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まとわりつくもの
2020.12.12 (Sat) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
今から二十五年ほど前、福岡県のS中学校に通っていたA子さんという女子生徒の話です。
その日の放課後、A子さんの所属する新聞部は、月に一回発行する学校新聞の最後の追い込みのために居残っていました。
季節は冬で、下校時間を過ぎた校舎の中は真っ暗です。
七時を過ぎた頃、教室に忘れ物をしたことを思い出したA子さんは、部員のみんなと顧問の先生に声をかけて部室を出ました。
新聞部の部室は一階の一番端にあり、A子さんの教室はちょうどその反対側、二階の一番奥です。
緑の非常灯のほかには明かりもない廊下を、A子さんは歌を口ずさみながら歩きます。
暗いといっても、歩きなれた廊下の様子はだいたいわかります。
机の中から忘れ物を見つけたA子さんは、そのまま部室に戻ろうと、長い廊下を戻りました。
その時、突然、廊下の先にあった非常灯の光が消えてしまい、あたりは真っ暗闇になりました。
「嫌だな」
と思いましたが、暗闇に目が慣れていたこともあり、なんとか廊下を歩くことは出来ます。
転ばないよう気をつけながら、ようやく廊下の端のあたりまで来たA子さんは、左に曲がって階段を下りようとしました。
ところが、階段がありません。
「えっ?」
とびっくりして、階段があると思った場所に触ってみると、そこにはただ壁があるだけです。
じっと前を見てみると、廊下がまだ続いていることにA子さんは気がつきました。
おかしい。ここはもう行き止まりで、左に階段があるはずなのに。
わけがわかりませんでしたが、それでも、自分の間違いかもしれないと思ったA子さんは、廊下を進んでみることにしました。今までの道のりを考えれば、もう少し歩けば階段があるかもしれない。
しかし、いくら歩いても廊下の奥にたどりつけません。
歩いても歩いても、まったく廊下の終わりが見えてこないのです。
そのうえ、歩いているうちに廊下が狭まってくるように感じました。
気のせいだと思おうとしますが、だんだんと、さっきまで歩いていた二階の廊下と違う場所にいるような気がして、A子さんは怖くなってきました。
「一体、どうなってるの」
震えながら立ち止まり、ふと左手をのばして壁に触ろうとすると、そこには何もありません。一瞬、ぎょっとしてA子さんがそちらを見ると、そこには階段がありました。
「ああ、良かった」
ホッとしたA子さんは階段を下り始めました。
階段を下りれば、すぐそこにある部室にたどりつけるはずです。
ところが、今度は階段が終わりません。
いくら下りてもいくら下りても、踊り場に着かないのです。
ほんの十数段のはずなのに、何十段もある階段を下っているようです。
ついにA子さんは恐ろしさに階段を下りることをやめ、その場に蹲ってしまいました。
その時、彼女は自分の足もとに、なにか動くものを見ました。
見ると、白くてふわふわしたものが、彼女の足首にまとわりついています。
「なんだろう?」
ゆらゆら漂うそれを、A子さんは霧みたいだと思いました。
しかし、ジッと見ているうちに、それが何かわかりました。
それは、手でした。
真っ白で細長く、骨がないようにくねくねと蠢くその白いものは、ちゃんと指が五本ある、人間の手の形をしていました。
それが霧みたいにゆらゆら、ふわふわと揺らめきながら、A子さんの足をつかもうと、彼女の両足にまとわりついていたのです。
「きゃあーっ!!」
あまりに不気味なものを見て、A子さんはたまらず悲鳴をあげました。
その後すぐ、A子さんの叫び声を聞いた先生と部員たちがそこに駆けつけてきた時、A子さんは階段の途中に、真っ青な顔でしゃがんでいました。
電気が点き、部員のみんなに声をかけられてA子さんが我に返った時、階段はいつもと同じに戻っており、いつまでも続く階段も、白い手もどこにもありませんでした。
後で、先生に聞いた話によると、その階段のあたりには幽霊がいて、人間を地獄に連れていこうとするという噂があったのです。
A子さんが迷いこんだ、終わらない廊下と階段はあの世への入り口だったのでしょうか。
それからまもなく、その階段はつくりかえられました。
