都市伝説・・・奇憚・・・blog
名もない石碑
2008.03.11 (Tue) | Category : 誰も信じない人へ
先生から聞いた、先生の同級生のお話を一つ。
うちの学校には、名も無い石碑があります。
それは、病気で死んでしまった生徒の為に建てられた物だそうです。
彼は明るく融通が利き、その上勉強のよくできる、少し運動の苦手な小太りの男の子で、大変人気者でした。
ある日突然学校で倒れた彼は、ガンに侵されていました。
当初は、己の運命を呪い、見舞いに来る友人を妬み、両親に当り散らす生活だったそうです。
入院から一週間。彼の態度に嫌気の差した友人たちは、2~3度のお見舞いの後、来なくなっていました。
倒れてから一ヵ月後のある日、友人たちに会いたいと、彼からの連絡が入りました。
嫌々病室に向かう生徒達。病室に入ると、骨と皮だけになった、変わり果てた彼が居ました。
彼は皆にそれまでの態度を謝り、やっと静かな気持ちで運命を受け入れられたと話したそうです。
2時間程の楽しいお喋りの後、皆と別れる時
「生まれて来て良かった。楽しかった」
と言ったそうです。
次の日、登校した生徒達は先生から訃報を伝えられました。
彼の死から半年ほど経った頃、学校で幽霊の目撃談が噂されました。
放課後、死んだ男子生徒が教室の椅子に座っている。見た者は病気になると。
それを聞いた友人たちは
「アイツがそんな真似する筈が無い」
と烈火のごとく怒り、調査団を結成。
スポーツ少年団(任意の部活に近い物)の無い土曜日の午後。6人の男女が教室に残り、彼の出現を待ちます。
突然「ガラリ」と開いた教室の扉。そこには彼の両親が。合計8名が夜まで待つも、結局彼は現れませんでした。
ご両親は、迷ったと言う噂を否定しつつも、もし息子が出るならば、一目あって無念を聞いてやりたく思ったそうです。
彼はドラマを見てから、急に態度が変わりました。一人の建築家が病に倒れ死を前にして、
『私は、今まで全力で生きてきた。人生半ばで倒れる事に、未練はあるが、悔いはない』
といったのを聞いて、
「うん、僕も勉強も運動も遊びも一生懸命やっていたから・・・あれ以上頑張れない位やったから、死んじゃうのは、悲しくて辛いけれど、生まれてきてよかった」
と言ったそうです
この話をした後、先生は
「あの碑は、毎日を懸命に生きた事で幽霊になったりしなかった彼を称える碑なのだ」
そう、誇らしげに語りました。
幽霊は出てこないけれど、好きなお話だったのでココに書きました。
宿題も終わったので、寝ます。ではヽ(⌒ヮ⌒)ノ
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