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都市伝説・・・奇憚・・・blog

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2024.11.24 (Sun) Category : 

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夢か現か幻か

2020.01.11 (Sat) Category : ミステリー・不思議な話

328:本当にあった怖い名無し:2007/04/13(金)13:44:05ID:+oUyZ4zMO
大学生になり初めて一人暮らしをする事になったTはある日自転車で自分がこれから四年間過ごす街を散策してみようと思った。
初めての街で何処に何があるか分からなかったし、知らない街をぶらぶらするのは元々好きだったからだ。
昼過ぎにアパートを出て途中喫茶店等で休みながら色々な場所を巡った。

そろそろ日も暮れかけた頃街外れの坂道を登った丘の上に廃墟があるのを見つけた。
立ち入り禁止と書いてあったが好奇心旺盛なTは中に入ってみたくなった。
しかしまだ夕暮れ時で、たまにだが廃墟の前の道を車が通る事もあり人に見られない為にもTは一度アパートに戻り夜再び来る事にした。



331:本当にあった怖い名無し:2007/04/13(金)14:04:30ID:+oUyZ4zMO
アパートに戻り夕飯を終えたTは夜九時頃懐中電灯を持って家を出た。
廃墟の前まで来たTは自転車を少し離れた場所に隠し廃墟の中に入っていった。
廃墟の中は荒れ放題であちこちに落書きが描かれていた。
廃墟は二階建てでかなり広く造りから診てどうやら旅館か何かだったらしい。

二階に上がったTがあちこち調べていると、遠くから車の近づいて来る音が聴こえた。
しかも何やら騒がしいドンドンといったDQN特有の音楽を響かせている。
Tは焦った。
こんな丘の上にDQNが来る様な場所は他に無いしあちこちに落書きがあったのを見てもここに向かっているのではないか?

しかし車は予想以上に速く廃墟に近づいて来ており今廃墟から出たらDQNとの鉢合わせは避けられない。
Tは慌てて懐中電灯のスイッチを切り二階の一番奥の部屋に隠れた。



332:本当にあった怖い名無し:2007/04/13(金)14:23:00ID:+oUyZ4zMO
それでもTは何とかDQNが廃墟に来ませんようにと祈ってたが、祈りも虚しく廃墟の前でDQN車のエンジン音は停まり何やら数人の騒がしい声が屋外から屋内へと侵入してきた。
Tはひょっとして懐中電灯の灯りがDQNに見られたかもと、ドキドキしていたがDQN達は二階に上がってくる様子は無く下で盛り上がっている。

とりあえず自分の存在を知られていない事にホッとしたTは携帯をマナーモードに切り替えるついでに時刻をみた。10時28分。
一体DQN達は何時頃まで居るつもりだろうか?
こんな所に来なければ良かった…DQN共早く帰りやがれ…頼むから二階には来ないでくれよ…
色々な思いが交錯する中Tにとっては恐ろしく長い永遠とも想われる時が流れた。



340:本当にあった怖い名無し:2007/04/13(金)14:57:35ID:+oUyZ4zMO
下ではまだDQN達が何やら騒いでいる。うんざりしつつ携帯で時刻を見ると11時47分。DQN達が来て一時間以上経っていた。
と、その時恐れていた事態が起こった。
DQN達が二階に上がってきたのだ。
DQN達はTが隠れている奥の部屋へと真っ直ぐ向かってくる。

Tは自分の存在が知れたのかと生きた心地がしなかったがDQN達はTが隠れている向かいの広い部屋に入っていった。
一瞬ホッとしたがTが隠れている部屋にもDQN達が入っていった部屋にもドアなど無いため下手に動いたり、DQN達に部屋を覗かれでもしたら一発で見つかってしまう。
Tは部屋の隅に踞ったままひたすらDQN達が帰ってくれるのを願った。

その部屋でDQN達はまたしばらく下らない話で盛り上がっていたが突然一人の男が大声をあげた。
Tは自分が見つかったのかとドキッとしたがそうではなくどうやらDQN同士の口論が始まったらしい。



376:本当にあった怖い名無し:2007/04/13(金)22:16:38ID:+oUyZ4zMO
口論は益々激しくなりどうしても気になったTは壁から顔だけだしそっと覗いてみた。
男達は全員で五人おり、四人が一人の男を取り囲む様にしている。何か仲間内で揉め事でも起きたのだろうか?
それとも元々一人は仲間では無いのだろうか?

窓からの僅かな明かりとDQNが床に置いている懐中電灯でシルエットと足元は見える。
その内に四人と相手の男と揉み合いになった。呻き声が聴こえた、その時懐中電灯で照らされた男達の足元にポタポタと液体が落ちてきた。

四人の内の誰かが懐中電灯を拾い上げたのか、灯りが責められていた相手の全身を映し出した。
その腹にはナイフが深々と柄まで刺さっていた。そのまま刺された男はその場に崩れ落ちた。



378:本当にあった怖い名無し:2007/04/13(金)22:33:27ID:+oUyZ4zMO
それを見た瞬間恐怖が頂点に達したTは隠れてた部屋から廊下に飛び出し、階下へ逃げ出した。
ともかくこの場を逃れたい気持ちで一杯だった。男達はしばらく追って来なかった。
まさか人がいるなど思いもよらず呆気にとられたのだろうか?
しかし間もなく数人が追いかけてくる足音が聞こえた。

廃墟から出たTは無我夢中で一目散に坂道を降った。
隠してた場所まで自転車を取りにいく余裕はなかった。
Tが逃げながら後ろを見ると男達が車に乗り込もうとしていた。
Tは懸命に走った。が車は猛烈なスピードで追ってくる。このままだと跳ねられる。
そう感じたTは咄嗟に道路脇の草むらに飛び込んだ。

目標を失った車は猛スピードのまま崖下へ転落していった。
Tは助かったという安堵と四人が自分のせいで死んだ?という混乱状態に陥ったがともかく一刻も早くその場を離れ様と自転車を隠してた場所まで戻り自転車に乗りその場を離れた。



381:本当にあった怖い名無し:2007/04/13(金)22:42:38ID:+oUyZ4zMO
アパートに戻ったTは警察に通報すべきか迷ったが自分が四人を殺した様な気分になり又責任を追及される事を恐れ何も見なかった事にしようと決めた。
Tはいつあの事が新聞やテレビで報道されるかビクビクしていたが何日経ってもそれらしいニュースは何も報道されなかった。
とうとう我慢出来なくなったTは昼間に現場に行ってみる事にした。

しかし車が落ちた坂道にも人が刺された廃墟にもそれらしき痕跡は何も見つからなかった。
一体あの出来事は夢だったのか、現実だったのか?Tの中でその答えは未だにでていない。




引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?163
https://hobby9.5ch.net/test/read.cgi/occult/1176043762/328-381




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