都市伝説・・・奇憚・・・blog
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最初は物忘れ程度だったものの、そのうち明らかに言動がおかしくなってきた
2022.04.22 (Fri) | Category : とりあえず和みたい人へ
410:1/4:2007/07/05(木)03:47:37ID:ZLRMTVul0
俺の爺さんは十年ぐらい前に、痴呆症(今で言う認知症)ってヤツになったんだが、最初は物忘れ程度だったものの、そのうち明らかに言動がおかしくなってきた。
で、時々“自分は別の人間だと思い込んでしまう”症状が出始めた。
その“別の人間”ってのが、なんとあの江戸川乱歩の「怪人二十面相」だった。
爺さんは昔どっかの劇団に入ってて、二十面相の役を演じた事があったらしいが、医者が言うにはどうもその頃のイメージが強く出てしまった結果という話だった。
しかも爺さんは、親父=明智小五郎、俺=小林少年だと完全に思い込んで、何かにつけ俺と親父を相手に困ったイタズラを仕掛けるようになってしまった。
初めの頃は、俺を便所に閉じ込めて
「ははは、どうだね小林君」
とか言ってみたり、親父の腕時計をコッソリくすねて冷凍庫の中に隠しておいたり程度の話だったんで、まぁ困るっちゃ困るけど、俺も親父も爺さんを責めたりしないで適当にあしらってた。
いつも二十面相状態ってわけでもなかったし、また始まった~みたいな感じで。
でも、そうやって調子に乗らせてたのが今思えば良くなかったのかもしれない。
しばらくして、事件が起きた。
411:2/4:2007/07/05(木)03:48:43ID:ZLRMTVul0
その頃はもう朝のウンコ中に便所に閉じ込められる事は日常茶飯事だったから、いつものように
「参った二十面相!」
って呼びかければ開けてくれるはずだった。
しかし、その日は何度呼びかけても反応がなかった。
通常、ドアを爺さんが押さえて閉じ込められてたんで、思いっきり蹴る事もできず、俺はただ大声で
「参った!もう降参だよ!」
と叫び続けるだけだった。
すると外からゴソゴソと音がして、やっとドアが開いたと思ったら親父だった。
ドアの前に脚立が突っ張り棒みたいに仕掛けてあったそうだ。
親父はその日着て行くスーツが見当たらなくなったと方々探し回っていた。
そこへ突然、お袋の悲鳴が。
「キャー!泥棒ー!」
急いで台所へ駆け付けてみると、窓に男の足がぶら下がって見えたと言う。
どうやら、屋根の上に誰かが登って行った途中を目撃したようだった。
俺と親父はその瞬間ピンと来た。
「まさか、爺ちゃんじゃねーか?」
慌てて裏口へ出てみると、案の定それは屋根に登ろうとしている爺さんだった。
なぜか親父のスーツを着ている。おそらく親父に変装しているつもりなのだろう。
何か風呂敷包みを小脇に抱え、1階屋根から2階屋根へとさらに登ろうとしている。
俺達はもう青くなって、急いで2階へ駆け登り、部屋から屋根へと出てみた。
しかし、その時点でもうすでに爺さんは2階の屋根の上に登り切ってしまっていた。
焦る俺達を尻目に、爺さんはヨタヨタと立ち上がり、何か言い始めた。
「わはは、明智君に小林君、今頃気付いても遅いよ、これは確かに頂いたからな」
そう言った瞬間、爺さんの足がズルッと滑り、そのまま俺達の方へ転がって来た。
412:3/4:2007/07/05(木)03:49:45ID:ZLRMTVul0
ウワッ!と思ったがもう遅い。爺さんは俺達を巻き込んで1階の屋根の上に落下。
そのまま3人で屋根を転がり、その勢いで親父が弾き飛ばされた。
俺は何とか爺さんを食い止めようと思ったが、意外に勢いが強くて回転が止まらない。
アッと言う間に屋根の縁まで転がり、とうとう下に何もなくなってしまった。
俺はその瞬間
「死ぬ!」
ってマジで思った。だが同時に爺さんを守ろうとも考えた。
結果、俺は爺さんを抱くような形のまま、爺さんもろとも地面に落下。
爺さんは軽いかすり傷程度で済んだが、俺は腕を強く打ち骨を折るハメになった。
その後わかった事だが、爺さんが屋根の上で
「確かに頂いた」
と豪語していたのは、床の間に置いてあった北海道土産の木彫りの熊だった。
爺さんはその事件の衝撃のせいか、以来完全に二十面相と化してしまった。
