私は思わず耳をふさぎました。仲間がボリュームをあげます・・・・・・・

その数時間後、僕らは山小屋へ難なく到着しました。

今でも彼らに会うと、テープの話をされます。あの時、音量を上げたテープにはこう入っていました。

「がんばれ、がんばれ、」

僕に黙って文化祭のステージを見に来た母の声でした。
怖い話じゃない、と突っ込まれそうなので書いておきます。

母は僕が中学生の時に病気で死んでいるのです。








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