(※トンカラリン助さんからの投稿です。ありがとうございました)
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その日の放課後、A子さんの所属する新聞部は、月に一回発行する学校新聞の最後の追い込みのために居残っていました。
季節は冬で、下校時間を過ぎた校舎の中は真っ暗です。
七時を過ぎた頃、教室に忘れ物をしたことを思い出したA子さんは、部員のみんなと顧問の先生に声をかけて部室を出ました。
新聞部の部室は一階の一番端にあり、A子さんの教室はちょうどその反対側、二階の一番奥です。
緑の非常灯のほかには明かりもない廊下を、A子さんは歌を口ずさみながら歩きます。
暗いといっても、歩きなれた廊下の様子はだいたいわかります。
机の中から忘れ物を見つけたA子さんは、そのまま部室に戻ろうと、長い廊下を戻りました。
その時、突然、廊下の先にあった非常灯の光が消えてしまい、あたりは真っ暗闇になりました。
「嫌だな」
と思いましたが、暗闇に目が慣れていたこともあり、なんとか廊下を歩くことは出来ます。
転ばないよう気をつけながら、ようやく廊下の端のあたりまで来たA子さんは、左に曲がって階段を下りようとしました。
ところが、階段がありません。
「えっ?」
とびっくりして、階段があると思った場所に触ってみると、そこにはただ壁があるだけです。
じっと前を見てみると、廊下がまだ続いていることにA子さんは気がつきました。
おかしい。ここはもう行き止まりで、左に階段があるはずなのに。
わけがわかりませんでしたが、それでも、自分の間違いかもしれないと思ったA子さんは、廊下を進んでみることにしました。今までの道のりを考えれば、もう少し歩けば階段があるかもしれない。
しかし、いくら歩いても廊下の奥にたどりつけません。
歩いても歩いても、まったく廊下の終わりが見えてこないのです。
そのうえ、歩いているうちに廊下が狭まってくるように感じました。
気のせいだと思おうとしますが、だんだんと、さっきまで歩いていた二階の廊下と違う場所にいるような気がして、A子さんは怖くなってきました。
「一体、どうなってるの」
震えながら立ち止まり、ふと左手をのばして壁に触ろうとすると、そこには何もありません。一瞬、ぎょっとしてA子さんがそちらを見ると、そこには階段がありました。
「ああ、良かった」
ホッとしたA子さんは階段を下り始めました。
階段を下りれば、すぐそこにある部室にたどりつけるはずです。
ところが、今度は階段が終わりません。
いくら下りてもいくら下りても、踊り場に着かないのです。
ほんの十数段のはずなのに、何十段もある階段を下っているようです。
ついにA子さんは恐ろしさに階段を下りることをやめ、その場に蹲ってしまいました。
その時、彼女は自分の足もとに、なにか動くものを見ました。
見ると、白くてふわふわしたものが、彼女の足首にまとわりついています。
「なんだろう?」
ゆらゆら漂うそれを、A子さんは霧みたいだと思いました。
しかし、ジッと見ているうちに、それが何かわかりました。
それは、手でした。
真っ白で細長く、骨がないようにくねくねと蠢くその白いものは、ちゃんと指が五本ある、人間の手の形をしていました。
それが霧みたいにゆらゆら、ふわふわと揺らめきながら、A子さんの足をつかもうと、彼女の両足にまとわりついていたのです。
「きゃあーっ!!」
あまりに不気味なものを見て、A子さんはたまらず悲鳴をあげました。
その後すぐ、A子さんの叫び声を聞いた先生と部員たちがそこに駆けつけてきた時、A子さんは階段の途中に、真っ青な顔でしゃがんでいました。
電気が点き、部員のみんなに声をかけられてA子さんが我に返った時、階段はいつもと同じに戻っており、いつまでも続く階段も、白い手もどこにもありませんでした。
後で、先生に聞いた話によると、その階段のあたりには幽霊がいて、人間を地獄に連れていこうとするという噂があったのです。
A子さんが迷いこんだ、終わらない廊下と階段はあの世への入り口だったのでしょうか。
それからまもなく、その階段はつくりかえられました。
(※トンカラリン助さんからの投稿です。ありがとうございました)
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