天井から（２）

ある人物が、平長家のアパートに住む事になった。
その人は部屋に何と無く違和感を感じるが、引っ越して来たてなのでそんなものか、と思ってその日は過ごしてしまった。夜は、疲れていたのか、何時の間にか眠ってしまった。
翌日、部屋を整理していると何時の間にか、また夜だ。夕飯を食べて寝転がると天井の板の木目が非常に面白い。まるで人の様に見えたりする。
そうこうしているうちに眠くなって来たので電気を暗くして再び天井を眺めていると目が慣れて来たのか、木目も良く見える。ちょうど自分の正面の木は節穴が開いてある。
おや、さっきまで、木目があると思っていたが？……あ！
彼は、驚いて跳ね起きた。なんと穴の向うから誰かが見ていたのだ。
急いで友人に電話を掛けて、集まってもらい、押入れから天井の板を外して天井裏を覗いてみると。
そこには死体がごろりと転がっていた。偶然にも目が木の節穴にあっていたのであった。