都市伝説・・・奇憚・・・blog
幽霊指揮者
2008.03.04 (Tue) | Category : 都市伝説・考察・真相
あながち間違い、というわけでもない。
幽霊指揮者の発端といわれている人物として、アルフレッド・ショルツ(Alfred Scholz)がいる。彼は、ドイツの音楽プロデューサーである。彼はオーストリア放送の放送用録音を大量に買い取り、PILZというレーベルを設立して、自身が指揮したもの、あるいは架空の演奏家のものとして大量に売りさばいた。幽霊指揮者の演奏とされる音源の多くは、この流れを汲んでいるとされる。
これらの中に、ショルツ自身の演奏による録音が存在する可能性は否定できないが、概して演奏者データが信頼できないため、検証できない。
またPILZはその後倒産し、POINT、ONYX、MEDIAPHONなどに分化した。
以下は、前記の意味での「幽霊指揮者」の例である。
ヘンリー・アドルフ
ハーバット・ウィンクラー(Herbert Winklerで検索すると多数の検索結果がヒットするが、指揮者であるという情報なし。同名の企業は存在する)
ルドルフ・ウェレンスタイン
フィリップ・キングトン(18世紀のクリケット選手の名前を借りたものと思われる)
イゴール・ゴーゴリ
マルコ・ショルツ(上記のアルフレッド・ショルツからさらに派生したものと思われる)
ペーター・スターン(Peter Sternで検索すると多数の検索結果がヒットするが、アムステルダム交響楽団を指揮したとされる録音についてのもの以外の情報なし。また、経歴に関する情報全くなし。日本語サイトでは実在しないという情報のほうが優勢)
ユージン・ドゥヴィエ(Eugen Duvierで検索すると指揮者として多数の検索結果がヒットするが、経歴に関する情報全くなし。日本語サイトでは実在しないとする情報のほうが優勢)
ピエール・ナラー
アントン・ハリス
カルロ・パンテッリ(Carlo Pantelliで検索すると指揮者として多数の検索結果がヒットするが、経歴に関する情報全くなし。日本語サイトでは実在しないとする情報のほうが優勢)
ウラジミール・ペトロショフ(Vladimir Petroshoffで検索すると6件しかヒットせず、経歴に関する情報全くなし。日本語サイトでは実在しないとする情報のほうが優勢)
アルフレッド・ミューニ
マイケル・ラウチセン
ファーディナンド・ラン(Ferdinand Langで検索するとポーランド出身で第2次大戦期を生きた人物の記事がポーランド語版ウィキペディア内に存在する[1]が、別人。また、別のサイトでオーストリア帝国末期の作曲家との記載もあるが、年代が合わない。おそらく後者の名を借りたものと思われる)
アルベルト・リッツィオ(Alberto Rizzioで検索すると多数の検索結果がヒットするが、指揮者であるという情報なし。同名の写真家は存在する)
名前を騙られている指揮者など
廉価盤においては、実在する、知名度の高くない指揮者の名前を騙っているケースもある。
マールテン・クーイ(オランダの指揮者。マーティン・クーイと記載されていることが多い。本来は合唱指揮者のようだ)
ゾルタン・コヴァーチュ(ハンガリーの指揮者。ゾルタン・コバッツと記載されていることが多い)
フランツ・リヒター(オーストリアの指揮者。オーストリア放送響で指揮していた時期がある)
なお、CDに全く演奏者名が書かれていないものも存在する(幽霊オーケストラの記事参照)。
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