都市伝説・・・奇憚・・・blog
おじいちゃんのサンダル
2008.02.06 (Wed) | Category : 誰も信じない人へ
かなり長くなります、スミマセヌ(´・ω・`)
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うちの祖父は、結婚してから間もなく脳梗塞で倒れ、その後遺症で右半身が麻痺してしまいました。
祖父の若い頃の写真とはかけ離れた顔つきになり、頬はコケて目はくぼみ、恐ろしい形相。
小さな子が見たら思わず泣き出してしまいそうな顔でした。
よだれや鼻水、糞尿垂れ流し状態で家族の介護を受けていました。
私は子供心に「汚い」と思い、祖父との交流を避けがちでした。
こんな体になって何か楽しい事があるのだろうか?
いなくなってしまえばいいのに、とさえ思う事もありました。
体の不自由な祖父ですが散歩が大好きで、よく裏庭をゆっくり、ゆっくりと景色を眺めつつ歩いていた姿が胸に残っています。
よく足がもつれて転倒して怪我をしていましたが、それでも祖父は毎日裏庭を歩きました。
祖父の怪我を手当てする母の姿を見て、日を増すごとに祖父の存在が疎ましく思えたものです。
私は高校生になり、祖父は親戚の家に引き取られました。
鬱陶しかった祖父がいなくなり、私は内心喜んでいました。
---祖父が親戚に引き取られてから何ヶ月か経ち、夏になりました。
とても暑く寝苦しい夜、私は夢を見たのです。
なぜか『キィィィィィーーーーン…キィィィーーーン…』と、高い音が頭の中で響き、それに混じって鈴の音も聴こえました。
夢の中で私はベッドに寝ています。頭の中で何度も何度も鈴の音が響き、キィィーーンという音がぐるぐると回りました。
すると、ベッドの横で黒い影がムクッと起き上がりました。真っ黒で何も見えなかったけど、私はそれが祖父だと確信しました。
自分も起き上がろうとするけど、金縛りのように体がいう事をききません。
やっとの思いで、
「おじいちゃん……?」
と呼びかけました。
ここで目が覚めたのです。
夢と同じ風景、暗さ…。私はしばらく夢と現実の区別がつかず、ボーッとしていました。
その日の夜、親戚から祖父が脳梗塞が再発して倒れたと電話がありました。
母と病院に行くと、既に祖父は「脳死」の状態でした。
機械で呼吸をして、かすかに心臓が動いている状態。
まるで気持ち良さそうに眠っているかのような表情でした。
私は祖父の手を握り、
「おじいちゃん、おじいちゃん」
と呼びかけました。
しかしその声が祖父に届く事はありません。それから何日も、何日も、祖父の心臓は動き続けました。
病院から危篤状態だと連絡があり、何度も親戚が全員病室に集まりました。
しかしその度に祖父は持ち直し、それが何週間も続きました。
病室で母は涙を流しながら言っていました。
「はやくおじいちゃんを楽にさせてあげて…・」
と。
その翌日。母が玄関でなにやらゴソゴソとしていました。
聞くと、母も夢を見たそうです。
裏庭で悲しそうな顔をして佇む祖父。
「どうしたの?」
と聞くと、ぽつりと
「サンダルが無い。」
祖父の足元を見ると裸足だったそうです。
母が言うには、
「おじいちゃん裸足だから天国行けないんじゃないかな」
との事。。
大好きな散歩に出かける時にかならず履いていた物を、母は袋に入れました。
そのサンダルを病室に持って行った夜、祖父は静かに息を引き取りました。
葬儀の最中、祖父の安らかな顔を見て私の目からは涙が止まりませんでした。
どうしてもっと祖父と話さなかったんだろう、優しくしてあげなかったんだろう。
どうして真正面から向き合って接する事ができなかったんだろう。
もうおじいちゃんは戻って来ないのに。
なぜこんな大切な事がわからなかったんだろう。私は後悔でいっぱいでした。
それから5年経ち、私は1児の母親になりました。
もうすぐ3歳になる我が子を連れて、お墓参りに行こうと思います。
こんなに元気にやってるよ、孫もこんなに大きくなったよ、って。
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Title : 無題
こいつ最低最悪!!
糞だ!!
今度行きますじゃない!
3歳とかになる前にもっと早く行け!!
NONAME 2011.04.27 (Wed) 02:21 編集
Re:無題
そうですよねぇ。
今日にでも行けるんでしょうにね。
2011.04.29 18:30
Title : 無題
カスな見本が多いな…(-_-)死んでからしか気づかないて
あきてきた… 2015.10.03 (Sat) 18:20 編集
Re:無題
当事者だとわからないこともあるのかもね。
2015.10.05 15:49