言動もますますヤバく、また騒動起こされたらたまったもんじゃないって考えもあり、さらに爺さん自体にガンが発覚したので、それから入院生活を送る事になった。
入院後の爺さんは、見る見る内に弱っていった。
だが二十面相のプライドなのか、見舞いに行くといつも大げさな口ぶりだった。
それから3ヵ月の間、俺はいつも小林少年として爺さんと付き合うようにした。
413:4/4:2007/07/05(木)03:50:45ID:ZLRMTVul0
ある晩、容態が悪化したと連絡を受け、夜中に家族3人で病院へ駆け付けた。
爺さんは呼吸器のような物を付けられ、すでに意識朦朧とした状態だった。
俺が
「爺ちゃん!爺ちゃん!」
といくら呼びかけても、何の反応もなかった。
もうダメなんだ・・・と思った。
すると親父が何を思ったか、
「おい二十面相!情けないぞッ!」
と叫んだ。
俺はともかく親父は普段のらない人だったんで、ちょっとビックリした。
親父は泣きながら
「明智小五郎の勝ちでいいのかッ!いいのかッ!」
と叫ぶ。
俺もボロボロと涙を流しながら
「にじゅうめんそぉーーー!」
と一緒に叫んだ。
爺さんは意識を取り戻さないまま、それから30分後くらいに逝ってしまった。
だが、最後の最後で俺の頬を軽く撫でてくれた。
「明智のような名探偵になれよ、小林君!」
とでも言っているように思えた。
・・・・・
爺さんが亡くなってから、今まで霊感の無かった俺が幽霊を見るようになった。
ある時は若い男、ある時は年増女。最初は気付かないが、何となくカンでわかる。
すると霊はニヤッと笑って消えていく。
「よく気付いたね」
とでも言うかのように。
さすが変装の名人。怪人二十面相は懲りずにあの世で張り切ってるようだ。
414:本当にあった怖い名無し:2007/07/05(木)03:52:57ID:gfyOPSm0O
>>413
怖くはないが素敵な話だった、㌧
415:本当にあった怖い名無し:2007/07/05(木)04:00:33ID:lzz7lwFMO
>>413
フツーにいい話だった
オチの着きかたもいいね
416:本当にあった怖い名無し:2007/07/05(木)04:04:30ID:Ad8dzPpc0
>>413
イイハナシダナー。・゚・(ノД`)・゚・。
418:本当にあった怖い名無し:2007/07/05(木)09:44:56ID:1mXI16oS0
いい話か?w
419:本当にあった怖い名無し:2007/07/05(木)11:21:29ID:9zGRW0RrO
>>413
世にも奇妙で使えるぞそのエピソード!
420:本当にあった怖い名無し:2007/07/05(木)11:52:05ID:cAYsptlU0
二十面しかないんじゃ飽きも早いよね
421:本当にあった怖い名無し:2007/07/05(木)12:14:33ID:Mo9QyvHi0
>>420
後に百面相に進化している。
422:本当にあった怖い名無し:2007/07/05(木)12:24:17ID:/6WLcbME0
その前に、四十面相だろ。
424:本当にあった怖い名無し:2007/07/05(木)12:56:52ID:7vM3Ns+E0
つーか祖父ちゃん死んでからも呆けっぱなしかよw
死んだら馬鹿が直るってのは嘘っぽいな
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?168
https://hobby9.5ch.net/test/read.cgi/occult/1182759124/410-424
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俺の爺さんは十年ぐらい前に、痴呆症(今で言う認知症)ってヤツになったんだが、最初は物忘れ程度だったものの、そのうち明らかに言動がおかしくなってきた。
で、時々“自分は別の人間だと思い込んでしまう”症状が出始めた。
その“別の人間”ってのが、なんとあの江戸川乱歩の「怪人二十面相」だった。
爺さんは昔どっかの劇団に入ってて、二十面相の役を演じた事があったらしいが、医者が言うにはどうもその頃のイメージが強く出てしまった結果という話だった。
しかも爺さんは、親父=明智小五郎、俺=小林少年だと完全に思い込んで、何かにつけ俺と親父を相手に困ったイタズラを仕掛けるようになってしまった。
