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【怖い話】逆地蔵
2022.01.16 (Sun) | Category : 創作作品
1:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:11:06.704ID:FCQKgHzU0
これは20年ほど前、私がまだ小学生だった頃の話です。
当時、私は人口が3000人もいない村に住んでいました。
2:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:11:31.587ID:FCQKgHzU0
自然が豊かなその村では、大きな商業施設こそありませんでしたが、両親がよく川へ釣りに連れて行ってくれたり、山でキャンプをしたり、毎日がとても充実していました。
その後大学進学のために上京しましたが、今でも私は実家のあるその村が大好きです。
3:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:11:56.117ID:FCQKgHzU0
ただ、当時私には一つだけ気がかりなことがありました。
それは、私の通学路に立っているお地蔵さんのことです。
5:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:12:11.867ID:FCQKgHzU0
皆さんも、道端にお地蔵さんが立っているところを見たことがあるかと思います。
花が供えられていたり、苔むしていたりしますが、基本的には道側を向いているものばかりですよね。
しかし、そのお地蔵さんは普通のお地蔵さんと違い、道側とは逆の方向、薄暗い林の方を向いていたのです。
6:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:12:56.261ID:FCQKgHzU0
それがどうも私には不気味に感じ、その「逆地蔵」の前を通る時にはできるだけそっちのほうを見ないように、通学しておりました。
8:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:13:13.083ID:FCQKgHzU0
ある日、私はなんでお地蔵さんが道端に立っているのか不思議に思い母に聞いたことがありました。
「お地蔵さんはね、悪いものが入ってこないように守るために置かれているのよ」
悪いものとはなんなのかが気になりましたが、何となく怖くなってそれ以上聞くのをやめてしまいました。
10:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:13:45.753ID:FCQKgHzU0
「ほら、新しい自転車だよ」
私は、それまで補助輪付きの小さな自転車に乗っていたのですが、学年が上がると同時に両親が新しい自転車を買ってくれたのです。
それが私にはとてもうれしくて、どこへでも行けるような気がして、普段いかない場所でも「探索」をするようになっていました。
その時の私はまるでRPGの主人公のような気持ちで、帰る道が分からなくなるかもしれないという恐怖も感じず、いろんな場所を巡っていました。
11:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:14:04.450ID:FCQKgHzU0
そして、その日もいつものように自転車でいつも行かない場所を探索していると、私の家の近くにある逆地蔵と同じように道側と逆側を向いているお地蔵さんを見つけました。
ちょうどそこは丘のふもとのような場所でそこから小さく私の家も見えました。
どうやらそのお地蔵さんは私の家の方角を向いているようです。
12:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:14:27.755ID:FCQKgHzU0
少し不気味に感じながらも、道沿いに自転車で漕いでいくとまた、逆地蔵が見つかりました。
どうやら逆地蔵は一つの場所を取り囲むように、私の通学路にあるものも含め四方にあり、同じ場所をみつめているようでした。
13:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:14:34.977ID:GyPza/Hv0
ほう
14:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:14:45.992ID:FCQKgHzU0
そのことがとても異様に感じられ恐怖を抱いた私は、その場から逃げるように私の家へと帰りました。
その日はお風呂に入るのも、夜眠るのもとても怖かったことをよく覚えています。
15:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:15:08.160ID:FCQKgHzU0
次の日、私は学校で昨日見た逆地蔵の話をしました。
「へえ、なんか面白そう」とA君
「なにがあるんかなあ」とB君
「お宝があったりして!」とCちゃん
そして、3人は
「その場所を探索しよう」
と言い始めました。
16:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:15:23.966ID:FCQKgHzU0
私は当初、乗り気ではなかったものの、何度か説得されたのと、好奇心には勝てずに、結局その場所まで案内をすることになりました。
17:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:15:58.781ID:FCQKgHzU0
B君「おーここかーたしかに逆向いとるなあ」
Cちゃん「ほんとやねーなんかこわい」
A君「地蔵がどこ向いてるのかたしかめようや」
18:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:16:10.590ID:FCQKgHzU0
私は怖くて一度は反対しましたが、結局はまた、好奇心には勝てずにA君についていき林の中を入っていきました。
20:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:16:50.836ID:FCQKgHzU0
30分ほどだったでしょうか。
しばらく林の中を歩いていくと、そこには小さな祠がありました。
その小さな祠は古びていて、随分と苔むしていたのですが、その中に丸くて野球ボールほどのきれいな石の玉が飾ってあります。
21:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:17:14.919ID:FCQKgHzU0
その時、A君が突然、
「記念に持って帰ろう」
と言い出しました。
23:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:17:30.539ID:FCQKgHzU0
何の記念なのだろうと思い、最初は冗談かと思っていたのですが、どうやら本気の様子です。
B君は我関せずといった感じでしたが、私とCちゃんはそのことに反対をしていました。
24:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:18:02.383ID:FCQKgHzU0
私「もとに戻したほうがいいって」
Cちゃん「持って帰るのはよくないんやない?」
私が反対していた理由は、当然、こういう物を勝手にとってはいけないという思いがあったのですが、それよりも、もしかしたら呪われてしまうのではないかという恐怖の気持ちからでした。
25:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:18:31.475ID:FCQKgHzU0
しかし、A君は私たちが反対しているのは意に返さずといった様子で、その玉をとると笑いながら今まで来た道を向き、走り出しました。
