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エスカレーター
2007.12.06 (Thu) | Category : ホラー・怪奇現象・不思議現象
もうかなり前になるので時効だと思うが、同ネタガイシュツならスマソ。
私がビル警備員のバイトをしていた時の話です。
場所は都内のSデパートですが、当時でも既に一般的な設備は乏しく防火シャッターの開閉は勿論、エスカレーターやエレベーターの設定変更等も、中央管制で管理室から・・・という訳にはいかない処でした。
閉館になり、お客さんを導線に誘導し、Sデパート社員を無事に建物から追い出したら、店舗内の異常がないか確認をしながら巡回します。
そのデパートは、建物の構造上細長く、警備の巡回ルートもかなりの距離になります。
そのせいで、私がI号ES(エスカレーター)の前を巡回したのは、待機所に近いにも関わらず深夜1時頃でした。
モーターの動く音がするので、防火扉を開けて、中を覗いて見るとI号ESが起動している音でした。
私は管理室に無線で確認を取ると、メンテは入っていない、多分ES停止の担当者が停止し忘れたのだろう、とのことです。
ESの制動鍵は巡回者全員が所持しているのので、当然、ついでに止めておいて欲しいと連絡を受け、恐らく仮眠室で眠りについている担当者に悪態をつきながら、私はいつものように、鍵を差し込み、停止ボタンを押して、ESを停止・・・停止・・・しませんでした。
古い建物です、設備もがたがきていても不思議はありません。
そういえば、頻繁にI号ESはメンテをしています。
私は再び管理室に無線を入れました。
担当者は、したくても停止できなかったのではないのか、だとすると管理室に報告が入っているはずです。しかし、帰ってきた答えは、それならば、最初の連絡時に伝える、との事。そりゃそうです。
止まらないのなら、それは仕方のない事です、私は対応を尋ねました。
と、無線のノイズとは別に、なにやら異音が聞こえます。
からかっかっ・・・とクラッチを入れ損ねたような乾いた音。次いで、ごおん、ぐぎょぎょ・・・じゃり、じゃり・・・と濡れた砂利道を踏むような音がします。
私は、余りに場所にそぐわない突然のその音に、身動きが取れません。
後で考えると音の中に、「・・・て・・・て・・・な・・・」と声が聞こえたような気がします。
呆然と立ち尽くしていると、突然I号ESは停止しました。
しばらくして、正気に返った私は事の次第を、I号ESが怪音を発しながら停止した事を管理室に告げました。
すると、整備業者に連絡をとったので、いったん待機室に戻り、着き次第作業の立会いをするように言われました。最悪です。
1時間と待たずに業者は到着しました。
整備業者は、何も言わずI号ESに向かって行きます。
私は管理室から連絡を受けたのだろうと思い、慌てて後を付いて行く格好になりました。
I号ESに着くと、おもむろに業者は整備ハッチを開け、ESの下に潜っていきます。
私は、黙ってES室から離れた場所に立ち会っていると、ほんの10分もしない内にごうん、ヴィーンと音を立ててESは私に向かって登るように動き出しました。
しかしその後待てど暮らせど、業者が出てきません。
更に10分ぐらいすると、下の方から人影がESに乗って登って来るのが見えました。
私は、業者が下のハッチから出たのかと思い、
「ご苦労様です、早かったですね」
と声をかけました。しかし、確かに人影に見えたのに誰もいません。
只、空気が揺らいでESに人が乗っているかのように見えるだけです。
私は、突然全身を恐怖に襲われて、動く事が出来ません。
口をパクパク上下させるだけで、声も出ません。
10分ぐらい固まっていたでしょうか、突然無線から応答がありそれを合図に全身の緊張が解け、カラダが動くようになりました。
管理室からでした。
整備業者が到着したので、早く待機所に戻って来いと怒鳴っています。
え?・・・。
後で聞いた話によると、I号ESは、以前整備中にESが動いて、ベルト(足を乗せるところ)巻き込まれて死んだ人がいるそうです。
その後も、1人同じように亡くなり、事故が絶えないESだそうで、整備業者の人も、作業を嫌がっていました。