初めの頃は、俺を便所に閉じ込めて
「ははは、どうだね小林君」
とか言ってみたり、親父の腕時計をコッソリくすねて冷凍庫の中に隠しておいたり程度の話だったんで、まぁ困るっちゃ困るけど、俺も親父も爺さんを責めたりしないで適当にあしらってた。
いつも二十面相状態ってわけでもなかったし、また始まった~みたいな感じで。
でも、そうやって調子に乗らせてたのが今思えば良くなかったのかもしれない。
しばらくして、事件が起きた。
411:2/4:2007/07/05(木)03:48:43ID:ZLRMTVul0
その頃はもう朝のウンコ中に便所に閉じ込められる事は日常茶飯事だったから、いつものように
「参った二十面相!」
って呼びかければ開けてくれるはずだった。
しかし、その日は何度呼びかけても反応がなかった。
通常、ドアを爺さんが押さえて閉じ込められてたんで、思いっきり蹴る事もできず、俺はただ大声で
「参った!もう降参だよ!」
と叫び続けるだけだった。
すると外からゴソゴソと音がして、やっとドアが開いたと思ったら親父だった。
ドアの前に脚立が突っ張り棒みたいに仕掛けてあったそうだ。
親父はその日着て行くスーツが見当たらなくなったと方々探し回っていた。
そこへ突然、お袋の悲鳴が。
「キャー!泥棒ー!」
急いで台所へ駆け付けてみると、窓に男の足がぶら下がって見えたと言う。
どうやら、屋根の上に誰かが登って行った途中を目撃したようだった。
俺と親父はその瞬間ピンと来た。
「まさか、爺ちゃんじゃねーか?」
慌てて裏口へ出てみると、案の定それは屋根に登ろうとしている爺さんだった。
なぜか親父のスーツを着ている。おそらく親父に変装しているつもりなのだろう。
何か風呂敷包みを小脇に抱え、1階屋根から2階屋根へとさらに登ろうとしている。
俺達はもう青くなって、急いで2階へ駆け登り、部屋から屋根へと出てみた。
しかし、その時点でもうすでに爺さんは2階の屋根の上に登り切ってしまっていた。
焦る俺達を尻目に、爺さんはヨタヨタと立ち上がり、何か言い始めた。
「わはは、明智君に小林君、今頃気付いても遅いよ、これは確かに頂いたからな」
そう言った瞬間、爺さんの足がズルッと滑り、そのまま俺達の方へ転がって来た。
412:3/4:2007/07/05(木)03:49:45ID:ZLRMTVul0
ウワッ!と思ったがもう遅い。爺さんは俺達を巻き込んで1階の屋根の上に落下。
そのまま3人で屋根を転がり、その勢いで親父が弾き飛ばされた。
俺は何とか爺さんを食い止めようと思ったが、意外に勢いが強くて回転が止まらない。
アッと言う間に屋根の縁まで転がり、とうとう下に何もなくなってしまった。
俺はその瞬間
「死ぬ!」
ってマジで思った。だが同時に爺さんを守ろうとも考えた。
結果、俺は爺さんを抱くような形のまま、爺さんもろとも地面に落下。
爺さんは軽いかすり傷程度で済んだが、俺は腕を強く打ち骨を折るハメになった。
その後わかった事だが、爺さんが屋根の上で
「確かに頂いた」
と豪語していたのは、床の間に置いてあった北海道土産の木彫りの熊だった。
爺さんはその事件の衝撃のせいか、以来完全に二十面相と化してしまった。
言動もますますヤバく、また騒動起こされたらたまったもんじゃないって考えもあり、さらに爺さん自体にガンが発覚したので、それから入院生活を送る事になった。
入院後の爺さんは、見る見る内に弱っていった。
だが二十面相のプライドなのか、見舞いに行くといつも大げさな口ぶりだった。
それから3ヵ月の間、俺はいつも小林少年として爺さんと付き合うようにした。
413:4/4:2007/07/05(木)03:50:45ID:ZLRMTVul0
ある晩、容態が悪化したと連絡を受け、夜中に家族3人で病院へ駆け付けた。
爺さんは呼吸器のような物を付けられ、すでに意識朦朧とした状態だった。
俺が
「爺ちゃん!爺ちゃん!」
といくら呼びかけても、何の反応もなかった。
もうダメなんだ・・・と思った。
すると親父が何を思ったか、
「おい二十面相!情けないぞッ!」
と叫んだ。
俺はともかく親父は普段のらない人だったんで、ちょっとビックリした。
親父は泣きながら
「明智小五郎の勝ちでいいのかッ!いいのかッ!」
と叫ぶ。
俺もボロボロと涙を流しながら