私たちはまるで鬼ごっこのようにA君を追いかけ走っていきます。
26:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:18:47.980ID:FCQKgHzU0
その後も、戻したほうがいいとA君に何度も言いましたが、よっぽど気に入ったのか、結局A君は、その玉を家に持って帰ってしまいました。
27:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:19:07.789ID:FCQKgHzU0
それから数日が経った頃のことです。
A君は学校からの帰り道、車に轢かれ亡くなってしまいました。
28:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:19:35.751ID:FCQKgHzU0
私はそれを次の日に先生から聞かされた時、
「A君は呪われてしまったのかもしれない」
と不謹慎にも思ってしまいました。
29:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:19:59.668ID:FCQKgHzU0
当然、A君がその玉を持って帰ったことと何の関係もなく、偶然に事故が起きてA君は亡くなってしまったのかもしれません。
30:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:20:11.258ID:FCQKgHzU0
それでも私は20年もたった今でも気になっていることがあります。
31:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:21:20.777ID:FCQKgHzU0
なぜ私の通学路にある逆地蔵がその日以来、私の家のほうを向くようになってしまったのかということを。
終わり
32:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:22:11.087ID:QPHkSkMS0
こわ
33:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:22:11.463ID:HjTU73Fgr
なんでお前の家見るようになったの?
35:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:22:30.122ID:/CC7sAYEp
>>33
次殺されるからやろ
36:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:23:31.782ID:Ei7qS/Wf0
オチがいいね
40:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:27:12.063ID:NXBIkyP0a
まあ【怖い話】だしホントにあったかどうかなんてどうでもいいよ
41:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:27:27.564ID:zzjIVTnK0
乙
面白かった
45:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:33:19.015ID:NleKd/vm0
こわいねなかなか
51:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:41:27.020ID:vEdf8uXH0
こういう「祟りじゃないかと思った」程度で終わるくらいが丁度いい
お堂の周りをクリーチャーが這い回るとかになるとただのアクションだもんな
7:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:13:04.750ID:EPuqnRk60
子供の頃お地蔵さんに小便かけて怒られたの思い出したわ
引用元:【怖い話】逆地蔵
https://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1640196666/
.
これは20年ほど前、私がまだ小学生だった頃の話です。
当時、私は人口が3000人もいない村に住んでいました。
2:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:11:31.587ID:FCQKgHzU0
自然が豊かなその村では、大きな商業施設こそありませんでしたが、両親がよく川へ釣りに連れて行ってくれたり、山でキャンプをしたり、毎日がとても充実していました。
その後大学進学のために上京しましたが、今でも私は実家のあるその村が大好きです。
3:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:11:56.117ID:FCQKgHzU0
ただ、当時私には一つだけ気がかりなことがありました。
それは、私の通学路に立っているお地蔵さんのことです。
5:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:12:11.867ID:FCQKgHzU0
皆さんも、道端にお地蔵さんが立っているところを見たことがあるかと思います。
花が供えられていたり、苔むしていたりしますが、基本的には道側を向いているものばかりですよね。
しかし、そのお地蔵さんは普通のお地蔵さんと違い、道側とは逆の方向、薄暗い林の方を向いていたのです。
6:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:12:56.261ID:FCQKgHzU0
それがどうも私には不気味に感じ、その「逆地蔵」の前を通る時にはできるだけそっちのほうを見ないように、通学しておりました。
8:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:13:13.083ID:FCQKgHzU0
ある日、私はなんでお地蔵さんが道端に立っているのか不思議に思い母に聞いたことがありました。
「お地蔵さんはね、悪いものが入ってこないように守るために置かれているのよ」
悪いものとはなんなのかが気になりましたが、何となく怖くなってそれ以上聞くのをやめてしまいました。
10:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:13:45.753ID:FCQKgHzU0
「ほら、新しい自転車だよ」
私は、それまで補助輪付きの小さな自転車に乗っていたのですが、学年が上がると同時に両親が新しい自転車を買ってくれたのです。
それが私にはとてもうれしくて、どこへでも行けるような気がして、普段いかない場所でも「探索」をするようになっていました。
その時の私はまるでRPGの主人公のような気持ちで、帰る道が分からなくなるかもしれないという恐怖も感じず、いろんな場所を巡っていました。
11:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:14:04.450ID:FCQKgHzU0
そして、その日もいつものように自転車でいつも行かない場所を探索していると、私の家の近くにある逆地蔵と同じように道側と逆側を向いているお地蔵さんを見つけました。
ちょうどそこは丘のふもとのような場所でそこから小さく私の家も見えました。
どうやらそのお地蔵さんは私の家の方角を向いているようです。
12:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:14:27.755ID:FCQKgHzU0
少し不気味に感じながらも、道沿いに自転車で漕いでいくとまた、逆地蔵が見つかりました。
どうやら逆地蔵は一つの場所を取り囲むように、私の通学路にあるものも含め四方にあり、同じ場所をみつめているようでした。
13:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:14:34.977ID:GyPza/Hv0
ほう
14:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:14:45.992ID:FCQKgHzU0
そのことがとても異様に感じられ恐怖を抱いた私は、その場から逃げるように私の家へと帰りました。
その日はお風呂に入るのも、夜眠るのもとても怖かったことをよく覚えています。
15:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:15:08.160ID:FCQKgHzU0
次の日、私は学校で昨日見た逆地蔵の話をしました。
「へえ、なんか面白そう」とA君
「なにがあるんかなあ」とB君
「お宝があったりして!」とCちゃん
そして、3人は
「その場所を探索しよう」
と言い始めました。
16:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:15:23.966ID:FCQKgHzU0
私は当初、乗り気ではなかったものの、何度か説得されたのと、好奇心には勝てずに、結局その場所まで案内をすることになりました。
17:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:15:58.781ID:FCQKgHzU0
B君「おーここかーたしかに逆向いとるなあ」
Cちゃん「ほんとやねーなんかこわい」
A君「地蔵がどこ向いてるのかたしかめようや」
18:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:16:10.590ID:FCQKgHzU0
私は怖くて一度は反対しましたが、結局はまた、好奇心には勝てずにA君についていき林の中を入っていきました。
20:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:16:50.836ID:FCQKgHzU0
30分ほどだったでしょうか。
しばらく林の中を歩いていくと、そこには小さな祠がありました。
その小さな祠は古びていて、随分と苔むしていたのですが、その中に丸くて野球ボールほどのきれいな石の玉が飾ってあります。
21:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:17:14.919ID:FCQKgHzU0
その時、A君が突然、
「記念に持って帰ろう」
と言い出しました。
23:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:17:30.539ID:FCQKgHzU0
何の記念なのだろうと思い、最初は冗談かと思っていたのですが、どうやら本気の様子です。
B君は我関せずといった感じでしたが、私とCちゃんはそのことに反対をしていました。
24:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:18:02.383ID:FCQKgHzU0
私「もとに戻したほうがいいって」
Cちゃん「持って帰るのはよくないんやない?」
私が反対していた理由は、当然、こういう物を勝手にとってはいけないという思いがあったのですが、それよりも、もしかしたら呪われてしまうのではないかという恐怖の気持ちからでした。
25:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:18:31.475ID:FCQKgHzU0
しかし、A君は私たちが反対しているのは意に返さずといった様子で、その玉をとると笑いながら今まで来た道を向き、走り出しました。
私たちはまるで鬼ごっこのようにA君を追いかけ走っていきます。
26:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:18:47.980ID:FCQKgHzU0
その後も、戻したほうがいいとA君に何度も言いましたが、よっぽど気に入ったのか、結局A君は、その玉を家に持って帰ってしまいました。
27:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:19:07.789ID:FCQKgHzU0
それから数日が経った頃のことです。
A君は学校からの帰り道、車に轢かれ亡くなってしまいました。
28:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:19:35.751ID:FCQKgHzU0
私はそれを次の日に先生から聞かされた時、
「A君は呪われてしまったのかもしれない」
と不謹慎にも思ってしまいました。
29:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:19:59.668ID:FCQKgHzU0
当然、A君がその玉を持って帰ったことと何の関係もなく、偶然に事故が起きてA君は亡くなってしまったのかもしれません。
30:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:20:11.258ID:FCQKgHzU0
それでも私は20年もたった今でも気になっていることがあります。
31:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:21:20.777ID:FCQKgHzU0
なぜ私の通学路にある逆地蔵がその日以来、私の家のほうを向くようになってしまったのかということを。
終わり
32:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:22:11.087ID:QPHkSkMS0
こわ
33:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:22:11.463ID:HjTU73Fgr
なんでお前の家見るようになったの?
35:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:22:30.122ID:/CC7sAYEp
>>33
次殺されるからやろ
36:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:23:31.782ID:Ei7qS/Wf0
オチがいいね
40:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:27:12.063ID:NXBIkyP0a
まあ【怖い話】だしホントにあったかどうかなんてどうでもいいよ
41:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:27:27.564ID:zzjIVTnK0
乙
面白かった
45:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:33:19.015ID:NleKd/vm0
こわいねなかなか
51:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:41:27.020ID:vEdf8uXH0
こういう「祟りじゃないかと思った」程度で終わるくらいが丁度いい
お堂の周りをクリーチャーが這い回るとかになるとただのアクションだもんな
7:以下、VIPがお送りします:2021/12/23(木)03:13:04.750ID:EPuqnRk60
子供の頃お地蔵さんに小便かけて怒られたの思い出したわ
引用元:【怖い話】逆地蔵
https://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1640196666/
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