時給は良かったのですが、これ以外のことも起き、私はこの仕事を早々に辞めました。
拙い文章ですまない。
私がビル警備員のバイトをしていた時の話です。
場所は都内のSデパートですが、当時でも既に一般的な設備は乏しく防火シャッターの開閉は勿論、エスカレーターやエレベーターの設定変更等も、中央管制で管理室から・・・という訳にはいかない処でした。
閉館になり、お客さんを導線に誘導し、Sデパート社員を無事に建物から追い出したら、店舗内の異常がないか確認をしながら巡回します。
そのデパートは、建物の構造上細長く、警備の巡回ルートもかなりの距離になります。
そのせいで、私がI号ES(エスカレーター)の前を巡回したのは、待機所に近いにも関わらず深夜1時頃でした。
モーターの動く音がするので、防火扉を開けて、中を覗いて見るとI号ESが起動している音でした。
私は管理室に無線で確認を取ると、メンテは入っていない、多分ES停止の担当者が停止し忘れたのだろう、とのことです。
ESの制動鍵は巡回者全員が所持しているのので、当然、ついでに止めておいて欲しいと連絡を受け、恐らく仮眠室で眠りについている担当者に悪態をつきながら、私はいつものように、鍵を差し込み、停止ボタンを押して、ESを停止・・・停止・・・しませんでした。
古い建物です、設備もがたがきていても不思議はありません。
そういえば、頻繁にI号ESはメンテをしています。
私は再び管理室に無線を入れました。
担当者は、したくても停止できなかったのではないのか、だとすると管理室に報告が入っているはずです。しかし、帰ってきた答えは、それならば、最初の連絡時に伝える、との事。そりゃそうです。
止まらないのなら、それは仕方のない事です、私は対応を尋ねました。
と、無線のノイズとは別に、なにやら異音が聞こえます。
からかっかっ・・・とクラッチを入れ損ねたような乾いた音。次いで、ごおん、ぐぎょぎょ・・・じゃり、じゃり・・・と濡れた砂利道を踏むような音がします。
私は、余りに場所にそぐわない突然のその音に、身動きが取れません。
後で考えると音の中に、「・・・て・・・て・・・な・・・」と声が聞こえたような気がします。
呆然と立ち尽くしていると、突然I号ESは停止しました。
しばらくして、正気に返った私は事の次第を、I号ESが怪音を発しながら停止した事を管理室に告げました。
すると、整備業者に連絡をとったので、いったん待機室に戻り、着き次第作業の立会いをするように言われました。最悪です。
1時間と待たずに業者は到着しました。
整備業者は、何も言わずI号ESに向かって行きます。
私は管理室から連絡を受けたのだろうと思い、慌てて後を付いて行く格好になりました。
I号ESに着くと、おもむろに業者は整備ハッチを開け、ESの下に潜っていきます。
私は、黙ってES室から離れた場所に立ち会っていると、ほんの10分もしない内にごうん、ヴィーンと音を立ててESは私に向かって登るように動き出しました。
しかしその後待てど暮らせど、業者が出てきません。
更に10分ぐらいすると、下の方から人影がESに乗って登って来るのが見えました。
私は、業者が下のハッチから出たのかと思い、
「ご苦労様です、早かったですね」
と声をかけました。しかし、確かに人影に見えたのに誰もいません。
只、空気が揺らいでESに人が乗っているかのように見えるだけです。
私は、突然全身を恐怖に襲われて、動く事が出来ません。
口をパクパク上下させるだけで、声も出ません。
10分ぐらい固まっていたでしょうか、突然無線から応答がありそれを合図に全身の緊張が解け、カラダが動くようになりました。
管理室からでした。
整備業者が到着したので、早く待機所に戻って来いと怒鳴っています。
え?・・・。
後で聞いた話によると、I号ESは、以前整備中にESが動いて、ベルト(足を乗せるところ)巻き込まれて死んだ人がいるそうです。
その後も、1人同じように亡くなり、事故が絶えないESだそうで、整備業者の人も、作業を嫌がっていました。
時給は良かったのですが、これ以外のことも起き、私はこの仕事を早々に辞めました。
拙い文章ですまない。
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