都市伝説・・・奇憚・・・blog
約束の運動会
2008.07.07 (Mon) | Category : 誰も信じない人へ
この時期になると思い出す、私の祖母の話です。
小学生の頃、両親は共働きで夜まで家には帰ってきません。
かわりに私の面倒をみてくれていたのが祖母でした。
私は温和で、優しい祖母が大好きで、両親に叱られたりした時は必ず
「ばあちゃ~ん(泣)」
と祖母に聞こえるように泣き、助けてもらったものでした。
そんな祖母に必ず見てもらいたかったのが運動会のかけっこ。
足だけは速かった私。
かけっこで一番をとって、祖母に
「すごいねぇ」
と言って貰うのが何よりうれしかったのです。
そして小4の運動会の日も
「絶対に見に来てよ!」
と念を押して私は出かけました。
競技が始まって、いつ祖母が来るかとキョロキョロ。しかし祖母はなかなか来ません。
結局、かけっこは始まってしまい、一番にはなったもののちっともうれしくありませんでした。
”嘘つき!かけっこには間に合うように応援に行くからねって言ったくせに!”とふてくされていると、先生が青い顔をして私の所にやってきました。
、、、事故でした。
この部分は思い出すのも辛く、詳しくは書きませんが祖母は亡くなりました。
朝、お弁当を持って応援に来ると笑っていた祖母はいなくなってしまったのです。
あの優しい言葉も、笑顔も、褒めてもらうことも、、もうないのだと、いつもとびこんでいたあの胸には、もうとびこむことが出来ないのだと、、
理解するまで何日も何日も泣きました。
次の年の運動会。
応援席には当然祖母の姿はなく両親だけが座っていました。
競技は進み、いよいよかけっこ。
私は一番でゴール。
ばあちゃんに見てもらいたかったな、、と振り返って応援席を見た瞬間、心臓が止まりそうになりました。
本当に一瞬でしたが、応援席に確かに祖母が立っていたのです。
その一瞬に聞きなれた祖母の声(声のような直接感じるような)もハッキリ聞こえました。
「ちゃんと見とったよ。」
と。
何が何だかわからないまま、祖母がいたはずの場所にすっとんで行きましたが祖母はもちろん、祖母に似た人すらいませんでした。
祖母は私の
「絶対に見に来てよ!」
の約束を守ってくれたのだと思います。
次の年、小学校最後の運動会も、もしかしたらまた祖母が、、とも思っていましたが見ることはありませんでした。
でも、ありがとう。
亡くなった後も見ていてくれるんだと思ったら、本当にうれしかったんだ。
この記事にコメントする