都市伝説・・・奇憚・・・blog
罪の意識
2008.05.10 (Sat) | Category : 誰も信じない人へ
小学校を卒業して中学にあがる直前の3月、祖母が亡くなった。
ボケてしまって親父(ばーちゃんの息子)以外の家族の顔も判別できず、ガキだったオレは正直疎ましく思う事もあった。
その日友達が家に遊びに来て、ファミコン(SFCニアラズ)で遊んでいるとき、飲み物がほしくなったので、弟に
「ばーちゃん出て行かへんように、ドアチェーンしときや」
と声を掛け(鍵は開けられるが、チェーンは外せなかった)、じゃんけんで負けたオレがコーラを買いに行った。
10分ほどで戻り、また友達と遊んでいるときにふと気がついた。
「あれ? ばーちゃんは?」
そう、オレが帰ったとき、チェーンがかかっていなかったのだ。
そのときに気付かなかったのを今でも悔やむ。
弟はチェーンを掛けたと言うので、ばーちゃん上手いこと外せたんだろう。
友達には事情を話して帰ってもらい、即両親の勤務先に電話を掛け、家族総出で探し回った。
夕方6時ごろだろうか、オレが探していたところでは全然見つからず、一旦家に帰ると、服に血のついた親父がいた。
「ばーちゃんは?」
「ケガしてるとこ見つけてな。今病院に運んだとこや」
「生きとるん?」
「…大丈夫や」
実はそのとき、ばーちゃんは大通りでバイクに轢き逃げされて既に死んでいたのだが、オレに負担を掛けない為のウソだったんだろう。
素直に信じて、その日はメシ食って風呂入って寝た。
翌日、病院でホントのことを知らされて、号泣した。
「あのときオレが目ぇ離さへんかったら…」
ばーちゃんの持っていた手提げかばんには、蓬の葉っぱが沢山入っていた。
蓬団子は、オレの好物で、ばーちゃんがまだボケてないころはよく作ってくれていた。
もうオレの顔もわからないほどボケていたのに…
数日は悪夢にうなされてよく眠れなかった。
そんなとき、夢に出てきたばーちゃんが
「お前は悪ないんやで」
と頭をなでてくれた。
それ以降、悪夢は見ていない。
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