「にじゅうめんそぉーーー!」
と一緒に叫んだ。
爺さんは意識を取り戻さないまま、それから30分後くらいに逝ってしまった。
だが、最後の最後で俺の頬を軽く撫でてくれた。
「明智のような名探偵になれよ、小林君!」
とでも言っているように思えた。
・・・・・
爺さんが亡くなってから、今まで霊感の無かった俺が幽霊を見るようになった。
ある時は若い男、ある時は年増女。最初は気付かないが、何となくカンでわかる。
すると霊はニヤッと笑って消えていく。
「よく気付いたね」
とでも言うかのように。
さすが変装の名人。怪人二十面相は懲りずにあの世で張り切ってるようだ。
414:本当にあった怖い名無し:2007/07/05(木)03:52:57ID:gfyOPSm0O
>>413
怖くはないが素敵な話だった、㌧
415:本当にあった怖い名無し:2007/07/05(木)04:00:33ID:lzz7lwFMO
>>413
フツーにいい話だった
オチの着きかたもいいね
416:本当にあった怖い名無し:2007/07/05(木)04:04:30ID:Ad8dzPpc0
>>413
イイハナシダナー。・゚・(ノД`)・゚・。
418:本当にあった怖い名無し:2007/07/05(木)09:44:56ID:1mXI16oS0
いい話か?w
419:本当にあった怖い名無し:2007/07/05(木)11:21:29ID:9zGRW0RrO
>>413
世にも奇妙で使えるぞそのエピソード!
420:本当にあった怖い名無し:2007/07/05(木)11:52:05ID:cAYsptlU0
二十面しかないんじゃ飽きも早いよね
421:本当にあった怖い名無し:2007/07/05(木)12:14:33ID:Mo9QyvHi0
>>420
後に百面相に進化している。
422:本当にあった怖い名無し:2007/07/05(木)12:24:17ID:/6WLcbME0
その前に、四十面相だろ。
424:本当にあった怖い名無し:2007/07/05(木)12:56:52ID:7vM3Ns+E0
つーか祖父ちゃん死んでからも呆けっぱなしかよw
死んだら馬鹿が直るってのは嘘っぽいな
引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?168
https://hobby9.5ch.net/test/read.cgi/occult/1182759124/410-424
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Title : 無題
小学校の図書館に置いてあったんだけど読まなかったんだよなぁ…表紙絵が怖くて…
でもズッコケ三人組の作者が怪人二十面相の愛読者で、それをモチーフにした巻があるから、なんとなーくは知ってる。
そして何故か二十面相じいちゃんが市村正親で再生された件。屋根の上のヴァイオリン弾きじゃねーよw
ドラスタ娘 2022.04.23 (Sat) 20:05 編集
Re:無題
情報量多いなwww
2022.04.23 21:35
Title : 無題
じつはじいちゃん、死ぬ直前普通に戻っていて、怪人二十面相とか叫ぶ息子(投稿者父)をみて、これはヤバイと思って反応しなかったのでは?と思ったら、幽霊になったあとも二十面相だったかー。
ネフェルタリ 2022.04.25 (Mon) 16:17 編集
Re:無題
じいちゃんは最後までじいちゃんなのだ!
2022.05.14 13:28
Title : 無題
1974年ころニッポン放送ラジオドラマで怪人二十面相やってた。
ジングル「あなた顔いくつ持ってます?内ヅラに外ヅラ、上司用に仕事用、奥さん用に子供用…この男、素顔はひとつ。仮面は悪徳の数だけ。人呼んで怪人二十面相」のあとに毎回違う小芝居「小林君、また僕の勝ちだね」「ふっぶっふっ二十面相君、僕は明智だ」「なんだと!」次いで本編
二十面相アラサーハンサム。シャカの手の内の孫悟空
明智小五郎70爺、身体はダメだが、ずる賢い
小林芳雄25歳、朴訥狂言回し
文代23歳、清楚外見のソフト露出趣味
といじり倒してあって面白かった。
砕天 2022.04.27 (Wed) 22:21 編集
Re:無題
知らないwww
1歳ww
2022.05.14 13:33